白頭山



































白頭山(長白山)

Baitou Mountain Tianchi.jpg
白頭山(長白山)頂上に広がるカルデラ湖、天池
標高
2,744 m
所在地
朝鮮民主主義人民共和国の旗 朝鮮民主主義人民共和国両江道
中華人民共和国の旗 中華人民共和国吉林省
位置
北緯41度60分 東経128度05分座標: 北緯41度60分 東経128度05分
種類
火山
初登頂
-


白頭山の位置

白頭山の位置

白頭山




Project.svg プロジェクト 山
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朝鮮語表記
各種表記

ハングル:

백두산

漢字:

白頭山

発音:

ペクトゥサン

日本語読み:

はくとうさん

ローマ字:

Paektu-san(MR式)
Baekdu-san(2000年式)

英語表記:

Paektu Mountain
Mount Paektu
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中国語表記
各種表記

繁体字:

長白山

簡体字:

长白山

拼音

Chángbáishān

注音符号:

ㄔㄤˊㄅㄞˊ ㄕㄢ
発音:
チャンパイシャン

日本語読み:

ちょうはくさん

英文:

Changbai Mountain
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白頭山(はくとうさん、朝鮮語: 백두산 ペクトゥサン、簡体字: 白头山)は、中華人民共和国(中国)吉林省と朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)両江道の国境地帯にある標高2,744mの火山。別名、長白山(ちょうはくさん、簡体字: 长白山 チャンパイシャン)。




目次






  • 1 名称


    • 1.1 呼称問題




  • 2 地質学的特徴


    • 2.1 気候


    • 2.2 火山活動


      • 2.2.1 10世紀の活動


      • 2.2.2 2000年以降の活動






  • 3 歴史


    • 3.1 白頭山信仰


    • 3.2 近代




  • 4 領有問題


  • 5 観光


  • 6 スポーツ


  • 7 日本の気候への影響


  • 8 その他


  • 9 ギャラリー


  • 10 脚注


  • 11 関連項目


  • 12 外部リンク





名称


中国吉林省と北朝鮮両江道の国境地帯にあるこの山は、古くは「不咸山」「白山」「太白山」と呼ばれた[要出典]。このうち「白山」「太白山」は中国でも朝鮮でも後世までこの山の別名としても使われた。李氏朝鮮の時代には「太白山」と呼んでいた。白頭山という名称の起源は不明である。


満州民族の満州語ではゴルミン・シャンギャン・アリン(満州文字:.mw-parser-output .font-mong{font-family:"Menk Hawang Tig","Menk Qagan Tig","Menk Garqag Tig","Menk Har_a Tig","Menk Scnin Tig","Oyun Gurban Ulus Tig","Oyun Qagan Tig","Oyun Garqag Tig","Oyun Har_a Tig","Oyun Scnin Tig","Oyun Agula Tig","Mongolian BT","Mongolian Baiti","Mongolian Universal White","Noto Sans Mongolian","Mongol Usug","Mongolian White","MongolianScript","Code2000","Menksoft Qagan"}.mw-parser-output .font-mong-mnc,.mw-parser-output .font-mong:lang(mnc-Mong),.mw-parser-output .font-mong:lang(dta-Mong),.mw-parser-output .font-mong:lang(sjo-Mong){font-family:"Abkai Xanyan","Abkai Xanyan LA","Abkai Xanyan VT","Abkai Xanyan XX","Abkai Xanyan SC","Abkai Buleku","Daicing White","Mongolian BT","Mongolian Baiti","Mongolian Universal White","Noto Sans Mongolian"}ᡤᠣᠯᠮᡳᠨ
ᡧᠠᠩᡤᡳᠶᠠᠨ
ᠠᠯᡳᠨ
 転写:golmin šanggiyan alin、音写:果勒敏珊延阿林、意は「どこまでも白い山」)と金の時代より使われ始めた。
清朝では長白山(ちょうはくさん。中国語: 簡体字: 长白山; 繁体字: 長白山、チャンパイシャン、Chángbáishān)と漢訳され定着している。




山の語源




呼称問題


現在も実効支配の領土地域ではないが、韓国は「長白山」呼称は中国による侵略の残滓であるとして国際的な呼称問題運動を展開して摩擦を起こしてきた[1](また領有権について歴史認識問題も発生している〈#領有問題〉)。その結果、近年では「長白山」より「白頭山」の名称が先に記述されたり、世界各国でアルファベット表記のPaektu(-san)、Baekdu(-san)が採用されるにいたって、後手にまわった中国で反発の声があがり、「長白山」の名称を積極的に使うように各地で巻き返し運動が展開されている[2]



地質学的特徴




地形図


山の中央部は、地下のマグマの上昇圧力により、毎年3mmずつ上昇を続けている。また、黒曜石の産地でもあり、朝鮮半島北部の旧石器時代から新石器時代の遺跡で出土する石器に用いられる黒曜石の産地は白頭山であることが多く、既に黒曜石を介した交易が存在したとされている。


なお、海溝の沈み込み帯から離れ過ぎた位置に存在している火山のためマグマの成因が不明であったが、2009年9月から3年間かけた地球深部の三次元構造調査・研究の結果、中国北東部(白頭山)の地下に沈み込んでいる太平洋プレートのマントル遷移層スタグナントスラブに、大きな穴が空いていることが発見され、穴と白頭山の成因に関連性があると考えられている[3]


天池



冬の山頂の天池





長白瀑布


頂上には天池(ティエンチ)と呼ばれるカルデラ湖がある。満州を潤す松花江、および中国と北朝鮮の国境である鴨緑江・豆満江はこの山を源と発している。天池は周囲12kmから14kmで水深の平均は213m、一番深い部分は384mとなっている。10月中旬から6月中旬までは天池は氷に覆われる。


天池の周りは2,500mを超す16つの峰が取り囲んでいる。その最高峰は将軍峰であり一年の8ヶ月は雪に覆われている。


天池から北に出る川があり、出てすぐのところで落差70mの滝長白瀑布を形成している。


山麓



長白山の北麓


山麓は、朝鮮側は朝鮮半島の摩天嶺山脈などの高原地帯、中国側はなだらかな傾斜が東北平原まで続く。中国側の山麓では、朝鮮人参の中国版とも言える長白山人参(又は中国産朝鮮人参)が栽培され、日本などに輸出されている。この他、中国側では様々な薬草が栽培されている。


ヨーロッパクサリヘビの隔離された個体群が細々と生息している。



気候


白頭山の気候は非常に移り気である。山頂の年平均気温は摂氏マイナス8.3度である。夏の間は18度に届く時もあるが、厳冬期はマイナス48度にまで下がる時がある。1月の平均気温はマイナス24度、7月の平均気温は10度であり、一年のうち8ヶ月は気温はマイナスにまで下がる。山頂の平均風速は秒速11.7m、12月には平均で秒速17.6mの強風となる。平均湿度は74%。



火山活動


近代的な火山研究が始まったのは1900年代以降で活動歴の解明は進んでおらず、研究者により様々な年代の噴火説が出されている。周辺国の歴史記録書に白頭山の火山活動を示唆する記述がある[4]




  • 日本紀略によれば、893年。


  • 三国史記によれば、917年。


  • 李氏朝鮮時代の『朝鮮王朝実録』には、1413年、1597年、1668年に火山活動があったと解釈出来る記述があるが、実際に噴火したのは、1597年と1702年であるとする説もある[4]

  • 1597年10月6日から8日にかけての噴火では、噴火に伴い発生した地震の震動がソウルでも感じられた[5]



10世紀の活動


白頭山は約1万年間の活動休止期間後の10世紀前半に過去2000年間で世界最大級とも言われる巨大噴火を起こし、その火山灰は偏西風に乗って日本の東北地方にも降り注いだ(白頭山苫小牧テフラ(B-Tm))[6][7]。火山爆発指数は6と推定されている。この噴火と926年の渤海滅亡との因果関係が指摘されているが、各種の年代推定は940年前後を示唆するものが多く直接の関係はないとの見解が有力である[8]


噴出物の地質調査結果[9]によれば活動は6ステージに分けられる。



  1. A:一連の活動に先立った活動と考えられ、二道白河泥流堆積物を形成した活動で、現在の二道白河最上流部で大崩壊が発生。

  2. B:ブリニアン噴火による白頭降下軽石層。白頭山の東方向から東南方向に堆積している灰白色粗粒降下軽石層を形成。

  3. C:長白山火砕流堆積物を形成する活動で破局的噴火。珪長質軽石を主成分とし平均堆積厚数メートルで山体の周辺に広く分布する。総体積は、10km3と推定されている。

  4. D:両江火山砂礫層。AとCの活動による噴出物が北麓に堆積し、洪水・氾濫により段丘を形成している。山頂から70kmの距離で10m程度の堆積厚が確認された場所もある。

  5. E:円池降下軽石・火山灰層。山頂から東方向に分布する軽石・火山灰層を形成した活動。砂が風によって移動し各所に砂丘が形成されている。

  6. F:北麓の海抜1100m以上に分布する白山火砕流堆積物を形成した活動。



2000年以降の活動


2002年から2005年頃まで周辺で群発地震が散発的に発生し、地割れや崩落が起き山頂の隆起が観測されていた[10]。更に、2006年には衛星画像の解析から山頂南側で温度上昇が観測され、ロシア非常事態省は、白頭山に噴火の兆候があると発表している[11]。2002年以降、地震の回数が以前よりも約10倍に増加。頂上の隆起・カルデラ湖や周辺林からの火山ガスの噴出が確認されている。


その後の2010年、アイスランドでエイヤフィヤトラヨークトルが噴火し、翌2011年3月には東北地方太平洋沖地震が発生した。これを機に、学界で893年の噴火[12]を引いて、影響が広域に渡り、今後噴火する懸念がある火山として提起され注目を浴びた[13]。10世紀以降、すべての噴火の記録は詳細ではないが、おおよそ活動間隔は約100年程度とされており[14]、また10世紀での規模で噴火すれば、その規模はエイヤフィヤトラヨークトルの約1000倍となり、極東地域では甚大な被害が予想され、4、5年以内に噴火する懸念があるとして大韓民国気象庁が対策に乗り出したとされた[15]。さらに2017年に白頭山に近い豊渓里で北朝鮮が大規模な核実験を行ったことも不安を助長した[16]



歴史


白頭山は渤海が滅亡する926年までは渤海領であり、その後は渤海を滅ぼした契丹(遼)の領土になった。その後は金の領土、モンゴル帝国の領土と変遷していった。


朝鮮人が白頭山を領有するようになったのは李氏朝鮮の世宗(在位:1418年 - 1450年)の時代になってからであり、世宗は鴨緑江・豆満江沿いの要塞化を進め、白頭山は朝鮮民族と北方民族との境界となった。



白頭山信仰


朝鮮民族

白頭山は周囲に住む民族から崇拝を受けてきた。文化・信仰としてはまず、韓国でも北朝鮮でも、『三国遺事』が引用する「朝鮮古記」による「檀君神話」が国定教科書で教えられていて、最初期の朝鮮国が白頭山で起こり、その後、平壌に遷都したので、白頭山は「朝鮮民族の揺り籠」であると多くの人が信じている。


しかしその根拠になっている『三国遺事』に登場する山の名前は太伯山で、今(『三国遺事』が書かれた当時の今)の妙香山(北朝鮮の平安道にある山)だと書かれている[17]。なお「三国遺事」の第三巻に含まれる「臺山五萬真身」と「溟州五臺山寶叱徒太子傳記」に白頭山という名称が見受けられ、これが朝鮮の文献における白頭山という名称の初出であるが、これは現在の江原道内の山であって現在の白頭山のことではない。仏教関連の項目に、中国の五臺山(五台山)などと共に、仏教の修行地として登場している。


李栄薫は、現在白頭山は朝鮮民族の聖地ではあるが、李氏朝鮮時代の白頭山は、性理学の自然観と歴史観とを象徴する山であり、朝鮮民族の聖地ではなかったこと、20世紀植民地時代に消滅の危機に瀕した朝鮮人が民族意識を共有するに至り、白頭山が朝鮮民族の聖地に生まれ変わった事を論証している。それによると、1778年に、徐命膺という学者・高級官僚が白頭山に登ったが、徐命膺は「この場所は中国領でもなく朝鮮領でもない遥かな辺境であり、千年に一人二人登るか登らないかという場所であるが、ついに私が登ってみると、この大きな池の名がないので、天が私に名をつけよという思し召しだろう」と言いつつ、太一沢と名付けたという。太一沢とは森羅万象が太極に起源をもち、森羅万象は太極に帰一するという意味であり、太極を発想した徐命膺に、檀君翁の降臨した場所であると興奮する今日の韓国人の姿はみられない。徐命膺以外にも、18、19世紀に幾人が白頭山登山記を残したが、ある人は白頭山を天下一の名声高い中国の崑山の脈を正統に受け継ぐ山であると言い、ある人は白頭山から朝鮮領を見下ろし、箕子の国が広がっていると詠ったといい、李朝時代の白頭山は、性理学の自然観と歴史観とを象徴する山であり、20世紀に入り日本の抑圧を受け消滅の危機に瀕した朝鮮人は、民族という新たな発見に至り、白頭山が民族の聖地に変わったという。そして、白頭山を神聖視した最初の人物は崔南善であり、崔南善は白頭山で発生した茀咸文明こそが朝鮮文明の根源であるという学説を作り出し、証明するために1927年に白頭山へ登り、「白頭山覲讃記」を著するが、崔南善にとって白頭山は民族の聖地であり、白頭山は消えゆく朝鮮人が生まれ変わるべき母親の子宮のような場所であった[18]


女真・清朝における白頭山信仰

白頭山周辺は、もともと濊・貊・粛慎が居住しており、彼らの聖地だった[要出典]。その後この地における濊貊の勢いは衰え、粛慎の後裔とされる女真(満州族)が霊山としていた。女真の金は、1172年には山に住む神に「興国霊応王」の称号を贈り、1193年には「開天宏聖帝」と改めている。清は女真語の呼称を「長白山」と漢訳し、金と同様、この山に対する毎年の典礼を行った。清朝の歴史書『満洲実録』によると、清朝の皇室アイシンギョロ氏の祖先は長白山の東北にあるブクリ山(bukūri alin[19])のブルフリ湖(bulhūri omo[20])で水浴びをしていた三姉妹の天女の末の妹フェクレン(fekulen[21])が、天の神の使いのカササギが運んできた赤い実を食べて妊娠して生んだ男の子ブクリ・ヨンション(bukūri yongšon[22])である。ブクリ・ヨンションは成長後、母から乱れた女真の国を治める天命を受けて生まれてきたことを聞かされ、長白山から船に乗って川を下っていき、争っていた三姓(ilan hala)の女真の人々はブクリ・ヨンションを見て争いをやめ、王として仰いだ。清朝時代には長白山は神聖な山としてあがめられた。また東三省は封禁地とされたため東三省に含まれる長白山も自動的に一般人が立ち入ることは禁止されていた[要出典]



近代


近代朝鮮のナショナリズム

朝鮮王朝末期の19世紀終わりから20世紀にかけて、白頭山を朝鮮人のナショナリズムの象徴とする運動が生まれ、それ以降、大韓民国や北朝鮮双方の国歌や朝鮮民族の代表民謡であるアリランでも歌われるようになった。過激な韓国人民族主義者が白頭山を自国領と主張するパフォーマンスが行うことがあり、中国を警戒させている[23]


抗日ゲリラの拠点 (革命の聖地)


第二次世界大戦前は、満州国との境界であったことから、白頭山山麓の針葉樹の密林は反満抗日ゲリラの拠点ともなり、しばしば日本軍によるゲリラ掃討戦が繰り広げられた。


朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)の金日成主席は、自分が白頭山を根拠とするゲリラ(抗日パルチザン)の指導者であり、1942年2月16日に小白水の谷にある白頭山密営で白頭山の女将軍である金正淑との間に長男の金正日(後の総書記・国防委員会委員長)が生まれたと公表しており、現地では「生家」とともにそのような案内が行われているが、証言などから「金正日は1941年2月16日にソビエト(ロシア)極東地域で生まれた」とする説が有力となっている。1988年には白頭山の一部を構成する将帥峯正日峰に改称されている。





領有問題




おおまかな白頭山付近の中朝国境線(Google map)







清・朝鮮定界碑

朝鮮人が満州の豆満江以北地域である間島へと移住する動きが絶えず、1712年、清と朝鮮の役人達は白頭山の分水界に国境を示す定界碑を建てた。ここに書かれた、国境を「西方を鴨緑とし、東方を土門とする」という表記の解釈をめぐり、土門を豆満江とする清側の主張と、土門江(松花江支流)とする朝鮮側の主張が19世紀末から20世紀はじめにかけてぶつかりあった[24]


中朝辺界条約

1962年に結ばれた中朝辺界条約(ko:조중 변계 조약)によって中国が北朝鮮に譲歩し、天池上に中朝国境線が引かれる形で終結した。中国側の記録によると、この条約により、白頭山及び周辺地域を含む約1,200 km2の土地が中国から北朝鮮へ割譲され、天池の54.5%が北朝鮮に、45.5%が中国領としてほぼ半分に分割される事になった。これに対して韓国の民族主義者などは批判的であり、中国側の主張を北朝鮮が呑んだといい、松花江を境界とする主張を続けている[25]。一方、中国側にもその後の文化大革命において、当時延辺朝鮮族自治州の州長を務めた朱徳海がこの件に触れ、「売国奴」として批判された[26]


韓国における主張

中国と北朝鮮の間では国境が画定しているが、中国と韓国の活動家グループの間で、白頭山および間島地域の領有権論争がある。韓国の活動家は、中国側で近年行われている経済開発、文化イベント、インフラ整備、観光資源開発、世界遺産への登録申請、冬季オリンピックの招致などはすべて、この白頭山地域全体の領有権を主張する動きの一環だとしている。中国側でこの地域を「長白山」と呼ぶこと自体に対しても韓国側は歴史の歪曲だとして反発している。中国の吉林省長春市で行われたアジア冬季競技大会では中国が天池から聖火の採火を行うパフォーマンスを行い[27]、韓国のショートトラック女子代表選手は授賞式で「白頭山は我々の領土」と書かれたカードを掲げて中国当局の抗議を受けるなど領有権問題が国際的に認知されることとなった[28]。中国側は「東北工程」プロジェクトでこの地域を研究に含んでいる[29][30][31]



観光




長白山の入口 2009年撮影



  • 白頭山の外輪山: 天文峰(海抜2670m)など


  • 鴨緑江: 白頭山(長白山)を源にし、中朝国境を境に成して黄海へと流れ込む全長803kmの川(北朝鮮最長)。


  • 長白瀑布: 白頭山には他に兄弟の滝、思技文の滝がある。


  • 天池: 白頭山頂にあるカルデラ湖。約100万年前に生じた。朝鮮の日の出は天池に始まると言われ、それは世にまれな神秘境を呈す。雪の中に咲くシロバナシャクナゲと湖水に棲むイワナが有名。

  • 無頭峰: 白頭の橋から8km下りて行くと見られる標高1,930mの峰。踏査者の利用する無頭峰宿営閣がある。


中国または北朝鮮からの観光

大瀑布や温泉などがあることから中国政府は観光地化を進めており、特に大連万達が開発するリゾート地区「長白山国際度仮区」ではアジア最大級のスキー場などが建設されてハイアット・シェラトン・ウェスティンなど外資系ホテルも誘致される一方[32]、中国政府によって従来投資が歓迎されてきた韓国系や北朝鮮系のホテルが閉鎖に追い込まれてると報じられている[33]。日本や韓国からツアー客が訪れる際は、夏季を中心として(7 - 9月頃)、交通等の便が良い中国側から主に入山する。長白山飛行場もあるが、一般人は通常鉄道で長春または瀋陽・通化から鉄道で二道白河駅まで行き[34]、駅前に待っている多数の四輪駆動車からチャーターして長白山の気象台まで行き、そこで下車して10分位で外輪山の天文峰へ歩いて登って、そこから天池を見下ろしたり、北朝鮮方面を眺める。チャーター車は帰りに長白山温泉などを通過して、温泉卵の場所で停まり眼前にある長白瀑布を見せて、駅まで帰還する。


北朝鮮側(平壌からチャーター航空便を利用して三池淵(英語版)へ飛行)からのツアーも行われている。最近、韓国の現代峨山が韓国から白頭山に向かう観光ツアーの実現について北朝鮮側と交渉を続けているが、今もって条件面で折り合いがついていない[要出典]



スポーツ


  • 中国の吉林省長春市で開催された2007年アジア冬季競技大会と2009年冬季ユニバーシアードは大成功を収め、これをきっかけに、中国政府は黒竜江省ハルビン市と中国側の長白山地域(長春)にて、2018年冬季オリンピックの招致に立候補することを表明していたが[35]、最終的に立候補を見送っている。


日本の気候への影響


白頭山はユーラシア大陸から日本に向け吹き付ける冬の季節風の経路中にある為、山体により気流が乱され日本海にカルマン渦や帯状対流雲を発生させる事がある(詳しくは日本海寒帯気団収束帯を参照)。この現象が発生すると、雲がぶつかる地域で局地的な大雪となる[36][37][38]



その他




  • NHKが外国メディアとしては初の白頭山(北朝鮮側)長期取材を行い、2001年にNHKスペシャルとして放送された。


  • 勝利自動車工場から白頭山という自動車が製造されている。


  • 071型揚陸艦の3番艦は長白山と名づけられてる。

  • 中国が自力開発に成功したと主張している高速鉄道は長白山号と名づけられてる。



ギャラリー




脚注


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  1. ^ 韓国チームの「白頭山はわが領土」セレモニーに中国が抗議 中央日報 2007年2月1日


  2. ^ 長白山のイメージ強化のため、18の学校名を変更―吉林省長春市 レコードチャイナ 2007年2月4日


  3. ^ 沈み込んだプレートの穴と長白山火山の起源のなぞ ―NECESSArray計画:中国大陸からみる地球内部の活動―, Changbaishan volcanism in northeast China linked to subduction-induced mantle upwelling 東京大学アウトリーチ室 Jun. 20 '2014

  4. ^ ab秋教昇・都司嘉宣・朴昌業・姜泰燮、「歴史時代の白頭山の火山活動」 東京大学地震研究所彙報 2011年 第86号 第1/2冊, .mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit}.mw-parser-output .citation q{quotes:"""""""'""'"}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/65/Lock-green.svg/9px-Lock-green.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg/9px-Lock-gray-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/aa/Lock-red-alt-2.svg/9px-Lock-red-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration{color:#555}.mw-parser-output .cs1-subscription span,.mw-parser-output .cs1-registration span{border-bottom:1px dotted;cursor:help}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4c/Wikisource-logo.svg/12px-Wikisource-logo.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output code.cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:inherit;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-visible-error{font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#33aa33;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration,.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-right{padding-right:0.2em}
    NAID 110008915019, hdl:2261/51525



  5. ^ 白頭山の歴史時代の噴火活動 歴史地震研究会 歴史地震第26号 (PDF)


  6. ^ 早川由紀夫・小山真人 「日本海をはさんで10世紀に相次いで起こった二つの大噴火の年月日-十和田湖と白頭山」 『火山』 1998年 43巻 5号 p.403-407, 日本火山学会, doi:10.18940/kazan.43.5_403


  7. ^ 朝鮮日報、2011/01/29 09:44:11【萬物相】九州の火山噴火。「946年の白頭山噴火の際には、およそ1000億から1500億立方メートルの火山灰が噴き出した。」(クラカトアは200億)


  8. ^ “巨大噴火の爪痕”. 白頭山の謎. 東北大学総合学術博物館. 2013年3月5日閲覧。


  9. ^ 町田洋、趙大昌、森脇広、新井房夫、「中国長白山の大噴火とその森林生態系に与えた影響」 地学雑誌 1988年 97巻 6号 p.634-637, doi:10.5026/jgeography.97.6_634


  10. ^ 谷口宏充、姫野嘉昭:白頭山噴火による中国吉林省赤松原発への火山リスクについて 日本地球惑星科学連合2013年大会予稿集 セッションID SVC48-12 (PDF)


  11. ^ 白頭山、4~5年以内に噴火か、中央日報、2010年6月20日


  12. ^ 『日本紀略』では寛平5年とある。一方、『三国史記』の高麗の記録では917年となる。


  13. ^ 2011年11月7日・週刊北韓動向第1075号


  14. ^ 白頭山4、5年以内に噴火も=日本に火山灰、韓国政府が対策、時事ドットコム、2010年6月19日


  15. ^ 中朝国境の白頭山が5年以内に噴火の恐れ、威力はアイスランド火山噴火の1千倍?ー韓国紙、レコードチャイナ、2010年6月21日


  16. ^ 核実験で懸念の北朝鮮・白頭山噴火 約1000年前の噴火では日本でも多量の降灰(2017年)


  17. ^ 古朝鮮王儉朝鮮
    魏書云 乃往二千載 有壇君王儉 立都阿斯達經云無葉山 亦云白岳 在白州地 或云在開城東 今白岳宮是 開國號朝鮮 與高同時
    古記云 昔有桓因 謂帝釋也 庶子桓雄 數意天下 貪求人世 父知子意 下視三危太伯 可以弘益人間 乃授天符印三箇 遣往理之 雄率徒三千 降於太伯山頂 即太伯今妙香山 神壇樹下 謂之神市 是謂桓雄天王也 將風伯雨師雲師 而主穀主命主病主刑主善惡 凡主人間三百六十餘事 在世理化 時有一熊 一虎 同穴而居 常祈于神雄 願化爲人 時神遺靈艾一炷 蒜二十枚曰 爾輩食之 不見日光百日 便得人形 熊 虎得而食之 忌三七日 熊得女身 虎不能忌 而不得人身 熊女者無與爲婚 故毎於壇樹下 呪願有孕 雄乃假化而婚之 孕生子 號曰壇君王儉



  18. ^ p45、p50 大韓民国の物語 李榮薫著 永島広紀訳 文藝春秋 2009/02 ISBN 4163703101


  19. ^ 遼寧省档案館『満洲実録・上函・巻一』


  20. ^ 遼寧省档案館『満洲実録・上函・巻一』


  21. ^ 遼寧省档案館『満洲実録・上函・巻一』


  22. ^ 遼寧省档案館『満洲実録・上函・巻一』


  23. ^ http://japanese.joins.com/article/article.php?aid=84247&servcode=200&sectcode=200


  24. ^ “【その時の今日】朝鮮・清の国境会談が決裂”. 中央日報. (2009年12月3日). http://japanese.joins.com/article/530/123530.html 2017年10月18日閲覧。 


  25. ^ 金基燦 『空白の北朝鮮現代史―白頭山を売った金日成』 新潮社, 2003/06. ISBN 978-4106100192


  26. ^ 沈志華、董潔. “中朝邊界爭議的解決(1950–64年)”. 2013年10月29日時点のオリジナルよりアーカイブ。2018年2月16日閲覧。


  27. ^ “中国初の高速鉄道、名前は「長白山」?”. 中央日報. (2007年1月12日). http://japanese.joins.com/article/j_article.php?aid=83614 2018年1月24日閲覧。 


  28. ^ “韓国チームの「白頭山はわが領土」セレモニーに中国が抗議」”. 中央日報. (2007年2月1日). http://japanese.joins.com/article/247/84247.html 2017年9月19日閲覧。 


  29. ^ "Beijing Eyeing N.Korean Territory: Lawmaker", 朝鮮日報, September 7, 2006. (英語)


  30. ^ "China Seeks U.N. Title to Mt. Baekdu", 東亜日報, July 31, 2006. (英語)


  31. ^ 『ショートトラック女子韓国代表「白頭山は韓国の領土」』、スポーツ朝鮮/朝鮮日報JNS、2007年2月2日。


  32. ^ 万达长白山国际度假区酒店专题


  33. ^ “韓国人投資の白頭山ホテル、中国が撤去へ”. 東亜日報. (2012年7月30日). http://japanese.donga.com/List/3/all/27/418400/1 2017年12月27日閲覧。 


  34. ^ 二道白河火車站時刻表


  35. ^ “中国、2018年冬季オリンピック招致へ”. 人民網日本語版. (2009年9月4日). http://j.people.com.cn/94475/6748898.html 2011年5月10日閲覧。 


  36. ^ 2006年3月 帯状対流雲に発生したメソβ下層渦 気象庁 衛星画像事例集 (PDF)


  37. ^ NASA散乱計(NSCAT)で観測された寒気吹き出し時の日本海の風の収束帯 本リモートセンシング学会誌 Vol.17 (1997) No.5 P518-523


  38. ^ 冬の季節風時の日本海上の収束雲帯の構造 ournal of the Meteorological Society of Japan. Ser. II Vol.62 (1984) No.3 P522-533, JOI:JST.Journalarchive/jmsj1965/62.522




関連項目







  • 中国朝鮮関係史

  • 長白山空港

  • 長白山号

  • 白山市

  • 東北工程

  • 火山の一覧


  • バクロンヴィー島 - 同じく中国共産党指導部の意向により友好国に譲渡された土地。



外部リンク



  • 朝鮮国家観光総局 エリアガイド白頭山

  • 長白山ネット


  • 「中国・朝鮮国境の大活火山 白頭山の謎」 白頭山の地下で今何が起きているか 東北大学総合学術博物館


写真


  • Nihongardenの白頭山写真集 (日本語)











































































































































































































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