選択公理
選択公理 (せんたくこうり、英: axiom of choice 、 選出公理 ともいう)とは公理的集合論における公理のひとつで、どれも空でないような集合を元とする集合(すなわち、集合の集合)があったときに、それぞれの集合から一つずつ元を選び出して新しい集合を作ることができるというものである。1904年にエルンスト・ツェルメロによって初めて正確な形で述べられた [1] 。 目次 1 定義 2 選択公理と等価な命題 3 応用 4 歴史 5 バナッハ=タルスキーのパラドックスと選択公理 6 代わりとなる公理 7 選択公理の変種 7.1 可算選択公理 7.2 有限集合の族に対する選択公理 8 脚注 9 参考文献 10 関連文献 11 関連項目 12 外部リンク 定義 空集合を要素に持たない任意の集合族に対して、各要素(それ自体が集合である)から一つずつその要素を選び、新しい集合を作ることができる。あるいは同じことであるが、空でない集合の空でない任意の族 A{displaystyle {mathcal {A}}} に対して写像 f: A→ ⋃ A:=⋃ A∈ AA{displaystyle fcolon {mathcal {A}}to textstyle {bigcup }{mathcal {A}}:=textstyle {bigcup _{Ain {mathcal {A}}}}A} であって任意の x∈ A{displaystyle xin {mathcal {A}}} に対し f(x)∈ x{displaystyle f(x)in x} なるものが存在する、と写像を用いて言い換えることが出来る(ここで存在が要求される写像 f を 選択関数 (英語版) という)。これは次の命題と同値である。 { A λ } λ ∈ Λ をどれも空集合でないような集合の族とすると、それらの直積も空集合ではない。記号で書けば、 (∀ λ ∈ Λ )[Aλ ≠ ∅ ]⟹ ∏ λ ∈ Λ Aλ ≠ ∅ .{displaystyle left(forall lambda in Lambda right)left[A_{lambda