加東郡
加東郡(かとうぐん)は、兵庫県(播磨国)にあった郡。
目次
1 郡域
2 歴史
2.1 近世以降の沿革
2.2 町村制以降の沿革
2.3 変遷表
3 脚注
4 参考文献
5 関連項目
郡域
1879年(明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、小野市・加東市にあたる。
歴史
古代の賀茂郡が加東郡・加西郡に分割して発足。
近世以降の沿革
- 「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での支配は以下の通り。●は村内に寺社領が、○は寺社除地[1]が存在。幕府領は谷町代官所が管轄。(3町148村)
幕末の知行
知行 | 村数 | 村名 | |
---|---|---|---|
幕府領 | 幕府領[2] | 15村 | 樫村新田、島村(現・小野市粟生町)、●○万勝寺、西古瀬村、河合中村、下曽我井村、上曽我井村、●○社村、浮坂村、●○神谷村、総持院村、上鴨川村、蜷子野新田、新畑村新田、青野原新田 |
旗本領 | 15村 | 貝原村、○大門村、沢部村、福吉村、田中村、鳥居村、○屋度村、梶原村、窪田村、垂水村(現・加東市西垂水)、○穂積村、中村(現・加東市)、○曽我村、牧野村、吉馬村[3] | |
一橋徳川家領 | 5村 | ○久保木村、○古川村、○菅田村、河高村、○垂水村(現・加東市東垂水) | |
幕府領・旗本領 | 1村 | ○野村 | |
藩領 | 播磨小野藩 | 24村 | 樫村、門前村、宮脇村、島村(現・小野市大島町)、●喜多島村、大部前村、片山村、下大部村、久茂村、王子村、葉多村、敷地村、土橋村、中島村、中村(現・小野市)、黒川村、●下大門村、●上大門村、●西谷寺、●両谷寺、高田村、船木村、名村田村、喜多村[4] |
播磨姫路藩 | 18村 | 上来住村、下来住村、莇新村、岩倉新村、阿形村、西脇村、島谷村、中古瀬村、松尾村、屋口村、上小田村、上滝野村、下滝野村、●光明寺村、池之内村、森尾村、廻淵村、長井村 | |
遠江浜松藩 | 1町 17村 | ●○買野村、豊地村、○池田村、○曽根村、○土沢村、○蔵之谷村、○念仏村、○新定村、○森村、○岩屋村、●○畑村[5]、天神町、○長谷村、○黒石村、○古家村、○常田村、○少分谷村、○下鴨川村 | |
陸奥棚倉藩 | 15村 | 黍田村、○上田村、○出水村、○東実村、多井田村、木梨村、○馬瀬村、○久米村、藤田村、西小沢村、東小沢村、○国依村、厚利村、○松沢村、○吉井村 | |
下総古河藩 | 1町 9村 | 長町村、○新部村、西村、新町、北野村、藪村、安国寺、土井村、中島村[6]、西森村[6] | |
播磨三草藩 | 1町 5村 | 三草町[7]、○山国村、○下小田村、下三草村、○上三草村、山口村 | |
下野壬生藩 | 3村 | 天神谷村、●掎鹿谷村、黒谷村 | |
姫路藩・古河藩 | 1村 | 西戸村 | |
浜松藩・壬生藩 | 1村 | 横谷村 | |
古河藩・三草藩 | 1村 | 貞守村 | |
幕府領・藩領 | 幕府領・小野藩 | 4村 | ●○太郎大夫村、山田村、池尻村、奥村 |
幕府領・姫路藩 | 3村 | 長尾村、後谷村、脇本村 | |
幕府領・棚倉藩 | 1村 | ○室山村 | |
幕府領・古河藩 | 1村 | 粟生村 | |
幕府領・三草藩 | 2村 | ○上久米村、○下久米村 | |
旗本領・小野藩 | 3村 | 鹿野村、中番村、家原村 | |
旗本領・棚倉藩 | 1村 | 北村 | |
旗本領・古河藩 | 1村 | 東古瀬村 | |
一橋徳川家領・棚倉藩 | 1村 | ○下番村 | |
その他 | 寺社領 | 1村 | 平木村[8] |
慶応4年
2月2日(1868年2月24日) - 幕府領・旗本領の一部(鹿野村・東古瀬村・屋度村・中番村)が兵庫裁判所の管轄となる。
5月23日(1868年7月12日) - 兵庫裁判所の管轄地域が兵庫県の管轄となる。
- 明治元年
9月23日(1868年11月7日) - 遠江浜松藩が上総鶴舞藩に転封。
- 明治2年(1869年) - 旗本領の残部が兵庫県の管轄となる。
- 明治3年(1870年) - 一橋徳川家領が兵庫県の管轄となる。
- 明治4年(3町147村)
7月14日(1871年8月29日) - 廃藩置県により、藩領が小野県、姫路県、鶴舞県、棚倉県、古河県、三草県、壬生県の管轄となる。
11月2日(1871年12月13日) - 第1次府県統合により、全域が姫路県の管轄となる。
11月9日(1871年12月20日) - 飾磨県の管轄となる。- 牧野村・吉馬村が合併して永富村となる。
- 蜷子野新田が稲尾村に、垂水村(現・加東市東垂水)が東垂水村にそれぞれ改称。
- 明治初年(4町143村)
- 王子村のうち旧小野藩家臣居住地が分立して小野町となる。
- 下曽我井村・上曽我井村が合併して復井村となる。
- 上小田村・下小田村が合併して小田村となる。
- 島村(現・小野市粟生町)が粟生村に、安国寺が新定村にそれぞれ合併。
- 青野原新田が高岡村に、垂水村(現・加東市西垂水)が西垂水村に、中村(現・加東市)が上中村にそれぞれ改称。
- 明治6年(1873年)(4町140村)
- 樫村新田・樫村・室山村が合併して樫山村となる。
- 神谷村・国依村が合併して栄枝村となる。
- 明治7年(1874年) - 下大門村・上大門村・西谷寺・両谷寺が合併して浄谷村となる。(4町137村)
- 明治8年(1875年)(4町133村)
- 高田村・喜多村・鹿野村が合併して高鹿喜村となる。
- 土沢村・蔵之谷村が合併して大畑村となる。
- 西小沢村・東小沢村が合併して小沢村となる。
- 明治9年(1876年)(4町127村)
8月21日 - 第2次府県統合により兵庫県の管轄となる。- 福甸村が起立。
- 門前村・宮脇村が合併して垂井村となる。
- 島村(現・小野市大島町)・喜多島村・大部前村が合併して大島村となる。
- 上来住村・莇新村・岩倉新村が合併して来住村となる。
- 屋口村・買野村・豊地村が合併して中谷村となる。
- 明治10年(1877年)(3町118村)
- 総持院村・念仏村が合併して岡本村となる。
- 新畑村新田・長町村・中島村が合併して三和村となる。
- 船木村・名村田村が合併して船名村となる。
- 長井村・貞守村が合併して長貞村となる。
- 長谷村・黒石村が合併して永福村となる。
- 天神町・天神谷村が合併して天神村となる。
- 古家村・常田村・西戸村が合併して秋津村となる。
- 土井村が黒谷村に合併。
- 明治12年(1879年)1月8日 - 郡区町村編制法の兵庫県での施行により、行政区画としての加東郡が発足。郡役所が社村に設置。
- 明治13年(1880年) - 片山村・下大部村・久茂村が合併して久下山村となる。(3町116村)
町村制以降の沿革
- 明治22年(1889年)4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。郡役所の所在地が社町となる。(15村)
社村 ← 社村、山国村、田中村、野村、貝原村、窪田村、鳥居村、家原村、西垂水村、松尾村、上中村、梶原村、北村、出水村(現・加東市)
加茂村 ← 新町、北野村、稲尾村、曽我村、多井田村、穂積村(現・加東市)
滝野村 ← 上滝野村、下滝野村、河高村、高岡村、光明寺村(現・加東市)
河合村 ← 河合中村、復井村、新部村、西村、西森村、三和村、粟生村(現・小野市)
来住村 ← 西脇村、阿形村、福甸村、来住村、下来住村、黍田村(現・小野市)
市場村 ← 太郎太夫村、樫山村、山田村、池尻村、大島村(現・小野市)
小野村 ← 小野町、垂井村、久下山村、葉多村、黒川村、中村、奥村、浄谷村、長尾村、後谷村、島谷村(現・小野市)
大部村 ← 王子村、敷地村、高鹿喜村、土橋村、中島村(現・小野市)
福田村 ← 大門村、西古瀬村、福吉村、上田村、沢部村、東古瀬村、中古瀬村、屋度村、東実村(現・加東市)、古川村、久保木村(現・小野市)
下東条村 ← 下番村、中番村、菅田村、小田村、船名村、浮坂村、曽根村、脇本村、池田村、中谷村、万勝寺(現・小野市)
中東条村 ← 松沢村、大畑村、吉井村、厚利村、東垂水村、小沢村、栄枝村、藪村、新定村、森尾村、岩屋村、岡本村(現・加東市)
上東条村 ← 天神村、横谷村、永福村、椅鹿谷村、黒谷村、長貞村、少分谷村、秋津村、森村(現・加東市)
米田村 ← 上久米村、下久米村、久米村、廻淵村、畑村、池之内村(現・加東市)
上福田村 ← 永富村、三草町、上三草村、下三草村、木梨村、藤田村、山口村、馬瀬村(現・加東市)
鴨川村 ← 上鴨川村、下鴨川村、平木村(現・加東市)
- 明治29年(1896年)7月1日 - 郡制を施行。
- 明治45年(1912年)6月1日 - 社村が町制施行して社町となる。(1町14村)
大正4年(1915年)5月1日 - 小野村が町制施行して小野町となる。(2町13村)- 大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。
- 大正14年(1925年)4月1日 - 滝野村が町制施行して滝野町となる。(3町12村)
- 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
昭和29年(1954年)
3月31日 - 滝野町・加茂村が合併し、改めて滝野町が発足。(3町11村)
12月1日 - 小野町・河合村・来住村・市場村・大部村・下東条村が合併して小野市が発足し、郡より離脱。(2町6村)
- 昭和30年(1955年)3月31日(3町)
- 社町・福田村・米田村・上福田村・鴨川村が合併し、改めて社町が発足。
- 中東条村・上東条村が合併して東条町が発足。
- 昭和31年(1956年)4月1日 - 社町の一部(古川・久保木)が小野市に編入。
平成18年(2006年)3月20日 - 社町・滝野町・東条町が合併して加東市が発足し、郡より離脱。 同日加東郡消滅。
変遷表
自治体の変遷
明治22年以前 | 明治22年4月1日 | 明治22年4月1日 - 大正15年 | 昭和元年 - 昭和29年 | 昭和30年 - 平成17年 | 平成18年 - 現在 | 現在 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
小野村 | 大正4年5月1日 町制 | 昭和29年12月1日 小野市 | 小野市 | 小野市 | 小野市 | ||
河合村 | 河合村 | ||||||
来住村 | 来住村 | ||||||
市場村 | 市場村 | ||||||
大部村 | 大部村 | ||||||
下東条村 | 下東条村 | ||||||
福田村 | 福田村 | 福田村 | 昭和30年3月31日 社町 | 昭和31年4月1日 小野市に編入 | |||
社町 | 平成18年3月20日 加東市 | 加東市 | |||||
社村 | 明治45年6月1日 町制 | 社町 | |||||
上福田村 | 上福田村 | 上福田村 | |||||
米田村 | 米田村 | 米田村 | |||||
鴨川村 | 鴨川村 | 鴨川村 | |||||
滝野村 | 大正14年4月1日 町制 | 昭和29年3月31日 滝野町 | 滝野町 | ||||
加茂村 | 加茂村 | ||||||
中東条村 | 中東条村 | 中東条村 | 昭和30年3月31日 東条町 | ||||
上東条村 | 上東条村 | 上東条村 |
脚注
^ 領主から年貢免除の特権を与えられた土地。
^ 右記のほか「松尾村・山国村・立会新田」、「上小田村・下小田村・立会新田」、「上久米村・下久米村・上三草村・久米村・立会新田」、「上三草村・下三草村・立会新田」が記載されているが詳細不明。
^ 記載は「牧野村枝郷・吉馬村」。
^ 「旧高旧領取調帳」には記載なし。高田村のうち。
^ 記載は「久米・畑村」。
- ^ ab「旧高旧領取調帳」には記載なし。長町村のうち。
^ 無高のため「旧高旧領取調帳」には記載なし。上三草村のうち。
^ 記載は下鴨川村のうち。
参考文献
角川日本地名大辞典 28 兵庫県- 旧高旧領取調帳データベース
関連項目
- 消滅した郡の一覧
- 加西郡
- 河東郡
- 下道郡
先代: 賀茂郡 | 行政区の変遷 - 2006年 | 次代: (消滅) |
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