オープンワールド
オープンワールド(Open World)とは、英語におけるコンピュータゲーム用語で、舞台となる広大な世界を自由に動き回って探索・攻略できるように設計されたレベルデザインを指す言葉である[1]。
定められた攻略手順の遵守を要求されないゲームプレイは、「Sandbox(サンドボックス:砂場・砂箱の意味)」ともよばれる[2]。この概念が日本に持ち込まれた際、テレビゲーム雑誌では、3Dで構築された風景やゲームプレイを意味する語として「箱庭」と訳されたが、既に「ミニスケープゲーム」の別称としても「箱庭ゲーム」が用いられていたため、重複による混乱が生じている。
目次
1 概要
2 代表的な作品
2.1 アクション
2.2 アドベンチャー
2.3 サンドボックス
2.4 クライムアクション
2.5 ファーストパーソン・シューティング
2.6 アクションシューティング
2.7 アクションアドベンチャー
2.8 ロールプレイング
2.9 レース
2.10 パズル
2.11 スポーツ
2.12 シミュレーション
2.13 キャラクターゲーム
3 参考文献
4 脚注
概要
初期の3Dゲームでは主に技術的な制約から、プレイヤーキャラクターが行動できる空間は、一見広く見えたとしても障害物もしくは透明な壁で進路を遮ることで、実際には通路状の小規模な範囲に限定されており、個々のマップ上の通路の端に到達したら別のマップに切り替えるなど、擬似的に広い空間があるように見せる手法が主流だった。この仕組みでは、辺り一帯の風景を眺めるなどスケールの大きな映像表現が困難なうえ、遠くの風景は書き割りで表現され実際には到達することができず、ゲーム体験上も閉塞感を抱かせる欠点があった。
やがて、ハードウェアの性能向上やプログラム技術の進歩によって、プレイヤーの移動操作に応じ、常にプレイヤーキャラクター周辺の地形データなどを読み込んで表示することで、原寸換算で数kmから数十km四方の広さを、マップの切り替えやデータロードに伴う画面の静止や暗転をせずシームレスに表現できるようになった。
また、あらかじめ決まったミッションやストーリー進行を強制する直線的(リニア)なゲームプレイから、プレイヤーの意思次第で好きな場所に移動したり好きな行動を選んだりできる、「ノンリニア・ゲームプレイ(en:Nonlinear_gameplay)」を指向した作品が登場するようになる。これにより、広大なマップ内を自由に移動できる技術にゲームデザイン上の意義が生じた。さらに作品によっては、ノンプレイヤーキャラクター達がそれぞれ人工知能に基づいて自立した行動をとることで、プレイヤーが関与していない場所で世界の状況に変化が起こったり、プレイヤーの意図しない行動が実は世界に見えない影響を与えたり、それらの要素がさらに影響しあったりするなどの設計も取り入れられ、ゲーム内で起こる物事の因果関係が複雑で多様になったため、仮想世界を体験する感覚がより強まっている。
代表的な作品
オープンワールドが一般に広く知られるきっかけになったものに、1999年にドリームキャスト用ソフトとして登場した『シェンムー』がある。当時としては自由度の高いレベルデザインと3Dモデルによる広大で緻密な空間表現を併せ持つ本作は世界のゲームメーカーに衝撃を与え、多くのファンを獲得した。同作が出た当時は“オープンワールド”という単語がまだ存在せず、アクションアドベンチャーやライフシミュレーション等で表記されるが、サンドボックス人気の高い海外では“オープンシティ”の創始者とされ、黎明期のオープンワールドの一つに数えられている[3] 。その後、見下ろし視点で自由度の高いアクションゲームシリーズであった『グランド・セフト・オート』シリーズにおいて初のフル3D化を図って“オープンワールド”という単語を用いた『グランド・セフト・オートIII』のヒットにより人気スタイルとして定着。以降この2作は『龍が如く』、『Fallout3』、『レッドシーズプロファイル』などの同系後発ゲームと比較されるようになり、オープンワールドスタイルはRPGやレースゲーム、オンラインゲームなどさまざまなジャンルへと波及した。
アクション
- Sunset Overdrive
- 真・三國無双8
- デス・ストランディング
- The Saboteur
- ソニックアドベンチャー
- ダイイングライト
- デッドライジング
- デッドライジング2
- デッドライジング3
- デッドライジング4
- 討鬼伝2
- モンスターハンター:ワールド
アドベンチャー
- 7 Days to Die
- State of Decay
- 夏色ハイスクル★青春白書
サンドボックス
- Dwarf Fortress
- Infiniminer
- Minecraft
- FortressCraft
- Terraria
- キューブクリエイター3D
- エアシップQ
- BATTLEMINER
- ポータルナイツ
クライムアクション
DRIVERシリーズ- グランド・セフト・オートシリーズ
- Mafia: The City of Lost Heaven
True Crimeシリーズ
ゴッドファーザーシリーズ
Saints Rowシリーズ
喧嘩番長シリーズ- スリーピングドッグス 香港秘密警察
- ウォッチドッグス
ギャングスターシリーズ- ライオットアクト
ファーストパーソン・シューティング
- Operation Flashpointシリーズ
- Operation Flashpoint: Cold War Crisis
- Armed Assault
- ARMA 2
- Operation Flashpoint: Dragon Rising
- Far Cryシリーズ
- Boiling Point
- Halo 3: ODST
- Destiny
メトロイドプライムシリーズ
S.T.A.L.K.E.R.シリーズ- ゴーストリコン ワイルドランズ
アクションシューティング
マーセナリーズシリーズ
Just Causeシリーズ
ライオットアクトシリーズ- INFAMOUS〜悪名高き男〜
- InFAMOUS 2
- inFAMOUS Second Son
- DayZ
- レッドファクション:ゲリラ
- PLAYERUNKNOWN'S BATTLEGROUNDS
アクションアドベンチャー
アサシン クリードシリーズ- Kinect: ディズニーランド・アドベンチャーズ
侍道シリーズ
シェンムーシリーズ
ジャック×ダクスターシリーズ
ゼルダの伝説シリーズ(『ゼルダの伝説 風のタクト』、『ゼルダの伝説 ブレス オブ ザ ワイルド』など一部の作品)- 太陽のしっぽ
デッドライジングシリーズ
バンジョーとカズーイの大冒険シリーズ- トゥームレイダー
- ファイナルファンタジー・クリスタルクロニクル クリスタルベアラー
- BULLY
Prototype ※日本では未発売
Prototype 2 ※日本では未発売
GRAVITY DAZEシリーズ- メタルギア サヴァイヴ
- メタルギアソリッドV ファントムペイン
龍が如くシリーズ- レッドシーズプロファイル
- レッド・デッド・リデンプション
- レゴシティ アンダーカバー
- Dishonored
- L.A.ノワール
- ソニック ワールドアドベンチャー
- ReCore
ロールプレイング
The Elder Scrollsシリーズ(『II』以降)
Gothicシリーズ
Sacredシリーズ- Two Worlds
- Fallout シリーズ
- Risen
- ファイナルファンタジーXV
ゼノブレイドシリーズ
- ゼノブレイドクロス
- ロックマンDASH 鋼の冒険心
- ロックマンDASH2
- Dragon's Dogma
- ニーア オートマタ
- Horizon Zero Dawn
- 黒い砂漠
- Elite Dangerous
- ドラゴンクエストビルダーズ アレフガルドを復活せよ
- キャットクエスト
- シャドウ・オブ・モルドール
- ドラゴンスレイヤーIV ドラスレファミリー
- ディヴィニティ:オリジナル・シン エンハンスド・エディション
レース
湾岸 Midnight Clubシリーズ
ニード・フォー・スピードシリーズの一部(『ニード・フォー・スピード アンダーグラウンド2』、『ニード・フォー・スピード アンダーカバー』など)- テストドライブ アンリミテッド
- バーンアウト パラダイス
- チョロQ HG2
- FUEL
- Forza Horizon
- Forza Horizon 2
- Forza Horizon 3
- CRAZY BUMP'S 〜かっとびカーバトル!〜
パズル
- The Witness
- ヒューマン フォール フラット
スポーツ
- New みんなのGOLF
- スティープ
シミュレーション
- X3: Terran Conflict
- X4: Foundations
- スライムランチャー
- パイレーツ!
キャラクターゲーム
- スパイダーマンシリーズの一部(『Marvel's Spider-Man』など)
バットマン アーカム・アサイラムシリーズ
- バットマン アーカム・シティ
- バットマン アーカム・ビギンズ
- レゴ バットマン2 DCスーパーヒーロー
- LEGO マーベル スーパー・ヒーローズ ザ・ゲーム
- マッドマックス
ウィッチャーシリーズ
- [[[ウィッチャー3 ワイルドハント]]
参考文献
- 「オープンワールドゲームの系譜」『週刊 ファミ通』、(2015 5/28 No. 1380)、エンターブレイン、pp. 128-139
脚注
^ Sefton, Jamie (2007年7月11日). “The roots of open-world games”. en:GamesRadar. 2008年7月25日閲覧。
^ Adams, Ernest (2007年11月1日). “50 Greatest Game Design Innovations (HTML)”. en:Next Generation Magazine. 2008年4月29日閲覧。
^ Sharkey, Scott. “Top 5 Underappreciated Innovators: Five genre-defining games that didn't get their due”. 1UP.com. 2011年4月1日閲覧。
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