雪渓










日本で見られる代表的な雪渓のひとつ白馬大雪渓、夏山登山などで雪渓が登山道として利用されている




年間を通して巨大な雪渓が幾条にも見られるアンナプルナ連峰


雪渓(せっけい)とは、高山など標高の高い場所の谷や沢の積雪が溶けずに残った地帯。または積雪で覆われた渓谷。




目次






  • 1 概要


  • 2 日本三大雪渓


  • 3 季語


  • 4 脚注


    • 4.1 注釈


    • 4.2 出典




  • 5 関連項目


  • 6 外部リンク





概要


高山では標高が高いために年間を通して気温が低く、積雪が解けずに残ることが多いが、特に谷では積雪が残りやすく、日本でも2000mを越える地帯では夏でも雪塊をしばしば目にすることができる。越年するものは万年雪とも呼ばれることがある。硬化し、雪よりも氷に近い場合が多い。また「白馬大雪渓」のように固有名称としても使用される。


越年する雪渓の下には氷体が存在する場合がある。富山県の立山の御前沢雪渓、および剱岳の三ノ窓・小窓雪渓に存在する氷体は年間を通じて流動しており、日本で数少ない氷河であることが確認されている。


代表的な雪渓のひとつである白馬大雪渓は、幅100m、長さ3.5kmにも及び、日本三大雪渓のひとつに数えられる。雪渓の上に続く長い行列は、白馬岳の風物詩となっている。また、山名自体が特徴的な雪渓に由来する場合もある。このように、雪渓は山を形成する重要な要素の一つと言える。


雪渓の歩行には、危険が伴うためアイゼンなどの補助具が必要である。また、クレバスができていたり、雪庇を形成している場合もあり、歩行には十分な注意が必要とされる。



日本三大雪渓



































名称
長さ
(m)
所在地

河川名

地形図
画像

白馬大雪渓[1]
(はくば)
3,500

白馬岳と杓子岳との
東面の谷
北股入
松川の支流

地図閲覧サービス
(国土地理院)

白馬岳の山頂部から見下ろす白馬大雪渓(2015年8月1日)

針ノ木雪渓[1]


針ノ木岳と蓮華岳との
北東面の谷
篭川
高瀬川の支流

地図閲覧サービス

爺ヶ岳から望む針ノ木岳の針ノ木雪渓(左上部が雪渓の上端となる針ノ木峠、2015年7月7日)

剱沢雪渓[1]


剱岳と別山との
東面の谷
剱沢
黒部川の支流

地図閲覧サービス

別山から望む剱沢雪渓の上部と剱岳(1995年8月20日)


季語


季語としての雪渓(せっけい)は、夏の季語(晩夏の季語)[2]。分類は地理[3]。通用語とは少し違って、季語としての「雪渓」は、残雪や万年雪の見える夏の高山の渓谷を指す[2]




  • 例句:雪渓を かなしと見たり 夜もひかる ─ 水原秋桜子 [4]

  • 例句:ひるがへる 吾子あこよ雪渓より潔きよし ─ 能村登四郎

  • 例句:みどりして 芽木めき雪渓へ せめぐなり ─ 大野林火 『海門』(1939年〈昭和14年〉刊行)

  • 例句:雪渓の 水汲みに出る 星の中 ─ 岡田日郎



子季語[* 1]として、クレバスがある[2]




  • 例句:クレバスを渡りしのちに恐れたる ─ 和田耕三郎

  • 例句:短日の クレバス蒼き 太古あり ─ 依田明倫

  • 例句:霧裂けて クレバス蒼し さくら草 ─ 有働亨 『汐路』(1970年〈昭和45年〉刊行)




脚注


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注釈





  1. ^ ある主要な季語について別表現と位置付けされる季語を、親子の関係になぞらえて、親季語に対する「子季語」という。「傍題」ともいうが、傍題は本来「季題」の対義語である。なお、子季語の季節と分類は親季語に準ずる。




出典




  1. ^ abcナヴィ インターナショナル 『あなたは3つ言えますか? 日本の三大雑学236』 幻冬舎〈幻冬舎文庫〉、2003年7月、164-165頁。.mw-parser-output cite.citation{font-style:inherit}.mw-parser-output .citation q{quotes:"""""""'""'"}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-free a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/6/65/Lock-green.svg/9px-Lock-green.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-limited a,.mw-parser-output .citation .cs1-lock-registration a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/d/d6/Lock-gray-alt-2.svg/9px-Lock-gray-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .citation .cs1-lock-subscription a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/a/aa/Lock-red-alt-2.svg/9px-Lock-red-alt-2.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration{color:#555}.mw-parser-output .cs1-subscription span,.mw-parser-output .cs1-registration span{border-bottom:1px dotted;cursor:help}.mw-parser-output .cs1-ws-icon a{background:url("//upload.wikimedia.org/wikipedia/commons/thumb/4/4c/Wikisource-logo.svg/12px-Wikisource-logo.svg.png")no-repeat;background-position:right .1em center}.mw-parser-output code.cs1-code{color:inherit;background:inherit;border:inherit;padding:inherit}.mw-parser-output .cs1-hidden-error{display:none;font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-visible-error{font-size:100%}.mw-parser-output .cs1-maint{display:none;color:#33aa33;margin-left:0.3em}.mw-parser-output .cs1-subscription,.mw-parser-output .cs1-registration,.mw-parser-output .cs1-format{font-size:95%}.mw-parser-output .cs1-kern-left,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-left{padding-left:0.2em}.mw-parser-output .cs1-kern-right,.mw-parser-output .cs1-kern-wl-right{padding-right:0.2em}
    ISBN 978-4344403925。


  2. ^ abc“雪渓”. 季語と歳時記-きごさい歳時記. 季語と歳時記の会 (2010年3月22日). 2018年2月22日閲覧。


  3. ^ 日外アソシエーツ『季語・季題辞典』


  4. ^ 『大辞泉』




関連項目



  • 万年雪

  • 氷河



外部リンク


  • “地名コレクション「雪渓」”. 都道府県市区町村. 2017年2月8日閲覧。







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