リーディングジョッキー
リーディングジョッキー (Leading Jockey) とはある国・地域・競馬場、もしくは主催団体においてシーズンの勝利数が最も多い騎手のことである。最多勝利騎手ともいう。
この言葉が広まっていることから日本では2位以下の騎手のランキングについても「リーディング○位」とあらわすことがあるが、Leading Jockeyとはつまり「首位騎手」でありLeadingという言葉自体にランキングの意味はない(→リーディング (競馬)参照)。
目次
1 日本
1.1 中央競馬
1.2 地方競馬
2 イギリス
2.1 平地競走
3 フランス
4 北米
5 香港
6 脚注
7 関連項目
日本
中央競馬
中央競馬においては、日本中央競馬会 (JRA) が主催する競走に出走した騎手全体のなかで勝利数が最も多い騎手のことを指す。JRA賞にもリーディングジョッキーを表彰する部門「JRA賞最多勝利騎手」があるが、この場合は中央競馬および地方競馬の一部競走(JRA指定交流競走)が2012年度まで採用されていた。2013年度からは中央競馬のみでの成績が対象となる。また、美浦トレーニングセンター(関東)あるいは栗東トレーニングセンター(関西)[1]所属の騎手のなかで最も勝利数の多い騎手のことを「関東リーディングジョッキー」「関西リーディングジョッキー」という場合もある。1975年度以降、関西(栗東トレーニングセンター)所属騎手のなかで中央競馬における勝利数が1位だった騎手には「関西テレビ放送賞」が贈られている[2]。
さらに特定の期間における特定の競馬場での勝利数によるリーディングジョッキーという概念も存在し、地元のマスコミ関係団体などからの表彰を受ける場合がある。
年 | 関東 | 関西 | JRA賞最多勝利騎手 | ||||||
---|---|---|---|---|---|---|---|---|---|
騎手 | 所属厩舎 | 勝利数 | 騎手 | 所属厩舎 | 勝利数 | 騎手 | 所属厩舎 | 勝利数 | |
1980年 | 増沢末夫 | 鈴木勝太郎 | 64 | 河内洋 | 武田作十郎 | 72 | |||
1981年 | 増沢末夫 | 鈴木勝太郎 | 95 | 河内洋 | 武田作十郎 | 83 | |||
1982年 | 増沢末夫 | 鈴木勝太郎 | 104 | 田原成貴 | 谷八郎 | 87 | |||
1983年 | 増沢末夫 | 鈴木勝太郎 | 89 | 田原成貴 | 谷八郎 | 104 | |||
1984年 | 増沢末夫 | 鈴木勝太郎 | 88 | 田原成貴 | 谷八郎 | 100 | |||
1985年 | 柴田政人 | 高松邦男 | 101 | 河内洋 | フリー | 118 | |||
1986年 | 増沢末夫 | 鈴木勝太郎 | 106 | 河内洋 | フリー | 117 | |||
1987年 | 岡部幸雄 | フリー | 138 | 南井克巳 | 宇田明彦 | 99 | 岡部幸雄 | フリー | |
1988年 | 柴田政人 | 高松邦男 | 132 | 武豊 | 武田作十郎 | 113 | 柴田政人 | 高松邦男 | |
1989年 | 岡部幸雄 | フリー | 94 | 武豊 | 武田作十郎 | 133 | 武豊 | 武田作十郎 | |
1990年 | 岡部幸雄 | フリー | 105 | 武豊 | 武田作十郎 | 116 | 武豊 | 武田作十郎 | |
1991年 | 岡部幸雄 | フリー | 128 | 武豊 | 武田作十郎 | 96 | 岡部幸雄 | フリー | |
1992年 | 岡部幸雄 | フリー | 129 | 武豊 | フリー | 130 | 武豊 | フリー | |
1993年 | 岡部幸雄 | フリー | 114 | 武豊 | フリー | 137 | 武豊 | フリー | |
1994年 | 岡部幸雄 | フリー | 121 | 武豊 | フリー | 134 | 武豊 | フリー | |
1995年 | 横山典弘 | フリー | 130 | 武豊 | フリー | 134 | 武豊 | フリー | |
1996年 | 岡部幸雄 | フリー | 136 | 武豊 | フリー | 159 | 武豊 | フリー | |
1997年 | 岡部幸雄 | フリー | 124 | 武豊 | フリー | 168 | 武豊 | フリー | |
1998年 | 蛯名正義 | フリー | 136 | 武豊 | フリー | 169 | 武豊 | フリー | |
1999年 | 蛯名正義 | フリー | 129 | 武豊 | フリー | 178 | 武豊 | フリー | |
2000年 | 岡部幸雄 | フリー | 103 | 武豊 | フリー | 130 | 武豊 | フリー | |
2001年 | 蛯名正義 | フリー | 133 | 四位洋文 | フリー | 98 | 蛯名正義 | フリー | |
2002年 | 柴田善臣 | フリー | 120 | 武豊 | フリー | 133 | 武豊 | フリー | |
2003年 | 柴田善臣 | フリー | 119 | 武豊 | フリー | 204 | 武豊 | フリー | |
2004年 | 柴田善臣 | フリー | 145 | 武豊 | フリー | 211 | 武豊 | フリー | |
2005年 | 横山典弘 | フリー | 134 | 武豊 | フリー | 212 | 武豊 | フリー | |
2006年 | 横山典弘 | フリー | 113 | 武豊 | フリー | 178 | 武豊 | フリー | |
2007年 | 後藤浩輝 | フリー | 116 | 武豊 | フリー | 156 | 武豊 | フリー | |
2008年 | 内田博幸 | 嶋田潤 | 137 | 武豊 | フリー | 151 | 武豊 | フリー | |
2009年 | 内田博幸 | 嶋田潤 | 146 | 武豊 | フリー | 140 | 内田博幸 | 嶋田潤 | |
2010年 | 横山典弘 | フリー | 120 | 福永祐一 | フリー | 109 | 内田博幸 | 嶋田潤 | 125 |
2011年 | 蛯名正義 | フリー | 95 | 福永祐一 | フリー | 133 | 岩田康誠 | フリー | 138 |
2012年 | 蛯名正義 | フリー | 123 | 浜中俊 | フリー | 131 | 岩田康誠 | フリー | 135 |
2013年 | 内田博幸 | フリー | 114 | 福永祐一 | フリー | 131 | 福永祐一 | フリー | 131 |
2014年 | 戸崎圭太 | 田島俊明 | 146 | 岩田康誠 | フリー | 136 | 戸崎圭太 | 田島俊明 | 146 |
2015年 | 戸崎圭太[3] | 田島俊明 | 130 | 福永祐一[4] | フリー | 121 | 戸崎圭太 | 田島俊明 | 130 |
2016年 | 戸崎圭太[5] | 田島俊明 | 187 | C.ルメール[6] | フリー | 186 | 戸崎圭太 | 田島俊明 | 187 |
2017年 | 戸崎圭太[7] | 田島俊明 | 171 | C.ルメール[8] | フリー | 199 | C.ルメール[9] | フリー | 199 |
2018年 | 戸崎圭太 | 田島俊明 | 115 | C.ルメール | フリー | 215 | C.ルメール[10] | フリー | 215 |
地方競馬
地方競馬においては地方競馬全体でのリーディングジョッキーのほかに開催主催者単位、あるいは競馬場単位のリーディングジョッキーという概念が存在する。
2009年度より「NARグランプリ最優秀勝利回数騎手賞」が設けられ[11]、中央競馬を含む勝利数の合計が1位となった地方競馬の騎手に贈られている。歴代の受賞者は以下のとおり。
年 | 騎手 | 所属 | 勝利数 |
---|---|---|---|
2009年[11] | 戸崎圭太 | 大井 | 408 |
2010年[12] | 戸崎圭太 | 大井 | 310 |
2011年[13] | 戸崎圭太 | 大井 | 336 |
2012年 | 戸崎圭太 | 大井 | 367 |
2013年 | 川原正一 | 兵庫 | 267 |
2014年[14] | 田中学 | 兵庫 | 276 |
2015年[15] | 森泰斗 | 船橋 | 297 |
2016年[16] | 森泰斗 | 船橋 | 309 |
2017年 | 下原理 | 兵庫 | 273 |
2018年 | 吉村智洋 | 兵庫 | 296 |
イギリス
平地競走
年 | 騎手 | 勝利数 |
---|---|---|
2004年 | ランフランコ・デットーリ | 192勝 |
2005年 | ジェイミー・スペンサー | 163勝 |
2006年 | ライアン・ムーア | 180勝 |
2007年 | ジェイミー・スペンサー セバスチャン・サンダース | 190勝 |
2008年 | ライアン・ムーア | 186勝 |
2009年 | ライアン・ムーア | 174勝 |
2010年 | ポール・ハナガン | 191勝 |
2011年 | ポール・ハナガン | 165勝 |
2012年 | リチャード・ヒューズ | 172勝 |
2013年 | リチャード・ヒューズ | 203勝 |
2014年[17] | リチャード・ヒューズ | 161勝 |
2015年[18] | シルヴェスタ・デソウサ | 132勝 |
2016年 | ジム・クロウリー | 148勝 |
2017年 | シルヴェスタ・デソウサ | 155勝 |
2018年 | シルヴェスタ・デソウサ | 148勝 |
フランス
北米
アメリカ合衆国・カナダの成績[19]
年 | 首位 | 勝利数 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|---|
2000年 | ラッセル・ベイズ | 412勝 | クリントン・ポッツ | ラモン・ドミンゲス |
2001年 | ラモン・ドミンゲス | 433勝 | ラッセル・ベイズ | トラヴィス・ダンケルバーガー |
2002年 | ラッセル・ベイズ | 431勝 | コルネリオ・ベラスケス | ジョサイア・ハンプシャー・ジュニア |
2003年 | ラモン・ドミンゲス | 453勝 | ラッセル・ベイズ | ジョン・ベラスケス |
2004年 | ラファエル・ベジャラノ | 455勝 | ラモン・ドミンゲス | ジョン・ベラスケス |
2005年 | ラッセル・ベイズ | 375勝 | ロドニー・プレスコット | エディー・カストロ |
2006年 | ジュリアン・ルパルー | 403勝 | ラモン・ドミンゲス | ラッセル・ベイズ |
2007年 | ラッセル・ベイズ | 398勝 | ラモン・ドミンゲス | エルビス・トルヒージョ |
2008年 | ラッセル・ベイズ | 403勝 | デシュワン・パーカー | J・D・アコスタ |
2009年 | ラッセル・ベイズ | 415勝 | ラモン・ドミンゲス | フアン・カルロス・ディアス |
2010年 | デシュワン・パーカー | 377勝 | ラモン・ドミンゲス | ラッセル・ベイズ |
2011年 | デシュワン・パーカー | 400勝 | ラモン・ドミンゲス | レアンドロ・ゴンサルベス |
2012年 | ラッセル・ベイズ | 374勝 | ラモン・ドミンゲス | ハビエル・カステリャーノ |
2013年 | ハビエル・カステリャーノ | 362勝 | ラッセル・ベイズ | フアン・カルロス・ディアス |
2014年[20] | ハビエル・カステリャーノ | 315勝 | ||
2015年[21] | ハビエル・カステリャーノ | 344勝 | ||
2016年 | ハビエル・カステリャーノ | 300勝 | ||
2017年 | ホセ・オルティス | 270勝 | ||
2018年 | イラッド・オルティスJr | ホセ・オルティス |
香港
年 | 首位 | 勝利数 | 2位 | 3位 |
---|---|---|---|---|
2009/10年 | ダグラス・ホワイト | 100勝 | ブレット・プレブル | 鄭雨滇 |
2010/11年 | ダグラス・ホワイト | 96勝 | ||
2011/12年 | ダグラス・ホワイト | 107勝 | ||
2012/13年 | ダグラス・ホワイト | 101勝 | ||
2013/14年 | ザカリー・パートン | 112勝 | ジョアン・モレイラ | ダグラス・ホワイト |
2014/15年[22] | ジョアン・モレイラ | 145勝 | ザカリー・パートン | ダグラス・ホワイト |
2015/16年[23] | ジョアン・モレイラ | 168勝 | ザカリー・パートン | カリス・ティータン |
2016/17年 | ジョアン・モレイラ | 171勝 | ||
2017/18年 | ザカリー・パートン | 136勝 | ジョアン・モレイラ | カリス・ティータン |
脚注
^ トレーニングセンター設立以前は各競馬場。
^ “JRAニュース「2011年度『関西テレビ放送賞』は福永 祐一騎手が受賞」” (日本語). 日本中央競馬会 (2011年12月25日). 2012年5月20日閲覧。
^ 2015年関東リーディング一覧日本中央競馬会、2016年3月7日閲覧
^ 2015年関西リーディング一覧日本中央競馬会、2016年3月7日閲覧
^ 2016年関東リーディング一覧日本中央競馬会、2016年12月26日閲覧
^ 2016年関西リーディング一覧日本中央競馬会、2016年12月26日閲覧
^ 2017年関東リーディング一覧日本中央競馬会、2017年12月30日閲覧
^ 2017年関西リーディング一覧日本中央競馬会、2017年12月30日閲覧
^ 2017年度JRAリーディングジョッキー、リーディングトレーナーが決定!日本中央競馬会、2017年12月28日閲覧
^ “2018年度JRAリーディングジョッキー、リーディングトレーナーが決定!”. 日本中央競馬会 (2018年12月28日). 2018年12月29日閲覧。
- ^ ab“『NARグランプリ2009』表彰馬・表彰者決定!” (日本語). 地方競馬全国協会 (2010年1月7日). 2012年5月20日閲覧。
^ “『NARグランプリ2010』表彰馬・表彰者決定!” (日本語). 地方競馬全国協会 (2011年1月11日). 2012年6月9日閲覧。
^ “『NARグランプリ2011』表彰馬・表彰者決定!” (日本語). 地方競馬全国協会 (2012年1月11日). 2012年6月9日閲覧。
^ レーシングトピックス日本中央競馬会 2015年1月4日閲覧
^ 『NARグランプリ2015』表彰馬・表彰者決定!地方競馬全国協会、2016年3月7日閲覧
^ 『NARグランプリ2016』表彰馬・表彰者決定地方競馬全国協会、2017年7月18日閲覧
^ Racing Topics(2014年11月23日レーシングプログラム掲載) - 日本中央競馬会、2014年11月24日閲覧
^ デ・ソウサ騎手、自身初のリーディングタイトルを獲得(イギリス) - ジャパンスタッドブックインターナショナル、2015年11月5日閲覧
^ [1]
^ レーシングトピックス日本中央競馬会 2015年1月4日閲覧
^ 2015年獲得賞金額による北米リーディング(アメリカ)ジャパンスタッドブックインターナショナル 2016年3月7日閲覧
^ レーシングトピックス(2015年7月19日)日本中央競馬会、2015年7月21日閲覧
^ 第276回「不良の独ダービーはバルジュー騎乗イスファハンがV!ジャンプラ賞結果。香港シーズン終了」日刊スポーツ、2016年7月17日閲覧
関連項目
- 中央競馬通算1000勝以上の騎手・調教師一覧
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