北陸新幹線






















































































JR logo JRgroup.svg 北陸新幹線

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北陸新幹線E7系電車 新高岡駅にて
北陸新幹線E7系電車
新高岡駅にて

基本情報
国
日本の旗 日本
所在地
群馬県、長野県、新潟県、富山県、石川県
種類
高速鉄道(新幹線)
起点
高崎駅
終点
金沢駅(2015年3月14日時点)
駅数
13駅
開業
1997年10月1日(高崎 - 長野間)
最終延伸
2015年3月14日(長野 - 金沢間)
所有者
鉄道建設・運輸施設整備支援機構
運営者
東日本旅客鉄道(JR東日本)
(高崎 - 上越妙高間)
西日本旅客鉄道(JR西日本)
(上越妙高 - 金沢間)
使用車両
E7系、W7系
路線諸元
路線距離
345.5 km
軌間
1,435 mm
線路数
複線
電化方式
交流25,000 V・50 Hz
(高崎駅-軽井沢駅・〈上越妙高〉-糸魚川駅)
交流25,000 V・60 Hz
(〈軽井沢〉-上越妙高駅・〈糸魚川〉-金沢駅)
いずれも架空電車線方式(異周波数対応の節も参照)。
閉塞方式
車内信号式
保安装置
ATC (DS-ATC)
最高速度
260 km/h



路線図

北陸新幹線.jpg
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北陸新幹線(ほくりくしんかんせん)は、上信越・北陸地方を経由して東京都と大阪市とを結ぶ計画の高速鉄道路線(新幹線)であり、整備新幹線5路線の一つである[1]。


2015年(平成27年)3月14日現在、高崎駅 - 金沢駅間が開業している。また、高崎駅以東については、全定期列車が上越新幹線および東北新幹線を経由して東京駅まで乗り入れている。




目次






  • 1 概要


    • 1.1 路線データ


    • 1.2 平均通過人員




  • 2 駅一覧


    • 2.1 開業区間


    • 2.2 未開業区間


      • 2.2.1 着工区間


      • 2.2.2 未着工区間




    • 2.3 各駅の構造




  • 3 運行形態


    • 3.1 列車の概要


    • 3.2 列車愛称


      • 3.2.1 「かがやき」


      • 3.2.2 「はくたか」


      • 3.2.3 「つるぎ」


      • 3.2.4 「あさま」




    • 3.3 現行のダイヤパターンと停車駅


    • 3.4 号数の振り方


    • 3.5 過去のダイヤパターンと停車駅


    • 3.6 2015年3月14日




  • 4 車両


    • 4.1 現用車両


      • 4.1.1 営業車両


      • 4.1.2 事業用車両




    • 4.2 過去の車両




  • 5 運賃と特急料金


  • 6 乗務員と車内販売


  • 7 主要技術


    • 7.1 異周波数対応


    • 7.2 冬季対策設備




  • 8 沿革


    • 8.1 構想から整備計画の決定


    • 8.2 ルート選定


    • 8.3 建設の凍結と運輸省案による整備方針


    • 8.4 高崎 - 長野間の建設・開業


    • 8.5 長野 - 金沢間の建設・開業


      • 8.5.1 スーパー特急方式による暫定整備計画


      • 8.5.2 新規着工拡大と全区間フル規格化


      • 8.5.3 新潟県の費用負担問題




    • 8.6 金沢 - 敦賀間の建設


    • 8.7 新駅誘致運動


      • 8.7.1 長野県千曲市


      • 8.7.2 石川県白山市




    • 8.8 年表


      • 8.8.1 開業前 国鉄時代


      • 8.8.2 開業前 JR発足後


      • 8.8.3 長野開業後


      • 8.8.4 金沢開業後


      • 8.8.5 今後の予定






  • 9 今後の見通し


    • 9.1 敦賀以西のルート


    • 9.2 フリーゲージトレイン導入について




  • 10 並行在来線の扱い


    • 10.1 信越本線


    • 10.2 北陸本線(直江津駅 - 金沢駅)


    • 10.3 北陸本線(金沢駅 - 敦賀駅間)


    • 10.4 敦賀駅以西




  • 11 路線形態詳細


  • 12 脚注


    • 12.1 注釈


    • 12.2 出典


      • 12.2.1 国土交通省


      • 12.2.2 鉄道・運輸機構




    • 12.3 報道発表資料


    • 12.4 新聞記事




  • 13 参考文献


    • 13.1 書籍


    • 13.2 雑誌記事


    • 13.3 報告書




  • 14 関連項目


  • 15 外部リンク





概要


北陸新幹線は1972年(昭和47年)に、全国新幹線鉄道整備法第4条第1項の規定による『建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画』により公示され、1973年(昭和48年)11月13日に整備計画が決定された5路線(いわゆる整備新幹線)の路線の一つである[1]。国鉄の財政悪化により建設が一時凍結されたが、1989年(平成元年)に高崎 - 軽井沢間で着工され、1997年(平成9年)10月に高崎駅 - 長野駅間が整備新幹線としては初めて開業した[2]。長野 - 金沢間は一部区間がスーパー特急方式で着工された後、全区間がフル規格化され、2015年(平成27年)3月に長野駅 - 金沢駅間が開業した[3]。鉄道建設・運輸施設整備支援機構が鉄道施設を建設・保有し、高崎駅 - 上越妙高駅間は東日本旅客鉄道(JR東日本)、上越妙高駅 - 金沢駅間は西日本旅客鉄道(JR西日本)により運営されている[4]。JR東日本・JR西日本の施設管理境界は上越妙高駅の金沢方・高崎起点177km950m地点である[5]。1997年開業時点では長野駅が終点であり、2015年の延伸まで北陸新幹線は北陸地方に達していなかったことから旅客向けの呼称が変遷している(詳細は沿革を参照)。同一名称の新幹線の路線が複数の鉄道会社によって管轄・運行されるのは、北陸新幹線が初めてであり、現在でも唯一である。また、JR西日本では北陸新幹線とは別に山陽新幹線も運営しているが、1つの鉄道事業者が運営する新幹線の路線が直接つながっていない事例も初めてである。


未開業区間のうち金沢駅 - 敦賀駅間が2022年度末に開業する予定である[6]。
なお、敦賀駅から大阪市に至るルートの詳細については過去に様々な議論(詳細は「北陸新幹線敦賀以西のルート選定」を参照)が行われたが、2016年12月20日に政府与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチーム(与党PT)の検討委員会に於いて「小浜市付近、京都駅を経由し新大阪駅に至るルート」(小浜・京都ルート)[7]が、2017年3月15日には京都駅と新大阪駅について「京田辺市(松井山手駅付近)を経由するルート」を採用することが与党PTの方針として正式決定されている[7]。



路線データ



  • 営業主体

    • 高崎駅 - 上越妙高駅間:東日本旅客鉄道(JR東日本)

    • 上越妙高駅 - 金沢駅間:西日本旅客鉄道(JR西日本)



  • 建設主体

    • 高崎 - 長野間:日本鉄道建設公団

    • 長野 - 金沢 - 敦賀間:独立行政法人鉄道建設・運輸施設整備支援機構




  • 軌間:1,435mm(標準軌)


  • 複線区間:全線

  • 電化方式(カッコ内は駅構内含まず。「異周波数対応」の節も参照)

    • 高崎駅 - 軽井沢駅、(上越妙高駅) - 糸魚川駅:交流25,000V (50Hz)

    • (軽井沢駅)- 上越妙高駅、(糸魚川駅) - 金沢駅 - 白山総合車両所:交流25,000V (60Hz)



  • 保安装置:ATC (DS-ATC)


  • 運転指令所:JR東日本新幹線運行本部 総合指令室、JR西日本金沢支社 金沢新幹線総合指令所


  • 列車運行管理システム:新幹線総合システム (COSMOS)

  • 最高速度:260km/h(高崎駅 - 金沢駅間)

  • 構造種別延長割合[8]

    • 高崎 - 長野間:路盤 15%、橋梁 9%、高架橋 25%、トンネル 51%

    • 長野 - 金沢間:路盤 2%、橋梁 10%、高架橋 44%、トンネル 44%

    • 金沢 - 敦賀間[9]:路盤 2%、橋梁 14%、高架橋 51%、トンネル 33%




  • 架線吊架方式

    • 高崎 - 長野間:CSシンプルカテナリ式(耐荷速度300km/h)

    • 長野 - 金沢間:PHCシンプルカテナリ式(耐荷速度350km/h)





平均通過人員


各年度の平均通過人員、旅客運輸収入は以下の通り。




































































JR東日本
年度
平均通過人員(人/キロ/日)
旅客運輸収入(万円)
備考
高崎駅 - 長野駅間
長野駅 - 上越妙高駅間
1997年
21,995[10]
未開業

高崎駅 - 長野駅間開業
2011年
17,751[11]


2012年
18,565[11]


2013年
19,210[11]


2014年
21,247[11]


2015年
42,855[11]
25,595[11]
6,753,400[11]
長野駅 - 金沢駅間開業
2016年
41,835[12]
24,187[12]
6,475,600[12]

2017年
42,179[13]
24,185[13]
6,478,900[13]





































JR西日本
年度
平均通過人員(人/キロ/日)
旅客運輸収入(万円)
備考
上越妙高駅 - 富山駅間
富山駅 - 金沢駅間
2015年
24,858[14]
22,790[14]
4,599,700[14]

2016年
23,245[15]
21,556[15]
4,252,500[15]

2017年
23,173[16]
21,330[16]
4,206,800[16]



駅一覧



開業区間


  • 乗車人員は東日本旅客鉄道の駅のもの。在来線分は含まない。増加減少は前年度に比較した増(増加)減(減少)を表す。















































































































































































































































会社
正式路線名

架線周波数
駅名
高崎からの

東京からの
停車駅
2017年度
乗車人員
(1日平均)
接続路線
所在地
営業
キロ
実
キロ
営業
キロ
実
キロ
東日本旅客鉄道

東北新幹線
50
Hz

東京駅 山区
105.0
108.6
0.0
0.0
全
78,618増加

東海旅客鉄道:■ 東海道新幹線
東日本旅客鉄道:JY 山手線・JK 京浜東北線・JC 中央線
JT 東海道線・JU 宇都宮線(東北本線)・JU 高崎線・JJ 常磐線
JO 横須賀線・JO 総武快速線・JE 京葉線
東京地下鉄:M 丸ノ内線

東京都

千代田区

上野駅 山区
101.4
105.0
3.6
3.6
 
11,941増加
東日本旅客鉄道:JY 山手線・JK 京浜東北線
JU 宇都宮線(東北本線)・JU 高崎線・JJ 常磐線
東京地下鉄:G 銀座線・H 日比谷線
京成電鉄:KS 本線(京成上野駅)

台東区

大宮駅
74.7
77.3
30.3
31.3
全
30,122増加
東日本旅客鉄道:■ 東北新幹線・JK 京浜東北線
JU 宇都宮線(東北本線)・JU 高崎線・JA 埼京線・■川越線
東武鉄道:TD 野田線
埼玉新都市交通:■伊奈線(ニューシャトル)

埼玉県

さいたま市
大宮区
上越新幹線

熊谷駅
40.3
40.7
64.7
67.9
 
4,367増加
東日本旅客鉄道:■高崎線
秩父鉄道:■秩父本線

熊谷市

本庄早稲田駅
19.0
19.6
86.0
89.0
 
2,218増加
 

本庄市

高崎駅
0.0
0.0
105.0
108.6
 
14,468増加
東日本旅客鉄道:■ 上越新幹線・■上越線・■高崎線
■信越本線・■両毛線・■八高線・■吾妻線
上信電鉄:■上信線

群馬県

高崎市
北陸新幹線

安中榛名駅
18.5
18.5
123.5
127.1
 
292増加
 

安中市

軽井沢駅
41.8
41.8
146.8
150.4
 
3,796増加

しなの鉄道:■しなの鉄道線

長野県

北佐久郡
軽井沢町
60
Hz

佐久平駅
59.4
59.4
164.4
168.0
 
2,603増加
東日本旅客鉄道:■小海線

佐久市

上田駅
84.2
84.2
189.2
192.8
 
2,841減少
しなの鉄道:■しなの鉄道線
上田電鉄:●BE 別所線

上田市

長野駅
117.4
117.4
222.4
226.0
全
7,491増加
東日本旅客鉄道:■信越本線・■篠ノ井線・■飯山線
しなの鉄道:■北しなの線
長野電鉄:●N 長野線

長野市

飯山駅
147.3
147.3
252.3
255.9
 
550増加
東日本旅客鉄道:■飯山線

飯山市

上越妙高駅
176.9
176.9
281.9
285.5
 
2,171増加

えちごトキめき鉄道:■妙高はねうまライン

新潟県

上越市
西日本旅客鉄道

50
Hz

糸魚川駅
213.9
213.9
318.9
322.5
 
-

西日本旅客鉄道:■大糸線
えちごトキめき鉄道:■日本海ひすいライン

糸魚川市
60
Hz

黒部宇奈月温泉駅
253.1
253.1
358.1
361.7
 
-

富山地方鉄道(鉄道線):■本線(新黒部駅)

富山県

黒部市

富山駅
286.9
286.9
391.9
395.5
全
-
西日本旅客鉄道:■高山本線
あいの風とやま鉄道:■あいの風とやま鉄道線
富山地方鉄道(鉄道線):■本線・■立山線・■不二越線・■上滝線(電鉄富山駅)
富山地方鉄道(軌道線):■本線・■支線(電鉄富山駅・エスタ前停留場)・富山駅南北接続線(富山駅停留場)
富山ライトレール:■富山港線(富山駅北停留場)

富山市

新高岡駅
305.8
305.8
410.8
414.4
 
-
西日本旅客鉄道:■城端線

高岡市

金沢駅
345.5
345.5
450.5
454.1
全
-
西日本旅客鉄道:■北陸本線
IRいしかわ鉄道:■IRいしかわ鉄道線
北陸鉄道:■浅野川線(北鉄金沢駅)

石川県

金沢市


  • 停車駅…全:すべての列車が停車する駅(2016年3月改正時点)

  • 長距離乗車券の特定都区市内


    • 山:東京山手線内


    • 区:東京都区内






未開業区間



着工区間


  • 金沢駅 - 敦賀駅間は2022年度末開業予定[6]。うち、金沢駅 - 白山総合車両所間は長野駅 - 金沢駅間開業と同時に非営業の回送線として供用開始しており、福井駅部も既に完成している。
































































会社

架線周波数
駅名
高崎
からの
実
キロ
[17][18][19]

東京
からの実
キロ
接続路線
所在地
西日本旅客鉄道
60
Hz

金沢駅
345.5
454.1
西日本旅客鉄道:※北陸本線
IRいしかわ鉄道:■IRいしかわ鉄道線
北陸鉄道:■浅野川線(北鉄金沢駅)

石川県

金沢市

小松駅
372.6
481.2
西日本旅客鉄道:※北陸本線

小松市

加賀温泉駅
387.2
495.8
西日本旅客鉄道:※北陸本線

加賀市

芦原温泉駅
403.4
512.0
西日本旅客鉄道:※北陸本線

福井県

あわら市

福井駅
421.4
530.0
西日本旅客鉄道:※北陸本線
えちぜん鉄道:■勝山永平寺線
福井鉄道:■福武線(福井駅停留場)

福井市

南越駅(仮称)
440.4
549.0
(接続路線なし、予定地は北陸自動車道武生IC付近)

越前市

敦賀駅
470.6
579.2
西日本旅客鉄道:A B 北陸本線・小浜線

敦賀市


未着工区間


  • 敦賀駅 - 新大阪駅間は与党PTで決定された方針に基づいたルートを記している(国として正式承認されたものではない。詳細後述)。その区間にある駅での接続路線は与党PTでの想定。





















































会社

架線周波数
駅名
高崎
からの
実
キロ
[17][18][19]

東京
からの実
キロ
接続路線
所在地
西日本旅客鉄道
60
Hz

敦賀駅
470.6
579.2
西日本旅客鉄道:A B 北陸本線・小浜線

福井県

敦賀市
名称未定
(東小浜駅付近)


西日本旅客鉄道:小浜線

小浜市

京都駅 特定都区市内制度における京都市内の駅


東海旅客鉄道:■ 東海道新幹線
西日本旅客鉄道:A 東海道本線(JR京都線・琵琶湖線)・B 湖西線・D 奈良線・E 山陰本線(嵯峨野線)
近畿日本鉄道:B 京都線
京都市営地下鉄:K 烏丸線

京都府

京都市
下京区
名称未定
(松井山手駅付近)


西日本旅客鉄道:H 片町線(学研都市線)

京田辺市

新大阪駅 特定都区市内制度における大阪市内の駅


東海旅客鉄道:■ 東海道新幹線・中央新幹線(予定)
西日本旅客鉄道:■ 山陽新幹線・A 東海道本線(JR京都線・JR神戸線)・G JR宝塚線・F おおさか東線(事業中)・梅田貨物線・なにわ筋線(計画中)
阪急電鉄:HK 新大阪連絡線(計画中)
大阪市高速電気軌道 (Osaka Metro):M 御堂筋線

大阪府

大阪市
淀川区


各駅の構造


可動式安全柵は安中榛名 - 上田間の通過線のない各駅と、飯山以西の各駅については開業当初より設置されており、2017年には軽井沢駅についても通過列車が存在する2・3番線に設置工事が行われている[20][注 1]。上越新幹線との共用区間上の高崎駅・本庄早稲田駅・熊谷駅には通過線がある。






























各駅の構内配線とホームの形式
配線分類
2面4線
2面2線+通過線
2面3線+通過線
2面2線
2面4線+通過線
構内図

Station Track layout-1.png

Station Track layout-2.png

Station Track layout-3.png

Station Track layout-4.png

Station Track layout-6.png
該当駅

上野駅・軽井沢駅
長野駅・上越妙高駅
富山駅・金沢駅

本庄早稲田駅

熊谷駅

安中榛名駅・佐久平駅
上田駅・飯山駅
糸魚川駅
黒部宇奈月温泉駅
新高岡駅

高崎駅

※なお、高崎駅は下り方に北陸新幹線上り線が別線で入線している(3線入線)





















その他の特殊な構内配線とホームの形式
配線分類
3面6線
2面4線(終着駅)
構内図

Station Track layout-12.png

Station Track layout-7.png
該当駅

大宮駅

東京駅


運行形態



列車の概要


1997年の高崎駅 - 長野駅間開業時点では旅客向けには「長野新幹線」と案内され、速達タイプも各駅タイプも全て「あさま」としての運行であった[21][22]。2015年の長野駅 - 金沢駅間の開業にあたり、首都圏と富山・石川エリアを短時間で結ぶ速達タイプの「かがやき」、主に長野駅以東の主要駅と長野以西の各駅間の利便性確保を目的とした停車タイプの「はくたか」、富山駅 - 金沢駅間シャトルタイプの「つるぎ」、東京駅 - 長野駅間運転タイプの「あさま」の4種類になった[23]。原則として、全ての列車がE7系・W7系を使用する。



列車愛称



「かがやき」


「かがやき」は、2015年3月14日に設定された、東京駅 - 金沢駅間で運行される最速達タイプの列車。全車指定席。


途中停車駅は上野駅(一部列車は通過)・大宮駅・長野駅・富山駅である。朝と夜を中心に概ね毎時1本の割合で運行されており、所要時間は最速達列車で東京駅 - 富山駅間が2時間8分、東京駅 - 金沢駅間が2時間28分である[23]。



「はくたか」


「はくたか」は、2015年3月14日に設定された、東京駅・長野駅 - 金沢駅間で運行される停車タイプの列車。


東京駅 - 長野駅間では「かがやき」に次ぐ速達列車の位置づけではあるが、長野駅 - 金沢駅間では基本的に各駅に停車する(一部の列車は飯山駅を通過)。概ね毎時1本の割合で運行されている。



「つるぎ」


「つるぎ」は、2015年3月14日に設定された、富山駅 - 金沢駅間で運行される列車。


それまで運行されていた名古屋・大阪・福井方面から富山方面に直通運転していた在来線特急「しらさぎ」「サンダーバード」の運転区間が新幹線開業に伴い金沢までに短縮されたため、その代替として設定された。富山・金沢両都市間のシャトル列車としての役割を担っている。12両編成だがグランクラスを含む4両(8(一部列車)・9・10・12号車)は締め切り扱いで乗車できない。



「あさま」


「あさま」は、1997年10月1日に運行開始した、東京駅 - 長野駅間で運行される列車。


長野までの開業時点では速達・各駅タイプを問わず全ての列車が「あさま」として運行されていた[22]が、2015年の金沢延伸以降は長野駅までの各駅停車タイプとしての役割が大きくなっている。



現行のダイヤパターンと停車駅


2016年3月26日から現在までの基本的な日中ダイヤパターンである。


以下に示す時刻・運転区間などは昼間時間帯の平均的なパターンで、早朝・深夜は若干異なる。
















































































































































下り
種別
東京駅
発車時刻

東京駅

上野駅

大宮駅

熊谷駅

本庄早稲田駅

高崎駅

安中榛名駅

軽井沢駅

佐久平駅

上田駅

長野駅

飯山駅

上越妙高駅

糸魚川駅

黒部宇奈月温泉駅

富山駅

新高岡駅

金沢駅
終着
あさま
04分
● ● ● ● ● ● ○ ● ● ● ◎              
長野
はくたか
24分
● ● ● → → ● → △ △ △ ◎ ○ ● ● ● ● ● ●
金沢
あさま◆
32分
● ● ● → → ● → ● ● ● ●              
長野
かがやき◆
52分
● ● ● → → → → → → → ● → → → → ● → ●
金沢
つるぎ
(富山発)17分
                              ● ● ●
金沢















































































































































上り
種別
始発

金沢駅

新高岡駅

富山駅

黒部宇奈月温泉駅

糸魚川駅

上越妙高駅

飯山駅

長野駅

上田駅

佐久平駅

軽井沢駅

安中榛名駅

高崎駅

本庄早稲田駅

熊谷駅

大宮駅

上野駅

東京駅
東京駅
到着時刻
あさま
長野
              ◎ ● ● ● ○ ● ● ● ● ● ●
12分
かがやき◆
金沢
● → ● → → → → ● → → → → → → → ● ● ●
20分
あさま◆
長野
              ● ● ● ● → ● → → ● ● ●
40分
はくたか
金沢
● ● ● ● ● ● ○ ◎ △ △ △ → ● → → ● ● ●
52分
つるぎ
金沢
● ● ●                              
(富山着)51分

  • ●:停車、○:一部通過、→:通過、◎:相互に接続を図る駅、△:この駅のうち0 - 3駅に停車、◆:臨時列車


号数の振り方


列車番号は、かがやきが3000+号数+E、それ以外の定期列車が基本的に号数+E、臨時列車が8000、9000+号数+Eである。




  • かがやき
    • 東京 - 金沢間:500 - 519号、臨時列車が520 - 545号



  • はくたか

    • 東京 - 金沢間:551 - 577号

    • 長野 - 金沢間:590・591号、臨時列車が580号(日曜日もしくは連休最終日運転)・582号(土・祝日前日運転)

    • 長野 - 上越妙高間:596・598号(上り2本のみ)




  • あさま

    • 東京 - 長野間:600 - 631号、臨時列車が632 - 658号

    • 上野 - 長野間(臨時列車のみ):664・666号(上り2本のみ)




  • つるぎ
    • 富山 - 金沢間:700 - 735号




過去のダイヤパターンと停車駅



2015年3月14日


2015年3月14日から2016年3月25日まで
















































































































































下り
種別
東京駅
発車時刻

東京駅

上野駅

大宮駅

熊谷駅

本庄早稲田駅

高崎駅

安中榛名駅

軽井沢駅

佐久平駅

上田駅

長野駅

飯山駅

上越妙高駅

糸魚川駅

黒部宇奈月温泉駅

富山駅

新高岡駅

金沢駅
終着
あさま
08分
● ● ● ● ● ● ○ ● ● ● ●              
長野
かがやき◆
24分
● ● ● → → → → → → → ● → → → → ● → ●
金沢
あさま◆
40分
● ● ● → → ● → ● ● ● ●              
長野
はくたか
56分
● ● ● → → ● → △ △ △ ● ○ ● ● ● ● ● ●
金沢
つるぎ
(富山発)15分
                              ● ● ●
金沢















































































































































上り
種別
始発

金沢駅

新高岡駅

富山駅

黒部宇奈月温泉駅

糸魚川駅

上越妙高駅

飯山駅

長野駅

上田駅

佐久平駅

軽井沢駅

安中榛名駅

高崎駅

本庄早稲田駅

熊谷駅

大宮駅

上野駅

東京駅
東京駅
到着時刻
あさま◆
長野
              ● ● ● ● → ● → → ● ● ●
12分
はくたか
金沢
● ● ● ● ● ● ○ ● △ △ △ → ● → → ● ● ●
28分
かがやき◆
金沢
● → ● → → → → ● → → → → → → → ● ● ●
44分
あさま
長野
              ● ● ● ● ○ ● ● ● ● ● ●
56分
つるぎ
金沢
● ● ●                              
(富山着)29分

  • ●:停車、○:一部通過、→:通過、△:この駅のうち0 - 3駅に停車、◆:臨時列車


車両


長野新幹線時代の2005年からJR東日本管内の新幹線路線に先駆けて全面禁煙化に踏み切っている。金沢延伸後も喫煙車の設定はなく、喫煙スペースを設けた車両も存在しない。



現用車両



営業車両




  • E7系 - F編成、12両編成(JR東日本所有)[24]。金沢延伸開業前から先行投入されていた。


  • W7系 - W編成、12両編成(JR西日本所有)[24]。
    E7系とW7系は両者の区別なく共通運用となっており、設備なども同一仕様とされている。





事業用車両



  • E926形 (EAST i) - S51編成、電気・軌道総合試験車(JR東日本所有)。長野駅 - 金沢駅間の完成後の初乗り入れとなる試運転にも使用された。



過去の車両





  • 200系 - 長野新幹線時代に臨時列車として、急勾配・60Hz対応改造を施したF80編成が入線。


  • E4系 - P編成、2階建て8両編成。長野新幹線時代に対応編成が臨時列車で使用。


  • E2系

    • J編成 - 長野新幹線時代に1000番台の量産車に準じた塗装色変更と10両編成化の前に乗り入れ。N編成とは共通運用であった。また、開業前の長野駅 - 黒部宇奈月温泉駅間の試運転にJ5・J6編成が充当された実績もある。

    • N編成、8両編成(JR東日本所有) - 「あさま」用の編成で、東京駅 - 高崎駅 - 長野駅間のみで使用された。2016年3月26日改正以降は臨時列車のみに運用[25]。2017年3月31日をもって運用を終了[26]。




  • 925形(ドクターイエロー) - S1・2編成。電気・信号検測車。急勾配・60Hz対応改造が施され2002年のE926形の運用開始まで検測を担当した。検測時は必ず後述の921-32を連結して運行された。高崎駅 - 長野駅間の完成後の初乗り入れに使用された。

    • 921形 - 32。軌道検測車。従来の3台車式の軌道検測車では軸重の関係で入線が困難なことから、日本初のレーザー測定式軌道検測車として、1997年に200系中間車の改造により導入。





運賃と特急料金


運賃は営業キロに基づいて算出する。東京駅 - 高崎駅間の営業キロは、並行する東北本線(東京駅 - 大宮駅間)・高崎線(大宮駅 - 高崎駅間)と同一となっている。高崎駅以西については並行するJRの路線が存在しないため、実キロ(新幹線での実際の距離)が用いられている。


2014年10月3日に国土交通省に認可申請し[報道 1][報道 2]、同年12月16日に認可された[報道 3]特急料金は、「三角表」と称するものにより各駅間個別に定められている。一方、この各駅間の特急料金は当該区間の営業キロに基づいて算出されたものである。料金体系は基本的に従来の長野新幹線に準じている(東北新幹線・上越新幹線と同等)ものの、会社間をまたぐ(上越妙高駅を挟む)場合には割高な料金が設定されている。JR西日本が中日新聞の取材に答えたところによると、2社での共同運行になるため運賃システムの改修が必要になり、九州新幹線など既存の新幹線と比べ早い時期の認可申請になったという[新聞 1]。営業キロに対応する特急料金、およびその他の特定の区間の特急料金は以下のとおり。












  • 東京駅と大宮駅以北の各駅との間の特急料金は、東京駅発着の営業キロは使用せず、上野駅発着の営業キロで算出した特急料金に210円を加算した額となっている。

  • 指定席特急料金は、閑散期は一律200円引き、繁忙期は一律200円増し。自由席は通年で同額。

  • グリーン車を利用する場合には、自由席特急料金と同額(ただし特定特急券区間も1,840円)の特急料金に利用区間に応じたグリーン料金を加算した金額となる。「グリーン料金」を参照。

  • グランクラスを利用する場合には、自由席特急料金と同額(ただし特定特急券区間も1,840円)の特急料金に利用区間に応じたグランクラス料金を加算した金額となる。「グランクラス料金」を参照。

  • 「かがやき」の立席特急券料金は自由席特急料金と同額(ただし特定特急券区間は1,840円)。

  • 新幹線定期乗車券については、JR東日本・JR西日本の両社にかかる区間(上越妙高駅をまたぐ区間)は発売されない[新聞 2]。


北陸新幹線は全区間、JR東日本のえきねっと、JR西日本のe5489で予約した乗車券と特急券の受け取りが可能である[注 3]。



乗務員と車内販売


乗務員(運転士、車掌)は、東京駅 - 長野駅間はJR東日本長野総合運輸区(一部の列車は東京支社の乗務員が担当)、長野駅 - 金沢駅間はJR西日本金沢新幹線列車区が担当しており、管轄境界駅である上越妙高駅ではなく長野駅でJR東日本とJR西日本の乗務員が交代する。これは上越妙高駅に「かがやき」が停車しないため、JR東日本とJR西日本の両社が乗務員を効率的に運用できるよう、敢えて「かがやき」「はくたか」の全列車が停車する長野駅を交代駅と定めたものである[新聞 3]。そのため、長野駅 - 上越妙高駅間は新幹線唯一の他社乗務員による運転区間となる[注 4]。



車内販売ならびにグランクラスアテンダントは日本レストランエンタプライズ(NRE)金沢列車営業支店及び東京列車営業支店が担当しており、東京駅 - 金沢駅間は通し乗務となる。ただし、「つるぎ」のグランクラスおよび車内販売は非営業、「あさま」や長野駅 - 金沢駅間の「はくたか」はグランクラスがシートのみの営業となっており、車内販売は非営業である。



主要技術



異周波数対応


北陸新幹線沿線の周波数は、群馬県内は50Hz、長野県内は60Hz、新潟県内は50Hz、富山・石川県内は60Hzとなっている[27]。営業中の新幹線路線で異周波数接続が存在する路線は北陸新幹線が唯一である[注 5]。異なる周波数の電流が混触すると大電流が流れるおそれがある[28]ため、電気的な絶縁を保ちつつ変電所間での電源系統の切替を行うために、新軽井沢き電区分所(SP) 、新高田SP 、新糸魚川SPに周波数切替セクションが設けられている。列車の通過に連動して自動的にき電を切り替えるため、新幹線車両はこれらのセクションを力行したまま通過できる[29]。高崎駅 - 軽井沢駅 - 新軽井沢SP間が50Hz、新軽井沢SP - 佐久平駅 - 上越妙高駅 - 新高田SP間が60Hz、新高田SP - 糸魚川駅 - 新糸魚川SP間が50Hz、新糸魚川SP - 黒部宇奈月温泉駅 - 金沢駅 - 白山総合車両所間が60Hzとなっている[30]。


また、1997年の長野開業時にはアナログATCが導入されたが、その後東北・上越新幹線で導入が進められたDS-ATCは電源周波数が50Hz用であったため、金沢開業を前に新たに60Hz対応のDS-ATCが開発され[31]、北陸新幹線に導入された[32]。


なお、新潟県内の50Hzき電を担う新上越変電所の異常時には、隣接する変電所からの救済き電により、新高田SS - 新糸魚川SS間を60Hzき電に切り替えることが可能である。そのため、この区間では50Hzと60Hzの両対応のATC装置や電気設備が設けられており、周波数に応じて切り替える構成になっている[29]。



冬季対策設備


北陸新幹線の経由する上信越・北陸地方は日本でも有数の豪雪地帯であり、冬季においても安定輸送を維持するための対策が施されている。JR東日本管内ではスプリンクラーによる散水消雪方式が採用されている[23]。飯山エリアでは、東北新幹線で実績があり、厳冬期に早期散水が可能となるよう予め送水本管内に温水を循環させておく「循環方式」を採用している[33]。一方、上越エリアでは、上越新幹線で実績があり、散水終了後に送水本管内の水抜きを行うことで凍結を防止する「水抜き方式」を採用している[4]。また、新規導入設備としてトンネル緩衝口端部より5m幅で散水するトンネル雪庇散水や、下り線側の保守用斜路への散水消雪設備が導入された[4]。


JR西日本管内では、沿線に水源にを確保できる場合はスプリンクラーによる散水消雪を採用し、困難な場合には高架橋の軌道下の路盤コンクリートを高くし、線路の両脇に雪を貯める貯雪方式を採用している[34]。比較的降雪量の多い区間では、高架橋内の降雪を減らすための雪覆いを設けた半雪覆式貯雪型高架橋が採用されている。貯雪可能な量を超える積雪が予想される糸魚川 - 富山間の黒部地区では、夜間にローターリー除雪車で雪を高架下に投下できる側方開床式貯雪型高架橋が採用されている[35]。しかし、道路などがあり高架下への投雪が困難な区間では、高架橋を拡幅して貯雪量を増やした閉床式貯雪型高架橋(拡幅型)、拡幅も困難な場合は高架橋のケーブルダクト上に加温した不凍液を循環させる温水パネルを設置して融雪するなど、周辺環境に合わせた対策を行っている。また、トンネル間の短い明かり区間にはスノーシェルターを設けることで高架橋への積雪を防止している[34]。



沿革



構想から整備計画の決定


1965年(昭和40年)9月26日、金沢市の石川県体育館で『1日内閣』が開催された。これは後年に言うタウンミーティングのようなもので、現職閣僚が地方へ出向いて実情を聞く公聴会であった。当時内閣総理大臣を務めていた佐藤栄作も出席したこの公聴会において、富山県代表の公述人である岩川毅(中越パルプ工業創業者・当時の砺波商工会議所会頭)は、政府に対して東京を起点とし松本、立山連峰を貫通し富山、金沢を経由して大阪に至る「北陸新幹線」の建設を求めた[36]。この提案に、鉄道官僚出身の佐藤も興味を示した。『1日内閣』での新幹線構想の発表により、北陸地方では新幹線誘致の機運が高まっていった。1967年(昭和42年)7月には、北陸三県商工会議所会頭会議において、北陸新幹線の実現を目指すことが決議された。その後、同年12月8日に「北回り新幹線建設促進同盟会」が発足した[37]。これは、北陸地方の活性化と将来逼迫する東海道新幹線の代替交通機関を目的としていた[38]。1969年(昭和44年)5月30日に「新全国総合開発計画」が閣議決定された。この中で主要開発事業の構想として「北陸地方を首都圏および近畿圏と結ぶ北回り新幹線鉄道の建設を進めるとともに」[39]と現在の北陸新幹線に相当する新幹線鉄道の建設構想が盛り込まれた。


1970年(昭和45年)に全国新幹線鉄道整備法(以下全幹法)が公布された。この法律により、逼迫する幹線の輸送力増強を目的とした東海道・山陽新幹線とは異なり、経済発展や地域の振興を目的とした新幹線の建設が行われるようになった。1972年(昭和47年)6月29日に基本計画が決定[40]、7月3日に全幹法第5条第1項の規定による「建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画」(昭和47年運輸省告示第243号)により北海道新幹線(青森市 - 札幌市)、北陸新幹線(東京都 - 大阪市)、九州新幹線(福岡市 - 鹿児島市)の3路線の基本計画が告示された。この基本計画において北陸新幹線は東京都を起点に長野市附近、富山市附近を主要な経過地として大阪市を終点とすることが示された。整備計画決定を受けて「北回り新幹線建設促進同盟会」は1972年7月に「北陸新幹線建設促進同盟会」と改称した。


翌年の1973年(昭和48年)11月13日には前述の3路線に加え、東北新幹線(盛岡市 - 青森市)、九州新幹線(福岡市 - 長崎市)を含む5路線(いわゆる整備新幹線)の整備計画が決定された[41]。北陸新幹線は主要な経過地として「長野市附近、富山市附近、小浜市附近」が示され、その他「東京都・高崎市間は上越新幹線を共用する。」とされ、建設主体は日本鉄道建設公団とされた [41]。



ルート選定


高崎 - 軽井沢間の標高差は約840mあり、信越本線は横川駅 - 軽井沢駅間に存在する碓氷峠を66.7‰の勾配で通過していた。当時の新幹線規格であった12‰勾配で建設するためには延長70kmの路線を建設して峠を大きく迂回しなければならず、工費や所要時間の拡大につながる[42]。そこで、公団は高崎から左に進み松井田駅上空を橋で通過し、物見山の下をトンネルで抜け[43]、佐久方面に抜ける南回りのルート案を検討したが、当時年間80万人もの観光客を有する軽井沢駅を経由しないため、運営主体となる国鉄から難色を示された[42]。その後、高崎駅を出てすぐ登り始めて30‰の勾配で軽井沢へ向かい、中間に途中駅を設けられるよう1km程度の水平部分を設けるルートが検討された[42]。その後、公団や国鉄内部で車両工学の面からも検討が重ねられた後、1984年(昭和59年)3月20日に北陸新幹線高崎 - 長野間のルートを公表し、環境影響評価を開始した[43]。


長野 - 富山間については途中の経由地が明示されず、日本国有鉄道(国鉄)は1975年(昭和50年)頃に北アルプス(飛騨山脈)の直下をトンネルで貫通する短距離ルートの建設も検討したが、火山地域のため高熱となる岩盤[注 6]や最大2000mに達する「土被り」(地表からトンネルまでの距離)で生じる大量の湧水や「山はね」(岩盤破壊)に耐えながら全長約70kmに及ぶ超長大トンネル[注 7]を建設するのは困難として、信越本線や北陸本線に沿って上越市などを経由する従来のルートでの建設が決定された[JRTT 1][注 8]。



建設の凍結と運輸省案による整備方針


国鉄の経営悪化などを背景に1982年(昭和57年)9月の臨時行政調査会の基本答申に沿って、北陸新幹線を含む整備新幹線計画を当面見合わせる閣議決定がなされた[1]。


1985年(昭和60年)12月に、高崎 - 小松間の認可申請が行われた[44]。国鉄改革や行財政改革の進展、沿線地域の建設促進への強い要望などを背景に、1987年(昭和62年)1月に整備新幹線建設の凍結解除が閣議決定され、北陸新幹線の建設に道が開かれた[1]。しかし、建設費を削減するため、いわゆる「運輸省案」が考案され、北陸区間については以下のような案が検討された 。上野 - 長野間では高崎 - 軽井沢間に標準軌新線を建設し、軽井沢 - 長野間 に狭軌に加え標準軌を導入する新幹線直通線化(ミニ新幹線化)をすること[45]で上野 - 長野間でミニ新幹線車両による直通運転を行い、所要時間を2時間44分から1時間52分に短縮するとした[46]。上野 - 富山・金沢間は東京のほかに大阪や新潟との旅客流動も大きいことから、糸魚川 - 魚津間および高岡 - 金沢間に、新幹線と同じ規格の新線を建設するが当面狭軌を敷設して北陸本線と直通運転を行う新幹線鉄道規格新線(スーパー特急方式)による整備を行うとされた[46]。また、越後湯沢駅で上越新幹線と接続し、当時建設中であった北越北線(現 北越急行ほくほく線)を高速化し、これを経由して富山、金沢までを最高時速160km/hで結ぶスーパー特急を運行するとされた。これにより上野 - 富山間は3時間26分から2時間48分に、上野 - 金沢間は4時間10分から3時間17分に短縮されるとした[46]。


  • 北陸地区の「運輸省案」[45]

    • 高崎 - 軽井沢間:標準軌新線

    • 軽井沢 - 長野間:新幹線直通線

    • 糸魚川 - 魚津間:新幹線鉄道規格新線

    • 高岡 - 金沢間:新幹線鉄道規格新線

    • (北越北線:高速化)北越北線の建設および高速化は全幹法によるものではない



1988年(昭和63年)8月31日の「整備新幹線の取扱いについて」において整備新幹線着工優先順位が示され、1(i)として北陸新幹線高崎 - 軽井沢間の標準軌新線、なお軽井沢 - 長野間の取扱いは1998年冬季五輪の開催地決定を考慮して3年以内に結論を出す。1(ii)として高岡 - 金沢間の新幹線規格新線。2として東北新幹線。3として九州新幹線。4として糸魚川 - 魚津間の新幹線規格新線とされた[47]。


1989年(平成元年)1月17日の政府与党申合わせにおいて、整備新幹線の建設主体などなどが示された。整備新幹線の事業費はJR、国、沿線の地方自治体の負担とすること[48]。建設主体は日本鉄道建設公団とし、建設した鉄道施設を公団がJRに有償で貸し付けること[48]。北陸新幹線高崎 - 軽井沢間を平成元年度から本格的に着工すること、あわせて難工事推進事業として3トンネルについても平成元年度中に着手すること[49]。並行在来線である信越本線横川 - 軽井沢間については、適切な代替交通手段を検討し、その導入を図ったうえで開業時に廃止することとし、そのために関係者間で協議するとされた[49]。



高崎 - 長野間の建設・開業




「長野行新幹線」表記が残っていた高崎駅新幹線ホーム(2007年7月21日撮影)




高崎 - 長野間(長野新幹線)で運行されていたE2系。


1989年(平成元年)1月17日の申し入れを受けて、公団は1985年(昭和60年)12月25日に認可申請した北陸新幹線 高崎 - 小松間の工事実施計画を高崎 - 軽井沢間と軽井沢 - 小松間に分割し、1989年6月23日に高崎 - 軽井沢間の追加申請を行い、6月28日に高崎 - 軽井沢間41.2kmの工事実施計画(フル規格)が認可された[50]。その後、8月2日に軽井沢駅構内で起工式が行われた[50]。


信越本線沿線の小諸市や御代田町は軽井沢以北のミニ新幹線の早期着工を求めていたが[新聞 4]、長野市が1998年のオリンピック・パラリンピック開催地に決定したことから、1990年(平成2年)の「整備新幹線着工等についての政府・与党申合わせ」において、北陸新幹線軽井沢 - 長野間については、必要な調整を行ったうえで、標準軌新線で平成3年度において、所定の認可等の手続きを経て、その建設に着工すること。建設着工する区間の並行在来線は、開業時にJRの経営から分離することを認可前に確認することが示された。その後、小諸市や御代田町はミニ新幹線を断念し並行在来線の第3セクター化を受け入れた[新聞 4]。これにより高崎駅 - 長野駅間が標準軌新線(フル規格)で建設されることになった。1991年(平成3年)8月22日に軽井沢 - 長野間53.6kmの工事実施計画(フル規格)が認可され、9月17日に起工式が行われた[44]。


1997年(平成9年)10月1日に高崎駅 - 長野駅間が開業した[2]。これにより、東京駅 - 長野駅間の所要時間は最短で1時間19分となった[2]。しかし長野開業時点では、東京から富山・金沢などの北陸地方へは越後湯沢駅で上越新幹線からほくほく線経由の在来線特急「はくたか」を乗り継ぐルートが最速ルートであった。このため、JR東日本は東京から北陸方面への旅客の誤乗車を防ぐため、案内名称として長野行新幹線[51](後に「長野新幹線」と短縮)を用いていた。また、北陸新幹線開業に備え、東京駅のJR東日本の新幹線ホームが1面2線から2面4線に増設された[52]。


厳しい財政状況のなかで建設が開始されたことから、建設費縮減のため様々な新技術が導入された。前述のとおり、勾配の上限を30‰に高めることで路線延長を約20km短縮し、建設費を約1000億円圧縮することが可能となった[53]。また、高崎起点約3.3kmの上越新幹線との分岐点では国内最速の分岐器である「38番分岐器」を導入し160km/hで分岐器側の通過を可能にした[54]。これにより、上越新幹線の軌道をできるだけ長い区間共用することで、下り線の高架橋約2.2kmを新設せずに済んだ[54]。この他、橋梁においては新幹線初のPC斜張橋、架線においては従来新幹線で用いられていたヘビーコンパウント架線に比べ、経済的で輸送量に見合った高速シンプル架線(CSシンプルカテナリ式)が初めて採用された[55]。


2014年度末に新規開業する長野 - 金沢間は保安装置がデジタルATCであることから、2013年11月9日夜から10日早朝にかけて、高崎 - 長野新幹線運転所までの区間の保安装置が従来のアナログATCからデジタルATCに切り替えられた。これにより、JR東日本の新幹線の全区間がデジタルATC化された[56]。このATC更新により、2014年3月15日のダイヤ改正から東京 - 長野間で平均して下りで2分、上りで4分所要時間が短縮された[56]。



長野 - 金沢間の建設・開業



スーパー特急方式による暫定整備計画


1989年(平成元年)6月に難工事推進事業として、富山・石川県境にまたがる加越トンネルの着工が認可された[57]。
1992年(平成3年)に新幹線直通線(ミニ新幹線)や新幹線鉄道規格新線(スーパー特急)による「暫定整備計画」を決定できるよう全幹法が改正された。北陸新幹線では「運輸省案」に基づき2区間でスーパー特急方式による暫定整備計画が認可され、着工された。


昭和63年の「整備新幹線の取扱いについて」において高崎 - 軽井沢間と並んで着工優先順位1位であった高岡 - 金沢間は、富山県内の自治体が並行在来線の経営分離に反対したため、ルートを変更したうえで着工区間を石動 - 金沢間に短縮した。石動 - 金沢間は北陸本線石動駅西方約1km[58]の西石動(仮称)信号所[59]で分岐し、在来線駅に併設して金沢駅を設置し、金沢駅の西方約1kmで北陸本線に合流する計画であった[58]。1992年(平成4年)7月29日に小矢部市 - 金沢市間の暫定整備計画が決定、8月6日に石動 - 金沢間25.0kmの工事実施計画が認可され、8月27日に起工式が行われた[44]。その際、加越トンネルはルート変更により不要となり、既に投入された建設費8億円は富山県が負担することになった。石動 - 金沢間においては2007年度末までに富山・石川県境から金沢駅までの土木工事がほぼ完成した[60]。


昭和63年の「整備新幹線の取扱いについて」において着工優先順位4位であった糸魚川 - 魚津間は、北陸本線糸魚川駅西方4km[58]の西糸魚川(仮称)信号所[61]で分岐し、新設する新黒部(仮称)駅(現 黒部宇奈月温泉駅)を経て、魚津駅手前[58]の東魚津(仮称)信号所[61]で北陸本線に合流する計画であった[58]。1994年(平成5年)9月13日に糸魚川市 - 魚津市間の暫定整備計画が決定、9月22日に糸魚川 - 魚津間40.5kmの工事実施計画が認可され、10月13日に起工式が行われた[44]。



新規着工拡大と全区間フル規格化


1996年(平成8年)12月25日の「整備新幹線の取扱いについて 政府与党合意」では北陸新幹線の新規着工区間として長野 - 上越間の標準軌新線(フル規格)が示された[国交省 1]。平成8年の合意に基づいて、1998年(平成10年)1月に「政府・与党整備新幹線検討委員会における検討結果」が公表され、従来の整備新幹線計画が維持されていることを確認したうえで新規着工区間の優先順位が示され(1)東北新幹線 八戸 - 新青森間、九州新幹線(鹿児島ルート)船小屋 - 新八代間(2)北陸新幹線 長野 - 上越間とされた[国交省 2]。
同年3月には長野 - 上越間約60kmの工事実施計画(フル規格)が認可された[58]。


2000年(平成12年)12月18日の「整備新幹線の取扱いについて」政府・与党申合せにおいて、北陸新幹線の長野 - 富山間について「フル化し、今後概ね12年後強の完成を目指す」とされた。今回着工しない区間ついてはについては、東北新幹線(盛岡駅 - 八戸駅間)、九州新幹線(新八代駅 - 鹿児島中央駅間)の開業後に見直しを行うとされた。このうち、富山 - 金沢間は「三、の見直しの際、石動 - 金沢間をすでに着工していることを踏まえて認可に向けた検討を行う」金沢 - 南越間は「福井駅部機能高度化事業を行う」とされた[国交省 3]。2001年(平成13年)4月には上越 - 糸魚川間、魚津 - 富山間の新規着工を含む上越 - 富山間全区間がフル規格で着工された[60]。


2003年(平成15年)10月1日に鉄道建設・運輸施設整備支援機構が設立され、日本鉄道建設公団は解散した。これにより北陸新幹線の建設・貸付け業務は機構に引き継がれた。


2004年(平成16年)12月16日の「整備新幹線の取扱いについて」政府・与党申合せにおいて、北陸新幹線の長野 - 金沢車両基地(現 白山総合車両所)間についてはフル規格で整備するものとし、富山 - 石動間、金沢 - 金沢車両基地間については平成17年度当初に着工し、長野 - 金沢車両基地間で一体的に平成26年度末の完成を目指すとされた。この申し合わせに基づき、2006年(平成17年)4月27日に富山 - 金沢(白山総合車両所)間の全区間がフル規格で認可され、6月26日に起工式が行われた[62]。これにより富山 - 石動間約35kmと金沢 - 白山総合車両基地間約9kmが新規着工、石動 - 金沢間約25kmがフル規格化されることになった[63]。


2006年(平成18年)4月14日に既認可区間である長野 - 上越間、上越 - 富山間、富山 - 金沢間を変更して長野 - 金沢(白山総合車両基地)間の一体的な完成を目指す工事実施計画の変更認可申請が行われ、同月28日に認可された[60]。


2015年(平成27年)3月15日に長野駅 - 金沢駅間が開業し[3]、金沢駅 - 白山総合車両所間の線路も回送線として運用が開始された。これにより、東京 - 富山・金沢間の鉄道での最速ルートは北陸新幹線となり、所要時間は最短で東京駅 - 富山駅間が2時間8分、東京駅 - 金沢駅間が2時間28分となった[23]。旅客向けの案内は「北陸新幹線」に統一されたが、JR東日本管轄区間においては一部で「北陸新幹線(長野経由)」と案内される場合がある。



新潟県の費用負担問題


北陸新幹線の整備費用のうち、新潟県の負担分について国と新潟県との間で一時対立が生じていた。


2009年(平成21年)2月12日、新潟県の泉田裕彦知事は、国土交通省から資材価格高騰などを理由に220億円の建設費追加負担を求められたことに対して、「突然増額を求められても対応は難しい」として、算出根拠について納得できる説明があるまでは増額分の負担に応じない姿勢を表明した。


同年12月25日、泉田知事は前原誠司国土交通大臣と話し合い、「県と国の信頼関係が再構築された」として2009年度分負担金残額計104億円を支払うと表明した[64][新聞 5][新聞 6]。また新潟県が2009年(平成21年)11月6日国地方係争処理委員会に計画の認可に審査を要求し、委員会は同年12月25日却下[報道 4]。新潟県は却下に対して規定の30日内の2010年(平成22年)1月27日までに東京高裁に提訴せず、国との協議は続行されることとなった[新聞 7][新聞 8]。


しかし、新潟県は協議が進展しないことを理由に2011年度当初予算案に建設負担金を盛り込まなかった[新聞 9]。


2010年9月13日、JRが国側へ支払う貸付料には、並行在来線の赤字解消分が含まれるとして新潟県が行った北陸新幹線貸付料に関する情報開示請求に対して一部開示の決定がなされた。これを受けて同県は、同県区間の並行在来線の赤字解消相当額は、30年で780億円を超えるとの試算を発表した[65]。


なお、新潟県および泉田知事の対応には、大阪府の橋下徹知事(当時)は北陸新幹線自体には賛成ではあるが、直轄事業負担金の観点からこの対応に強い支持を表明した[66]一方、新幹線未開業の富山・石川両県を人質にとるような手法であることから石川県の谷本正憲知事からは強い不快感が表明された[新聞 10]。


しかし2012年2月17日、新潟県の泉田知事は前田武志国土交通大臣と会談し、新幹線開業に伴う在来平行線の第三セクター運営において、国内有数の豪雪地域である信越及び越中・越後国境での鉄道運営に関する赤字相当額として県が試算していた「30年間で780億円」という金額を国が追加支援をする事等を条件に、これまで県として支払いを拒否していた地方負担分を支出することに合意した。これにより、北陸新幹線の建設は予定通り2014年度末までの開業計画に遅れることがなくなった[新聞 11]。



金沢 - 敦賀間の建設


2004年(平成16年)12月16日の「整備新幹線の取扱いについて」政府・与党申合せにおいて、北陸新幹線の金沢車両基地 - 南越間では、福井駅部についてえちぜん鉄道の高架化と一体的に工事を行うため、平成17年度当初に着工し平成20年度末の完成を目指すとされた[62]。南越 - 敦賀間については直ちに工事実施計画の認可申請を行うとされた[国交省 4]。この申し合わせに基づき、2006年(平成17年)4月27日に福井駅部の工事実施計画が認可され、6月26日に起工式が行われた[62]。福井駅部は高崎起点421km405mに位置し、北陸本線の東側に高架橋を設置する延長800mの区間であり[60]、2009年(平成21年)2月に高架橋が完成した[67]。その後、福井駅部の高架橋は2015年9月27日から[新聞 12]2018年6月24日にえちぜん鉄道単独の高架完成までの間[68][69]えちぜん鉄道の福井駅 - 福井口駅間の仮線・仮駅舎として使用されていた。


2011年(平成23年)12月26日の「整備新幹線の取扱いについて」政府・与党確認事項において北陸新幹線は長野 - 白山総合車両基地間の「平成26年度末の開業」及び新たな着工区間として、白山総合車両基地 - 敦賀間につい営業主体であるJR西日本の同意と並行在来線の経営分離に関する沿線自治体の同意を条件に「長野 ・白山総合車両基地の開業から概ね10年後強」を想定完成・開業時期とする方針を示した[報道 5]。翌2012年(平成24年)6月に北陸新幹線金沢 - 敦賀間が認可、着工された[70]。


2015年(平成27年)1月14日の「整備新幹線の取扱いについて」の中で整備新幹線の開業前倒しを図る方針が示された。北陸新幹線においては金沢 - 福井 - 敦賀間の完成・開業時期を平成37年度から3年前倒しし、平成34年度末の完成・開業を目指すとされた。また、在来線との乗換利便性を確保し、十分な開業効果をできる限り早期に発揮する観点から、別途与党において、整備が先行している福井駅の早期活用等について、今夏までに検討を行うこと。金沢 - 敦賀間にはフリーゲージトレインを導入することが予定されているが、フル規格を前提とする整備計画に影響を与えるものではないことも示された[報道 6]。しかし、その後福井駅までの先行開業およびフリーゲージトレインの導入に向けた具体的な進展はみられていない。2017年(平成29年)10月には工事完了を2022(平成32)年度に前倒しすることや、福井駅・敦賀駅の乗換利便性向上施設などを追加したの工事実施計画(その2)が認可された[報道 7]。



新駅誘致運動



長野県千曲市


長野県千曲市が長野駅-上田駅間に新駅「新千曲駅」(仮称。旧仮称「更埴駅」)を誘致する運動を行っていた[71]。在来線特急「あさま」のうち毎日約半数が屋代駅に、また戸倉駅にはほぼ全便が停車していたが、屋代駅が所在する旧更埴市は、市に特急列車の停車がなくなることの代替措置として「長野新幹線」計画段階から新幹線新駅誘致を構想。宮坂博敏・更埴市長(千曲市発足後は千曲市長)はこれを推進する方針を取り、1992年3月、旧更埴市の対策委員会が鉄建公団との設計協議で更埴市内への駅の設置追加を要望するも、「当初計画に基づき長野オリンピックまでに開業させることを最優先とする」との理由から棚上げとなった。建設工事中の1996年7月には更埴市・戸倉町・上山田町他の陳情を長野県議会が採択、1997年5月には須坂市など近隣自治体も加わった「北陸新幹線(仮称)更埴駅誘致期成同盟会」が結成された。1997年10月の長野駅までの先行開業、2003年の更埴市・戸倉町・上山田町合併による千曲市発足を経て、2007年9月、宮坂市長の後を受けて新駅誘致実行を公約した近藤清一郎・旧更埴市前助役が千曲市長に当選した。市は新駅について五里ヶ峰トンネル長野駅方出口から長野自動車道更埴IC付近までの「明かり部」の区間内への設置を予定している。当初期成同盟会は観光需要などの観点から長野県立歴史館及び森将軍塚古墳・科野の里歴史公園傍の五里ヶ峰トンネル長野駅方出口付近を想定していたが、同市長はパークアンドライド式利用を見込んで新駅を更埴IC(しなの鉄道線屋代高校前駅付近)に接続させる案を示した[72]。更にいわゆる「請願駅」として金沢駅延伸開業までに建設する構想を提起、2009年6月、市の施政方針として示した。2011年9月の市長選挙においては新駅構想が選挙の争点となる情勢であったものの、新駅誘致構想推進を公約した近藤市長に対して反対派からは立候補者がなく、同市長が無投票で再選となった。近藤市長は引き続き新駅誘致構想を進めたが、2012年9月、病気により退任。同年11月の市長選挙において改めて新駅構想が争点となり、推進派候補2名・反対派候補1名が立候補した。選挙戦において反対派候補への支持は低迷、推進派候補2名の争いとなり、岡田昭雄・前千曲市参与が新市長に当選した。この結果新駅誘致推進支持の民意が確認された。2015年3月の金沢駅延伸開業までには間に合わない見通しとなったものの、2013年1月には「北陸新幹線新駅誘致期成同盟会」が設立され、「対策協議会」など他の団体も活動を開始、2014年12月には阿部守一長野県知事が新駅誘致推進支持を表明した。2015年7月には千曲市・同市議会他による「北陸新幹線新駅設置早期実現を求める陳情」を長野県議会が採択[73]し、千曲市への新駅設置構想は事実上長野県の方針ともなった。しなの鉄道線との接続については未定、また建設資金などの問題もあったが、千曲市は2023年の敦賀駅延伸までには開業させたいとの意向であった。2016年10月の千曲市長選挙においても再び新駅構想が争点となった[新聞 13]。新駅誘致を推進する岡田市長と反対派候補の一騎討ちとなり、接戦となるも新駅構想を掲げる岡田市長が再選した[新聞 14]。2017年2月には阿部守一長野県知事が期成同盟会の顧問に就任。同年3月、期成同盟会はJR東日本長野支社に新駅設置を求める要望書を提出した。これに対し同年10月、JR東日本は新駅設置について「技術的に難しい」と回答。専門家もその回答を妥当と説明した。また新駅設置の課題であった線路の傾きについて、解消には250億から350億円の費用かかることが明らかになり、岡田市長は2017年12月5日の千曲市議会12月定例会において、JRの回答などを踏まえ「新駅設置を進める合理的な理由を見つけることができない」と新駅設置を断念することを明らかにした[新聞 15]。長野県も誘致断念を了承。これを受け期成同盟会は2018年2月、活動を終了し3月末をもって解散することを決定した[新聞 16]。対策協議会など他の団体も活動を終了する[74]。



石川県白山市


石川県白山市が金沢駅 - 小松駅間に新駅「白山駅」(仮称)を誘致する運動を行っていた。当初、白山総合車両所に新幹線乗降場を設置する案が提起されていたが、その後北陸本線加賀笠間駅周辺に新駅を設置する構想となっていた[新聞 17]。「北陸新幹線(仮称)白山駅建設期成同盟会」を地元自治体・経済団体で構成していたものの、2017年4月15日、「白山駅」設置を断念。同年5月に同盟会解散を決定した[新聞 18]。




年表



開業前 国鉄時代



  • 1964年(昭和39年)

    • 3月23日:日本鉄道建設公団発足[75]。

    • 10月1日:東海道新幹線 東京駅 - 新大阪駅間開業[76]。



  • 1969年(昭和44年)
    • 5月30日:新全国総合開発計画閣議決定[77]。


  • 1970年(昭和45年)
    • 5月18日:全国新幹線鉄道整備法公布[77]。


  • 1972年(昭和47年)

    • 6月29日:北陸新幹線(東京都 - 大阪市)を含む4路線の基本計画決定および調査の指示[57]。

    • 7月3日:昭和47年運輸省告示第243号により、北海道新幹線(青森市 - 札幌市)、北陸新幹線(東京都 - 大阪市)、九州新幹線(福岡市 - 鹿児島市)の3路線の基本計画公示[57]。



  • 1973年(昭和48年)
    • 11月13日:北陸新幹線(東京都 - 大阪市)を含む5路線の整備計画決定および建設の指示[41]。


  • 1982年(昭和57年)

    • 3月30日:高崎 - 小松間のルート公表[JRTT 2]。

    • 6月23日:東北新幹線 大宮駅 - 盛岡駅間開業[78]。

    • 9月24日:臨時行政調査会第三次答申にて、財政赤字の拡大、国鉄の経営悪化を理由に整備新幹線の建設計画の当面見合わせを閣議決定[1][57]。

    • 11月15日:上越新幹線 大宮駅 - 新潟間開業[78]。

    • 12月6日:高崎 - 小松間における環境影響評価報告書案を公表[57]。



  • 1985年(昭和60年)

    • 1月22日:小松 - 芦原温泉間のルート公表[JRTT 2]。

    • 3月14日:東北新幹線 上野駅 - 大宮駅間開業[78]。

    • 8月22日:整備新幹線財源問題等検討委員会の設置、新幹線駅周辺周辺環境整備事業の実施[57]。

    • 12月25日:高崎 - 小松間の工事実施計画認可申請[57]。



  • 1987年(昭和62年)

    • 1月30日:整備新幹線計画見合わせの閣議決定を変更[57]。

    • 2月19日:芦原温泉 - 南越(仮称)間のルート公表[JRTT 2]。





開業前 JR発足後



  • 1987年(昭和62年)
    • 4月1日:国鉄分割民営化に伴い、JR各社が発足。新幹線鉄道保有機構が発足し、東北新幹線(東京 - 盛岡)、上越新幹線、東海道新幹線、山陽新幹線の鉄道施設を保有し、JR各社に有償で貸し付け。


  • 1988年(昭和63年)
    • 8月31日:「整備新幹線の取扱について」政府・与党申合せにおいて整備新幹線着工優先順位決定。北陸新幹線 高崎 - 軽井沢間は昭和64年度に着工を目指す。 軽井沢 - 長野間は五輪開催地を考慮し3年以内に結論を出すとされる[47]。


  • 1989年(平成元年)

    • 1月17日:「平成元年度予算編成にあたっての整備新幹線の取扱について」により整備新幹線の旧財源スキーム策定。北陸新幹線 高崎 - 軽井沢間のフル規格での着工を決定[48]。同時に、信越本線 横川 - 軽井沢間の廃止も決定[48]。

    • 6月2日:整備新幹線難工事推進事業計画(加越トンネル)認可[57]。

    • 6月28日:高崎 - 軽井沢間の工事実施計画(フル規格)認可[50]。

    • 8月2日:高崎 - 軽井沢間起工式[50]。



  • 1990年(平成2年)
    • 12月24日:「整備新幹線着工等について政府与党申合せ」により軽井沢 - 長野間のフル規格着工を決定。同時に、並行在来線をJRから経営分離することを明記。


  • 1991年(平成3年)

    • 6月20日:東北新幹線 東京駅 - 上野駅間開業[79]。

    • 8月22日:軽井沢 - 長野間の工事実施計画(フル規格)認可[44]。

    • 9月17日:軽井沢 - 長野間起工式[44]。

    • 10月1日:新幹線鉄道保有機構が解散し、鉄道整備基金設立。



  • 1992年(平成4年)

    • 7月29日:小矢部市 - 金沢市間の暫定整備計画決定および建設の指示[44]。

    • 8月6日:石動 - 金沢間の工事実施計画(新幹線鉄道規格新線)認可[44]。

    • 8月27日:石動 - 金沢間起工式[44]。



  • 1993年(平成5年)

    • 9月13日:糸魚川市 - 魚津市間暫定整備計画の決定および建設の指示[44]。

    • 9月22日:糸魚川 - 魚津間の工事実施計画(新幹線鉄道規格新線)認可[44]。

    • 10月13日:糸魚川 - 魚津間起工式[44]。



  • 1996年(平成8年)

    • 3月28日:小松 - 南越(仮称)間の環境影響評価および工事実施計画認可申請、南越(仮称)- 敦賀間のルート公表[JRTT 2]。

    • 12月25日:「新幹線の取扱いについて 政府与党合意」により新幹線の新財源スキーム、新規着工区間など決定。上下分離方式により、JRは受益の範囲を限度とした貸付料を支払うこととされる。北陸新幹線長野 - 上越間をフル規格で新規着工することを決定。また、北陸新幹線の富山駅・小松駅・福井駅整備事業を決定[国交省 1]。





長野開業後



  • 1997年(平成9年)
    • 10月1日:北陸新幹線 高崎駅 - 長野駅間(117.4km)開業[2]。鉄道整備基金が船舶整備公団と統合し、運輸施設整備事業団設立。


  • 1998年(平成10年)

    • 1月21日:「政府・与党整備新幹線検討委員会における検討結果」公表。従来の整備計画として、北陸新幹線 高崎 - 大阪間の維持を確認。新規着工区間の優先順位を決定し、長野 - 上越間のフル規格での認可・着工、富山駅、小松駅、福井駅の駅整備事業実施および着手を決定[国交省 2]。

    • 2月19日:長野 - 上越(仮称)間の工事実施計画(フル規格)認可申請[JRTT 2]。

    • 3月12日:長野 - 上越(仮称)間の工事実施計画(フル規格)認可[JRTT 2]。

    • 3月13日:長野 - 上越(仮称)間の建設工事(フル規格)着手[JRTT 2]。



  • 2000年(平成12年)
    • 12月18日:「整備新幹線の取扱いについて」政府・与党申し合わせにおいて、長野 - 富山間をフル規格で整備し、概ね12年強後の完成を目指すこと、石動 - 金沢間を既に着工していることを踏まえて認可に向けて検討すること、福井駅部の機能高度化事業等を実施することを決定。なお、今回着工しない区間は東北新幹線 盛岡 - 八戸間および九州新幹線 新八代 - 西鹿児島間の完成後に見直すこととした[国交省 3]。


  • 2001年(平成13年)
    • 4月25日:上越(仮称)- 富山間の工事実施計画(フル規格)申請・認可および建設工事着手[JRTT 2]。


  • 2002年(平成14年)

    • 1月8日:南越(仮称) - 敦賀間の環境影響評価[JRTT 2]。

    • 10月25日:全国新幹線鉄道整備法施行令の一部を改正する政令案を公表[報道 8]。



  • 2003年(平成15年)

    • 10月1日:運輸施設整備事業団と日本鉄道建設公団が統合し、鉄道建設・運輸施設整備支援機構設立。

    • 12月17日:同日付の与党整備新幹線建設促進プロジェクトチーム取りまとめを踏まえ、整備新幹線の取扱いについて、政府・与党合意[報道 9]。



  • 2004年(平成16年)

    • 4月1日:長野新幹線運転所が長野新幹線車両センターに改称。

    • 12月16日:「整備新幹線の取扱いについて」政府・与党中間申し合わせにおいて、富山 - 石動間、金沢 - 金沢車両基地(仮称)間を2005(平成17)年度初に着工することとし、長野 - 金沢車両基地(仮称)間をフル規格で一体的に2014(平成26)年度末の完成を目指すとともに、福井駅部を2005(平成17)年度初に認可・着工し、2008(平成20)度末の完成を目指すことを決定[国交省 4]。



  • 2005年(平成17年)

    • 3月25日:全国新幹線鉄道整備法施行令の一部を改正する政令案を閣議決定[報道 10]。

    • 4月27日:富山 - 金沢(白山総合車両基地)間・福井駅部の工事実施計画(フル規格)認可[62][報道 11]。

    • 6月24日:富山 - 金沢(白山総合車両基地)間・福井駅部起工式[62]。

    • 12月12日:南越(仮称)- 敦賀間の工事実施計画認可申請[JRTT 2]。



  • 2006年(平成18年)

    • 4月14日:長野 - 上越(仮称)間、上越(仮称)- 富山間、富山 - 金沢間工事実施計画の変更認可申請[60]。

    • 4月28日:長野 - 金沢間工事実施計画の変更を認可、長野 - 金沢(白山総合車両基地)間の一体的な完成を目指す[60][報道 12]。



  • 2009年(平成21年)
    • 2月19日:福井駅部完成[80]。


  • 2011年(平成23年)
    • 12月26日:「整備新幹線の取扱いについて」政府・与党申し合わせにおいて金沢(白山総合車両所)- 敦賀間の新規着工を決定[報道 5]。


  • 2012年(平成24年)

    • 6月12日:金沢 - 敦賀間の工事実施計画認可申請[JRTT 2]。

    • 6月29日:金沢 - 敦賀間の工事実施計画認可[報道 13]、着手[JRTT 2]。



  • 2013年(平成25年)
    • 11月10日:高崎 - 長野 - 長野新幹線車両センター間のアナログATC(ATC-2型)からデジタルATC(DS-ATC)へ切り替え工事完了 [56]。


  • 2015年(平成27年)

    • 1月14日:「整備新幹線の取り扱いについて」政府・与党申し合わせ。「金沢 - 敦賀間の開業時期を当初計画の2025(平成37)年度より3年前倒しし、2022(平成35)年度末とする」ことで合意。このうち、金沢 - 福井間についてはさらに前倒しを検討[報道 6]。

    • 3月13日:長野 - 金沢間の貸付料について、長野 - 上越妙高間(JR東日本)を年額165億円、上越妙高 - 金沢間(JR西日本)を80億円として認可[報道 14]。





金沢開業後



  • 2015年(平成27年)
    • 3月14日:北陸新幹線 長野駅 - 金沢駅間(228.0km)開業[3]。


  • 2016年(平成28年)
    • 12月20日:与党PTが、敦賀以西のルートを「小浜・京都ルート」に決定[7]。


  • 2017年(平成29年)

    • 3月15日:与党PTが、京都 - 新大阪間のルートを「南回りルート」に決定[7]。

    • 9月8日:福井県あわら市柿原の柿原トンネル掘削部で土砂崩壊により、地上部の柿原グラウンドが陥没する[新聞 19]。

    • 10月6日:金沢 - 敦賀間の工事実施計画(その2)認可[報道 7]。





今後の予定


  • 2022年度末:金沢 - 敦賀間開業[6]。


今後の見通し


金沢 - 敦賀間は2012年に着工し、2022年度末の開業予定である[6]。与党整備新幹線建設推進プロジェクトチームの検討委員会において、福井駅及び敦賀駅の乗換利便性向上設備の追加が決定された[81]。


福井駅の新幹線ホームは1面2線と狭いことから、乗換利便性向上のため、ホーム開口部を3か所設置することや中2階に在来線との連絡通路を設置すること、ホーム柵の位置を変更しホーム幅を拡張する計画となった [82]。


敦賀駅では大阪・米原方面の在来線特急との乗り継ぎ時間短縮などを目的に、新幹線駅舎の1階に在来線を引き込み、上下で乗り換えできる計画となった[81]。


建設コストの削減や河川環境への影響低減を目的に、九頭竜川に架かる北陸新幹線 九頭竜川橋りょうと福井県道 新九頭竜橋(仮称)の一体的整備を進めてられており、完成すれば新幹線では初の鉄道道路一体橋となる[83]。橋梁下部工を鉄道と道路で一体構造にすることで、約2.5億円のコスト削減が見込まれる[84]。九頭竜川流域への環境問題において、前述の九頭竜川橋りょう建設地付近には国指定の天然記念物であるアラレガコ[85]の生息地が存在する。これらの生物は遡上能力が高くないため、環境変化の影響を受けやすい。そのため、川の流れを変える瀬替えをしない、間隔を広くとった仮橋・仮設構台を設けて施工している[86]。


敦賀市内に建設予定の深山トンネル付近には、新幹線建設の認可後、国際的な湿地保護条約であるラムサール条約に登録された中池見湿地が存在している。そのため、専門家による検討委員会が開催され、中池見湿地附近の深山トンネルと後谷部およびその前後のルートを東側へずらすルート変更が行われ、認可された[87]。


2018年12月11日に国土交通省は金沢-敦賀間に関しての新幹線建設費用が増加しているが、JR西日本から国への施設使用料の増額をせずに既設新幹線の譲渡収入を国費とする他、財政投融資で賄うこととしている[新聞 20]。



敦賀以西のルート



敦賀駅以西のルートについてはさまざまな議論がなされたが、2016年12月、与党PTは敦賀駅から西進して福井県小浜市を経由、そこから南下して京都駅につなぐ「小浜・京都ルート」を正式採用した[7]。


京都駅 - 新大阪駅間のルートについては、引き続き与党PTで検討されていたが、2017年3月15日、JR片町線(学研都市線)松井山手駅(京田辺市)付近に中間駅を設ける「南回り案」を正式採用した[7]。


沿線自治体は早期着工を強く求めている[新聞 21]が、財源上の問題から本格着工は早くても北海道新幹線札幌延伸後の2031年度以降となる見通しと報じられている[新聞 22]。国は2017年度から詳細な駅やルートを決めるための調査を始めることにしている[7]。



フリーゲージトレイン導入について


金沢駅以西については、フリーゲージトレイン(FGT)による在来線乗り入れとする案が検討されてきた。これは、金沢駅 - 敦賀駅開業後、在来線である湖西線に乗り入れて京都駅経由で大阪(新大阪駅または大阪駅)へ至るというもので、敦賀駅以西の建設の見通しが立たないことにより、2012年2月に国土交通省が提案したものであった[新聞 23]。FGTが導入されると、北陸本線・東海道本線経由で米原・名古屋方面への直通も可能になるというメリットもあった[新聞 24]。


2013年6月からFGTのプロジェクトチームを拡大して開発を本格化するとした[新聞 25]。JR西日本もこの案を前向きに検討し、同社は2014年9月、敦賀市において模擬台車による軌間変換試験を同年10月から開始すること、また、北陸ルートに対応したFGT試験車(6両編成)の設計・製作にも取りかかり、2016年度から試験車両による試験を始めることを表明していた[報道 15]。


しかし、FGTは開発途上で技術的な課題があるとともに、仮に実現しても在来線では従来の特急列車と同じ速度でしか運転できない[新聞 26]、通常の新幹線より重くなることにより線路の保守費用が膨らみ、車両の製造費が高くなる[新聞 27]というデメリットが指摘されている。さらに、金沢 - 敦賀間の開業が当初予定の2025年度から2022年度に3年繰り上げられたことで、JR西日本は開業が前倒しされた場合には、導入が間に合わないとの見解を示している[新聞 28]。


なお、2012年5月には沿線の富山・石川・福井・滋賀・京都・大阪の各府県と関西広域連合、JR西日本はFGT導入について、新幹線の大阪延伸までの暫定措置として認めるとの申し入れを国土交通省に行っているが[新聞 29]、福井県の市民団体は高価なFGT車両の導入により敦賀以西のフル規格での整備が進まなくなる、料金が割高になるとして、導入を見送るように県に対して申し入れを行っている[新聞 30]。また、2017年6月17日の定期会見で福井県知事は九州新幹線 (長崎ルート)(JR九州)でのFGT導入見送りを受けて、在来線特急の調整を行う都合から、採用の結論を求めている[新聞 31]一方で、同年6月20日にはJR西日本の定期記者会見においては、技術的な問題が解決するまで動向を注視するとして、FGT導入について明言を避けていたが[新聞 32]、2018年8月24日の政府与党とJR西日本の会合で「技術的課題があり、開発が難航している」との理由により、導入を断念せざるを得なくなった[新聞 33]。



並行在来線の扱い


2015年(平成27年)3月14日時点で新幹線が開業および事業化された区間の並行在来線については、以下のような措置(予定事項を含む)がそれぞれ執られている。なお飯山線の豊野駅 - 飯山駅間も北陸新幹線と並行するが、この区間はルート上の制約でたまたま飯山駅を経由することになったため、本来の並行在来線の意義から外れるとして同区間の経営分離は行われていない。



信越本線


信越本線は高崎駅 - 直江津駅間が並行在来線とされた。このうち高崎駅 - 横川駅間と篠ノ井駅 - 長野駅間は新幹線開業後も信越本線としてJR東日本が運行している。横川駅 - 軽井沢駅間は鉄道路線としては廃止され、JRバス関東によるバス路線碓氷線として運行されている。これら以外の区間は県域ごとに設立された第三セクター鉄道会社に経営移管された。


長野県内の区間はしなの鉄道が軽井沢駅 - 篠ノ井駅間をしなの鉄道線、長野駅 - 妙高高原駅を北しなの線として運行している[国交省 5][88]。
新潟県内の妙高高原駅 - 直江津駅間はえちごトキめき鉄道が妙高はねうまラインとして運行している[89]。



北陸本線(直江津駅 - 金沢駅)


北陸本線の直江津駅 - 金沢駅間は県域ごとに設立された第三セクター鉄道会社に経営移管された。新潟県内の区間はえちごトキめき鉄道が直江津駅 - 市振駅間を日本海ひすいラインとして運行している[90]。富山県内の区間はあいの風とやま鉄道が市振駅 - 倶利伽羅駅間をあいの風とやま鉄道線として運行している[89]。石川県内の区間はIRいしかわ鉄道が倶利伽羅駅 - 金沢駅間をIRいしかわ鉄道線として運行している[91]。



北陸本線(金沢駅 - 敦賀駅間)


この区間は北陸新幹線金沢駅 - 敦賀駅間の開業時にJR西日本から経営分離される予定である[92]。2017年時点で石川・福井の県境駅の扱いについては、石川県側は2017年3月30日の「第1回 いしかわ並行在来線金沢以西延伸対策検討会」においては大聖寺駅を境界とする検討がなされている[94]。


石川県内の区間はIRいしかわ鉄道が経営を引き継ぐ計画である[95]。
福井県内の区間は、福井県並行在来線対策協議会において、経営を引き継ぐ第三セクター鉄道事業者の開業予定を当初の2025年(平成37年)から2022年(平成34年)と見直している[97]。


この区間では、特に(新幹線駅が設けられない予定の)鯖江市において敦賀開業以降も大阪・名古屋方面への特急の直通運転継続の要望が高く、「特急サンダーバード・特急しらさぎの存続を実現する会」が活動している[98]。フリーゲージトレインの開発が難航していることから、敦賀開業時からの導入は困難であり、鯖江市が特急を福井まで乗り入れるよう求める意見書を2017年3月に県議会に提出し、その時点では明確な回答はなかったが[新聞 34]、2017年4月22日に鯖江市での国土交通省・福井県の担当者との意見交換会が実施され、国土交通省の担当者はJR西日本から経営分離するスキームは変わらないとした上で「JR西と並行在来線会社が相互直通運転をするためには、なんらかの協定を結ぶことが最低限必要」と説明し、県の担当者は協定締結に向けた話し合いについて「JRが行っている並行在来線会社の支援策の一つとして、在来線特急の運行も入れてもらえるように話をしていきたい」と述べた[新聞 35]。


2018年1月の鯖江市の市政アンケート(回答率:50.6パーセント)でも特急「サンダーバード」「しらさぎ」の存続を望む声が74.6パーセントあり、まちづくりに関する設問でも最多だった「鯖江駅を中心とした交通利便性の高いまちづくり」(20.5パーセント)という意識からも特急「サンダーバード」「しらさぎ」の存続の意識が高いことが伺える。それを受け「特急サンダーバード・特急しらさぎの存続を実現する会」事務局担当は「特急存続を願う市民の声を再認識した。実現する会一体となって県全体またはそれ以上の活動に広げ、敦賀開業後の市民の利便性確保に努めたい」と述べている[新聞 36]。2018年9月27日にはFGT導入断念に伴い、鯖江市長は福井県知事に対して特急「サンダーバード」存続に絞って要望を行った[新聞 37]。


一方、2017年5月14日の与党の整備新幹線建設推進プロジェクトチームの検討委員会での会合では、経営分離後の区間で日本貨物鉄道(JR貨物)に委託して貨物列車に旅客車両を連結して運行する案や福井県の第三セクター事業者が特急を運行する案が議論され検討が進んでいる[新聞 38]。



敦賀駅以西




路線形態詳細











脚注


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注釈





  1. ^ 駅東側(高崎方面)に急カーブ(半径800m)があることで、通過列車のホーム通過速度がATC信号により100km/h程度に減速されるため、開業当初は設置されなかった。


  2. ^ 特定特急券区間


  3. ^ JR西日本管内である北陸本線の福井駅、芦原温泉駅、加賀温泉駅、小松駅と七尾線の和倉温泉駅でも、えきねっとで予約した乗車券と特急券の受け取りが可能である。ただし、えちごトキめき鉄道(直江津駅はえきねっとのみ受け取り可能)、あいの風とやま鉄道、IRいしかわ鉄道等の三セク鉄道会社を含むそれ以外の各駅では受け取ることができない。


  4. ^ ただし、平日の朝に運行される上越妙高発長野行き「はくたか」596号はJR東日本の乗務員が担当。


  5. ^ 東海道新幹線の富士川以東では沿線の周波数は50Hzであるが、周波数変換変電所で60Hzに変換しているため、全区間60Hzで供給されている。


  6. ^ 新幹線トンネル計画地の南側の黒部峡谷で行われた仙人谷ダム(黒部川第三発電所)の建設を題材とした吉村昭の『高熱隧道』では、建設中の岩盤温度が165度に到達し、工事用ダイナマイトの自然発火・暴発事故が起こったとされている。


  7. ^ 当時着工していた長大トンネルは、全長53.8kmの海底トンネルである青函トンネルを別にすると、全長22.2km(最大土被り1300m)の大清水トンネルが山岳トンネルでは最長だった。


  8. ^ ただし、北アルプストンネルは最急勾配12パーミルの当時の新幹線規格で計画されたため、長野駅北方の長野盆地から富山駅東方の富山平野までの超長大トンネルが必要となったが、実際の北陸新幹線では碓氷峠で30パーミルの特例が認められた。もし長野 - 富山間でこれが採用されていれば、途中の白馬盆地(国道148号とJR大糸線)と黒部峡谷(黒部峡谷鉄道)で地上に現れる事が可能なため、各トンネルの延長距離や土被りは大きく減少していた。




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  • 御船直人、由川透、吉田孝登志、五十嵐晃「新幹線30年の歩み」、『JREA』第37巻第10号、日本鉄道技術協会、1994年10月、 22768-22782頁、 ISSN 04472322。

  • 三輪誠「平成9年10月1日開業! 北陸新幹線高崎―長野間 路線と施設の概要」、『鉄道ファン』第37巻11号(通巻439号)、交友社、1997年11月1日、 62-69頁。

  • 宮林秀次「北陸新幹線(高崎~長野問)の概要と採用した新技術」、『JREA』第40巻第11号、日本鉄道技術協会、1997年11月、 24994-24997頁、 NAID 10002170488。

  • 山本博之「設計」、『JREA』第22巻第6号、日本鉄道技術協会、1982年6月、 14347-14349頁、 ISSN 04472322。

  • 吉田幸一「長野行新幹線(北陸新幹線)東京乗り入れに伴なう東京駅改良工事」、『JREA』第40巻第11号、日本鉄道技術協会、1997年11月、 25005-25008頁、 NAID 10002170491。

  • 若公雅敏「北陸新幹線(長野―金沢間)建設工事の概要と路線紹介」、『鉄道ファン』第55巻4号(通巻648号)、交友社、2015年4月1日、 76-83頁。

  • 渡邉修「整備新幹線の建設概要」、『JREA』第52巻第1号、日本鉄道技術協会、2009年1月、 33895-33898頁、 NAID 10024928452。

  • 高津俊司、土井充「日本の高速鉄道 その軌跡と今後の展望」、『鉄道ピクトリアル』第58巻第2号、電気車研究会、2008年2月、 142-153頁、 NAID 40015748291。



報告書




  • 日本鉄道建設公団 (2002-03). 北陸新幹線(西石動(仮称)信号所・金沢間)事業に関する対応方針 (Report). オリジナルの2003-09-19時点によるアーカイブ。. http://warp.da.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/237728/www.jrcc.go.jp/news/news.htm. 


  • 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 (2007-03). 北陸新幹線(長野・金沢間)事業に関する対応方針 (Report). http://www.jrtt.go.jp/01Organization/org/pdf/jk6-2.pdf. 


  • 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 (2008-03). 北陸新幹線(高崎・長野間)事業に関する事後評価対応方針 (Report). http://www.jrtt.go.jp/01Organization/org/pdf/jk19-6-2.pdf. 


  • 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 (2012-03). 北陸新幹線(長野・金沢間)事業に関する対応方針 (Report). http://www.jrtt.go.jp/01Organization/org/pdf/jk23-05-2.pdf. 


  • 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 (2015-06). 平成26年度業務実績等報告書 鉄道建設等業務 (Report). http://www.jrtt.go.jp/01Organization/Plan/pdf/gzh26_1-1-1.pdf. 


  • 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 (2018-03). 北陸新幹線(金沢・敦賀間)事業に関する再評価報告書 (Report). http://www.jrtt.go.jp/01Organization/org/pdf/jk29-06-2.pdf. 



関連項目



  • 日本の鉄道路線一覧

  • 全国新幹線鉄道整備法

  • 建設を開始すべき新幹線鉄道の路線を定める基本計画

  • 整備新幹線

  • 長野新幹線


  • 2014年問題 - 北陸新幹線の長野駅 - 金沢駅間の延伸開業後に予想される、上越新幹線の枝線化の問題について。

  • 信越本線

  • 北陸本線



外部リンク








  • Wikinews-logo.svg ウィキニュースに関連記事があります。北陸新幹線長野 - 金沢間が延伸開業 (2015年3月15日)

  • 営業主体


    • 列車案内>北陸新幹線:JR東日本 - 東日本旅客鉄道


    • 北陸新幹線 かがやき・はくたか・つるぎ:JRおでかけネット - 西日本旅客鉄道



  • 建設主体

    • 整備新幹線の建設|北陸新幹線 - 鉄道建設・運輸施設整備支援機構


  • 沿線自治体


    • 石川県 北陸新幹線ホームページ - 石川県


      • 北陸新幹線 - 小松市


      • 北陸新幹線 - 加賀市




    • 北陸新幹線 - 福井県


      • 北陸新幹線 - あわら市


      • 新幹線推進室 - 福井市


      • 北陸新幹線 - 鯖江市


      • 北陸新幹線南越駅周辺整備について - 越前市


      • 新幹線整備課 - 敦賀市


      • 北陸新幹線小浜・京都ルート みんなの力で早期開業!! ―京は遠ても19分― - 小浜市





  • 北陸新幹線建設促進同盟会


  • 新幹線「あさま」特集 - 信濃毎日新聞


  • 【特集】北陸新幹線|福井新聞ONLINE - 福井新聞

  • 並行在来線事業者

    • しなの鉄道株式会社

    • えちごトキめき鉄道株式会社

    • あいの風とやま鉄道株式会社

    • IRいしかわ鉄道株式会社














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