ホームセンター
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ホームセンターとは、主として日用雑貨や住宅設備に関する商品を販売する小売店の業態である。略称はホムセン。
なお、ホームセンター (home center) は和製英語である。英語ではHardware store, DIY store, Home improvement retailerなどと表現されるものが近い[1](「近い」のであって、「と、表記される」のではない。例えば hardware store という表現は(本来は)工具や鍋釜や刃物といった金属製品が「硬い」ということに由来しており、日本語では雑貨屋の細分類である「金物屋」に(本来は)相当するのであって、近年の日本でいう「ホームセンター」のような総合的な店のことを「表記」してはいない)。
目次
1 主な取扱い分野
2 日本における歴史
2.1 1960年代
2.2 1970年代
2.3 1980年代
2.4 1990年代
2.5 2000年代
3 主なホームセンター
3.1 あ行
3.2 か行
3.3 さ行
3.4 た行
3.5 な行
3.6 は行
3.7 ま行
3.8 や行
3.9 ら行
3.10 わ行
4 売上序列
5 脚注
6 関連項目
7 外部リンク
主な取扱い分野
DIY (Do It Yourself):家庭の設備機器などの小修理や改造などを使用者自身が行うこと。- BIY (Buy It Yourself):家庭の設備機器などを使用者が購入し、専門業者に取り付けを頼むこと。
- SIY (Supervise It Yourself):家庭の設備機器の選び方・専門業者の選定方法などの助言を得ること。
- さらに、近年では家のリフォームの窓口としての機能が注目されている[2]。
具体的に販売されている商品として、下記のようなものがある。大型店では、本職の大工や配管工事などの業務(プロ)用の要求にも、ある程度までは対応できる品揃えを持つ場合もある。
- DIY関連
木材、釘、配管材、水栓、便器、ねじ、ボルト、ナット
建材(床材、建具、壁紙、断熱材)
工具、電動工具、塗料
- 作業着、作業用品(軍手、ウエス、安全靴など)
アンテナ製品(UHFアンテナ、BS・CSアンテナなど)
- 自動車用品
エンジンオイル、バッテリ、などの消耗品- LEDライト、電源ケーブルなどの電装品
カーオーディオ、スピーカー、カーナビ(一部店舗を除く)
自動車用品専門店との競争が激化している。
- 広い意味での家庭用品
- ホームファニシング(ホームファッション、ホームファニチャー):家具・カーテン・カーペットなど商品だけではなく、その組み合わせを提案する販売方法が求められるようになった。
電気製品、ガス器具
- 一般の電器店や家電量販店ではほとんど扱っていない電材(配線材料)関係の扱いがあるが、一般電気製品については乾電池、電球、蛍光灯などの消耗品や白物家電、照明器具、健康・美容器具や小型、中型のテレビ、ラジオ、ラジカセに限られる。
- 生活雑貨・日用品
清掃用具、洗濯用・清掃用洗剤(業務用の大型サイズのものもある)- 調理用具、食器類
文房具、事務用品
トイレットペーパー、ティッシュペーパー、紙おむつ、生理用品
時計(掛け時計、腕時計、置時計など全般)
消火器(業務用の大型サイズのものもある)- 喫煙具:ライターや灰皿など
- 合鍵作成サービス
衣料品(一部店舗を除く)
ファッション性の薄い衣料、肌着、下着など
靴(一部店舗を除く)
食品(一部店舗を除く)
カップめん、レトルト食品、菓子、清涼飲料水、米
酒類(一部店舗を除く)
日本酒、ビール、焼酎など
書籍(一部店舗を除く)
雑誌、漫画、地図など
- レジャー用品
テント、バーベキュー用火鉢などアウトドア用品
- ペット関連商品
- ペットフード
- おもちゃ
首輪、爪切りなど
犬・猫・ハムスター・鑑賞魚などの生体(一部)
園芸用品・農業資材
- 鉢植え、樹木・野菜などの苗
肥料、用土、プランター、植木鉢
- 農業用フィルム(マルチ)
- 農薬
農業機械(刈払機、耕運機など)
灯油(一部店舗を除く)
以下のような3分野ととらえることもある。
- HI:住まいと暮らしの改善を目的とした、ホームインプルーブメント - 木材、建材、道具工具など、元来のホームセンターの商品分野。金物店の大型化といえる
- HK:日常的な家庭生活に不可欠なハウスキーピング - ドラッグストアや薬局が扱っていた商品の取り込み分野で、日常購買のうち生鮮食料品でないものを抱え込む。米、ペットフードなど嵩高品、重量品も取り込むようになってきている。
- CL:カー・レジャー - 自動車関係、キャンプ用品など、隣接する専門分野からの取り込み。スポーツ用品店、自転車店の大型化といえる。
日本における歴史
1960年代
1969年に、アメリカ合衆国のハードウェアショップをヒントにしたジュンテンドーが島根県益田市に、ハウジングランド順天堂駅前店を開店。
同年9月には、村内ホームセンター(現:村内ファニチャーアクセス)が東京都八王子市に開店。日本で最初にホームセンターという名称を使ったという。ロードサイド型店舗で巨大な駐車場を備え、家具を中心として絨毯、照明などのインテリアをモデルルームのようにそろえた。展示だけではあったものの当時は珍しかった外車も並べられ話題を呼んだ。ただし、近年の日本で使われる「ホームセンター」が指す形態とは若干趣が異なる。
1970年代
日本で最初の「現代の」ホームセンターであるともいえるドイトの与野店が1972年に開業した。また、専門外の事業者も参入していた。
1980年代
大規模小売店舗法で店舗面積が規制されたため他の業態が切り捨てた分野を取り込んで、バラエティストア化した。コールドチェーンの確保が必要な生鮮食料品や、流行に左右されやすいファッション衣料品以外の多種多様な商品を扱うようになった。
郊外のロードサイドの工場跡地などへ、広い売り場面積、多台数の駐車場でのチェーン展開が始まった。薬剤師の常駐が必要なドラッグストアや、地元商店街との調整が難航した総合スーパーマーケットに比べ出店店舗が多かった。
1990年代
食品スーパーマーケット・ドラッグストアとともにネイバーフットショッピングセンターに出店することが多くなった。
大手事業者への集中や、小規模事業者の廃業・業態転換が目立つようになった。
2000年代
大規模小売店舗立地法の施行により、都市近郊や郊外での他の業態との競争の激化が起こり、各企業ごとに違った戦略がとられるようになった。
- 農業や工務店向けの業務用需要を取り込む。PRO需要専門店の展開。
- 地価の下がった都心部へ出店する。
- 農村部への出店が可能な小型店舗の開発。
100円ショップをテナントとして導入し雑貨を任せて、DIY・BIY・SIYに特化する。- 生鮮食料品を取り扱ってスーパーセンターとなる。
- 1,000m2を少し下回る小型店の展開と、10,000m2を超える大型店の展開の併用
主なホームセンター
- 会社名(親会社等の系列・本社所在地)店舗数・年間売上高(連結)
太字が売上高が大きな9社(年によって変動あり)五十音順、系列下の店は親会社に含む。
あ行
アイリスプラザ(ダイシン)(仙台市宮城野区)15店舗(2009/5)85億4500万円(2008/2)…アイリスオーヤマグループ。
アークランドサカモト(ホームセンタームサシ)(新潟県三条市)54店舗/820億円(2015年2月期)
アヤハディオ(綾羽グループ、滋賀県大津市) 26店舗/321億円(2010/3月期)
イオン九州(ホームワイド、ホームワイドプラス、スーパーワイドマート)47店舗(2010/6)
一号舘(ホームセンターミスタートンカチ)(三重県四日市市)5店舗
いない(ハウジングランドいない、スーパーホームセンターいない)(鳥取県倉吉市) 22店舗(2006年2月期)185億円(2006年2月期)
ACデコール(デコールホームキーパー)(徳島県徳島市)…旧ホームセンターナカイ。現、アクサス関連会社だが事業は大幅に縮小。
エンチョー(ジャンボエンチョー)(静岡県富士市) 34店舗(2006/9)460億円(2005年度)
か行
- カインズ(カインズホーム)(ベイシアグループ傘下、埼玉県本庄市)200店舗(2015/4)3,871億円(2015/2)
片倉工業(ニューライフカタクラ)(東京都中央区)
菅文(ホームセンターかんぶん)岩手県二戸市 11店舗 82億円
嘉穂無線(グッデイ)(福岡県那珂川市)60店舗(2008/7)340億円(2007/3)
カンセキ(ホームセンターカンセキ)(栃木県宇都宮市) 29店舗(2006/9)316億円(2006/2)
コーナン商事(ホームセンターコーナン、ホームストック、コーナンPRO)(大阪府堺市西区)304店舗/2,803億円(2015/2)
- 日曜大工センターまるちょう(和歌山県和歌山市 2002年コーナンの子会社和歌山コーナン株式会社となり、翌年コーナン商事へ吸収合併)
ビーバートザン(ホームセンタービーバートザン)(神奈川県厚木市)10店舗
コメリ(コメリハード&グリーン、コメリホームセンター、コメリパワー)(新潟市南区)1,178店舗/3,169億円(2015/3)
ミスタージョン(三重県津市 2006年4月コメリへ吸収合併)- ヤマキ(秋田県能代市→新潟市)…現在はコメリのフランチャイジーとなっており、店舗ブランドも「コメリ」となっている
- キッコリー(元大阪ガス傘下、大阪府大阪市 コメリ傘下となった後、2006年4月コメリへ吸収合併)
さ行
西條(ベストホーム)(北海道名寄市)
サンデー(ホームセンターサンデー)(イオングループ傘下、青森県八戸市)45店舗/358億円(2005/2)
島忠(島忠、HOME'S)(埼玉県さいたま市)57店舗(2015/8)1,549億円(2015/8)
- 関西島忠、関東島忠、島忠ホームズの3社は2007年9月に島忠に合併
ジャスト(ニューライフジャスト)(福島県南相馬市)
ジュンテンドー(島根県益田市)138店(2008/8)437億円(2006/2)
ジョイフル本田(茨城県土浦市)15店舗/1,623億円(2015/6)
ジョイフルエーケー(札幌市東区)2店舗/116億円(2006/2)
ジョイ(ホームセンタージョイ)(山形県山形市)17店舗
スーパーバリュー(ホームセンタースーパーバリュー)(さいたま市)
セキチュー(群馬県高崎市)453億円(2007/2) JASDAQ:9976
た行
- テーオーリテイリング(テーオーホールディングス傘下、イエローグローブ)(北海道函館市)20店舗(2008/7)
ドイト(ドンキホーテホールディングス傘下、さいたま市中央区)10億円(2007/9)
東急ハンズ(東急グループ傘下、東京都渋谷区)66店舗(2015/3)/876億円(2015/3)
DCMホールディングス株式会社(東京都品川区)600店舗(2015/2)/4,307億円(2015/2)
DCMカーマ(愛知県刈谷市)
ホームセンタータテヤマ(2007/6にカーマの子会社となり、2008/3/1に吸収合併された)
ホームエキスポ(2014/10/1に子会社となり、2015/3/1に吸収合併された)
DCMダイキ(旧称「ホームセンター・ディック」、愛媛県松山市)
ホームセンターサンコー(元は九州産業交通傘下→イエローハット傘下、熊本県)
オージョイフル(元はオークワ傘下、大阪府豊中市)2009年3月、ダイキに吸収合併された 27店舗(2006/9)262億円(2005/2)
- 株式会社オーマート(和歌山県和歌山市)
- 株式会社ジョイフル朝日(大阪府豊中市)
DCMホーマック(元はイオングループ傘下、札幌市厚別区)
ホーマックニコット(2006年にホーマックの子会社となる)
DCMサンワ(青森県青森市)
DCMくろがねや(山梨県甲府市) 20店舗(2006/8) 163億円(2006/5)
ケーヨー(ケーヨーデイツー、ケーヨーホームセンター)(千葉市若葉区)186店舗(2015/2)1,740億円(2015/2)
ニック産業(旧ニックホビーショップ)(京都市右京区、2009年9月にケーヨーに吸収合併された)
ダイユー・リックホールディングス(福島県福島市)
ダイユーエイト(福島県福島市)
リックコーポレーション (ホームセンタータイム)(中四国地方に13店舗)
- チャンピオン(ホームセンターチャンピオン)(東京都北区)
な行
ナンバホームセンター(岡山県津山市)- ナフコ(ホームプラザナフコ、TWO ONE STYLE)(北九州市小倉北区)364店舗/2,222億円(2015/3)
ニシムタ(鹿児島県鹿児島市)
西村ジョイ(香川県高松市)
日敷(ホームセンターハッピー)(秋田県湯沢市)
は行
ハンズマン(宮崎県都城市)
ひらせいホームセンター(新潟市西区)
フジタ産業(ホームセンターハッピーワン)(北海道苫小牧市)3店舗
フタガミ(ホームセンターマルニ)(高知県南国市)15店舗
PLANT(スーパーセンターPLANT、ジョイフルストアーみった)(福井県坂井市)
ホームインプルーブメントひろせ(HIヒロセ)(大分県大分市) 20店舗(2007、食品スーパー含む)
ホームセンターアグロ(兵庫県太子町)14店舗 139億円
ホームセンターサンコー(熊本市東区)15店舗
ホームセンターセブン(大分県宇佐市) 8店舗(2007)
ホームセンターバロー(岐阜県多治見市) 36店舗(2015/9)
ホームセンターみつわ(福井県福井市) 10店舗(2005/6)
ホームピック(オリンピック傘下、東京都練馬区) 20店舗(2007/9)
ホームワイド イオン九州
ま行
マキバ(ハンディホームセンター)(神奈川県湯河原町)
ムラウチホビー(東京都八王子市)
メイクマン(沖縄県浦添市)
モリスホームセンター(兵庫県高砂市)
や行
ヤサカ(ホームセンターヤサカ)(東京都福生市)
ヤスサキ(ヤスサキホームセンター、ワイホーム)(カーマFC)(福井県福井市)- 山岸(ホームセンターヤマキシ)(福井県あわら市)
山新(茨城県水戸市) 21店舗
ユニリビング(ユニディ)(三井不動産傘下、千葉市美浜区)
祐徳自動車(ホームセンターユートク)(佐賀県鹿島市) 20店舗(2008/3)
ユーホー(広島県福山市)21店舗 260億円
ら行
- LIXILビバ(ビバホーム、スーパービバホーム)(LIXILグループ傘下、埼玉県さいたま市)84店舗(2015/10)/1,680億円(2015/3)
ロイヤルホームセンター(大和ハウスグループ傘下、大阪府大阪市)52店舗(2013/12)
わ行
綿半ホールディングス(東京都新宿区)
綿半Jマート(Jマート)(東京都三鷹市)14店舗(2008/9)179億円(2007/9)
綿半ホームエイド(長野県長野市) 14店舗(2006/4)
売上序列
売上高1,000億円以上の大手9社の売上序列は、おおむね下の表のとおりである。合併、資本系列など捉えにくい側面もあるが、近年は業界首位のカインズをコーナンが追いかけるという構図であった。特に平成13年度から15年度にかけては、コーナンがカインズの前年度売上高を上回るが、カインズがさらに売上高を伸ばす(この3年で約600億円)ことで首位を守る状況が続いた。平成16年度はコーナンの売上がカインズの前年度売上を超えられなかったが、依然熾烈なトップ争いが続いている。東大阪ではコーナンが2005年6月に開店した東大阪フレスポ店(7273平方メートル)の約100メートル北方に、同年11月にカインズが東大阪店(大阪府初出店、約10000平方メートル)を開店し、業界1位のカインズが2位と直接対決を行う構図となった。カインズは、この1店で年間売り上げ60億円程度[要出典]と予想している。
その中で、2006年9月にホーマック・カーマ・ダイキが経営統合し、DCMホールディングスとなった。単純に売上合計すると約4100億円となり、カインズ・コーナンを上回り、売上高で一気に業界首位に躍り出ることとなった。
会社名 | 店舗数 | 売上高(億円) | 会社コード |
---|---|---|---|
DCMホールディングス | 669(2018/2) | 4,366(2018/2) | 3050(東証1) |
カインズ | 208(2018/2) | 4,035(2017/2) | 非上場 |
コメリ | 1,186(2018/3) | 3,295(2017/3) | 8218(東証1) |
コーナン商事 | 319(2017/2) | 2,911(2017/2) | 7516(東証1) |
ナフコ | 371(2017/3) | 2,310(2017/3) | 2790(JASDAQ) |
LIXILビバ | 89(2018/4) | 1,762(2017/3) | 3564(東証1) |
ジョイフル本田 | 15(2017/6) | 1,549(2017/6) | 3191(東証1) |
島忠 | 59(2017/8) | 1,411(2017/8) | 8184(東証1) |
ケーヨー | 181(2018/2) | 1,321(2018/2) | 8168(東証1) |
脚注
^ ホームセンターの英語・英訳 - 英和辞典・和英辞典 Weblio
^ 朝日新聞の2011年2月1日朝刊29面
関連項目
- ロードサイド店舗
- 複合商業施設
- スーパーセンター
- 金物
外部リンク
- 日本DIY協会
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