第二地方銀行
第二地方銀行(だいにちほうぎんこう)とは、一般社団法人第二地方銀行協会の会員であり、金融庁の「免許・登録業者一覧」に於いて「地域銀行 / 第2地方銀行」とされた銀行である。
目次
1 概要
2 第二地方銀行の一覧
3 現存しない第二地方銀行
3.1 他のカテゴリーへ移行した銀行
3.2 吸収合併によって消滅したもの
3.3 経営が破綻したもの
4 脚注
5 関連項目
6 外部リンク
概要
協会の会員の資格は、協会定款第5条「平成元年(=1989年)2月1日以降、金融機関の合併及び転換に関する法律(昭和43年法律第86号)第6条第5項の規定に基づいて銀行法により免許を受けたとみなされた銀行及び会員から営業を譲り受けることを目的として新たに免許を受けた銀行であって、主たる営業基盤が地方的なもの」である。以下本項では前者を「銀行法により免許を受けたとみなされた銀行」、後者を「新たに免許を受けた銀行」とする。
「銀行法により免許を受けたとみなされた銀行」は、相互銀行(大半は無尽から発展)が転換したものであり、営業内容に制約がある信用金庫よりも小規模で、非上場の銀行もある。それ故にバブル期に経営陣の私物化による情実(不正)融資が起こり、兵庫銀行(普通銀行として戦後初)を皮切りに、徳陽シティ銀行・東京相和銀行・中部銀行・石川銀行など不良債権による債務超過で経営破綻したところが相次いだ。
なお、破綻した都市銀行の事業を譲受したことにより第二地方銀行首位となった北洋銀行や、経営再編により第二地方銀行ではなくなったわかしお銀行・八千代銀行や、地方銀行[1]に吸収合併されたものの本店所在地は確保した福岡シティ銀行などもある。
第二地方銀行の一覧
2018年(平成30年)5月時点で40存在する。内訳は次の通り。
相互銀行から普通銀行に転換したもの: 39- 営業を譲り受けることを目的として新たに免許を受けたもの: 1
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東京スター銀行は東京相和銀行から営業を譲り受けることを目的として新たに免許を受けた銀行、それ以外は全て旧相互銀行から普通銀行に転換した銀行である。
現存しない第二地方銀行
埼玉県・山梨県においては、1989年時点で元々旧相互銀行自体が存在していなかった。また青森県では1976年に、当時の弘前相互銀行が青和銀行(普通銀行: (第一)地方銀行)を存続行として合併し、みちのく銀行が発足したことでやはり相互銀行のない県となった。
第二地方銀行の制度が発足して以降は、吸収合併や経営破綻により、秋田県・茨城県・石川県・岐阜県・滋賀県・京都府・奈良県・和歌山県・鳥取県の各府県で、本店を有する第二地方銀行が消滅した。こうした再編はその後も続いている。
他のカテゴリーへ移行した銀行
地域 | 銀行名 | 旧名称 | 本店所在地 | 登録先財務局 | その後 |
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関東 | わかしお銀行 | (太平洋銀行) | 東京都千代田区 | 関東財務局 | いわゆる“逆さ合併”により三井住友銀行旧社を吸収合併し同名に改称、都市銀行へ移行。 |
八千代銀行 | 八千代信用金庫 | 東京都新宿区 | 東京都民銀行、新銀行東京との経営統合後、その2行を吸収合併しきらぼし銀行に改称、(第一)地方銀行へ移行。 |
わかしお銀行は太平洋銀行から営業を譲り受けることを目的として新たに免許を受けた銀行、八千代銀行は八千代信用金庫から転換した銀行だった。
吸収合併によって消滅したもの
- 銀行法により免許を受けたとみなされた銀行
- 1989年2月1日以降、金融機関の合併及び転換に関する法律(昭和43年法律第86号)第6条第5項の規定に基づくものを挙げる。
地域 | 銀行名 | 旧名称 | 本店所在地 | 登録先財務局 | その後 |
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北海道 | 札幌銀行 | 北海道相互銀行 | 札幌市中央区 | 北海道財務局 | 北洋銀行と経営統合の後同行を存続行として合併 |
東北 | 秋田あけぼの銀行 | 秋田相互銀行 | 秋田県秋田市 | 東北財務局 | 羽後銀行((第一)地方銀行)に吸収合併され、北都銀行に |
山形しあわせ銀行 | 山形相互銀行 | 山形県山形市 | 殖産銀行と経営統合の後同行を存続行として合併し、きらやか銀行に | ||
関東 | つくば銀行 | 東陽相互銀行 | 茨城県下妻市 | 関東財務局 |
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茨城銀行 | 茨城相互銀行 | 茨城県水戸市 | |||
東海 | 岐阜銀行 | 岐阜相互銀行 | 岐阜県岐阜市 | 東海財務局 |
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近畿 | びわこ銀行 | 滋賀相互銀行 | 滋賀県大津市 | 近畿財務局 | 2010年3月1日に関西アーバン銀行が吸収合併 |
なにわ銀行 | 大阪相互銀行 | 大阪府大阪市中央区 | 経営再建を図って1998年10月1日に特定合併の形でなみはや銀行を設立したものの、 翌1999年8月6日に経営破綻 | ||
福徳銀行 | 福徳相互銀行 | 大阪府大阪市中央区 | |||
近畿銀行 | 近畿相互銀行 | 大阪府大阪市中央区 |
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奈良銀行 | 三栄相互銀行 | 奈良県奈良市 | |||
和歌山銀行 | 和歌山相互銀行 | 和歌山県和歌山市 | 紀陽銀行((第一)地方銀行)と経営統合の後、同行に吸収合併 | ||
中国 | ふそう銀行 | 扶桑相互銀行 | 鳥取県鳥取市 | 中国財務局 | 山陰合同銀行((第一)地方銀行)に吸収合併される |
せとうち銀行 | 呉相互銀行 | 広島県呉市 | 広島総合銀行と経営統合の後、同行を存続行として合併し、もみじ銀行に | ||
九州 | 福岡シティ銀行 | 福岡相互銀行 | 福岡県福岡市博多区 | 福岡財務支局 | (第一)地方銀行に転換した西日本銀行を存続行として合併し、 西日本シティ銀行に |
九州銀行 | 九州相互銀行 | 長崎県佐世保市 | 親和銀行((第一)地方銀行)と経営統合の後同行が吸収合併 | ||
肥後ファミリー銀行 | 肥後相互銀行 | 熊本県熊本市 | 九州財務局 | 熊本銀行を存続行として合併し、熊本ファミリー銀行に、 2013年4月1日に名称変更し熊本銀行に |
- 新たに免許を受けた銀行
- 会員から営業を譲り受けることを目的として新たに免許を受けた銀行を挙げる。
地域 | 銀行名 | 譲渡元 | 本店所在地 | 登録先財務局 | その後 |
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近畿 | 関西さわやか銀行 | 幸福銀行 | 大阪府大阪市 | 近畿財務局 | 関西銀行の子会社化された後同行を存続行として合併し、関西アーバン銀行に |
みどり銀行 | 兵庫銀行 | 兵庫県神戸市中央区 | 阪神銀行に吸収合併され、みなと銀行に |
経営が破綻したもの
破綻年月日 | 銀行名 | 旧名称 | 本店所在地 | 登録先 財務局 | その後 |
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1995年8月30日 | 兵庫銀行 | 兵庫相互銀行 | 兵庫県神戸市中央区 | 近畿財務局 | 新設のみどり銀行に営業を譲渡(現:みなと銀行) |
1996年3月29日 | 太平洋銀行 | 第一相互銀行 | 東京都千代田区 | 関東財務局 | 新設のわかしお銀行に営業を譲渡(現:三井住友銀行) |
1996年11月21日 | 阪和銀行 | 興紀相互銀行 | 和歌山県和歌山市 | 近畿財務局 | 紀伊預金管理銀行に払戻し分の預金などを譲渡(解散) |
1997年10月14日 | 京都共栄銀行 | 京都相互銀行 | 京都府京都市下京区 | 一部の店舗を福邦銀行・北京都信用金庫(現:京都北都信用金庫)に譲渡した他は、同系の幸福銀行が営業を継承 | |
1997年11月26日 | 徳陽シティ銀行 | 徳陽相互銀行 | 宮城県仙台市青葉区 | 東北財務局 | 仙台銀行・七十七銀行・北日本銀行に分割譲渡 |
1999年4月11日 | 国民銀行 | 国民相互銀行 | 東京都千代田区 | 関東財務局 | 八千代銀行(現:きらぼし銀行)に営業を譲渡 |
1999年5月22日 | 幸福銀行 | 幸福相互銀行 | 大阪府大阪市西区 | 近畿財務局 | 新設の関西さわやか銀行に営業を譲渡(現:関西アーバン銀行) |
1999年6月12日 | 東京相和銀行 | 東京相互銀行 | 東京都港区 | 関東財務局 | 新設の東京スター銀行に営業を譲渡 |
1999年8月6日 | なみはや銀行 | 大阪府大阪市中央区 | 近畿財務局 | 大和銀行(現: りそな銀行)・近畿大阪銀行に分割譲渡 | |
1999年10月1日 | 新潟中央銀行 | 新潟相互銀行 | 新潟県新潟市 | 関東財務局 | 第四銀行・大光銀行・八十二銀行・東日本銀行・群馬銀行・東和銀行に分割譲渡 |
2001年12月28日 | 石川銀行 | 加州相互銀行 | 石川県金沢市 | 北陸財務局 | 一旦日本承継銀行が営業を継続、その後北陸銀行・北國銀行・富山第一銀行・ 金沢信用金庫・能登信用金庫(現:のと共栄信用金庫)に分割譲渡 |
2002年3月8日 | 中部銀行 | 中部相互銀行 | 静岡県静岡市 | 東海財務局 | 一旦日本承継銀行が営業を継続、その後清水銀行・静岡中央銀行・東京スター銀行に分割譲渡 |
脚注
^ ただし、合併相手の西日本銀行は、相互銀行から(地銀協加盟の)地方銀行に転換している。
^ “中小・地域金融機関の主な経営指標”. 金融庁. 2015年4月27日閲覧。
関連項目
- 日本の銀行一覧
- 相互銀行
- 統一金融機関コード
外部リンク
- 社団法人第二地方銀行協会
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