洛中洛外図




洛中洛外図(らくちゅうらくがいず)は、京都の市街(洛中)と郊外(洛外)の景観や風俗を描いた屏風絵である。2点が国宝、5点が重要文化財に指定される(2016年現在)など、文化史的・学術的な価値が高く評価され、美術史や建築史、および都市史や社会史の観点から研究されている。戦国時代にあたる16世紀初頭から江戸時代にかけて制作された。現存するものの中で良質なものは30〜40点とされる[1]




目次






  • 1 概要


    • 1.1 屏風


    • 1.2 構図・景観


    • 1.3 季節の風物と行事


    • 1.4 人物


    • 1.5 洛中洛外図のはじまり




  • 2 初期洛中洛外図


    • 2.1 歴博甲本


    • 2.2 東博模本


    • 2.3 上杉本


      • 2.3.1 研究史




    • 2.4 歴博乙本




  • 3 江戸時代以降


    • 3.1 舟木本


    • 3.2 勝興寺本


    • 3.3 池田本


    • 3.4 福岡市博物館本


    • 3.5 その他の洛中洛外図




  • 4 洛中洛外図屏風作品一覧


  • 5 その他


  • 6 出典


  • 7 文献


  • 8 外部リンク





概要



屏風


洛中洛外図は、14世紀以降の屏風の定型である六曲一双形式であることが多い(屏風の構造参照)。



構図・景観


洛中洛外図は、右隻に京都東方面、左隻に京都西方面が鳥瞰図として描かれることが一般的である。


戦国時代の景観を描いたものを初期洛中洛外図と呼ぶ。右隻に内裏を中心にした下京の町なみや、鴨川、祇園神社、東山方面の名所が描かれ、左隻には公方御所をはじめとする武家屋敷群や、船岡山、北野天満宮などの名所が描かれている。また、初期洛中洛外図屏風を向かって見ると、右隻では、上下が東西、左右が北南となる。一方左隻では、上下が西東、左右が南北となる。こうした初期洛中洛外図屏風の形式は「第一形式」とも呼ばれる。初期洛中洛外図は、4点が現存する。


江戸時代の洛中洛外図では、右隻に内裏と大仏方広寺、左隻に二条城を描くものが多く、「第二形式」とも呼ばれる。



季節の風物と行事


洛中洛外図は四季絵または月次絵の要素を持っている(特に初期洛中洛外図)。季節を表す風物や行事が多数描かれ、たとえば、祇園会の山鉾を書き込むものが多い。初期洛中洛外図では、右隻に春夏、左隻に秋冬の風物や行事が描かれている。これは、五行説に従って四季を東西南北、つまり北に冬(玄冬)、東に春(青春)、南に夏(朱夏)、西に秋(白秋)を配したものと考えられている。ただし、季節区分には例外も多くある。



人物


洛中洛外図には数千人の人物が描かれており、その人物比定や職業、生活の様子、服飾・髪型などは重要な研究対象になっている。



洛中洛外図のはじまり


三条西実隆の日記である実隆公記の永正3年(1506年)の次の記述が、洛中洛外図に関する最古の文献史料とされている
[2]



甘露寺中納言来る、越前朝倉屏風を新調す、一双に京中を画く、土佐刑部大輔(光信)新図、尤も珍重の物なり、一見興有り



実隆が、いとこの甘露寺元長から土佐光信作の京都を描いた越前朝倉家発注の屏風を見せられ、珍しく興味深いものだったという感想を記述していると解釈されている。当時の越前朝倉家の当主は朝倉貞景で、甘露寺家とは姻戚関係があった。この屏風は現存しない。



初期洛中洛外図


戦国時代の景観が描かれた初期洛中洛外図は、次の4点が現存している。









































初期洛中洛外図
名称 所蔵 形式 大きさ 備考
歴博甲本 国立歴史民俗博物館 屏風六曲一双 紙本着色 各隻: 縦138.0cm、横364.0cm 重要文化財
東博模本 東京国立博物館 屏風絵の写し十一幅 紙本淡彩 各幅: 縦160.5cm、横62.0cm 模本
上杉本 米沢市上杉博物館 屏風六曲一双 紙本金地着色 各隻: 縦160.6cm、横364.0cm 国宝
歴博乙本 国立歴史民俗博物館所蔵 屏風六曲一双 紙本金地着色 各隻: 縦158.3cm、横364.0cm 重要文化財


歴博甲本


国立歴史民俗博物館所蔵。三条家に伝来しのちに町田氏の所蔵になった経緯から、三条本あるいは町田本ともいう。1940年(昭和15年)に重要文化財に指定されている[3]


絵の内容から、中心主題は1525年(大永5年)4月に成立した細川稙国の新政権と細川高国で、景観年代と制作年代もその時期、作者は狩野元信およびその周辺の狩野派絵師と推定されている[4]


描かれた人物の多くは、明応年間(1492年から1501年)頃制作の職人歌合である三十二番職人歌合および七十一番職人歌合の職人たちと対照できる[5]




東博模本


東京国立博物館所蔵。屏風絵の扇ごとの写しで、右隻第五扇が欠失して十一幅が現存している。下端に記載された模写した人の名前から、江戸時代前期の延宝年間(1673年から1681年)頃に狩野中橋家の門人たちによって模写されたものとされている[7]。原本は現存せず、模写までの伝来も不明である。


絵の内容から、発注者は阿波細川家の関係者、景観年代および制作年代は1539年(天文8年)から1545年(天文14年)の間、作者は狩野派絵師と推定されている[8]



上杉本




上杉本 右隻




上杉本 左隻


米沢藩藩主の上杉家に伝来したもので、米沢市上杉博物館所蔵。織田信長から上杉謙信に贈られた狩野永徳の作品とされている。1995年に国宝指定。


絵の内容から、景観年代は室町幕府13代将軍足利義輝の時代で、永禄4年(1561年)以降[9]と推定されている。また、絵が完成したのは永禄8年(1565年)9月3日、織田信長から上杉謙信に贈られたのは天正2年(1574年)3月とされている[10]


上杉本は次のような経緯を経て上杉家に伝来したと推定されている[11]。足利義輝は、上杉謙信に上洛して管領に就任せよというメッセージを込めて贈るため、洛中洛外図を狩野永徳に発注した。しかし、永禄8年5月に義輝が非業の死を遂げた結果、同年9月に完成した絵は永徳の許にとどまった。織田信長が上洛したあとの天正2年、永徳は信長に接近した。洛中洛外図のことを知った信長は、当時同盟を結ぶ必要があった謙信に絵を贈った。



研究史


上杉本は、1911年(明治44年)の福井利吉郎による歴史地理学会での講演で織田信長から上杉謙信に贈られた確実な証拠のある狩野永徳の作品として紹介され、学会および一般に知られるようになった。信長から謙信に贈られた証拠となるのは、『越佐史料』に所収された「上杉年譜」などの諸史料である。


上杉本が永徳作品であることに異論を唱えたのは、1988年に発表された今谷明の論文である。今谷は、描かれた武家屋敷や寺社建築、武士の行装などを検証した結果から、上杉本の景観は天文16年(1547年)5月から閏7月に限定できるとした。また、上杉本の作者は天文16年時点でわずか4歳だった狩野永徳ではないこと、信長から謙信に贈ったとする「上杉年譜」の記述が疑わしいことを主張した[12]


それに対して美術史家からは、落款・筆跡・画風を再検討した結果、上杉本はやはり狩野永徳の作品であるという反論がなされた。瀬田勝哉は景観について、すでにないものであってもあるかのように描く「復元表現」の可能性があることや、三好筑前邸に永禄4年(1561年)に新築された記録のある冠木門が描かれていることから、永禄4年以降のものだとした。黒田日出男は「上杉年譜」について再検討した結果、その元となったと考えられる『(謙信公)御書集』の次の記述を発見し、「上杉年譜」の記述は信じるべきものとした[13]



同年三月、尾州織田信長、為使介佐々市兵衛遣于越府、被贈屏風一双、畫工狩野源四郎貞信、入道永徳斎、永禄八年九月三日畫之、花洛盡、被及書札



現在では黒田らが主張したように、上杉本は足利義輝の依頼で狩野永徳が制作して織田信長が上杉謙信に贈ったことが通説となっている[14]




歴博乙本


国立歴史民俗博物館所蔵。1985年に古美術商が所蔵しているときにはじめて公開されたため、当時の所蔵者名から高橋本とも呼ばれる。


絵の内容から、景観年代および制作年代は上杉本よりもあとの1580年代、作者は狩野松栄(永徳の父)およびその周辺の狩野派絵師とする説が強かったが[16]、近年では永徳の弟・狩野宗秀周辺の作とする説が提示され、宗秀工房作の京名所図扇面の表現と比較しても、その蓋然性は高い[17]



江戸時代以降


江戸時代以降も洛中洛外図は多く制作された。高く評価されているのは、17世紀前半に制作されたもので、国宝・重要文化財に指定されているものは、次の4点である。









































国宝・重要文化財に指定された江戸時代以降の洛中洛外図
名称 所蔵 形式 大きさ 備考
舟木本 東京国立博物館 屏風六曲一双 紙本金地著色 国宝
勝興寺本 富山県高岡市 勝興寺 屏風六曲一双 紙本金地著色 重要文化財
池田本 林原美術館 屏風六曲一双 紙本金地着色 重要文化財
福岡市博物館本 福岡市博物館 屏風六曲一双 紙本金地着色 重要文化財


舟木本


東京国立博物館所蔵。1958年重要文化財指定。2016年国宝指定。


左隻に二条城(徳川)、右隻に方広寺大仏殿(豊臣)を対比的に描いている。慶長年間の京都を描き、従来からその特徴ある人物表現から岩佐又兵衛の工房の作と言われてきたが、近年では又兵衛本人の作との説が有力になりつつある。中心に大きく市街地を置き、歌舞伎小屋や遊女屋などの都市風俗や、庶民の生活が生き生きと描かれており、洛中洛外図の中でも個性的である。また初期洛中洛外図では必ず描かれていた郊外の風景が描かれていない。



勝興寺本


富山県高岡市にある勝興寺に伝わるもの。1994年重要文化財指定。


二条城と方広寺大仏殿を対比させている。元和年間の京都を描き、狩野派(狩野孝信)の作といわれる。



池田本


林原美術館所蔵。1996年重要文化財指定。岡山藩の池田家に伝わったもの。図中に徳川和子入内行列が描かれているところから元和年間の京都を描いたとされる。



福岡市博物館本


福岡市博物館所蔵。2011年重要文化財指定。狩野孝信の作。


京の全体を描く洛中洛外図の定型からは外れ、二条城も大仏殿も描かれていない。右隻に寺町通り沿いの店舗や清水寺など、左隻に賀茂川以西の景観を描いている。狩野孝信作という説が有力[18]



その他の洛中洛外図


朝鮮通信使が描かれているものがあることも江戸期の洛中洛外図の特徴の一つとして挙げることが出来る。10点ほどが知られており、代表的なものとして今井町本(奈良・個人蔵、六曲一双金地着色)、守護家本(富山・個人蔵、六曲一双金地着色)、紀州徳川家旧蔵とされる米・ボストン美術館のものなどがある。












舟木本


舟木本

舟木本














福岡市博物館本


福岡市博物館本

福岡市博物館本














池田本


池田本

池田本














メトロポリタン美術館本[19]


メトロポリタン美術館本[19]

メトロポリタン美術館本[19]





洛中洛外図屏風作品一覧

































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































































番号
呼称
時代
系統
形態
高さ
筋勝手・左隻
筋勝手・右隻
貼札
堀川通行列
所蔵者
備考(旧蔵者・絵師)
001

室町
初期
六曲一双
4.5尺




国立歴史民俗博物館
三条家旧蔵
002
東博模本
室町
初期
六曲一双
5.5尺




東京国立博物館

003
上杉本
室町
初期
六曲一双
5.5尺


書込

米沢市上杉博物館
上杉家旧蔵、狩野永徳筆
004
歴博乙本
桃山
初期
六曲一双
5尺


無(跡有)

国立歴史民俗博物館

狩野松栄または狩野宗秀
005

江戸前期

八曲一隻
6尺
x


x
個人

006
山岡家A本
江戸前期

六曲一隻
5尺

x

参内

京都国立博物館

狩野光信
007

江戸前期
堺市博本
六曲一双
5尺


無(跡有)
参内

堺市博物館

008

江戸前期
堺市博本
六曲一双
5尺



参内
アメリカ・メトロポリタン美術館(バーク・コレクション)

009

江戸前期
堺市博本
六曲一隻
5尺
x


x
個人

010

江戸前期
堺市博本
六曲一双
本間



参内
広島・耕三寺博物館

011
吉川本
江戸前期
変形
六曲一双
2.5尺



x
福岡市博物館
狩野孝信筆
012

江戸前期
林原本工房
六曲一双
5尺

逆+順

参内
個人

013

江戸前期
林原本工房
六曲一双
5尺



参内

岐阜市歴史博物館

014

江戸前期
林原本工房
六曲一双
5尺

逆+順

参内

東京芸術大学大学美術館

015

江戸前期
林家本
六曲一双
5尺



参内
個人

016

江戸前期
林家本
六曲一双
5尺


無(跡有)
参内

神戸市立博物館

017

江戸前期
林家本
六曲一双
5尺



参内
カナダ・ロイヤル・オンタリオ美術館

018

江戸前期
林家本
六曲一双
5尺



参内
個人

019
田万家本
江戸前期
林家本
六曲一双
5尺



参内

大阪市立美術館

020

江戸前期

六曲一双
5尺



南蛮人
京都国立博物館

021

江戸前期

六曲一双
5尺



南蛮人

出光美術館

022

江戸前期

六曲一双
5尺



南蛮人

島根県企業局(島根県立美術館寄託)[20]

023

江戸前期

六曲一双
3尺



南蛮人

南蛮文化館

024
勝興寺本
江戸前期

六曲一双
5尺



神輿
高岡市・勝興寺
狩野孝信筆
025
池田本
江戸前期
林原本工房
六曲一双
5.5尺
逆+順
逆+順

神輿
林原美術館
池田家旧蔵
026

江戸前期
林原本似
六曲一双
5尺
逆+順
逆+順

神輿

福島県立博物館

027

江戸前期
林原本工房
六曲一双
5.5尺
逆+順
逆+順

神輿

MOA美術館

028
萬野B本
江戸前期
林原本工房
六曲一双
5尺
逆+順
逆+順

神輿

大阪城天守閣

029

江戸前期
林原本工房
六曲一双
5尺



神輿
アメリカ・ブルックリン美術館

030

江戸前期

六曲一双
5尺



神輿

南知多町・延命寺

031

江戸前期

六曲一双
2.5尺
逆+順
逆+順

祭礼・神輿
出光美術館

032
萬野A本
江戸前期
林家本
六曲一双
5尺



祭礼

萬野美術館旧蔵

033

江戸前期
林家本
六曲一双
本間



祭礼
アメリカ・シアトル美術館旧蔵

034
司馬家本
江戸前期
司馬家本
六曲一双
3.5尺



祭礼

田辺市立美術館

035
歴博D本
江戸前期
司馬家本
六曲一双
4尺



祭礼
国立歴史民俗博物館

036

江戸前期
司馬家本
六曲一双
3.5尺



祭礼

松岡美術館

037
坂本家本
江戸前期
司馬家本
六曲一双
3.5尺



祭礼
個人

038

江戸前期
司馬家本
六曲一双
3.5尺



祭礼

大分市美術館

039

江戸前期
奈良県美本
六曲一隻
5尺
x


x

京都民芸館

040

江戸前期
奈良県美本
六曲一双
5尺
順+逆


参内
個人(麻布美術工芸館寄託)

041

江戸前期
奈良県美本
六曲一双
5尺
順+逆


人々
福島県立博物館

042

江戸前期
奈良県美本
六曲一双
3尺
順+逆


祭礼(石曳)

奈良県立美術館

043

江戸前期
奈良県美本
六曲一双
3.5尺



祭礼(石曳)

馬の博物館

044

江戸前期
林家本
六曲一双
5尺



馬駆け

東京富士美術館

045

江戸前期

六曲一双
5尺



馬駆け

佐渡市・妙法寺

046

江戸前期
林原本工房
六曲一双
5尺
逆+順
逆+順

入内
個人

047
舟木本
江戸前期
変形
六曲一双
5.5尺


書込

東京国立博物館
岩佐又兵衛筆
048
高津本
江戸前期
変形
六曲一双
5尺
順・逆
順・逆


京都国立博物館

049
歴博Ç本
江戸前期

六曲一隻
5尺

x

行幸(牛車+鳳輦)
国立歴史民俗博物館

050

江戸前期

六曲一隻
3尺

x

行幸(牛車+鳳輦)
個人

051

江戸前期
林家本
六曲一双
5尺



行幸(牛車+鳳輦)

和泉市久保惣記念美術館

052
本田家本
江戸前期
林原本工房
六曲一双
5尺

逆+順

行幸(牛車)
個人

053

江戸前期
林原本工房
六曲一双
5尺

逆+順

行幸(牛車)

サントリー美術館

土佐光高筆
054

江戸前期
林原本工房
六曲一双
5尺

逆+順

行幸(牛車)

毛利博物館
毛利家伝来、伝土佐将監筆
055

江戸前期
林原本工房
六曲一双
3尺

逆+順

行幸(牛車)
個人

056
バークB本
江戸前期
林原本工房
六曲一隻
5尺
x



アメリカ・バークコレクション

057

江戸前期
林原本工房
六曲一隻
5.5尺
x



個人

058

江戸中期
林原本工房
六曲一双
3尺
x
逆+順

行幸(迎え)

石水博物館

059

江戸前期

六曲一双
5尺

逆+順

行幸(牛車)

横須賀市・大松寺

060

江戸前期

六曲一双
5尺



行幸(牛車)
アメリカ・ホノルル美術館

061

江戸前期
洛外、林原本工房
六曲一双
5尺

逆+順


京都国立博物館

062

江戸前期
洛外、林原本工房
六曲一隻
5尺
x


x

細見美術館

063

江戸前期
洛外、林原本工房
六曲一双
4.5尺


無(跡有)

個人

064
浄願寺本
江戸前期
洛外、林原本工房
六曲一双
5尺

逆+順



名古屋市・浄願寺

065

江戸前期
洛外、林原本工房
六曲一隻
5尺
x




八幡市松花堂美術館

066

江戸前期
洛外、林原本工房
六曲一双
5尺

逆+順


佐渡市・妙照寺

067

江戸前期
洛外、林原本工房
六曲一双
5尺
逆+順
逆+順



滋賀県・個人

068

江戸中期
洛外、林原本工房
六曲一双
本間

逆+順



青森県・個人

069

江戸前期

八曲一双
2尺
逆+順



南蛮文化館

070

江戸前期

二曲一隻
3尺
x


x

京都市・八坂神社

071

江戸前期

六曲一双
5尺




聚楽第行幸

尼崎市

072

江戸前期

六曲一双





個人

073

江戸前期

六曲一双
5尺




朝鮮通信使(油小路通)
アメリカ・ボストン美術館

074

江戸前期

六曲一双
5尺

逆+順

朝鮮通信使
個人

075
今井町本
江戸前期

六曲一双
5尺




朝鮮通信使(油小路通)
個人

076

江戸前期
変形
六曲一双
5尺
順・逆
順・逆



森熊美術館

077

江戸前期
変形
六曲一双
4尺
順+逆
順+逆

行幸(牛車+鳳輦)
MOA美術館

078

江戸前期
変形
八曲一双
3尺
順+逆

書込?
神輿

根津美術館

079

江戸前期
変形
六曲一双
5.5尺




個人

080

江戸前期
変形
六曲一隻
5尺
順・逆
x


個人
長谷川巴龍筆
081

江戸前期
洛外
六曲一双
5尺
順・逆
順・逆


京都文化博物館

狩野益信筆
082

江戸前期
洛外
四曲一隻
4.5尺
x
順・逆

x
奈良県立美術館

083
具慶本
江戸中期
具慶本
六曲一双
5.5尺



行幸(鳳輦)
個人(京都国立博物館寄託)

住吉具慶筆
084

江戸中期
具慶本
六曲一双
本間



行幸(鳳輦)
個人(芦屋市立美術博物館寄託)

085

江戸中期
具慶本
六曲一双
5尺



行幸(鳳輦)

豊橋市二川宿本陣資料館

086

江戸中期
具慶本
六曲一双
5尺



行幸(鳳輦)

大阪人権博物館

087

江戸中期
具慶本
六曲一双




行幸(鳳輦)
前田子爵・井伊子爵旧蔵

088

江戸中期
具慶本
六曲一双
5尺



行幸(鳳輦)

越前市武生公会堂記念館

089

江戸中期
具慶本
六曲一双
5尺



行幸(鳳輦)
個人(愛媛県美術館寄託)

090

江戸中期
具慶本
六曲一隻
5尺
x


x
アメリカ・フリーア美術館

091
歴博F本
江戸中期
具慶本
六曲一隻
5尺
x


行幸(鳳輦)
国立歴史民俗博物館

092
真野家本
江戸中期
具慶本
六曲一双
3.5尺



行幸(鳳輦)

八幡市・正法寺

093

江戸中期
具慶本
六曲一双
3.5尺



行幸(鳳輦)
個人

094

江戸中期
具慶本
1幅
5尺
x


x

学習院大学学芸員資格取得事務室

095

江戸中期

六曲一隻
3.5尺

x

行幸(牛車)

伊達市開拓記念館
亘理伊達家伝来
096

江戸中期

六曲一隻
3.5尺
x


行幸(鳳輦+牛車)

徳川美術館

097

江戸中期
渡辺美本
六曲一双
本間



行幸(牛車)

渡辺美術館

098

江戸中期
渡辺美本
六曲一双
5尺



行幸(牛車)
個人

099

江戸中期
渡辺美本
六曲一双
5尺



行幸(牛車)
個人

100

江戸中期
渡辺美本
六曲一隻
5尺

x

行幸(牛車)

飯田市・開善寺

101

江戸中期
佛教大学本
六曲一双
5尺

逆+順

行幸(牛車)

佛教大学図書館

102

江戸中期
佛教大学本
六曲一双
本間




個人

103

江戸中期
佛教大学本
六曲一双
5尺

逆+順

行幸(牛車)
個人

104
小村家本
江戸中期
佛教大学本
六曲一双
5尺

逆+順

行幸(牛車)
個人

105

江戸中期
佛教大学本
六曲一双
5尺

逆+順

行幸(牛車)

枚方美術館

106

江戸中期
佛教大学本
六曲一双
5尺

逆+順

行幸(牛車)
個人

107

江戸中期
佛教大学本
六曲一双
本間

逆+順

行幸(牛車)
京都市・詩織庵

108

江戸中期
佛教大学本
六曲一双
本間

逆+順

行幸(牛車)

岡山県立美術館

109

江戸中期
佛教大学本
六曲一双
本間

逆+順

行幸(牛車)
個人(佐野美術館寄託)

110

江戸中期
佛教大学本
六曲一隻
3尺

x

行幸(牛車)

千葉県立中央博物館

111

江戸中期
佛教大学本
六曲一双


逆+順

行幸(牛車)

高津古文化会館

112

江戸中期
佛教大学本
六曲一双
3.5尺



行幸(牛車)
個人

113

江戸中期
佛教大学本
六曲一双
3.5尺

逆+順

行幸(牛車)
個人(兵庫県立歴史博物館寄託)

114

江戸中期
佛教大学本
六曲一双
3尺

逆+順

行幸(牛車)
大阪市立美術館

115

江戸中期
佛教大学本
六曲一双
5.5尺

逆+順

行幸(牛車)
個人

116

江戸中期
佛教大学本
六曲一双
本間

逆+順

行幸(牛車)
個人

117

江戸中期
佛教大学本
六曲一隻
3尺

x

行幸(牛車)

大阪市・個人

118

江戸中期
佛教大学本
六曲一双




行幸(牛車)
個人(和歌山県立博物館寄託)

119

江戸中期
佛教大学本
六曲一双


逆+順

行幸(牛車)
個人

120

江戸中期
佛教大学本
六曲一双




行幸(牛車)

長岡京市・楊谷寺

121

江戸中期
佛教大学本
六曲一双




行幸(牛車)
某男爵家並某家旧蔵

122

江戸中期
佛教大学本
六曲一双




行幸(牛車)

古田織部美術館

123

江戸中期
佛教大学本
六曲
本間




俵屋旅館

124

江戸中期
鳥取県博本
六曲一隻
4尺

x

行幸(鳳輦)
個人

125

江戸中期
鳥取県博本
六曲一双
4尺

逆+順

行幸(鳳輦)

鳥取県立博物館

126

江戸中期
鳥取県博本
六曲一双
4尺

逆+順

行幸(鳳輦)
個人

127

江戸中期
鳥取県博本
六曲一双
4尺

逆+順

行幸(鳳輦)

京都府・福寿園

128

江戸中期
鳥取県博本
六曲一隻
4尺

x

行幸(鳳輦)
個人

129

江戸中期
鳥取県博本
六曲一双


逆+順

行幸(鳳輦)
高津古文化会館旧蔵

130

江戸中期
鳥取県博本
六曲一隻

x
逆+順

x
京都市・パークホテル

131

江戸中期
鳥取県博本
六曲一双


逆+順

行幸(鳳輦)
京都市・個人

132
反町家本
江戸中期
反町家本
六曲一双
3尺

逆+順

行幸(牛車)
個人(東京国立博物館寄託)

133

江戸中期
反町家本
六曲一双
5尺

逆+順

行幸(牛車)
個人

134

江戸中期
反町家本
六曲一双
5尺

逆+順

行幸(牛車)
個人

135

江戸中期
反町家本
六曲一双
3尺
逆+順


行幸(牛車)

岡崎市(三河武士のやかた家康館)

136

江戸中期
反町家本
六曲一双


逆+順

行幸(牛車)

仙台市博物館

137

江戸中期

六曲一双
本間



行幸(鳳輦)
ギャラリー鉄斎堂

138

江戸中期

六曲一双
5尺
順+逆
順+逆

行幸(牛車)
広岡コレクション記念財団

139

江戸中期

六曲一双

逆+順
逆+順

行幸(牛車)
個人

140

江戸中期

六曲一双
4尺



行幸(牛車)
個人

141

江戸中期

六曲一双
5尺

逆+順

行幸(鳳輦)
光明寺(岐阜市歴史博物館寄託)

142
寂光院本
江戸中期
洛外
六曲一双
4尺
順・逆
順・逆


京都市・寂光院

143

江戸中期
洛外
六曲一双
3.5尺

逆+順


学習院大学 史料館・学芸員資格取得事務室資料

144

江戸中期
洛外
六曲一双
本間
順・逆
順・逆


個人

145

江戸中期
洛外
六曲一双
本間




個人

146

江戸中期
鳥瞰図
八曲一双
5尺
順・逆
順・逆



吉川史料館

147

江戸中期
鳥瞰図
六曲一双





尾州小牧町江崎家・当市西陣富田半兵衛旧蔵

148

江戸中期
鳥瞰図
六曲一双

順・逆
順・逆


神野家並某家旧蔵

149

江戸中期

六曲一双
5尺



行幸(牛車)

金沢市立安江金箔工芸館

150

江戸中期
大谷大学本
六曲一双
3尺
逆+順
逆+順

行幸(牛車)

大谷大学

151

江戸中期
大谷大学本
六曲一双
3.5尺
逆+順
逆+順

行幸(牛車)
個人

152
歴博E本
江戸中期
変形
六曲一双
3.5尺
順・逆
順・逆


国立歴史民俗博物館

153

江戸中期
変形
六曲一双
本間




個人

154

江戸中期
変形
八曲一双
3.5尺
逆+順



個人

155

江戸中期
変形
六曲一双
4尺





オーストラリア・ニュー・サウス・ウェールズ州立美術館

156

江戸中期
変形
六曲一隻
5尺
x


x
個人

157

江戸中期

六曲一双
3.5尺




個人

158

江戸中期

六曲一隻
3.5尺

x


個人

159

江戸中期

六曲一双
5.5尺




アメリカ・ギッターコレクション

160

江戸中期

八曲一隻

x


x

茶道資料館

161

江戸後期

六曲一双
5尺




京都市・西福寺

162

江戸後期

六曲一双
5尺
逆+順
逆+順


個人

鶴澤探索筆
163
高津 No.6
江戸後期

六曲一双
4.5尺
逆+順
逆+順

行幸(鳳輦)
イタリア・トリノ東洋美術館

164

江戸後期

六曲一双
5尺

順+逆

行幸(鳳輦)
出光美術館

165

江戸後期

六曲一双
4尺

逆+順

行幸(牛車)
個人

166

江戸後期

六曲一双
3尺

逆+順

行幸(牛車)
個人

167
松居家本
江戸後期

六曲一双
5尺
順・逆
順・逆


個人

168

江戸後期

六曲一双
5尺
順・逆
順・逆


個人


※ 「洛中洛外図屏風作品一覧」(京文博図録(2015)pp.213-216)を元に作成。ただし、洛中洛外図は毎年のように新出本が紹介されており、これからも増えることが予想される。
※ 筋勝手項目の「逆+順」は逆勝手が主で順勝手が一部にあるもの、「順・逆」は順勝手と逆勝手が相半ばするもの。



その他



  • 狩野永徳が織田信長の依頼で「安土城下図」を描き、バチカンに贈られたという。

  • 江戸時代初期に江戸を描いた「江戸図屏風」もある(国立歴史民俗博物館所蔵)。

  • CD『国宝「上杉本 洛中洛外図屏風」を聴く』(鈴木広志group×大場陽子)が発売された(財団法人米沢上杉文化振興財団、2010年)。


  • 伏見桃山城キャッスルランドに建築された伏見城の模擬天守閣は、池田本の描写を参考に建築された[21]



出典




  1. ^ 新発見「豊臣期大坂図屛風」の魅力関西大学なにわ・大阪文化遺産学研究センター、2009年3月31日


  2. ^ 小島道裕『描かれた戦国の京都 洛中洛外図屏風を読む』(吉川弘文館、2009年)P.3


  3. ^ 文化庁 国指定文化財等データベース


  4. ^ 小島道裕『描かれた戦国の京都 洛中洛外図屏風を読む』(吉川弘文館、2009年)P.18-60


  5. ^ 石田尚豊「洛中洛外図屏風の概観 - 町田家旧蔵本を中心として」『洛中洛外図大観 町田氏旧蔵本』(小学館、1987)収録


  6. ^ 主題の特定は歴博甲本人物データベース(国立歴史民俗博物館サイト)による。


  7. ^ 群馬県立博物館・米沢市上杉博物館・林原美術館「三館共同企画展 洛中洛外図屏風に描かれた世界」展覧会カタログ P.100


  8. ^ 小島道裕『描かれた戦国の京都 洛中洛外図屏風を読む』(吉川弘文館、2009年)P.98-127


  9. ^ 三好邸に冠木門が描かれていることから(後述)。


  10. ^ 上杉家の記録から(後述)。


  11. ^ 黒田日出男『謎解き 洛中洛外図』(岩波書店、1996年)P138-139、P193-195。小島道裕『描かれた戦国の京都 洛中洛外図屏風を読む』(吉川弘文館、2009年)P.132-133


  12. ^ 今谷明『京都・一五四七年―上杉本洛中洛外図の謎を解く』(平凡社、2003年)


  13. ^ 黒田『謎解き 洛中洛外図』P189-191


  14. ^ 小島道裕 『描かれた戦国の京都 洛中洛外図屏風を読む』 吉川弘文館、2009年、133頁。


  15. ^ 手前右は船鉾、左は岩戸山。以下手前から奥へ鶏鉾、白楽天山、函谷鉾。右上隅は蟷螂山(右)と四条傘鉾(左)。(画中の山鉾の特定は京都市立芸術大学日本伝統音楽研究センターのサイトによる。)


  16. ^ 小島道裕『描かれた戦国の京都 洛中洛外図屏風を読む』(吉川弘文館、2009年)P.156-157


  17. ^ 馬渕美帆 「歴博乙本(洛中洛外図)の筆者・制作年代再考」(科学研究成果報告書『描かれた都市 ー中近世絵画を中心とする比較研究』 2004年)


  18. ^ 文化庁、国指定文化財等データベース[1]


  19. ^ メトロポリタン美術館のクレジットラインは以下のとおり:Mary Griggs Burke Collection, Gift of the Mary and Jackson Burke Foundation, 2015


  20. ^ 島根県立美術館《洛中洛外図屏風(誓願寺本)》


  21. ^ “伏見桃山城、活用策決まらず10年”. 京都新聞 (京都新聞社). (2012年10月29日). http://www.kyoto-np.co.jp/politics/article/20121029000080 2012年11月1日閲覧。 



文献


《『洛中洛外図屏風』文献目録》に、藤原重雄による詳細な文献一覧がある。



  • 小沢弘・川嶋将生 『図説 上杉本洛中洛外図屏風を見る』 河出書房新社、1994年

  • 「新指定の文化財」『月刊文化財』382号、第一法規、1995

  • 黒田日出男 『謎解き洛中洛外図』 岩波新書、1996年

  • 奥平俊六 『洛中洛外図 舟木本 - 町のにぎわいが聞こえる』 小学館、2001


  • 下坂守 『CD-ROM版国宝・上杉家本洛中洛外図大観』 小学館、2002年


  • 小島道裕 『描かれた戦国の京都 洛中洛外図屏風を読む』 吉川弘文館、2009年

  • 『聚美vol.11 特集:豊臣の風景と洛中洛外図』 聚美社、2014年


展覧会図録


  • 財団法人米沢上杉文化振興財団 『国宝 上杉本 洛中洛外図屏風』 米沢市上杉博物館、2001年

  • 京都国立博物館編 『狩野永徳』 毎日新聞社、2007年

  • 群馬県立歴史博物館 米沢市上杉博物館 林原美術館 立正大学文学部編集 『三館合同企画展 洛中洛外図屏風に描かれた世界』 三館合同企画展『洛中洛外図に描かれた世界』プロジェクトチーム、2011年3月5日


  • 京都文化博物館編集 『京を描く -洛中洛外図の時代-』 京都府京都文化博物館、2015年3月1日



外部リンク







  • 国立歴史民俗博物館 WEB ギャラリー/屏風

  • 洛中洛外図屏風「歴博甲本」人物データベース

  • 洛中洛外図屏風「歴博乙本」人物データベース


  • 国宝・洛中洛外図屏風(上杉本)を実物大で京焼で再現 京焼で再現された洛中洛外図屏風。FLASHで拡大して見ることができる。









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