西頸城郡
西頸城郡(西頚城郡、にしくびきぐん)は、新潟県にあった郡。
目次
1 郡域
2 歴史
2.1 郡発足までの沿革
2.2 郡発足以降の沿革
3 行政
4 脚注
5 参考文献
6 関連項目
郡域
1879年(明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、糸魚川市および上越市の一部(名立区)にあたる。
歴史
郡発足までの沿革
- 「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での、頸城郡のうち後の本郡域の支配は以下の通り。●は寺社領、○は寺社除地[1]が存在。(7町170村)
幕末の知行
知行 | 村数 | 村名 | |
---|---|---|---|
幕府領 | 幕府領(高田藩預地) | 30村 | ○猿倉村、吹原村、○大平村、土倉村、中川原新田、○砂場村、○北山村、○角間村、○谷根村[2]、○西塚村、○東塚村、五十原村、滝川原村[3]、下出村、●○釜沢村、○川島村、○真光寺村、○道平村、○市野々村、○御前山村、大神堂村、○山寺村、○岩木村、○頭山村、○別所村、大久保村、○杉之当村、○蒲池村、○西山村、○上野山村 |
藩領 | 越後高田藩 | 103村 | ○名立小泊村、名立新田、○名立大町村、○坪山村、○赤ノ俣村、○大菅村、○車路村、○躰畑村、○田野上村、○丸田村、竹田新田、濁沢村、○折居村、○峠村、○森村、○池田村、○桂谷村、○平谷村、○折戸村、○飛山村(現・上越市)、瀬戸飛山新田、○小田島村、○東蒲生田村、○西蒲生田村、○筒石村、○徳合村、筒石新田、○仙納村、○大洞村、空熊新田、○藤崎村、○百川村、○能生町村、○能生小泊村、○鷲尾村、○柱道村、○中野口村、○下倉村、○高倉村、○谷内村(現・糸魚川市東谷内)、○川詰村、○須川村、○崩村、田麦平村、○飛山村(現・糸魚川市)、○柵口村、○物出村、○溝尾村、○槙村、○藤後村、○平村、○島道村、●大王村、○小見村、○鶉石村、○桂村、○寺山村、中宿村、○大平寺村、○木浦村、○鬼舞村、○鬼伏村、○間脇村、○中浜村、○東海村[4]、○中野村[5]、○宮ノ平村[6]、○中林村、○坪野村、笹倉新田、○田屋梶屋敷村、○梶屋敷村、新町村、小上覚村、○川原村(現・糸魚川市東川原)、○大上覚村、○清水山村、○谷内村(現・糸魚川市西谷内)、○堀切村[7]、○四ツ屋村、○来海沢村、○真木村、○粟倉村、○田中村、○水保村、○成沢村、○上野村、小滝村、○山之坊村、大所村、○余所村、横江村、稲荷新田、○上山村、○市振村、○青海村、○歌村、○外波村、○上路村、○橋立村、○瀬戸村、○谷口村、○杉ノ瀬村 |
越後糸魚川藩 | 7町 31村 | 道明村、○日光寺村、○田屋村、○上出村、真光寺村、○大和川村、○平牛村、押上村、○田伏村、○竹ヶ花村、○厚田村、○羽生村、大町、○寺町、○新屋町、○七間町、横町、鉄砲町、新田町、○寺島村、●○上刈村、○大野村、○中村(現・糸魚川市東中)、下沢村、○中村(現・糸魚川市西中)、中谷内村、大谷内村、川原村(現・糸魚川市西川原)、尻掛村、山口村、○栗山村、○和泉村、大工屋敷村、○根小屋村、○須沢村、今村新田、○田海村、○寺地村 | |
幕府領・藩領 | 幕府領(高田藩預地)・高田藩 | 2村 | 越村[8]、土塩村[9] |
その他 | 寺社領 | 4村 | 指塩村、大道寺村、一之宮村、蓮台寺村 |
慶応4年7月27日(1868年9月13日) - 幕府領が柏崎県(第1次)の管轄となる。- 明治元年11月5日(1868年12月18日) - 柏崎県を廃して新潟府に合併することが布達される(実行されず)。
- 明治2年
2月22日(1869年4月3日) - 再度柏崎県を廃止する布達が出され、越後府(第2次)に合併。
6月24日(1869年8月1日) - 任知藩事にともない、糸魚川藩が清崎藩に改称。
8月25日(1869年9月30日) - 旧・柏崎県の管轄地が柏崎県(第2次)の管轄となる。
- 明治初年(7町169村)
- 高田藩領の一部(杉ノ瀬村)が柏崎県の管轄、旧幕府領の一部(上野山村)および寺社領の一部(指塩村・大道寺村)が高田藩領、寺社領の残部(一之宮村・蓮台寺村)が清崎藩領となる。
- 大町・寺町・新屋町・七間町・横町・鉄砲町・新田町が糸魚川を冠称。
- 田屋梶屋敷村が梶屋敷村に合併。
- 明治4年
7月14日(1871年8月29日) - 廃藩置県により藩領が高田県、清崎県の管轄となる。
11月20日(1871年12月31日) - 第1次府県統合により全域が柏崎県の管轄となる。
- 明治6年(1873年)6月10日 - 全域が新潟県の管轄となる。
- 明治9年(1876年) - 筒石新田が筒石村に合併。(7町168村)
- 明治10年(1877年)(7町167村)
- 尻掛村が山本村に改称。
- 小上覚村・大上覚村が合併して上覚村となる。
郡発足以降の沿革
- 明治12年(1879年)
4月9日 - 郡区町村編制法の新潟県での施行により、頸城郡のうち7町167村に行政区画としての西頸城郡が発足。郡役所が糸魚川町に設置。- 2ヶ所ずつ存在した飛山村、川原村、中村が東飛山村(現・上越市)、西飛山村(現・糸魚川市)、東川原村(現・糸魚川市東川原)、西川原村(現・糸魚川市西川原)、東中村(現・糸魚川市東中)、西中村(現・糸魚川市西中)にそれぞれ改称。
- 2ヶ所存在した谷内村のうち1村が西谷内村(現・糸魚川市西谷内)に改称。
- 明治14年(1881年) - 山口村より梶山村が分村。(7町168村)
- 明治16年(1883年) - 名立新田が各地先の字に合併。(7町167村)
- 明治18年(1885年)(7町165村)
- 瀬戸飛山新田が瀬戸村・東飛山村に合併。
- 笹倉新田が土塩村に合併。
- 明治19年(1886年)(7町163村)
- 下沢村が上野村に合併。
- 稲荷新田が根小屋村に合併。
- 明治20年(1887年)(7町161村)
- 竹田新田が杉ノ瀬村・車路村・東飛山村に合併。
- 横江村・上山村が合併して上横村となる。
- 明治22年(1889年)4月1日 - 町村制の施行により以下の町村が発足。特記以外は全域が現・糸魚川市。(3町35村)
町村制施行時の3町35村
名立町 ← 名立小泊村、名立大町村、坪山村、赤ノ俣村(現・上越市)
下名立村 ← 大菅村、谷口村、車路村、躰畑村、杉ノ瀬村、田野上村、折居村、丸田村、池田村、森村、桂谷村、濁沢村、峠村(現・上越市)
上名立村 ← 小田島村、西蒲生田村、東蒲生田村、折戸村、平谷村、東飛山村、瀬戸村(現・上越市)
四ヶ所村 ← 徳合村、筒石村、仙納村、空熊新田
川崎村 ← 百川村、藤崎村、大洞村
能生町 ← 能生町村、能生小泊村
西能生村 ← 桂村、鶉石村、寺山村、大平寺村
東能生村 ← 鷲尾村、大道寺村、大王村、柱道村[現・糸魚川市柱道]、指塩村、中野口村、下倉村、高倉村
中能生村 ← 小見村、平村、島道村、柱道村[現・糸魚川市大沢]
南能生村 ← 槙村、藤後村、川詰村、谷内村、溝尾村、須川村、物出村、田麦平村、崩村、柵口村、西飛山村
木浦村 ← 木浦村、鬼舞村
鬼伏村(単独村制)
浦本村 ← 間脇村、中浜村、中宿村
北早川村 ← 田屋村、道明村、東海村、堀切村
西早川村 ← 新町村、東川原村、日光寺村、滝川原村、西谷内村、上覚村、四ツ屋村、清水山村、下出村、上出村
南早川村 ← 谷根村、西塚村、東塚村、五十原村
東早川村 ← 越村、宮ノ平村、中野村、中林村、土塩村、坪野村、猿倉村、吹原村
西山村 ← 砂場村、北山村、角間村
東山村 ← 大平村、土倉村、中川原新田
梶屋敷村(単独村制)
大和川村 ← 大和川村、田伏村、竹ヶ花村、厚田村
北西海村 ← 平牛村、羽生村、成沢村、真光寺村
南西海村 ← 水保村、田中村、川島村、道平村、釜沢村、粟倉村、市野々村、御前山村、来海沢村、真木村
柳形村 ← 押上村、一之宮村、蓮台寺村
糸魚川町 ← 糸魚川寺町、糸魚川大町、糸魚川新屋町、糸魚川七間町、糸魚川横町、糸魚川新田町、糸魚川鉄砲町
奴奈川村 ← 上刈村、寺島村
大野村(単独村制)
下根知村 ← 根小屋村、東中村、上野村
中根知村 ← 杉之当村、余所村、西山村、蒲池村、上野山村、大工屋敷村、和泉村[字上沢を除く]、栗山村
上根知村 ← 大久保村、梶山村、別所村、大神堂村、山寺村、山口村、上横村、和泉村[字上沢]
小滝村 ← 小滝村、山之坊村、大所村
今井村 ← 岩木村、頭山村、西中村、中谷内村、西川原村、大谷内村、山本村
須沢村 ← 須沢村、今村新田
田海村 ← 田海村、寺地村[字新町以外]
青海村 ← 青海村、橋立村、寺地村[字新町]
歌外波村 ← 歌村、外波村
市振村、上路村(それぞれ単独村制)
- 明治25年(1892年)10月21日 - 南能生村の一部(麦平・崩・柵口・西飛山)が分立して上能生村が発足。(3町36村)
- 明治30年(1897年)1月1日 - 郡制を施行。
- 明治34年(1901年)11月1日 - 下記の町村の統合が行われる。浦本村以外はいずれも新設合併。(3町17村)
明治34年の合併
- 鬼伏村が浦本村に編入。
糸魚川町 ← 糸魚川町、柳形村、奴奈川村
下早川村 ← 西早川村、北早川村、南早川村
上早川村 ← 東早川村、西山村、東山村
大和川村 ← 大和川村、梶屋敷村
西海村 ← 北西海村、南西海村
根知村 ← 上根知村、中根知村、下根知村
今井村 ← 今井村、須沢村
名立村(名立町とは別の自治体) ← 下名立村、上名立村
磯部村 ← 四ヶ所村、川崎村
青海村 ← 青海村、田海村
能生谷村 ← 東能生村、南能生村、上能生村、西能生村、中能生村
大正12年(1923年)3月31日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。- 大正15年(1926年)6月30日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
昭和2年(1927年)8月1日 - 青海村が町制施行して青海町となる。(4町16村)- 昭和17年(1942年)
- 4月1日 - 浦本村の一部(鬼伏)が木浦村を編入。
7月1日 - 「西頸城地方事務所」が糸魚川町に設置され、本郡を管轄。
- 昭和29年(1954年)6月1日 - 糸魚川町・浦本村・下早川村・上早川村・大和川村・西海村・大野村・根知村・小滝村が合併して糸魚川市が発足し、郡より離脱。(3町8村)
10月1日(3町1村)
- 能生町・能生谷村・磯部村・木浦村が合併し、改めて能生町が発足。
- 歌外波村・市振村・上路村が青海町に編入。
- 今井村の一部(今村新田および須沢の一部)が青海町、残部(岩木・頭山・西中・中谷内・大谷内・西川原・山本および須沢の一部)が糸魚川市に分割編入。
- 昭和30年(1955年)11月1日 - 名立町・名立村が合併し、改めて名立町が発足。(3町)
平成17年(2005年)
- 1月1日 - 名立町が上越市に編入。(2町)
3月19日 - 能生町・青海町が糸魚川市と合併し、改めて糸魚川市が発足。同日西頸城郡消滅。
行政
- 歴代郡長
代 | 氏名 | 就任年月日 | 退任年月日 | 備考 |
---|---|---|---|---|
1 | 明治12年(1879年)4月9日 | |||
大正15年(1926年)6月30日 | 郡役所廃止により、廃官 |
脚注
^ 領主から年貢免除の特権を与えられた土地。
^ 谷根村・小坂村分に分かれて記載。寺社除地は谷根村に存在。
^ 大滝川原村分・小滝川原村分に分かれて記載。
^ 大東海村・小東海村に分かれて記載。寺社除地は大東海村に存在。
^ 東中野村分・西中野村分に分かれて記載。寺社除地は西中野村分に存在。
^ 東宮平村・西宮平村分に分かれて記載。寺社除地は西宮平村分に存在。
^ 大堀切村分・小堀切村分に分かれて記載。寺社除地は大堀切村分に存在。
^ 北越村分・西越村分・谷内越村分・大越村分に分かれて記載。寺社除地は北越村分・西越村分に存在。
^ 東土塩村分・西土塩村分に分かれて記載。寺社除地は西土塩村分に存在。
参考文献
角川日本地名大辞典 15 新潟県- 旧高旧領取調帳データベース
関連項目
- 消滅した郡の一覧
- 東頸城郡
- 中頸城郡
先代: 頸城郡 | 行政区の変遷 1879年 - 2005年 | 次代: (消滅) |