ハットトリック









ハットトリック(英語:hat trick)とは、スポーツの試合中に一人の選手がゴールなど勝利に繋がるプレイを3回以上達成すること。元来はクリケットで、1つの回の中で3球で3人の打者をアウトにすること。これを達成したボウラー(投手)には、帽子(ハット)が贈られその名誉が讃えられたことに因む。現代では様々なスポーツで使われるようになった。




目次






  • 1 クリケット


  • 2 サッカー


    • 2.1 概要


    • 2.2 記録


      • 2.2.1 一般


      • 2.2.2 FIFAワールドカップ


      • 2.2.3 日本






  • 3 ラグビー


  • 4 その他の球技


  • 5 ダーツ


  • 6 モータースポーツ


  • 7 脚注


  • 8 関連項目





クリケット


投手が連続3球で3人の打者をアウトにすること。昔、これを成し遂げた投手には賞として帽子(ハット)が贈られた。スポーツでいうハットトリックの元はクリケット用語。その後サッカーなど他のスポーツでも用いられている。



サッカー



概要


サッカーでは一人の選手が1試合に(厳密にはその試合中連続で)3点以上得点することをハットトリックと呼ぶ。サッカーのストライカーにとって、ハットトリックを決めることは実力を証明する勲章としての意味合いを持ち、全世界で定着している。ただし、プロリーグや国際試合ではハットトリックの達成は非常に難しく、目にする事はまれである。そのため、公式戦ではハットトリックを達成した選手がボールを記念に持ち帰ることがある。イタリア語ではトリプレッタ[1]とも表記される。同一選手が同一試合に6点を挙げることはダブルハットトリックと呼ばれるがプロのトップレベルの試合では不可能に近いとされている[2]



記録



一般


同一試合での同一選手による最多得点は16であり、1942年12月13日にランス・レーシング・クラブのステファン・デムビキ(ドイツ語版) がクープ・ドゥ・フランスのオーブリー・アスチュリエ (Auby-Asturies) 戦で記録した[2]


ハットトリック連続世界記録は、2016年11月にクロアチア東部の地域リーグであるドラーチチェ・ジャコボ所属のFWステファン・ルチヤニッチの記録した5試合連続である[3]。それまでは中山雅史が記録した4試合連続(1998年4月15日~4月29日、Jリーグ)が世界記録だった。


国際試合における最短時間でのハットトリック世界記録は中山雅史によるものであり、2000年2月16日に行われたアジアカップ予選のブルネイ代表戦において試合開始3分15秒でハットトリックを記録している。中山の2つの記録はギネスブックに掲載されたことがある。



FIFAワールドカップ


FIFAワールドカップでのハットトリックは、2018年大会までで52回記録されている[4]。FIFAワールドカップでの同一試合での同一選手による最多得点記録は、1994年大会のロシア対カメルーン戦でのオレグ・サレンコ(ロシア)による5得点である。



日本


日本代表の初のハットトリックは1930年5月25日のフィリピン代表戦で若林竹雄が記録した(4得点)[5]


日本プロサッカーリーグ(Jリーグ)の初のハットトリックは、1993年Jリーグ開幕節に鹿島アントラーズのジーコが記録。以降J1リーグでは2017年までの25年間で225回のハットトリックが記録されている[6](年平均9回)。Jリーグ最短のハットトリック記録は眞中靖夫(2001年7月14日)で交代出場から5分、最初の得点から3分で達成している。リーグ戦での1試合最多得点は野口幸司(1995年5月3日)、エジウソン(1996年5月4日)、中山雅史(1998年4月15日)、呂比須ワグナー(1999年5月29日)の5得点である。


Jリーグのリーグ戦でのダブルハットトリック(6得点)達成者は出ていないが、2005年12月10日のJ1・J2入れ替え戦第2戦でヴァンフォーレ甲府のバレーがダブルハットトリックを記録した。日本サッカーリーグ(JSL)では、1974年に日立の松永章がダブルハットトリック(対トヨタ自動車)を記録した。


日本女子サッカーリーグにおける最高得点記録は1996年の日興證券ドリームレディースリンダ・メダレンが第1節OKI FC Winds相手に達成した10得点が最高である。他にもリーグ内でのレベル差の激しくなる女子カテゴリーや地域リーグ、高校選手権の予選などで時折ダブルハットトリック以上の記録は生まれている。



ラグビー



ラグビーユニオンとラグビーリーグの2つのコードの両方において、選手が1試合で3回以上のトライを記録することをハットトリックと呼ぶ。ラグビーユニオンでは、似た概念に「フルハウス」(1試合でトライ、コンバージョン、ペナルティゴール、ドロップゴールを決めること)がある。トライを2回記録した場合は、ブレイス(brace、2つの物を固定する留め具)と呼ばれることが多い。サッカーと同様に、ハットトリックを記録した選手には試合のボールが贈られる。


ケン・アーヴァイン(英語版)フランク・バーグ(英語版)はオーストラリアのラグビーリーグ1部で16回のハットトリックを記録した。



その他の球技


フィールドホッケーやアイスホッケーでは1人の選手が1試合に3得点以上することをハットトリックと呼ぶ。


また野球では1イニング3球のみで3アウトを取ることをハットトリックと呼ぶ。



ダーツ


ダーツ競技においては、1スローの3本をすべてブルエリアに入れることをいう。なお、3本ともインブルに入れると「スリー・イン・ザ・ブラック」となる。



モータースポーツ



モータースポーツでは、1つのレースにおいて「ポールポジション獲得」、「決勝レースでのファステストラップ記録」、「優勝」の3つを成し遂げることをハットトリックと呼ぶ場合がある[7][8]。さらに上記の3つに「決勝レースでの全周回トップ走行」が加わると「グランドスラム」と呼ばれる[7]



脚注





  1. ^ 伊: tripletta

  2. ^ ab 管野浩編 『雑学おもしろ事典』 p.158 日東書院 1991年


  3. ^ “ゴンのギネス超えられた~クロアチアで5戦連続ハット”. スポニチアネックス. (2016年11月10日). http://www.sponichi.co.jp/soccer/news/2016/11/10/kiji/K20161110013695530.html 2016年11月10日閲覧。 


  4. ^ ウィキペディア英語版「List of FIFA World Cup hat-tricks」による


  5. ^ “第9回極東選手権大会 (1930.5.25)”. 日本サッカー協会. 2015年5月8日閲覧。


  6. ^ “2018明治安田生命J1リーグ 第6節 ディエゴ オリヴェイラ 選手(FC東京)ハットトリック達成”. Jリーグ.jp. 日本プロサッカーリーグ (2018年4月8日). 2018年9月7日閲覧。

  7. ^ ab“ハットトリック”. portf.co (2015年9月7日). 2018年11月9日閲覧。


  8. ^ “ハットトリックはF1でも通じる言葉?”. f1express.cnc.ne.jp (2004年1月19日). 2018年11月9日閲覧。




関連項目



  • グランドスラム (曖昧さ回避)

  • ときめいてハットトリック-GET HAT TRICK-


  • ドッピエッタ(イタリア語: doppietta




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