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$(ドル、ダラー、ペソ)は、通貨記号の1つ。ドル記号 (dollar sign)、ペソ記号 (signo de pesos)。
ドル、ペソのほか、主にスペイン語・ポルトガル語圏のさまざまな通貨で使われる。
目次
1 グリフ
2 歴史
3 $を使う通貨
3.1 いずれかの国で現行
3.2 廃止
4 通貨記号以外の用法
4.1 コンピュータ関連
5 符号位置
グリフ
縦線は1本($)と2本()のグリフがある。ドルなどはどちらでもいいが、一部の通貨では常に(コンピュータ上を除き)2本である。
LaTeXでは、縦線が2本の$記号を「textdollaroldstyle」で表示できる。
歴史
最古の確かな使用としては、1770年代、イギリス領北アメリカとメキシコとの間のビジネス文書で、スペイン領メキシコ・ペソの記号として使われた。なお、当時のペソは、ピアストル、(英語圏では)ダラーとも呼ばれた。
アメリカ合衆国は、独立後、通貨ダラー(ドル)と、通貨記号$を導入した。最初に$記号が刻印された硬貨が鋳造されたのは、1797年、フィラデルフィアにてである。
記号の由来にはさまざまな説があり、
ヘラクレスの柱(スペインの象徴とされる)にリボンを巻きつけた意匠から。スペインの国章にも使われており、スペイン・ドル硬貨に刻印された。- ペソ (peso) のPとSのモノグラム(重ね合わせ合字)。
- 1ペソは8レアルだったため、8Rから。
古代ローマの通貨セステルティウス (sestertius) の通貨記号HSから。
古代ローマの通貨で『中世のドル』と呼ばれたソリドゥス金貨から。
シリングの通貨記号Sから。- 「銀の単位」 (unit of silver) のUSから。
- 俗説だが、アメリカ合衆国 (United States) のUSから。
などがある。
$記号のモノグラム由来説。
スペイン・ドル硬貨(1739年、メキシコ)
現在のスペインの国章
最初の$記号の鋳造を記念したプラーク。
$を使う通貨
国名を表す符号(US$のUSなど)を付けない場合について述べる。なお、縦棒が常に2本の通貨は、ここで指摘したものが全てとは限らない。
いずれかの国で現行
エスクード (escudo) - Esc.とも。ポルトガル・エスクード(廃止)、カーボベルデ・エスクードなどは縦棒は2本。
コルドバ (córdoba) - ニカラグア。C$、A$とも。
タラ (tala) - 西サモア。
ドル (dollar)
パアンガ (paʻanga) - トンガ。P$とも。
ペソ (peso) - Pとも。チリ・ペソなどは縦棒は2本。フィリピン・ペソは$ではなく。
レアル (real) - ブラジル。R$とも。縦棒は2本。
香港ドル(Hong Kong Dollar) - 香港。HK$とも。
廃止
シフラン (cifrão) - ポルトガル。縦棒は2本。
ミルレイス (milréis) - ポルトガル、ブラジル。
通貨記号以外の用法
カネ(お金)、資本主義、営利などの象徴として使われる。
数学において、超階乗を表す。
コンピュータ関連
正規表現で、文字列の終わりを表す。
PascalやDelphiで、定数の前に付けて16進定数を表す。
変数名の一部として、その変数の性質を示す。
BASICでは、$で終わる変数は文字列変数となる。
Perlでは、$で始まる変数がスカラー変数となる。
Rubyでは、$で始まる変数がグローバル変数となる。
PHPでは、変数名が常に$で始まる。
JavaScriptにおいては$も(アルファベットと同様に)変数名として使え、prototype.jsやjQueryといったライブラリでは$に特別な意味を割り当てている。
シェルスクリプトで、環境変数を表す。- 表計算ソフト「Microsoft Excel」で、セルの絶対参照(参照するセルの番号を固定させる指示。セル番号「B5」とした場合、行・列の移動や挿入によって相対的に番号が変化するが、「$B$5」では強制的に参照先のセル番号が「B5」に固定される)を表す。
TeXでは、数式モードの区切りを示す。
符号位置
記号 | Unicode | JIS X 0213 | 文字参照 | 名称 |
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$ | U+0024 | 1-1-80 | $ $ | ドル記号 ペソ記号 DOLLAR SIGN |
﹩ | U+FE69 | - | ﹩ ﹩ | SMALL DOLLAR SIGN CNS 11643互換用 |
$ | U+FF04 | 1-1-80 | $ $ | ドル記号(全角) ペソ記号 FULLWIDTH DOLLAR SIGN |
💲 | U+1F4B2 | - | 💲 💲 | HEAVY DOLLAR SIGN |
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