デュー・プロセス・オブ・ロー




デュー・プロセス・オブ・ロー(英語: due process of law)とは、法に基づく適正手続の保障。より簡単に「デュー・プロセス(英語: due process)」と呼ばれることが多い。




目次






  • 1 概要


  • 2 アメリカでの適正手続の保障


  • 3 日本での適正手続の保障


  • 4 手続の内容


  • 5 脚注


  • 6 関連項目





概要


刑罰を受ける際に、その手続きが法律に則ったものでなければならない。また、その法の実体も適正であることが要求される。罪刑法定主義と並ぶ、刑事法の大原則である。



アメリカでの適正手続の保障


アメリカ合衆国では、アメリカ合衆国憲法修正5条および14条がこれを定める。日本と異なり、両条文の効力が及ぶ範囲は刑事事件のみならず、民事事件にも及ぶ。すなわち、修正5条は(アメリカ合衆国連邦政府に対し)適正手続なしに個人の財産等を奪ってはならない旨定め、修正14条は州政府に対し、同様の適正手続の保障を要求する。これは民事訴訟手続において、訴訟当事者が適正に訴状の送達を受け、手続において適正に自己の主張を述べる機会を与えられ、公平な裁判官による判決を受ける権利を有することを意味する。さらに修正14条は、州の対人管轄を限界づける機能をも有する。



日本での適正手続の保障


大日本帝国憲法も、法定手続要件と罪刑法定主義を規定していた[1]



大日本帝国憲法第23条

日本臣民ハ法律ニ依ルニ非スシテ逮捕監禁審問処罰ヲ受クルコトナシ



しかし、「法律ニ依ル」とはされていたが、立法の段階で人身の自由に対する配慮を欠いていたと指摘されている[1]。実務では正当な手続によらない国民の身体的拘束が頻繁に行われ[1]、特に太平洋戦争期には反体制・反戦思想の持ち主に対する弾圧も発生した[1]


日本国憲法は、第31条で適正手続の保障を定めている。



日本国憲法第31条

何人も、法律の定める手続きによらなければ、その生命若しくは自由を奪はれ、又はその他の刑罰を科せられない。



これについての代表的判例として、第三者所有物没収事件(最高裁判所昭和37年11月28日大法廷判決)がある。最高裁判所は、「第三者の所有物を没収する場合、告知・弁解・防御の機会が必要である」との見解を出し、これを欠く関税法の規定は、憲法第31条に違反すると判示した。


なお、この手続きは刑事手続について定めたものであるが、行政手続にも該当するという学説が有力である。なお、根拠は日本国憲法第13条を根拠とする説、同第31条を根拠とする説、第31条を類推適用・準用する説に分かれる。



手続の内容


英米法においては、「告知・聴聞の機会を保障する」というのが内容であり、日本の憲法31条もこれを継受したものと解される。



脚注




  1. ^ abcd『憲法 2 基本的人権(1)』 阿部照哉、有斐閣〈有斐閣双書〉、1975年、104頁。




関連項目



  • ミランダ警告

  • 法の支配










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