熱伝導率
この記事は検証可能な参考文献や出典が全く示されていないか、不十分です。 出典を追加して記事の信頼性向上にご協力ください。(2011年8月) |
熱伝導率 thermal conductivity | |
---|---|
量記号 | λ, κ, k |
次元 | L M T−3Θ−1 |
SI単位 | ワット毎メートル毎ケルビン(W/m·K) |
熱伝導率(ねつでんどうりつ、英語: thermal conductivity)とは、温度の勾配により生じる伝熱のうち、熱伝導による熱の移動のしやすさを規定する物理量である。熱伝導度や熱伝導係数とも呼ばれる。記号は λ, κ, k などで表される。
国際単位系(SI)における単位はワット毎メートル毎ケルビン(W/m K)であり、SI接頭辞を用いたワット毎センチメートル毎ケルビン(W/cm K)も使われる。
目次
1 定義
2 関連する物理量
3 値の例
4 測定法
5 参考文献
定義
熱伝導率は温度勾配に対する熱流密度の比として定義される[1]。
すなわち、熱流密度を j、熱力学温度を T として、勾配 grad により
- j=−λgradT{displaystyle {boldsymbol {j}}=-lambda operatorname {grad} T}
と表したときの係数 λ が熱伝導率である。この式はフーリエの法則と呼ばれている。
なお、一般に熱伝導率は温度に依存しており、定数ではない。
関連する物理量
熱伝導率の逆数を熱抵抗率という。また、熱伝導率に似ているが異なる物理量として
熱拡散率 - 温度勾配により運ばれる温度(熱エネルギー)の拡散係数
熱拡散係数 - 混合物に温度勾配がある場合に、熱拡散により濃度勾配が生じる時の大きさを規定する物理量
熱伝達係数 - 物質間の熱の伝わり易さを表す値
がある。
熱伝導率を用いて定義される無次元数には、プラントル数、ヌセルト数、ビオ数、ルイス数、レイリー数などがある。
値の例
材料 | 熱伝導率 / (W m−1 K−1) |
---|---|
カーボンナノチューブ(C) | 3000 - 5500 |
ダイヤモンド(C) | 1000 - 2000 |
銀(Ag)(0℃) | 428 |
銅(Cu)(0℃) | 403 |
金(Au)(0℃) | 319 |
アルミニウム(Al)(0℃) | 236 |
シリコン(Si) | 168 |
炭素(人造黒鉛・カーボン)(C) | 100~250 |
真鍮(Cu:Zn=7:3)(0℃) | 106 |
ニッケル(0℃) | 94 |
鉄(Fe)(0℃) | 83.5 |
白金(Pt)(0℃) | 72 |
ステンレス鋼 | 16.7 - 20.9 |
水晶(SiO2) | 8 |
石英ガラス(0℃) | 1.4 |
水(H2O)(0℃-80℃) | 0.561-0.673 |
ポリエチレン | 0.41 |
エポキシ樹脂 "bisphenol A" | 0.21 |
シリコーン(Qゴム) | 0.16 |
木材 | 0.15 - 0.25 |
羊毛 | 0.05 |
発泡ポリスチレン "Styrofoam" | 0.03 |
空気 | 0.0241 |
測定法
レーザーフラッシュ法
熱拡散率と比熱容量を測定し、別に求めた密度と合わせて熱伝導率を計算する(比熱容量も別に測定することがある)。均一材料の温度の過渡応答を測定理論に用いているため、複数の材料が接続している場合の測定には向かない。
定常熱流法・平板熱流計法
温度差及び熱流束から熱伝導率を直接測定する。土壌の熱伝導率測定などにも使われる。
熱線法
- 熱線(ヒーター線)の発熱量と温度上昇量から、熱伝導率を直接測定する。
参考文献
^ JIS Z 8000-5:2014 『量及び単位―第5部:熱力学』 5-9
^ 理科年表 第84冊 物54(410)
^ 国立天文台 (2017年11月). “理科年表”. 理科年表 91: 物61-63 (425–427).