熱伝導率























熱伝導率
thermal conductivity
量記号
λ, κ, k
次元
L M T−3Θ−1
SI単位
ワット毎メートル毎ケルビン(W/m·K)
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熱伝導率(ねつでんどうりつ、英語: thermal conductivity)とは、温度の勾配により生じる伝熱のうち、熱伝導による熱の移動のしやすさを規定する物理量である。熱伝導度熱伝導係数とも呼ばれる。記号は λ, κ, k などで表される。
国際単位系(SI)における単位はワット毎メートル毎ケルビン(W/m K)であり、SI接頭辞を用いたワット毎センチメートル毎ケルビン(W/cm K)も使われる。




目次






  • 1 定義


  • 2 関連する物理量


  • 3 値の例


  • 4 測定法


  • 5 参考文献





定義


熱伝導率は温度勾配に対する熱流密度の比として定義される[1]
すなわち、熱流密度を j、熱力学温度を T として、勾配 grad により


j=−λgrad⁡T{displaystyle {boldsymbol {j}}=-lambda operatorname {grad} T}

と表したときの係数 λ が熱伝導率である。この式はフーリエの法則と呼ばれている。


なお、一般に熱伝導率は温度に依存しており、定数ではない。



関連する物理量


熱伝導率の逆数を熱抵抗率という。また、熱伝導率に似ているが異なる物理量として




  • 熱拡散率 - 温度勾配により運ばれる温度(熱エネルギー)の拡散係数


  • 熱拡散係数 - 混合物に温度勾配がある場合に、熱拡散により濃度勾配が生じる時の大きさを規定する物理量


  • 熱伝達係数 - 物質間の熱の伝わり易さを表す値


がある。


熱伝導率を用いて定義される無次元数には、プラントル数、ヌセルト数、ビオ数、ルイス数、レイリー数などがある。



値の例






































































































一般的な材料の室温付近での熱伝導率[2][3]
材料 熱伝導率 / (W m−1 K−1)

カーボンナノチューブ(C)
3000 - 5500

ダイヤモンド(C)
1000 - 2000

銀(Ag)(0℃)
428

銅(Cu)(0℃)
403

金(Au)(0℃)
319

アルミニウム(Al)(0℃)
236

シリコン(Si)
168

炭素(人造黒鉛・カーボン)(C)
100~250

真鍮(Cu:Zn=7:3)(0℃)
106

ニッケル(0℃)
94

鉄(Fe)(0℃)
83.5

白金(Pt)(0℃)
72

ステンレス鋼
16.7 - 20.9

水晶(SiO2
8

石英ガラス(0℃)
1.4

水(H2O)(0℃-80℃)
0.561-0.673

ポリエチレン
0.41

エポキシ樹脂
"bisphenol A"
0.21

シリコーン(Qゴム)
0.16

木材
0.15 - 0.25

羊毛
0.05

発泡ポリスチレン
"Styrofoam"
0.03

空気
0.0241


測定法




  • レーザーフラッシュ法(英語版)

    熱拡散率と比熱容量を測定し、別に求めた密度と合わせて熱伝導率を計算する(比熱容量も別に測定することがある)。均一材料の温度の過渡応答を測定理論に用いているため、複数の材料が接続している場合の測定には向かない。



  • 定常熱流法・平板熱流計法

    温度差及び熱流束から熱伝導率を直接測定する。土壌の熱伝導率測定などにも使われる。



  • 熱線法
    熱線(ヒーター線)の発熱量と温度上昇量から、熱伝導率を直接測定する。




参考文献




  1. ^ JIS Z 8000-5:2014 『量及び単位―第5部:熱力学』 5-9


  2. ^ 理科年表 第84冊 物54(410)


  3. ^ 国立天文台 (2017年11月). “理科年表”. 理科年表 91: 物61-63 (425–427). 




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