真核生物























真核生物

有殻アメーバの1種ナベカムリ

有殻アメーバの1種ナベカムリ


分類






ドメ
イン
:

真核生物 Eukaryota


学名

Eukaryota

シノニム

Eukarya



和名
真核生物
英名

Eukaryote
クラスター[1]



  • アモルフェア Amorphea


  • エクスカバータ Excavata


  • ディアフォレティケス Diaphoretickes



真核生物(しんかくせいぶつ、ラテン語: Eukaryota、英: Eukaryote)は、動物、植物、菌類、原生生物など、身体を構成する細胞の中に細胞核と呼ばれる細胞小器官を有する生物である。真核生物以外の生物は原核生物と呼ばれる。


生物を基本的な遺伝の仕組みや生化学的性質を元に分類する3ドメイン説では、古細菌(アーキア)ドメイン、細菌(バクテリア)ドメインと共に生物界を3分する。他の2つのドメインに比べ、非常に大型で形態的に多様性に富むという特徴を持つ。かつての5界説では、動物界、植物界、菌界、原生生物界の4界が真核生物に含まれる。




目次






  • 1 真核細胞の構造


  • 2 繁殖


  • 3 真核生物の起源


  • 4 新しい分類


  • 5 出典


  • 6 関連項目





真核細胞の構造




真核細胞の模式図。1.核小体 2.細胞核 3.リボソーム 4.小嚢 5.粗面小胞体 6.ゴルジ体 7.細胞骨格 8.滑面小胞体 9.ミトコンドリア 10.液胞 11.細胞質基質 12.リソソーム 13.中心体


真核生物の細胞は一般的に原核生物の細胞よりも大きく、場合によっては1000倍以上の体積を持つこともある。細胞内にはさまざまな細胞小器官がある。細胞核は必要な物質のみ透過する穴の開いた二重の膜で覆われており、核液と遺伝情報を保持する DNA を含んでいる。細胞のその他の部分は細胞質と呼ばれ、細胞骨格によって支えられている。


核の周囲を板状とチューブ状の小胞体が取り巻いている。チューブ状の物は滑面小胞体、板状の物は粗面小胞体と呼ばれており、粗面小胞体にはいくつものリボソームが張り付き、細胞内での物質の生成、伝達が原核生物と同程度に潤滑させる器官である。リボソーム内で合成されたタンパク質が小胞体に渡され、小胞に入れられて細胞全体に分配される。ほとんどの真核生物では小胞はゴルジ体に蓄積される。小胞には様々な種類があり、これらの動きを合わせて細胞内組織が構成されている。


その他にも多くの器官が存在している。原核細胞と異なり、真核細胞の中には異化作用と酸素の消費に関係するミトコンドリアがある。植物や藻の系列では細胞内に光合成を行う葉緑体も含まれている。葉緑体を内部に持つ原核生物も存在しているが、それぞれ別々に細胞内に取り込まれたと考えられている(細胞内共生説)。真核生物の多くは細胞表面に鞭毛や繊毛があり、移動に使用したり、あるいは受容器官の働きをしている物もある。



繁殖


細胞分裂の際には、まず核分裂が行われる。一般に、核内のDNAは細胞分裂に先立って、より集められて染色体になり、DNAはこの染色体ごとに新しい2つの細胞のために糸状の構造(紡錘糸)によって分かれて運ばれる。分かれた染色体のコピーが渡される。これを有糸分裂と呼ぶ。真核生物の染色体は直鎖状であり、末端にはテロメアと呼ばれる構造がある。


ほとんどの真核生物では有性生殖が行われる。減数分裂後、染色体の半数体を2つ合わせて核の合成を行う。これには様々なパターンが存在する。



真核生物の起源




青字は細菌、緑字は真核生物、赤字が古細菌。左は古細菌を単系統とする説(3ドメイン系統樹)、右はエオサイト説。矢印はEF-1α/Tuに挿入が発生した地点を指す。エオサイト説の場合挿入は1回で済むが、3ドメイン系統樹の場合、2系統で同じ挿入が独立して起こったと仮定しなければならない


真核生物の起源は論争のある分野である。真核生物は少なくとも2種以上の生物が合体して誕生したことはほぼ定説となっており、ミトコンドリアはαプロテオバクテリア、葉緑体はシアノバクテリアに由来する説が有力である。


一方で、真核生物本体の起源には定説がなく、2018年現在、真核生物の本体は古細菌の姉妹群であるとする3ドメイン説が有名である一方、古細菌そのものとする2ドメイン説(エオサイト説)も支持を集めつつある。前者の立場では、古細菌に近い生物から真核生物が誕生したとし、後者はヘイムダル古細菌のような特殊化した古細菌から真核生物が進化したとする。いずれにせよ20億年前までには真核生物が成立したと考えられている。


最も古い真核生物の化石は、27億年前の地層から検出されたステランと呼ばれる真核生物に由来する有機物質である。また、真核生物の化石そのものも21億年前の地層から発見されている。ただし、これらの化石が真に真核生物由来かどうか、なお議論の必要がある。



新しい分類


分子系統以前に広く受け入れられていた五界説では、真核生物に含まれるのは、動物、植物、菌類、原生生物といった4つの界(と呼ばれるまとまり)である。しかし、近年では、ゲノム解析などの研究成果を受けて新しい分類法が次々と発表されている。例えば、動物と菌類は同一の系統に含まれるとして、オピストコンタとして上位分類を設けている。


以下に国際原生生物学会による公式的な分類体系(Adl et al. 2012)の概観を表に示した[1]



















































































ドメイン cluster super-group first rank

細菌

古細菌

真核生物

ユニコンタ
Unikont
(アモルフェア
Amorphea)

オピストコンタ
Opisthokonta

ホロゾア Holozoa

動物、襟鞭毛虫 など

Nucletmycea

菌類 など

アメーボゾア
Amoebozoa

ツブリネア Tubulinea

ディスコセア Discosea

古アメーバ類 Archamoebae

Gracilipodida

マルチシリア Multicilia

原生粘菌(プロトステリウム目)Protosteliida

Cavosteliida

Protosporangiida

Fractovitelliida

Schizoplasmodiida

変形菌(ホコリカビ類)Myxogastria

タマホコリカビ類 Dictyostelia

アプソモナス目 Apusomonadida

Breviata

エクスカバータ
Excavata

メタモナス類 Metamonada

フォルニカータ、パラバサリア、プレアクソスチラ

Discoba

ユーグレノゾア、ヘテロロボサ、ジャコバ類 など

マラウィモナス Malawimonas

ディアフォレティケス
Diaphoretickes

アーケプラスチダ
Archaeplastida

緑色植物 Chloroplastida

緑藻、陸上植物 など

紅藻 Rhodophyceae

灰色藻 Glaucophyta

SAR
Sar

ストラメノパイル Stramenopiles

オパリナ類、ビコソエカ類、ラビリンチュラ類、サカゲツボカビ、卵菌、黄金色藻、ディクチオカ藻、ペラゴ藻、ラフィド藻、シヌラ類、黄緑藻、褐藻、珪藻 など

アルベオラータ Alveolata

渦鞭毛藻、アピコンプレクサ、繊毛虫 など

リザリア Rhizaria

クロララクニオン藻、有孔虫、放散虫 など

クリプト藻 Cryptophyceae

中心粒太陽虫 Centrohelida

テロネマ Telonema

ハプト藻 Haptophyta

アンキロモナス目 Ancyromonadida

コロディクチオン科 Collodictyonidae

マンタモナス Mantamonas

Rigifilida

スピロネマ科 Spironemidae

Rappemonads

ピコビリ藻 Picobiliphytes

パルピトモナス Palpitomonas

これは全真核生物を、オピストコンタ、アメーボゾア、エクスカバータ、アーケプラスチダ、SAR の5つのスーパーグループにまとめる。ただし、正確には、スーパーグループが不明な小さな系統が多数ある。


スーパーグループのうち、オピストコンタとアメーボゾア、アーケプラスチダとSARは、それぞれ、クラスターにまとめられる(すなわち真核生物は大きく3つに分かれる)。スーパーグループ不明の系統のいくつかも、系統的に内包される場合はクラスターに含まれるが、正確な系統が不明なためにどれが含まれるかの詳細は不明である。


ISOPの分類の前の版である2005年の分類では、SARの代わりにクロモアルベオラータ(ストラメノパイル + アルベオラータ + クリプト藻 + ハプト藻)とリザリアがスーパーグループとなっており、計6スーパーグルプがあった。クラスターの概念はなかった。


表に示したように、動物や植物は、原生生物の分類体系内に収まっている。これ以前の原生動物の分類体系には、国際原生生物学会の前身である国際原生動物学会による合意体系としてLevine et al. (1980) があり、図鑑や百科事典で見られる分類体系の多くはこれに従っている。



出典




  1. ^ abAdl, Sina M.; Simpson, Alastair G. B.; et al. (2012), “The Revised Classification of Eukaryotes”, J. Eukaryot. Microbiol. 59 (5): 429–493, http://www.paru.cas.cz/docs/documents/93-Adl-JEM-2012.pdf 




関連項目













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