日高郡 (和歌山県)
日高郡(ひだかぐん)は、和歌山県(紀伊国)の郡。
人口49,552人、面積655.39km²、人口密度75.6人/km²。(2018年10月1日、推計人口)
以下の6町を含む。
美浜町(みはまちょう)
日高町(ひだかちょう)
由良町(ゆらちょう)
印南町(いなみちょう)
みなべ町(みなべちょう)
日高川町(ひだかがわちょう)
目次
1 郡域
2 歴史
2.1 近世以降の沿革
2.2 町村制以降の沿革
2.3 変遷表
3 脚注
4 参考文献
5 関連項目
郡域
1879年(明治12年)に行政区画として発足した当時の郡域は、上記6町に御坊市および田辺市の一部(龍神村各町)を加えた区域にあたる。なお、現在の由良町は1879年まで海部郡に所属した。
歴史
古代は飯高郡(いひだか)と呼ばれていた。
近世以降の沿革
- 「旧高旧領取調帳」に記載されている明治初年時点での支配は以下の通り。(134村14浦)
知行 | 村数 | 村名 | |
---|---|---|---|
藩領 | 紀伊和歌山藩 | 98村 14浦 | 原谷村、池田村、萩原村、高家村、小中村、小池村、志賀村、上富安村、下富安村、小松原村、丸山村、島村、田井村、薗浦、濱ノ瀬村[1]、御坊村、吉田村(現・御坊市)、土生村、岩内村、熊野村、野口村、江川村、和佐村、山野村、松瀬村、三百瀬村、藤野川村、伊藤川村、若野村、入野村、玄子村、早藤村、中津川村、蛇尾村、平川村、船津村、西原村、高津尾村、高津尾川村、佐井村、大又村、老星村、阪野川村、三佐村、田尻村、小釜本村、下田原村、上田原村、三十木村、姉子村、三十井川村、原日浦村、上越方村、川原河村、弥谷村、皆瀬村、浅間村、寒川村、熊野川村、滝頭村、初湯川村、串本村、小家村、甲斐野川村、福井村、柳瀬村、安井村、東村、西村、宮代村、広井原村、丹生野川村、三ツ又村、湯ノ又村、小又川村、龍神村、南谷村、明神川村、立石村、山口村、川又村、印南原村、上洞村、高串村、田垣内村、神野川村(現・印南町)、小原村、皆瀬川村、松原村、崎ノ原村、丹生村、樮川村、方杭村、小浦、津久野浦、唐子浦、比井浦、小阪村、産湯浦、阿尾浦、三尾浦、和田浦、吉原浦、名屋浦、北塩屋浦、南塩屋浦、野島村、上野村、楠井村、津井村、印南浦、島田村 |
紀伊田辺藩[2] | 33村 | 堺村、埴田村、芝村、気佐藤村、徳蔵村、南道村、熊岡村、晩稲村、山内村、北道村、吉田村(現・みなべ町)、筋村、谷口村、東本庄村、西本庄村、東岩代村、西岩代村、熊瀬川村、高野村、土井村、市井川村、滝村、広野村、島ノ瀬村、神野川村(現・みなべ町)、清川村、西ノ地村、古屋村、宮ノ前村、羽六村、古井村、下津川村、見影村 | |
和歌山藩・紀伊新宮藩[3] | 2村 | 荊木村[4]、財部村[5] | |
和歌山藩・田辺藩 | 1村 | 脇ノ谷村 |
- 明治4年
7月14日(1871年8月29日) - 廃藩置県により、藩領が和歌山県、新宮県、田辺県の管轄となる。
11月22日(1872年1月2日) - 第1次府県統合により、全域が和歌山県の管轄となる。
- 明治初年 - 唐子浦が比井浦に合併。(134村13浦)
- 明治9年(1876年) - 上富安村・下富安村が合併して富安村となる。(133村13浦)
- 明治10年(1877年) - このころまでに東村より枝郷が分立して殿原村となる。(134村13浦)
- 明治12年(1879年)(143村20浦)
1月20日 - 郡区町村編制法の和歌山県での施行により、行政区画としての日高郡が発足。郡役所が薗浦に設置。
海部郡三尾川浦・衣奈浦・小引浦・大引浦・神谷浦・吹井浦・江ノ駒浦・里村・門前村・中村・畑村・阿戸村の所属郡が本郡に変更。- 土生村より枝郷が分立して小熊村・千津川村・鐘巻村・藤井村となる。
- 2ヶ所存在した神野川村が西神ノ川村(現・印南町)、東神野川村(現・みなべ町)にそれぞれ改称。
- 吉田村(現・みなべ町)が改称して東吉田村となる。
- 明治17年(1884年) - 皆瀬村より枝郷が分立して上初湯川村・愛川村となる。(145村20浦)
町村制以降の沿革
明治22年(1889年)4月1日 - 町村制の施行により、以下の町村が発足。郡役所の所在地が御坊村となる。(37村)
御坊村 ← 御坊村、薗浦、名屋浦、島村(現・御坊市)
松原村 ← 濱ノ瀬村、田井村、吉原浦(現・美浜町)
和田村(和田浦が単独村制。現・美浜町)
三尾村(三尾浦が単独村制。現・美浜町)
比井崎村 ← 比井浦、産湯浦、小浦、津久野浦、小阪村、阿尾浦、方杭村[飛地を除く](現・日高町)
志賀村 ← 志賀村、小池村、方杭村[飛地](現・日高町)
白崎村 ← 大引浦、吹井浦、神谷浦(現・由良町)
衣奈村 ← 小引浦、衣奈浦、三尾川浦(現・由良町)
由良村 ← 畑村、中村、門前村、里村、阿戸村、江ノ駒浦(現・由良町)
東内原村 ← 萩原村、荊木村、原谷村(現・日高町)
西内原村 ← 高家村、池田村、小中村(現・日高町)
湯川村 ← 小松原村、財部村、丸山村、富安村(現・御坊市)
藤田村 ← 藤井村、吉田村(現・御坊市)
野口村 ← 野口村、熊野村、岩内村(現・御坊市)
矢田村 ← 小熊村、土生村、千津川村、中津川村、鐘巻村、若野村、入野村(現・日高川町)
丹生村 ← 江川村、松瀬村、和佐村、山野村(現・日高川町)
早蘇村 ← 平川村、三百瀬村、伊藤川村、早藤村、蛇尾村、玄子村(現・日高川町)
船着村 ← 船津村、藤野川村、西原村、高津尾村、高津尾川村、三十木村、姉子村、原日浦村、三十井川村(現・日高川町)
川中村 ← 下田原村、上田原村、佐井村、阪野川村、大又村、老星村、三佐村、田尻村、小釜本村(現・日高川町)
川上村 ← 川原河村、上越方村、浅間村、熊野川村、滝頭村、初湯川村、上初湯川村、愛川村、皆瀬村、弥谷村(現・日高川町)
寒川村 ← 寒川村、串本村(現・日高川町)
龍神村 ← 龍神村、三ツ又村、広井原村、湯ノ又村、小又川村(現・田辺市)
上山路村 ← 東村、西村、殿原村、丹生野川村、宮代村(現・田辺市)
中山路村 ← 柳瀬村、安井村(現・田辺市)
下山路村 ← 福井村、甲斐野川村、小家村(現・田辺市)
清川村(単独村制。現・みなべ町)
高城村 ← 滝村、熊瀬川村、高野村、市井川村、広野村、島ノ瀬村、東神ノ川村、土井村(現・みなべ町)
上南部村 ← 谷口村、筋村、徳蔵村、熊岡村、晩稲村、東本庄村、西本庄村(現・みなべ町)
南部村 ← 南道村、北道村、芝村、東吉田村、埴田村、堺村、気佐藤村、山内村(現・みなべ町)
岩代村 ← 東岩代村、西岩代村(現・みなべ町)
切目村 ← 島田村、西ノ地村(現・印南町)
切目川村 ← 羽六村、宮ノ前村、古屋村、樮川村、古井村、下津川村、見影村、脇ノ谷村(現・印南町)
真妻村 ← 松原村、丹生村、崎ノ原村、皆瀬川村、小原村、西神ノ川村、田垣内村、高串村、上洞村、川又村(現・印南町)
稲原村 ← 印南原村、南谷村、立石村、山口村(現・印南町)、明神川村(現・御坊市、印南町)
印南村 ← 印南浦、津井村(現・印南町)
名田村 ← 楠井村、上野村、野島村(現・御坊市)
塩屋村 ← 北塩屋浦、南塩屋浦(現・御坊市)
- 明治30年(1897年)
2月1日 - 御坊村が町制施行して御坊町となる。(1町36村)
9月1日 - 郡制を施行。
9月11日 - 南部村が町制施行して南部町となる。(2町35村)
- 明治33年(1900年)1月16日 - 印南村が町制施行して印南町となる。(3町34村)
大正12年(1923年)4月1日 - 郡会が廃止。郡役所は存続。- 大正15年(1926年)7月1日 - 郡役所が廃止。以降は地域区分名称となる。
昭和16年(1941年)8月1日 - 東内原村・西内原村が合併して内原村が発足。(3町33村)- 昭和22年(1947年)10月15日 - 由良村が町制施行して由良町となる。(4町32村)
- 昭和29年(1954年)
- 4月1日 - 御坊町・湯川村・藤田村・野口村・名田村・塩屋村が合併して御坊市が発足し、郡より離脱。(3町27村)
- 8月1日 - 岩代村が南部町に編入。(3町26村)
10月1日
- 内原村・志賀村・比井崎村が合併して日高町が発足。(4町23村)
- 松原村・和田村・三尾村が合併して美浜町が発足。(5町20村)
12月1日 - 上南部村・高城村・清川村が合併して南部川村が発足。(5町18村)
- 昭和30年(1955年)
1月1日(6町13村)
- 早蘇村・丹生村・矢田村が合併して川辺町が発足。
- 由良町・白崎村・衣奈村が合併し、改めて由良町が発足。
3月1日 - 龍神村・上山路村・中山路村・下山路村が合併し、改めて龍神村が発足。(6町10村)
- 昭和31年(1956年)
3月31日 - 寒川村・川上村が合併して美山村が発足。(6町9村)- 8月1日 - 川中村・船着村が合併して中津村が発足。(6町8村)
9月30日(6町6村)
- 印南町・稲原村が合併し、改めて印南町が発足。
- 切目村および切目川村の一部(羽六・宮之前・古屋)が合併し、改めて切目川村が発足。
- 真妻村および切目川村の残部(樮川・古井・下津川・見影・脇ノ谷)が合併して安住村が発足。
- 昭和32年(1957年)8月1日 - 印南町・切目川村・安住村が合併し、改めて印南町が発足。(6町4村)
- 昭和34年(1959年)4月1日 - 印南町の一部(明神川の一部)が御坊市に編入。
- 昭和37年(1962年)4月1日 - 中津村の一部(藤野川)が川辺町に編入。
- 昭和53年(1978年)11月1日 - 日高町の一部(荊木の一部)が御坊市に編入。
平成16年(2004年)10月1日 - 南部川村・南部町が合併してみなべ町が発足。(6町3村)- 平成17年(2005年)5月1日(6町)
- 川辺町・中津村・美山村が合併して日高川町が発足。
- 龍神村が田辺市・西牟婁郡中辺路町・大塔村・東牟婁郡本宮町と合併し、改めて田辺市が発足。
変遷表
自治体の変遷
明治22年以前 | 明治22年4月1日 | 明治22年 - 昭和19年 | 昭和20年 - 昭和29年 | 昭和30年 - 昭和63年 | 平成1年 - 現在 | 現在 | |
---|---|---|---|---|---|---|---|
御坊村 | 明治30年2月1日 町制 | 昭和29年4月1日 御坊市 | 御坊市 | 御坊市 | 御坊市 | ||
湯川村 | 湯川村 | ||||||
藤田村 | 藤田村 | ||||||
野口村 | 野口村 | ||||||
名田村 | 名田村 | ||||||
塩屋村 | 塩屋村 | ||||||
松原村 | 松原村 | 昭和29年10月1日 美浜町 | 美浜町 | 美浜町 | 美浜町 | ||
和田村 | 和田村 | ||||||
三尾村 | 三尾村 | ||||||
由良村 | 由良村 | 昭和22年10月15日 町制 | 昭和30年1月1日 由良町 | 由良町 | 由良町 | ||
白崎村 | 白崎村 | 白崎村 | |||||
衣奈村 | 衣奈村 | 衣奈村 | |||||
東内原村 | 昭和16年8月1日 内原村 | 昭和29年10月1日 日高町 | 日高町 | 日高町 | 日高町 | ||
西内原村 | |||||||
比井崎村 | 比井崎村 | ||||||
志賀村 | 志賀村 | ||||||
矢田村 | 矢田村 | 矢田村 | 昭和30年1月1日 川辺町 | 平成17年5月1日 日高川町 | 日高川町 | ||
丹生村 | 丹生村 | 丹生村 | |||||
早蘇村 | 早蘇村 | 早蘇村 | |||||
船着村 | 船着村 | 船着村 | 昭和31年8月1日 中津村 | ||||
川中村 | 川中村 | 川中村 | |||||
川上村 | 川上村 | 川上村 | 昭和31年3月31日 美山村 | ||||
寒川村 | 寒川村 | 寒川村 | |||||
印南村 | 明治33年4月16日 町制 | 印南町 | 昭和31年9月30日 印南町 | 昭和32年8月1日 印南町 | 印南町 | 印南町 | |
稲原村 | 稲原村 | 稲原村 | |||||
切目村 | 切目村 | 切目村 | 昭和31年9月30日 切目川村 | ||||
切目川村 | 切目川村 | 切目川村 | |||||
昭和31年9月30日 安住村 | |||||||
真妻村 | 真妻村 | 真妻村 | |||||
南部村 | 明治30年9月11日 町制 | 南部町 | 南部町 | 平成16年10月1日 みなべ町 | みなべ町 | ||
岩代村 | 岩代村 | 昭和29年8月1日 南部町に編入 | |||||
清川村 | 清川村 | 昭和29年12月1日 南部川村 | 南部川村 | ||||
高城村 | 高城村 | ||||||
上南部村 | 上南部村 | ||||||
龍神村 | 龍神村 | 龍神村 | 昭和30年3月31日 龍神村 | 平成17年5月1日 田辺市 | 田辺市 | ||
上山路村 | 上山路村 | 上山路村 | |||||
中山路村 | 中山路村 | 中山路村 | |||||
下山路村 | 下山路村 | 下山路村 |
脚注
^ 記載は浜野瀬新田。
^ 紀州藩附家老水野氏領が慶応4年1月24日(1868年2月17日)に立藩。
^ 紀州藩附家老安藤氏領が慶応4年1月24日(1868年2月17日)に立藩。
^ 北荊木村(和歌山藩領)・南荊木村(新宮藩領)に分かれて記載。
^ 東財部村(和歌山藩領)・財部村(新宮藩領)に分かれて記載。
参考文献
角川日本地名大辞典 30 和歌山県- 旧高旧領取調帳データベース
関連項目
- 日高郡
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