FIFAワールドカップ・予選
FIFAワールドカップ・予選は、FIFAワールドカップにエントリーしたナショナルチームから本大会に出場できるチームを決めるための大会である。
概要
予選は、6つのFIFA傘下の地域連盟ごとに開催される。出場国の決定方法は各連盟に委ねられているが概ね参加国同士がホーム&アウェーで対戦し勝点を競うリーグ戦、ないしプレーオフの結果で決定される。出場枠は地域連盟ごとに毎大会配分が決定される。地域毎に本大会出場枠、参加国数が異なるため予選の運営方式も様々であり、加盟国自体が少ない南米(10ヶ国)は全参加国の総当たり、加盟国と本大会出場枠共に多い欧州(各54と13)では全参加国をいくつかのリーグに分配し上位チームが本大会に出場する方式、加盟国の多さに対し本大会出場枠の少ないアジア(47加盟国に対し4.5)では参加国をリーグに分けた後上位チームで再びリーグ戦を行う段階方式が採用されている。出場枠の配分は地域性は殆ど考慮されず連盟のレベルや直前の大会の実績で決められる。2018年ロシア大会については、2015年5月30日に出場枠が以下の通り決定された[1]。
南米(CONMEBOL) | 欧州(UEFA) | アフリカ(CAF) | アジア(AFC) | 北中米カリブ海(CONCACAF) | オセアニア(OFC) |
---|---|---|---|---|---|
4.5 | 13 + 開催国 | 5 | 4.5 | 3.5 | 0.5 |
割り振られる出場枠は整数とは限らず、「整数+0.5」の場合もある。これは大陸間プレーオフ(英語: intercontinental play-off[3])の出場枠であり、異なる地域連盟に所属する2カ国により、1枠をかけて対戦するものである。例えばある地区の出場枠が4.5であれば、その地区から4チームは自動的に本大会出場権を獲得し、1チームが他の地域連盟のチームと本大会出場権を賭けて対戦を行う。例えば上記の2018年ロシア大会予選については、南米第5代表・アジア第5代表・北中米カリブ海第4代表・オセアニア代表の4チームが2チームずつの組になって対戦し、それぞれの勝者が本大会出場権を得る[1]。
なお、2002年大会までは前回優勝国は予選免除されていたが、免除に伴う強化不足や収入減少が懸念されたり、予選枠拡大の要望があったりしたため[要出典]、2006年大会以降は廃止となった[4]。
連盟や大会によっては、大陸選手権の予選もしくは本大会の一部または全部をワールドカップ予選と兼ねて行う場合もある。このため本来予選を免除されるワールドカップ開催国(2002年大会予選までは前回優勝国も)も参加したり、ワールドカップ開催国が大陸選手権への参加を認められなかったりすることがある。
- 一例として、アフリカネイションズカップでは2006年大会及び2010年大会の予選を、それぞれ同年のワールドカップの予選を兼ねて行った。この結果、2010年大会ではワールドカップ開催国である南アフリカも、2010 FIFAワールドカップ・アフリカ予選に参加している。
予選参加国に何らかの問題があった場合、予選参加権を剥奪されたり、予選の途中で除外もしくは0-3の敗戦扱いとなる没収試合となる場合がある。
- 例:メキシコ(1988年ソウルオリンピックサッカー予選に年齢制限を超過した選手を出場させたため、1990年大会予選への参加不可)、ベリーズ(国内協会がFIFAに対する債務超過に陥っていたため、1990年大会予選への参加不可)、チリ(ロハス事件のため、1994年大会予選への参加不可)、エチオピア(国内協会混乱のため、2010年大会2次予選途中で除外)、シリア(タジキスタンと対戦した2014年大会2次予選に2勝して2014年大会3次予選進出を決めていたものの、3次予選の組み合わせ抽選後に無資格選手を出場させた事が発覚したため2試合ともタジキスタン勝利扱いの没収試合)、インドネシア・クウェート(2か国とも国内協会がFIFAより資格停止処分を受け、AFCアジアカップ2019年大会2次予選も兼ねていた2018年大会2次予選途中でインドネシアは除外処分、クウェートは残り3試合を敗戦扱いの没収試合)
出場枠の変遷
予選の方式の詳細は、各予選記事を参照
回 | 予選 | 欧州 (UEFA) | アフリカ (CAF) | アジア (AFC) | オセアニア (OFC) | 北中米カリブ海 (CONCACAF) | 南米 (CONMEBOL) | 合計 |
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2 | 1934 | 12 | 1 | - | 1 | 2 | 16 | |
3 | 1938 | 11+H+C | 1 | - | 1 | 1 | 16 | |
4 | 1950 | 7+H | - | 1 | - | 2 | 4+C | 16 |
5 | 1954 | 11+H | 1 | - | 1 | 1+C | 16 | |
6 | 1958 | 10+H+C | - | 1 | 3 | 16 | ||
7 | 1962 | 8+P+P※ | P | P | - | P | 3+P+H+C | 16 |
8 | 1966 | 9+H | 1 | 1 | 3+C | 16 | ||
9 | 1970 | 8+C | 1 | 1 | 1+H | 3 | 16 | |
10 | 1974 | 8+P+H | 1 | 1 | 1 | 2+P+C | 16 | |
11 | 1978 | 8+P+C | 1 | 1 | 1 | 2+P+H | 16 | |
12 | 1982 | 13+H | 2 | 2 | 2 | 3+C | 24 | |
13 | 1986 | 12+P+C | 2 | 2 | P | 1+H | 4 | 24 |
14 | 1990 | 13+H | 2 | 2 | P | 2 | 2+P+C | 24 |
15 | 1994 | 12+C | 3 | 2 | P※ | 1+P+H※ | 3+P※ | 24 |
16 | 1998 | 14+H | 5 | 3+P | P | 3 | 4+C | 32 |
17 | 2002 | 13+P+C | 5 | 2+P+H+H※ | P | 3 | 4+P | 32 |
18 | 2006 | 13+H | 5 | 4+P | P | 3+P | 4+P | 32 |
19 | 2010 | 13 | 5+H | 4+P | P | 3+P | 4+P | 32 |
20 | 2014 | 13 | 5 | 4+P | P | 3+P | 4+P+H | 32 |
21 | 2018 | 13+H | 5 | 4+P | P | 3+P | 4+P | 32 |
22 | 2022 | 13 | 5 | 4+P+H | P | 3+P | 4+P | 32 |
- 「H」:開催国、「C」:前回優勝国(2002年大会まで)、「P」:大陸間プレーオフ
第1回(1930年)大会は予選なし- ※1962年大会の欧州の出場枠については、「自動出場枠8+大陸間プレーオフ枠2」が与えられていた。
- ※1994年大会については大陸間プレーオフが3枠あり、1回戦がOFC-CONCACAF、2回戦がCONMEBOL-1回戦の勝者となっていた。
- ※2002年大会については2か国共催のため、開催国枠が2つあった。
出典
- ^ ab“Financial report presented, Brazil 2014 slots & host countries decided”. 国際サッカー連盟 (2011年3月3日). 2012年1月15日閲覧。
^ “2018年、22年W杯の各大陸出場枠が決定…アジアは「4.5」を維持” (2015年5月31日). 2016年12月1日閲覧。
^ “Intercontinental play-off dates confirmed”. 国際サッカー連盟 (2009年6月2日). 2012年1月15日閲覧。
^ “Oceania receives direct slot”. 国際サッカー連盟 (2002年12月18日). 2012年1月15日閲覧。 “Contrary to previous World Cups, only the hosts - in this case, Germany - will automatically qualify. Defending champions Brazil will be required to qualify in the South American preliminaries.”
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