学士(文学)
法令に基づく学位 |
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博士の学位 修士の学位 学士の学位 短期大学士の学位 専門職学位 |
専門職学位と修了区分 |
1.専門職大学院の課程 (一般の専門職大学院) 修士(専門職) 2.法科大学院の課程 法務博士(専門職) 3.教職大学院の課程 教職修士(専門職) |
法令に基づく称号 |
準学士 |
告示に基づく称号 |
高度専門士の称号 専門士の称号 |
現在授与されない学位等 |
大博士の学位 得業士の称号 |
関連法令・告示 |
学校教育法 学位規則 専門士及び高度専門士規程 |
学士(文学)(がくし ぶんがく)は、日本の学士の学位の一つである。
目次
1 学士(文学)とは
2 学士(文学)の歴史的変遷
3 文学分野の学士号
4 脚注
4.1 注釈
4.2 出典
5 参照文献
5.1 文献資料
5.2 インターネット資料(外部リンク)
6 関連項目
学士(文学)とは
大学文学部で主に文学を専攻分野として卒業した者に授与されるものである。英米におけるB.A. (B.A.:Bachelor of ArtsまたはBachelor of Literature)に相当するものである。1991年(平成3年)以前の「文学士」(文學士、ぶんがくし)にほぼ相当する[1]。
日本では主に大学の文学部の卒業生に授与される学位で、独立行政法人大学評価・学位授与機構において国語国文学、英語・英米文学、独語・独文学、仏語・仏文学、中国語・中国文学、ロシア語・ロシア文学、歴史学、哲学、心理学、宗教学の専攻分野で学位授与を申請し審査に合格した場合も同様である。
文学を専攻分野とした学位としては他に、「修士(文学)」、「博士(文学)」などがある。
学士(文学)の歴史的変遷
日本で文学の学士号が初めて登場するのは1878年(明治11年)、旧東京大学に学士号の学位授与権が与えられ、法学士・理学士・文学士・医学士・製薬士の学位を定めたことによる。当初、学士号には成績に応じて一等学士から五等学士まで学士号に等級があったとされる[2]。1883年(明治16年)、東京大学は大学卒業生に対する学士号の授与を停止し、代えて得業士の称号を授与することとされ、学士の位号は大学卒業の後、さらに高等試問を経て登第する者に限って授与されることとなった[3]。
1887年(明治20年)に学位令(明治20年勅令第13号)が発布。学位を大博士又は博士の二等とし、文学士を含む学士号は学位から削られ、称号として位置づけられるとともに帝国大学卒業生及び札幌農学校卒業生に授与されることとなった[4]。1920年(大正9年)の大学令公布の大学令では、帝国大学以外の大学でも学士号の授与が認められ、1930年(昭和6年)には東京高等師範学校の専攻科又は広島高等師範学校の徳育専攻科を卒業した者は文学士とすることが認められた[5]。
終戦後、1947年(昭和22年)に学校教育法が制定されると、学士号は同法および学位規則に基づく称号として位置づけられた。師範学校の廃止に伴い、文学士号は国公私立の4年制大学文学部の卒業生にて授与する称号へと再編された。文学士号をめぐって大きな変革があったのは1991年(平成3年)の学校教育法改正によってであり、この改正法によって文学士は学位の一種として位置づけられ、その名称も学士(文学)に改められた。この制度改正に伴い、従前の制度で授与されていた文学士の称号については学校教育法附則にて学位と看做されることとなった[注釈 1][6]。
また、この法改正により、学位名称は各大学によって自由に定めることができるようになり、次第に学士号の種類も増加傾向にある[7]。なお、同年7月、日本で大学以外に学位を授与する機関として独立行政法人学位授与機構が設立され、翌1992年(平成4年)からは学位授与事業が開始された。これによって、短期大学卒業生や大学中退者等であっても既存の取得単位に加え、文学専攻で必要な一定の単位を修得し、所定の試験を合格することで学士(文学)の学位が取得可能となった。現在、同機構は独立行政法人大学評価・学位授与機構へと改組され、大学文学部とともに学士(文学)の学位を授与する主たる学術機関となっている[8]。
文学分野の学士号
以下、日本における文学分野の学士号の一覧である。2009年時点で以下の種類が確認されている[9]。
文学および関連分野の学士号(日本の例) | |||||||
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文学関係 | |||||||
文学 | 外国研究 | 言語文化 | 日本文学 | 英語学 | 英文学 | 外国語 | 人文学 |
外国学 | 英語英文学 | 英語文化学 | 英米語学 | 英米文学 | 外国語学 | 外国文化 | 人文科学 |
中国語 | 中国語学 | 比較文化 | 比較文化学 | スペイン語学 | ドイツ語学 | フランス語 | 英米言語文化 |
英米語 | 学術 | 日本語 | 日本語学 | 表現学 | 文化史学 | 文芸学 | アジア研究 インドネシア語 |
アジア研究 タイ語 | アジア研究 韓国・朝鮮語 | アジア研究 中国語 | アジア研究 日本語 | イタリア語学 | インドネシア語学 | スペイン語 | スペイン語・地域文化 |
スペイン語スペイン文学 | ドイツ語圏文化学 | フランス語学 | フランス語圏文化学 | フランス文学 | ヨーロッパ・アメリカ研究 | イスパニア語 | ヨーロッパ・アメリカ研究 |
ドイツ語 | ヨーロッパ・アメリカ研究 ブラジルポルトガル語 | ヨーロッパ・アメリカ研究 フランス語 | ヨーロッパ・アメリカ研究 ロシア語 | ヨーロッパ・アメリカ研究 英語 | ロシア語 | ロシア語学 | 英語・地域文化 |
英語英米文化学 | 英語教育 | 英米学 | 外国研究(スペイン語圏) | 外国研究(ドイツ語圏) | 外国研究(フランス語圏) | 韓国語 | 韓国語・地域文化 |
韓国語教育教養 | 教養学 | 言語文化学 | 国際コミュニケーション学 | 国際英語学 | 国際学 | 国際文化 | 国際文化学 |
人間文化学 | 人文 | 中国語・地域文化 | 中国語中国文学 | 日本語日本文化 | 表現文化 | 米英言語文化学 | 臨床教育学 |
脚注
注釈
学校教育法
^ 附則 (平成三年四月二日法律第二三号) 抄 の4 改正前の学校教育法第六十三条第一項の規定による学士の称号は、改正後の学校教育法第六十八条の二第一項の規定による学士の学位とみなす。
出典
^ 日本学術会議編「学位に付記する専攻分野の名称の多様化について (PDF) 」
^ 宮地正人、佐藤能丸、櫻井良樹編『明治時代史辞典第1巻』(吉川弘文館、2011年) 487頁、488頁参照。
^ 国会図書館所蔵、黒田茂次郎、土館長言編『明治学位沿革』(金港堂、1906年) 1108頁、1109頁参照。
^ 国史大辞典編集委員会編『国史大辞典第3巻』(吉川弘文館、1983年)177頁、相賀徹夫編著『日本大百科全書5』(小学館、1985年) 13頁、14頁参照。
^ 昭和5年勅令第36号(高等師範学校専攻科卒業者の称号に関する件)。「昭和五年三月三十一日以前ニ於テ東京高等師範学校ノ専攻科又ハ広島高等師範学校ノ徳育専攻科ヲ卒業シタル者ハ文学士ト称スルコトヲ得 」と規定された。
^ 電子政府ウェブサイト「学校教育法」参照。
^ 戦後教育における学位制度の変遷については、六車正章著「学士の学位に付記する専攻分野の新たな名称の傾向 (PDF) 」独立行政法人大学評価・学位授与機構編『学位研究第17号』(独立行政法人大学評価・学位授与機構、2005年) 111頁、112頁参照。
^ 独立行政法人大学評価・学位授与機構ウェブサイト「機構について」参照。
^ 独立行政法人大学評価・学位授与機構ウェブサイトH21年度 学位に付記する専攻分野の名称一覧(学士) (PDF) 参照。
参照文献
文献資料
- 相賀徹夫編著『日本大百科全書 5』(小学館、1985年) ISBN 409526005X
- 国史大辞典編集委員会編『国史大辞典第3巻』(吉川弘文館、1983年)ISBN 464200503X
- 宮地正人、佐藤能丸、櫻井良樹編『明治時代史辞典第1巻』(吉川弘文館、2011年) ISBN 4642014616
インターネット資料(外部リンク)
- 電子政府ウェブサイト「学校教育法」
- 日本学術会議編「学位に付記する専攻分野の名称の多様化について (PDF) 」
- 黒田茂次郎、土館長言編『明治学位沿革』(金港堂、1906年)
- 独立行政法人大学評価・学位授与機構ウェブサイトH21年度 学位に付記する専攻分野の名称一覧(学士) (PDF)
- 独立行政法人大学評価・学位授与機構ウェブサイト「機構について」
- 六車正章著「学士の学位に付記する専攻分野の新たな名称の傾向 (PDF) 」独立行政法人大学評価・学位授与機構編『学位研究第17号』(独立行政法人大学評価・学位授与機構、2005年)
関連項目
- 学位
- 学士
- 文学
- 大学
- 文学部
- 大学評価・学位授与機構