マックス・ホルクハイマー
マックス・ホルクハイマー(Max Horkheimer、1895年2月14日 - 1973年7月7日)は、ドイツの哲学者、社会学者。
フランクフルト学派の代表で、テオドール・アドルノとの共著『啓蒙の弁証法』で知られる。その他の著書に『道具的理性批判へ向けて』『批判的理論』などがある。アルトゥル・ショーペンハウアーのペシミズムへの共感を持つ。
目次
1 経歴
2 邦訳著書
2.1 単著
2.2 共著
3 訳者編纂
4 外部リンク
経歴
シュトゥットガルト郊外のツッフェンハウゼン(Zuffenhausen)に生まれる。ユダヤ系ドイツ人。ギムナジウムに入学するものの中退し、実家が経営する工場で見習いとして働いた。第一次世界大戦に従軍後、1919年にミュンヘンでアビトゥーア資格を所得、ミュンヘン大学、フランクフルト大学、フライブルク大学で学び、1925年にフランクフルト大学で教授資格を得た。1926年に結婚。
1930年にフランクフルト大学の社会研究研究所の創設に参加。だが、1933年のナチ党の権力掌握後、1934年にスイスのジュネーヴ経由でアメリカに亡命。コロンビア大学で教鞭を執った。
第二次世界大戦後の1949年にまたフランクフルト大学に戻り、同研究所の所長に復帰。同大学学長も務めた。1954年と1959年には再びアメリカに渡ってシカゴ大学でも教えた。1964年、フランクフルト大学を退職。かつてホルクハイマーによって同大学の教授職につくことを阻まれた、フランクフルト学派第2世代のユルゲン・ハーバーマスが後任の教授となった。
1973年にニュルンベルクで死去し、ベルンのユダヤ人墓地に葬られている。
邦訳著書
単著
- 『道具的理性批判 第2 (権威と家族)』清水多吉編訳 イザラ書房 1970
- 『理性の腐蝕』山口祐弘訳(せりか書房、1970年)
- 『哲学の社会的機能』久野収訳(晶文社、1974年)
- 『権威主義的国家』清水多吉編訳(紀伊國屋書店、1975年)
- 『批判的社会理論――市民社会の人間学』森田数実編訳(恒星社厚生閣、1994年)
- 『批判的理論の論理学――非完結的弁証法の探求』角忍,森田数実訳(恒星社厚生閣、1998年)
- 『理論哲学と実践哲学の結合子としてのカント『判断力批判』』服部健二,青柳雅文訳 こぶし書房 2010
- 『初期哲学論集』青柳雅文訳 こぶし書房 2014
共著
- (テオドール・W・アドルノ)『啓蒙の弁証法――哲学的断想』徳永恂訳(岩波書店、1990年/岩波文庫、2007年)
- 『30年代の危機と哲学』E.フッサール,M.ハイデッガー共著 清水多吉,手川誠士郎編訳 イザラ書房 1976 のち平凡社ライブラリー
- 『ゾチオロギカ フランクフルト学派の社会学論集』アドルノ共著 三光長治,市村仁,藤野寛訳 平凡社 2012
訳者編纂
- (エドムント・フッサール、マルティン・ハイデッガー)『30年代の危機と哲学』(イザラ書房、1976年/平凡社[平凡社ライブラリー]、1999年)
外部リンク
Max Horkheimer (英語) - スタンフォード哲学百科事典「マックス・ホルクハイマー」の項目。