ネーターの定理





物理学において、ネーターの定理(ネーターのていり、英: Noether's theorem)は、系に連続的な対称性がある場合はそれに対応する保存則が存在すると述べる定理である。


ドイツの数学者エミー・ネーターによって1915年に証明され、1918年に公表された。




目次






  • 1 概説


    • 1.1 解析力学におけるネーターの定理


      • 1.1.1 ラグランジュ力学によるネーターの定理


      • 1.1.2 ハミルトン力学によるネーターの定理


        • 1.1.2.1 例1:運動量


        • 1.1.2.2 例2:角運動量


        • 1.1.2.3 例3:エネルギー






    • 1.2 場の理論におけるネーターの定理




  • 2


    • 2.1 場の理論における例


      • 2.1.1 時空の並進対称性


      • 2.1.2 ローレンツ変換


      • 2.1.3 位相変換






  • 3 導出


  • 4 参考文献


  • 5 関連項目





概説


解析力学や場の理論における重要な定理である。


系がある変換に対して記述に変化を受けない場合、その変換をその系の対称性と呼ぶ。特に解析力学においては、変換に対して系の作用積分が変化しない時に、この変換を対称性と呼ぶ。
これは、系の運動方程式は最小作用の原理を通じて定まる為、作用の変分がゼロであれば系の運動方程式は変化しない為である。
ネーターの定理は、ラグランジアンの変数に対する連続的な変換が系の対称性になっている場合に、対称性の下での作用の変分がある保存量の時間についての全微分になるという定理である。



解析力学におけるネーターの定理



ラグランジュ力学によるネーターの定理


以下ではラグランジュ形式の解析力学で記述される系を考える。
q = (q1,...,qn) を一般化座標とし、



L(q,q˙,t){displaystyle L(q,{dot {q}},t)}



を系のラグランジアンとする。
作用積分



S[q]=∫tItFdtL(q,q˙,t){displaystyle S[q]=int _{t_{I}}^{t_{F}}dt,L(q,{dot {q}},t)}



が微小変換



t→t′=t+δt, qi→q′i=qi+δqi{displaystyle tto t'=t+delta t,~q^{i}to q'^{i}=q^{i}+delta q^{i}}



に対して対称性を持つとする。
ここで、この変換は幾つかのパラメータの線型結合で書けるとする。



δt=ϵrTr,δqi=ϵrQri{displaystyle delta t=epsilon _{r}T_{r},quad delta q^{i}=epsilon _{r}Q_{r}^{i}}



但し、重複する添え字記号については、アインシュタインの記法に従い、和をとるものとする。
このとき、



Xr=(∂L∂iq˙i−L)Tr−L∂iQri{displaystyle X_{r}=left({frac {partial L}{partial {dot {q}}^{i}}}{dot {q}}^{i}-Lright)T_{r}-{frac {partial L}{partial {dot {q}}^{i}}}Q_{r}^{i}}



は保存量



dXrdt=0{displaystyle {frac {dX_{r}}{dt}}=0}



となり、この保存量はポアソン括弧により微小変換



{Xr,t}=Tr, {Xr,qi}=Qri{displaystyle {X_{r},t}=T_{r},~{X_{r},q^{i}}=Q_{r}^{i}}



を定める。



ハミルトン力学によるネーターの定理



ハミルトン力学においてネーターの定理は次のように表現される。


ハミルトニアンがある微少変換 δ{displaystyle delta }について不変であれば δ{displaystyle delta }の生成子 {displaystyle G_{delta }}は時間不変である。


ここで δ{displaystyle delta }の生成子 {displaystyle G_{delta }}とは、δ{displaystyle delta }によるベクトル (qi,pi){displaystyle (q^{i},p^{i})}の増分 δ(qi,pi){displaystyle delta (q^{i},p^{i})}


δ(qi,pi)=(∂pi,−qi){displaystyle delta (q^{i},p^{i})=left({frac {partial G_{delta }}{partial p^{i}}},-{frac {partial G_{delta }}{partial q^{i}}}right)}


と表すことのできる量である。この定義から、


ある観測量 A(qi,pi){displaystyle A(q^{i},p^{i})}δ{displaystyle delta }による変化 δA(qi,pi){displaystyle delta A(q^{i},p^{i})}A{displaystyle A}{displaystyle G_{delta }}のポアソン括弧により表される。


δA(qi,pi)=∇A⋅δ(qi,pi)=∇A⋅(∂pi,−qi)=(∂A∂qi∂pi−A∂pi∂qi)={A,Gδ}{displaystyle delta A(q^{i},p^{i})=nabla Acdot delta (q^{i},p^{i})=nabla Acdot left({frac {partial G_{delta }}{partial p^{i}}},-{frac {partial G_{delta }}{partial q^{i}}}right)=left({frac {partial A}{partial q^{i}}}{frac {partial G_{delta }}{partial p^{i}}}-{frac {partial A}{partial p^{i}}}{frac {partial G_{delta }}{partial q^{i}}}right)={A,G_{delta }}}


ハミルトニアンが微少変換 δ{displaystyle delta }について不変ならば、δH(qi,pi)={H,Gδ}=0{displaystyle delta H(q^{i},p^{i})={H,G_{delta }}=0}が成り立つ。ポアソン括弧の歪対称性より


{H,Gδ}=−{Gδ,H}=−dGδdt=0{displaystyle {H,G_{delta }}=-{G_{delta },H}=-{frac {dG_{delta }}{dt}}=0}


よって {displaystyle G_{delta }}は時間不変である。



(∂A∂pi,−A∂qi){displaystyle left({frac {partial A}{partial p^{i}}},-{frac {partial A}{partial q^{i}}}right)}は位相空間上のAの等高線に沿ったベクトルと考えることができる。これを「A{displaystyle A}が生み出す流れ」と呼ぶと、ポアソン括弧{A,B}{displaystyle {A,B}}は、「Bが生み出す流れに沿ったAの変化」と考えることができる。ネーターの定理の一般化は次のようになる。


{A,B}=0{displaystyle {A,B}=0}ならば、{B,A}=0{displaystyle {B,A}=0}


もしくは


AがBの生み出す流れについて不変であるとき、BもAの生み出す流れについて不変である。


ハミルトニアンHは時間変化の生成子であるため、もしHがある観測量Aの生み出す流れについて不変であれば、


AはHの生み出す流れ、つまり時間について不変である。



例1:運動量

ipi{displaystyle G_{delta }=epsilon ^{i}p^{i}}とすると、δA=ϵi{A,pi}=ϵi∂A∂qi{displaystyle delta A=epsilon ^{i}{A,p^{i}}=epsilon ^{i}{frac {partial A}{partial q^{i}}}}


A(qi,pi)→A(qi,pi)+ϵi∂A∂qi=A(qi+ϵi,pi){displaystyle A(q^{i},p^{i})rightarrow A(q^{i},p^{i})+epsilon ^{i}{frac {partial A}{partial q^{i}}}=A(q^{i}+epsilon ^{i},p^{i})}


よって運動量は空間並進の生成子である。



例2:角運動量

ijkϵipjqk{displaystyle G_{delta }=varepsilon _{ijk}epsilon ^{i}p^{j}q^{k}}とすると、δA=εijkϵi{A,pjqk}=εijkϵi(∂A∂pjqk∂A∂pjqk∂)=εijkϵi(∂A∂qjqk−A∂pkpj)=εijkϵi(∂A∂qjqk+∂A∂pjpk){displaystyle {begin{aligned}delta A&=varepsilon _{ijk}epsilon ^{i}{A,p^{j}q^{k}}=varepsilon _{ijk}epsilon ^{i}left({frac {partial A}{partial q_{alpha }}}{frac {partial p_{j}q_{k}}{partial p_{alpha }}}-{frac {partial A}{partial p_{alpha }}}{frac {partial p_{j}q_{k}}{partial q_{alpha }}}right)\&=varepsilon _{ijk}epsilon ^{i}left({frac {partial A}{partial q_{j}}}q_{k}-{frac {partial A}{partial p_{k}}}p_{j}right)=varepsilon _{ijk}epsilon ^{i}left({frac {partial A}{partial q_{j}}}q_{k}+{frac {partial A}{partial p_{j}}}p_{k}right)end{aligned}}}


ここで εijk{displaystyle varepsilon _{ijk}}は レヴィ=チヴィタ記号である。


A(qi,pi)→A(qi,pi)+εijkϵi(∂A∂qjqk+∂A∂pjpk)=A(Rijqj+,Rijpj){displaystyle A(q^{i},p^{i})rightarrow A(q^{i},p^{i})+varepsilon _{ijk}epsilon ^{i}left({frac {partial A}{partial q_{j}}}q_{k}+{frac {partial A}{partial p_{j}}}p_{k}right)=A(R^{ij}q^{j}+,R^{ij}p^{j})}


ここでRij{displaystyle R^{ij}}は無限小回転である。よって角運動量は空間回転の生成子である。



例3:エネルギー

H{displaystyle G_{delta }=epsilon H}とすると、δA={A,ϵH}=ϵdAdt{displaystyle delta A={A,epsilon H}=epsilon {frac {dA}{dt}}}


A(qi,pi)→A(qi,pi)+ϵdAdt=A(qi(t+ϵ),pi(t+ϵ)){displaystyle A(q^{i},p^{i})rightarrow A(q^{i},p^{i})+epsilon {frac {dA}{dt}}=A(q^{i}(t+epsilon ),p^{i}(t+epsilon ))}


よってエネルギーは時間並進の生成子である。



場の理論におけるネーターの定理


場の量を扱う場の解析力学や場の量子論においても、対称性は基本的な概念であり、ネーターの定理がしばしば応用される。ネーターの定理によって導かれる保存則に登場するネーターカレントや、ネーターチャージは特に重要な概念になっている。


力学変数として場 ϕ(x){displaystyle phi (x)} を考え、作用積分を



S[ϕ]=∫Ωd4xL(ϕ,∂ϕ,x){displaystyle S[phi ]=int _{Omega }d^{4}x,{mathcal {L}}(phi ,partial phi ,x)}



とする。


系が座標と場との微小変換



x′μ=xμ{displaystyle x^{mu }to x'^{mu }=x^{mu }+delta x^{mu }}




ϕi(x)→ϕi′(x′)=ϕi(x)+δϕi(x){displaystyle phi _{i}(x)to phi '_{i}(x')=phi _{i}(x)+delta phi _{i}(x)}



に対して対称性をもち、この変換の下で作用が不変であるとする。


このとき、ネーターカレント



(∂L∂(∂μϕi)∂νϕi−δνμL)δL∂(∂μϕi)δϕi{displaystyle j^{mu }equiv {biggl (}{frac {partial {mathcal {L}}}{partial (partial _{mu }phi _{i})}}partial _{nu }phi _{i}-delta _{nu }^{mu }{mathcal {L}}{biggr )}delta x^{nu }-{frac {partial {mathcal {L}}}{partial (partial _{mu }phi _{i})}}delta phi _{i}}



が保存し、連続の方程式



μ=0{displaystyle partial _{mu }j^{mu }=0}



を満たす。


δϕ{displaystyle delta phi }には場自身の変換だけでなく、座標の変換も含んでいる。
現代的な見方では、場の変分として、同一座標値での差を取ったリー微分 δϵϕ(x){displaystyle delta _{epsilon }phi (x)} で記述すると都合がよい。



δϵϕi(x)≡ϕ′(x)−ϕ(x)=δϕi(x)−δμϕi{displaystyle delta _{epsilon }phi _{i}(x)equiv phi '(x)-phi (x)=delta phi _{i}(x)-delta x^{mu }partial _{mu }phi _{i}}



このとき、ネーターカレントは



=−L∂(∂μϕi)δϵϕi−{displaystyle j^{mu }=-{frac {partial {mathcal {L}}}{partial (partial _{mu }phi _{i})}}delta _{epsilon }phi _{i}-{mathcal {L}}delta x^{mu }}



となる。


特に微小変換が次のようなパラメータの線型結合



δaXaμ(x){displaystyle delta x^{mu }=epsilon ^{a}X^{amu }(x)}




δϵϕi(x)=ϵi(x){displaystyle delta _{epsilon }phi _{i}(x)=epsilon ^{a}delta ^{a}phi _{i}(x)}



で書かれている場合には、ネーターカレントはパラメータの成分毎に



jaμL∂(∂μϕi)δi−LXaμ{displaystyle j^{amu }equiv -{frac {partial {mathcal {L}}}{partial (partial _{mu }phi _{i})}}delta ^{a}phi _{i}-{mathcal {L}}X^{amu }}



と書くことができて、それぞれに連続の方程式



μjaμ=0{displaystyle partial _{mu }j^{amu }=0}



を満たす。


ネーターカレントの時間成分を空間積分した



Qa≡d3xj0a{displaystyle Q^{a}equiv int d^{3}mathbf {x} ,j^{0a}}



ネーターチャージと呼ばれる。
これは微小変換の生成子(無限小生成作用素)



[iQa,ϕi(x)]=δi(x){displaystyle [iQ^{a},phi _{i}(x)]=delta ^{a}phi _{i}(x)}



となる。






場の理論における例



時空の並進対称性


座標変換において、無限小の平行移動を考える。



x′μ=xμμ{displaystyle x^{mu }to x'^{mu }=x^{mu }+epsilon ^{mu }}



δμ{displaystyle delta x^{mu }=epsilon ^{mu }}である。)
これに付随する場の無限小変換は



ϕi(x)→ϕi′(x′)=ϕi(x){displaystyle phi _{i}(x)to phi '_{i}(x')=phi _{i}(x)}



であり、ネーターカレントは



μ=∂L∂(∂μϕi)∂νϕi−δνμL{displaystyle T_{nu }^{mu }={frac {partial {mathcal {L}}}{partial (partial _{mu }phi _{i})}}partial _{nu }phi _{i}-delta _{nu }^{mu }{mathcal {L}}}



となる。この μ{displaystyle T_{nu }^{mu }}エネルギー・運動量テンソルである。
保存則は



μμ=0{displaystyle partial _{mu }T_{nu }^{mu }=0}



であり、エネルギーと運動量の保存則を表している。
対応するネーターチャージ



=∫d3xTν0{displaystyle P_{nu }=int d^{3}x,T_{nu }^{0}}



はエネルギー並びに運動量であり、時空の併進の生成子



[Pμi(x)]=i∂μϕi(x){displaystyle [P_{mu },phi _{i}(x)]=ipartial _{mu }phi _{i}(x)}



となる。



ローレンツ変換


無限小ローレンツ変換



x′μ=xμμν=xμ+12(ϵμνϵνμ)xν{displaystyle x^{mu }to x'^{mu }=x^{mu }+epsilon ^{mu }{}_{nu }x^{nu }=x^{mu }+{tfrac {1}{2}}(epsilon ^{mu nu }-epsilon ^{nu mu })x_{nu }}



を考える。これに付随する場の無限小変換は



ϕi(x)→ϕi′(x′)=ϕi(x)−i2ϵμν(Sμν)ijϕj(x){displaystyle phi _{i}(x)to phi '_{i}(x')=phi _{i}(x)-{tfrac {i}{2}}epsilon ^{mu nu }(S_{mu nu })_{i}{}^{j}phi _{j}(x)}



を考える。ここで、行列 ν{displaystyle S_{mu nu }}



(Sμν)ij={0(sclar)i(gμνj−μj)(vector)i4(γμγνγνγμ)ij(spinor){displaystyle (S_{mu nu })_{i}{}^{j}=left{{begin{array}{ll}0&({text{sclar}})\i(g_{mu i}delta _{nu }^{j}-g_{nu i}delta _{mu }^{j})&({text{vector}})\{frac {i}{4}}(gamma _{mu }gamma _{nu }-gamma _{nu }gamma _{mu })_{i}{}^{j}quad &({text{spinor}})\end{array}}right.}



で定義される場のスピンである。γμ{displaystyle gamma _{mu }} はガンマ行列である。


このとき、ネーターカレントは



ρμ=xνμμi∂L∂(∂μϕi)(Sνρ)ijϕj{displaystyle M_{nu rho }^{mu }=x_{nu }T_{rho }^{mu }-x_{rho }T_{nu }^{mu }-i{frac {partial {mathcal {L}}}{partial (partial _{mu }phi _{i})}}(S_{nu rho })_{i}{}^{j}phi _{j}}



となる。この ρμ{displaystyle M_{nu rho }^{mu }}角運動量密度という。
ρμ{displaystyle M_{nu rho }^{mu }} は ν,λ について反対称である。
保存則は



μρμ=0{displaystyle partial _{mu }M_{nu rho }^{mu }=0}



であり、角運動量の保存則を表している。
対応するネーターチャージ



ρ=∫d3xMνρ0{displaystyle M_{nu rho }=int d^{3}x,M_{nu rho }^{0}}



は角運動量とブースト演算子となる。



位相変換


複素場を考えて場の位相を変える変換を考える。



ϕi(x)→ϕi(x)−ieϵϕi(x), ϕ¯i(x)→ϕ¯i(x)+ieϵϕ¯i(x){displaystyle phi _{i}(x)to phi _{i}(x)-ieepsilon phi _{i}(x),~{bar {phi }}_{i}(x)to {bar {phi }}_{i}(x)+ieepsilon {bar {phi }}_{i}(x)}



このとき、ネーターカレントは



=ie(ϕ¯i∂L∂(∂μϕ¯i)−L∂(∂μϕi)ϕi){displaystyle j^{mu }=ieleft({bar {phi }}_{i}{frac {partial {mathcal {L}}}{partial (partial _{mu }{bar {phi }}_{i})}}-{frac {partial {mathcal {L}}}{partial (partial _{mu }phi _{i})}}phi _{i}right)}



となる。これは4元電流密度である。保存則は



μ=0{displaystyle partial _{mu }j^{mu }=0}



であり、電荷の保存則を表している。
対応するネーターチャージ



Q=∫d3xj0{displaystyle Q=int d^{3}x,j^{0}}



は電荷である。



導出


力学変数 qi(t){displaystyle q^{i}(t)} がラグランジュ方程式



ddt∂L∂i−L∂qi=0{displaystyle {frac {d}{dt}}{frac {partial L}{partial {dot {q}}^{i}}}-{frac {partial L}{partial q^{i}}}=0}



を満たしているとする。


微小変換



t→t′=t+ϵT(t){displaystyle tto t'=t+epsilon T(t)}




qi(t)→i(t′)=qi(t)+ϵQi(q(t),t)=qi(t′−ϵT)+ϵQi(q(t′−ϵT),t′−ϵT){displaystyle {begin{aligned}q^{i}(t)to q_{epsilon }^{i}(t')&=q^{i}(t)+epsilon Q^{i}(q(t),t)\&=q^{i}(t'-epsilon T)+epsilon Q^{i}(q(t'-epsilon T),t'-epsilon T)\end{aligned}}}



を考える。


このとき、系が対称性を持つとは、作用積分



S[qϵ]=∫tI+ϵTtF+ϵTdt′L(qϵ(t′),q˙ϵ(t′),t′){displaystyle S[q_{epsilon }]=int _{t_{I}+epsilon T}^{t_{F}+epsilon T}!!!!!dt',L(q_{epsilon }(t'),{dot {q}}_{epsilon }(t'),t')}



ϵ{displaystyle epsilon } の関数としてみたとき、



dS[qϵ]dϵ=0=0{displaystyle {frac {dS[q_{epsilon }]}{depsilon }}{bigg |}_{epsilon =0}=0}



となることである。


この微分を計算すると、



dS[qϵ]dϵ=0=[L(q(t),q˙(t),t)T(t)]tItF+∫tItFdt[∂L∂qidqϵidϵ=0+∂L∂idq˙ϵidϵ=0]{displaystyle {frac {dS[q_{epsilon }]}{depsilon }}{bigg |}_{epsilon =0}={Big [}L(q(t),{dot {q}}(t),t),T(t){Big ]}_{t_{I}}^{t_{F}}+int _{t_{I}}^{t_{F}}dt,{biggl [}{frac {partial L}{partial q^{i}}}{frac {dq_{epsilon }^{i}}{depsilon }}{bigg |}_{epsilon =0}+{frac {partial L}{partial {dot {q}}^{i}}}{frac {d{dot {q}}_{epsilon }^{i}}{depsilon }}{bigg |}_{epsilon =0}{biggr ]}}



である。運動方程式を用いれば、



L∂qidqϵidϵ=0+∂L∂idq˙ϵidϵ=0=ddt(∂L∂idqϵidϵ=0){displaystyle {frac {partial L}{partial q^{i}}}{frac {dq_{epsilon }^{i}}{depsilon }}{bigg |}_{epsilon =0}+{frac {partial L}{partial {dot {q}}^{i}}}{frac {d{dot {q}}_{epsilon }^{i}}{depsilon }}{bigg |}_{epsilon =0}={frac {d}{dt}}{biggl (}{frac {partial L}{partial {dot {q}}^{i}}}{frac {dq_{epsilon }^{i}}{depsilon }}{bigg |}_{epsilon =0}{biggr )}}



となる。また、



dqϵidϵ=0=−iT(t)+Qi(q(t),t){displaystyle {frac {dq_{epsilon }^{i}}{depsilon }}{bigg |}_{epsilon =0}=-{dot {q}}^{i}T(t)+Q^{i}(q(t),t)}



から、



dSϵ=0=[(L−L∂iq˙i)T(t)+∂L∂iQi(q(t),t)]tItF=0{displaystyle {frac {dS_{epsilon }}{depsilon }}{bigg |}_{epsilon =0}={biggl [}{Bigl (}L-{frac {partial L}{partial {dot {q}}^{i}}}{dot {q}}^{i}{Bigr )}T(t)+{frac {partial L}{partial {dot {q}}^{i}}}Q^{i}(q(t),t){biggr ]}_{t_{I}}^{t_{F}}=0}



従って、



(∂L∂iq˙i−L)T(t)−L∂iQi(q(t),t){displaystyle {Bigl (}{frac {partial L}{partial {dot {q}}^{i}}}{dot {q}}^{i}-L{Bigr )}T(t)-{frac {partial L}{partial {dot {q}}^{i}}}Q^{i}(q(t),t)}



が保存する。


ハミルトニアンを用いれば



H(p,q,t)T(t)−piQi(q(t),t){displaystyle H(p,q,t)T(t)-p_{i}Q^{i}(q(t),t)}



と書けて、ポアソン括弧を用いれば



{HT−piQi,t}=T, {HT−piQi,qj}=Qj{displaystyle {HT-p_{i}Q^{i},t}=T,~{HT-p_{i}Q^{i},q^{j}}=Q^{j}}



を得る。



参考文献


原論文


  • E. Noether, Nachr. Ges. Wiss. Gottingen, 235 (1918)[1]

  • F. Klein, Nachr. Ges. Wiss. Gottingen, 171 (1918)

  • E. Bessel-Hagen, Math. Ann., 84, 258 (1921) doi:10.1007/BF01459410


関連論文

  • E. L. Hill, Rev. Mod. Phys., 23, 253 (1951) doi:10.1103/RevModPhys.23.253


関連項目



  • 対称性

  • 保存則

  • チャージ

  • シンプレクティック幾何学




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