電場
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電磁気学 | ||||||||||||
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電場 electric field | |
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量記号 | E |
次元 | M L T−3I−1 |
種類 | ベクトル |
SI単位 | N/C |
電場(でんば)または電界(でんかい)(英語: electric field)は、電荷に力を及ぼす空間(自由電子が存在しない空間。絶縁空間)の性質の一つ。E の文字を使って表されることが多い。おもに理学系では「電場」、工学系では「電界」ということが多い。また、電束密度と明確に区別するために「電場の強さ」ともいう。時間によって変化しない電場を静電場(せいでんば)または静電界(せいでんかい)とよぶ。また、電場の強さ(電界強度)の単位はニュートン毎クーロン[N/C]なので、アンテナの実効長[m]または実効高[m]を掛けると、アンテナの誘起電圧 [V]になる。
目次
1 定義
2 電場の満たすべき方程式
2.1 クーロンの法則
2.2 マクスウェル方程式
3 電場のエネルギー
4 関連項目
定義
空間(自由電子が存在しない空間。絶縁空間)のある点に, 正の単位電荷量をもつ電荷(それを試験電荷という)を静止させて置いたとき、その電荷に生じるであろう電磁気的な力を、その点における電場と定義する。
電磁気的な力は電荷量に比例することが実験により知られている。したがって、 位置 r に於いて電荷量 q の電荷に働く力を F とすると定義により以下の式が成り立つ。
F=qE(r){displaystyle {boldsymbol {F}}=q{boldsymbol {E}}({boldsymbol {r}})}
なお、電磁ポテンシャルを用いれば以下のように表す事ができる。
E=−gradϕ−∂A∂t{displaystyle {boldsymbol {E}}=-mathrm {grad} phi -{frac {partial {boldsymbol {A}}}{partial t}}}
(φ:スカラーポテンシャル、A:ベクトルポテンシャル)
電場の定義に用いる試験電荷は, 周囲の電荷を移動させないと考える。
巨視的な大きさをもち周囲の誘電体を押しのけるような荷電物体が受ける力は、誘電体内の電場ではなく電束密度によって決まる。
電場の満たすべき方程式
クーロンの法則
空間上の位置 r0 に電荷 Q を置く。さらに位置 r に
電荷 q を置いた時、電荷 q が電荷 Q から受ける力は,
- F=qQ4πε0r−r0|r−r0|3{displaystyle {boldsymbol {F}}={frac {qQ}{4pi varepsilon _{0}}}{frac {{boldsymbol {r}}-{boldsymbol {r}}_{0}}{|{boldsymbol {r}}-{boldsymbol {r}}_{0}|^{3}}}}
となる。これをクーロンの法則という。ここで、ε0{displaystyle varepsilon _{0}}は真空の誘電率である.
これに電場の定義をあわせて考えると,
- E(r)=Q4πε0r−r0|r−r0|3{displaystyle {boldsymbol {E}}({boldsymbol {r}})={frac {Q}{4pi varepsilon _{0}}}{frac {{boldsymbol {r}}-{boldsymbol {r}}_{0}}{|{boldsymbol {r}}-{boldsymbol {r}}_{0}|^{3}}}}
となる。これは電荷 Q が作る電場である。
マクスウェル方程式
電場はベクトル場であるので、場の発散と場の回転によって決まる。
電場の発散は
- divE=ρε0{displaystyle mathrm {div} {boldsymbol {E}}={frac {rho }{varepsilon _{0}}}}
となる。ρは電荷密度である。これはマクスウェル方程式の一つであるガウスの法則である。
電場の回転は
- rotE=−∂B∂t{displaystyle mathrm {rot} {boldsymbol {E}}=-{frac {partial {boldsymbol {B}}}{partial t}}}
これはマクスウェル方程式の一つであるファラデーの法則である。
電場のエネルギー
原点中心で球殻に電荷qを持つ半径r0の微小球と、中心から無限遠まで延びる円錐を仮定し、この円錐を半径rの球面で切断した面積をS(r)とする。微小球と円錐が交わる微小面の面積をS0、微小球の電荷面密度をσとすると、ガウスの法則より
εE(r)S(r)=const=σS0{displaystyle varepsilon E(r)S(r)=const=sigma S_{0}}
である。
ここで、この微小面上の電荷σS0を無限遠からこの微小球上に運ぶのに要する仕事は−σS0∫r0∞E(r)dr{displaystyle -sigma S_{0}int _{r_{0}}^{infty }E(r)dr}であるが、先の結果より
−σS0∫r0∞E(r)dr=−∫r0∞ε{E(r)}2S(r)dr=−∫ε{E(r)}2dV{displaystyle -sigma S_{0}int _{r_{0}}^{infty }E(r)dr=-int _{r_{0}}^{infty }varepsilon {E(r)}^{2}S(r)dr=-int varepsilon {E(r)}^{2}dV}
である。
これを全球面上で積分すれば、微小球上の電荷qを無限遠から微小球までに運ぶのに要する仕事、つまりこの微小球上の電荷によって生じるポテンシャルU=∫εE2dV{displaystyle U=int varepsilon E^{2}dV}を求めることができる。u=εE2{displaystyle u=varepsilon E^{2}}とおくと、U=∫udv{displaystyle U=int udv}なので、これは電荷によって生じた電場がu=εE2{displaystyle u=varepsilon E^{2}}のエネルギー密度でエネルギーを蓄えていると解釈できる。
これは実際に、蓄電したキャパシタの二枚の導体間の体積と、キャパシタに蓄えられたエネルギーを比較することで検証することができる。
関連項目
- 物理学
- 電磁気学
- マクスウェルの方程式
磁束密度(B)、電束密度(D)、磁場の強さ(H)- 電気力線
電界効果トランジスタ (FET)