単位行列
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数学、特に線型代数学において、単位行列(たんいぎょうれつ、identity matrix)とは、単位的環上で定義される同じ型の正方行列同士の、積演算における単位元のことである。
目次
1 構成
2 表記法
3 性質
3.1 スカラー行列との関連
構成
単位行列はその対角成分に 1 が並び、他は全て 0 となる。行列要素を aij とすると次のように書ける。
- aij={1(i=j)0(i≠j){displaystyle a_{ij}=left{{begin{matrix}1&(i=j)\0&(ineq j)end{matrix}}right.}
ただし、1, 0 は係数環の単位元と零元である。
- (10⋯001⋯0⋮⋮⋱⋮00⋯1){displaystyle {begin{pmatrix}1&0&cdots &0\0&1&cdots &0\vdots &vdots &ddots &vdots \0&0&cdots &1end{pmatrix}}}
表記法
n×n 行列の単位元は En や In と記述されることが多い。混乱の恐れがないときには、単に E や I とも書かれる。
対角行列の記法を用いて In = diag(1,1,1, ... ,1) と書ける。
クロネッカーのデルタを用いると、En = (δij) と表すことが出来る。
性質
- 単位元である
- AI = IA = A
正方行列である
対角行列である
対称行列である
逆行列は自分自身である I−1 = I
固有値はすべて1
特異値はすべて1
行列式は1 det(I) = 1
スカラー行列との関連
単位行列をスカラー倍したものをスカラー行列という。スカラーにスカラー行列を対応させる写像が単射ならば、係数環は行列群(線型代数群)あるいは行列環に部分群・部分環として埋め込まれ、係数環の中心は行列群あるいは行列環の中心に入る。特に可換体上の n 次全行列環の中心は、埋め込まれた係数体そのもので、これを全行列環は係数体上中心的であるという。