パイルドライバー











パイルドライバーのアニメーション。


パイルドライバーPiledriver)は、プロレス技の一種である。日本名は脳天杭打ち(のうてんくいうち)。




目次






  • 1 概要


  • 2 派生技


    • 2.1 ドリル・ア・ホール・パイルドライバー


    • 2.2 ゴッチ式パイルドライバー


    • 2.3 テーズ式パイルドライバー


    • 2.4 ツームストーン・パイルドライバー


    • 2.5 クロスアーム・パイルドライバー


    • 2.6 ダブルアーム・パイルドライバー


    • 2.7 ジャーマン・ドライバー


    • 2.8 リバース・パイルドライバー


    • 2.9 ハイジャック・パイルドライバー


    • 2.10 SSD(スタイナー・スクリュー・ドライバー)


    • 2.11 パッケージ・パイルドライバー


    • 2.12 カナディアン・デストロイヤー


    • 2.13 エクスカリバー


    • 2.14 男色ドライバー


    • 2.15 ゴッチ式男色ドライバー


    • 2.16 男色デストロイ


    • 2.17 安全式パイルドライバー




  • 3 架空の派生技


    • 3.1 キン肉ドライバー


    • 3.2 スクリュー・パイルドライバー


    • 3.3 パイルドロップ




  • 4 脚注


  • 5 関連項目





概要


前屈みになった相手の頭を自身の両足で正面から挟み、相手の胴体を両腕で抱えて持ち上げながら後ろに尻餅をつくように倒れ込み、相手の頭部を打ちつける。


重機の杭打ち機(パイルドライバー)で杭を打つようにして技をかけることから、この名が付けられた。固有の名前を有する多くの派生技が存在しており、フィニッシュ・ホールドとして使用されている。



派生技



ドリル・ア・ホール・パイルドライバー





ターザン後藤によるドリル・ア・ホール・パイルドライバー。


パイルドライバーの基本形であり、後述のテーズ式パイルドライバーを除く、ほとんどの応用技の元となった。


1950年代にバディ・ロジャースが使用してポピュラーになった。バディ・オースチンは、この技で新人レスラーを2人殺してしまったとして「キラー」というニックネームが付けられた(実際には誰も死亡させていない[1])。オースチンのパイルドライバーは、相手の頭を腿ではなく膝付近で固定して、胴体をクラッチせずにタイツを掴んで引っ張り込むようにして放った。


アジャ・コングは、相手の左腿の裏に右手、右腿の裏に左手をそれぞれ回してホールドする型をアジャ・ボムの名称で使用。



ゴッチ式パイルドライバー


カール・ゴッチのオリジナル技。基本的にはドリル・ア・ホール・パイルドライバーと同一系統の技であるが、相手の胴ではなく、相手の足の付け根で両腕をクラッチさせることに違いがある。主な使用者はジェリー・リン(クレイドル・パイルドライバーの名称で使用)、蝶野正洋、鈴木みのる[2]


ゴッチ自身によれば「相手の足の付け根に両腕を回すことによって体勢が崩れずに相手の脳天を垂直に打ちつけることができる」とのことである。これは胴に手を回して持ち上げ体勢が崩れた場合は無理に技を続けると相手の首が前に突っ込むように落ちてしまい、頸椎を損傷しやすいことを防ぐ意味もあるのだという。



テーズ式パイルドライバー


ルー・テーズのオリジナル技。通常のパイルドライバーは相手の頭を両膝で挟み込むが、テーズ式は相手の胴を両腕でクラッチして持ち上げ、単純にマットへと叩きつける。パワーボムの原型となった技であり、リバース・スラムとも呼ばれる。テーズによればスタンプ・ホールドの一種であり、パイルドライバーとは別の技だとしている。アントニオ猪木も同型の技をザ・モンスターマンとの異種格闘技戦で使用している。



ツームストーン・パイルドライバー





ジ・アンダーテイカーによるツームストーン・パイルドライバー。


日本名は墓石落とし(はかいしおとし)。相手をオクラホマ・スタンピードの要領で持ち上げて、上下逆さまの状態になった相手の胴体を両腕で抱きかかえ、相手の両足の間に自身の頭が来るように体を移動させ、そのまま両膝をついて相手の頭部を打ちつける。ジ・アンダーテイカーのフィニッシュ・ムーブとして知られる。


イギリスが発祥といわれ、レネ・ラサルテス、ビル・ロビンソン、ダイナマイト・キッド、デイブ・フィンレイといった欧州出身レスラーが得意技としており、初代タイガーマスクもキッドとの抗争を通して、この技を会得している。同じくタイガーマスクのライバルだった初代ブラック・タイガーのフェイバリット・ホールドでもあり、日本では暗闇脳天落とし(くらやみのうてんおとし)とも呼ばれる。若手時代にAWAでロビンソンのタッグパートナーに起用されていたドン・ムラコは、ハワイアン・ハンマーの名称で使用していた。


アンドレ・ザ・ジャイアントもジャン・フェレ(日本ではモンスター・ロシモフ)と名乗っていた時代に使用していたが、1972年にターザン・タイラーを負傷させて以来、自ら禁じ手とした。メキシコではマルティネーテと呼ばれている。メキシコはマットが硬いため、頸椎を損傷する恐れがあるということで全面的に禁止技に指定されている。アメリカでも禁止しているプロレス団体が多く、WWEは負傷者が続出した経緯があり禁止技にされているが、アンダーテイカーとケインは使用が認められている。


持ち方を変えない形はカール・ゴッチが得意技としており、1964年3月にオハイオ州でのディック・ザ・ブルーザー戦、1972年3月6日に新日本プロレスの大田区体育館大会(旗揚げ戦)でのアントニオ猪木戦で使用している。掛け手と受け手の体勢が上下対称になるため、掛けられている側が足をばたつかせて掛けている側の後方へと重心をかけて相手の胴体を抱えたまま足から着地して逆にツームストーンを仕掛ける返し方が存在する。時には互いにツームストーンの体勢のまま回転を繰り返す攻防も見られる。


類似技として、北尾光覇はキタオ・ドリラー、"brother"YASSHIはキングストン・パイルドライバーの名称で使用。



クロスアーム・パイルドライバー


前屈みになった相手の頭を自身の股の間に挟み、右手で相手の左腕、左手で相手の右腕をそれぞれ掴み、掴んだ両腕を相手の胸の前で交差させて相手の体を垂直に持ち上げながら尻餅をつき、相手の頭部を打ちつける。主な使用者は鈴木みのる。



ダブルアーム・パイルドライバー


相手の上半身をリバース・フルネルソンの要領で捕らえて相手の体を垂直に持ち上げながら尻餅をつき、相手の頭部を打ちつける。主な使用者はキッド・キャッシュ(マネーメイカーの名称で使用)、ケニー・オメガ、タマ・ウィリアムス、中邑真輔、KAI、大森ゆかり。



ジャーマン・ドライバー


カール・ゴッチのオリジナル技。相手をボディ・スラムの要領で持ち上げて上下逆さまになった相手の首の後ろに左手を回し、相手を抱えたまま正座するように両膝を折り畳み、落下させた相手の頭部を打ちつける。主な使用者は天山広吉(TTD(テンザン・ツームストーン・ドライバー)の名称で使用)。


応用技として天山広吉が相手をボディ・スラムの要領で持ち上げて上下逆さまになった相手の首の後ろに左手を回し、相手を抱えたまま尻餅をつき、落下させた相手の頭部を打ちつけるのをオリジナルTTD(オリジナル・テンザン・ツームストーン・ドライバー)の名称で使用。


派生技として秋山準が相手をオクラホマ・スタンピードの要領で持ち上げて上下逆さまになった相手の股の間に正面から右腕を差し込み、相手の右腿を抱える形で自身の両手をクラッチして正座をするように折り畳み、落下させた相手の頭部を打ちつけるのをゴッチ式ツームストーン・パイルドライバーの名称で使用。



リバース・パイルドライバー


相手をオクラホマ・スタンピードの要領で持ち上げて尻餅をつき、上下逆さまの状態で落下させた相手の頭部を自身の両腿の間へ打ちつける。主な使用者はストーン・コールド・スティーブ・オースチン、オーエン・ハート、リキシ(リキシ・ドライバーの名称で使用)、ウマガ(サモアン・ドライバーの名称で使用)、ロージー(サモアン・ドライバーの名称で使用)、リッキー・フジ(マキシマム・オーバードライブの名称で使用)、TARU(TARUドリラーの名称で使用)。


受け手の首に与えるダメージを逃がすことが出来ないため、非常に危険であり、蝶野正洋はオースチンに、この技を決められて頸椎を痛めた。その後、オースチンもハートに、この技を決められて頸椎を痛めた。


派生技としてミスター雁之助が相手をオクラホマ・スタンピードの要領で右肩に担ぎ上げて尻餅をつき、上下逆さまの状態で落下させた相手の頭部を自身の両腿の間へ打ちつけるのをファイヤーサンダーの名称で使用。



ハイジャック・パイルドライバー


スパイク・パイルドライバーとも呼ばれる。タッグマッチの連携技で仲間の1人がコーナーの方を向きながら相手をパイルドライバーの要領で持ち上げて、もう1人がコーナーのセカンドロープもしくはトップロープに登って持ち上げられていた相手の右足を左手で左足を右手で掴み、コーナー上の仲間がジャンプすると同時に相手を抱えていた仲間が尻餅をつき、相手の頭部を打ちつける。


日本における第一人者はヤマハ・ブラザーズ(山本小鉄&星野勘太郎)。その後、アドリアン・アドニス&ボブ・オートン・ジュニアを経て長州力&アニマル浜口をはじめとするユニット「維新軍」に多用されて流行技になった。オートンはNWAミッドアトランティック地区ではディック・スレーターとのタッグチームでも使用していた。ジャイアント馬場はミラクル・パワーコンビ(スタン・ハンセン&ブルーザー・ブロディ)から、この技を受けて連続試合出場記録が3764試合で途切れた。



SSD(スタイナー・スクリュー・ドライバー)


スコット・スタイナーのオリジナル技。相手をファルコンアローの要領で持ち上げて背中に右手を首の後ろに左手を、それぞれ回し、尻餅をつき、急降下させた相手の頭部を自身の両腿の間へ打ちつける。主な使用者は齋藤彰俊(デスブランドの名称で使用)、高岩竜一(タカイワ・ドリラーの名称で使用)、石井智宏(イシイ・ドリラーの名称で使用)。



パッケージ・パイルドライバー


ケビン・オーエンズのオリジナル技。前屈みになった相手の頭を自身の股の間に正面から挟み込み、相手の両脇にリバース・フルネルソンの要領で自身の両腕を差し込み、外腿の方から相手の右腿の裏に左手を左腿の裏に右手を、それぞれ回し、相手の体を垂直になるまで持ち上げて体を軽く旋回させながら尻餅をつき、相手の頭部を打ちつける。



カナディアン・デストロイヤー




カナディアン・デストロイヤーのアニメーション(緑色が技を受ける側)。


フリッピング・パイルドライバーとも呼ばれる。ピーティー・ウィリアムズのオリジナル技。前屈みになった相手の頭を自身の股の間に正面から挟み込み、相手の腰を両手で抱え込み、膝を軽く屈伸させて自身の体を360度前方回転させるようにジャンプして尻餅をつき、宙に浮き上がった相手の頭部をパイルドライバーの形で打ちつける。主な使用者はアダム・コール(パナマ・サンライズの名称で使用)、フェニックス(メキシカン・デストロイヤーの名称で使用)、房総ボーイ雷斗(ライトニング・ストームの名称で使用)、Kzy(CDJの名称で使用)、BUSHI、高橋ヒロム、U-T(ロタシオンの名称で使用)、ティーダヒート。



エクスカリバー


鈴木鼓太郎のオリジナル技。相手が走ってきたところを懐に跳び込むように抱えて体を軽く旋回しながら相手の頭部をパイルドライバーの要領で打ちつける。



男色ドライバー


男色ディーノのオリジナル技。前屈みになった相手の頭を自身のタイツの中に押し込み、Tバックに包まれた自身の股間を相手の頭に密着させた状態にして相手の胴体を両手で抱え込み、相手の体を垂直になるまで持ち上げて軽くジャンプして尻餅をつき、相手の頭部を打ちつける。物理的な衝撃以上に精神的ダメージが強い。漫画『キン肉マン』の主人公であるキン肉スグルがパンツ・ドライバーの名称で使用。一橋大学の世界プロレスリング同盟のブランコ・オギーソが1990年代初から学生プロレスで使用。


応用技としてディーノがタイツを脱いでTバック姿になって前屈みになった相手の頭を自身のタイツの中に押し込み、自身の股間を相手の頭に直接密着させて仕掛けるのを生男色ドライバーの名称で使用。



ゴッチ式男色ドライバー


男色ディーノのオリジナル技。前屈みになった相手の頭を自身のタイツの中に押し込み、Tバックに包まれた自身の股間を相手の頭に密着させた状態にして相手の胴体を両手で抱え込み、相手の体を垂直になるまで持ち上げて腿の裏の方から相手の股の間に右腕を差し込み、相手の股間を抱えるような形で自身の両手をクラッチして軽くジャンプして尻餅をつく形で着地すると同時に相手の頭部を打ちつける。物理的な衝撃以上に精神的ダメージが強い。


応用技としてディーノがタイツを脱いでTバック姿になって前屈みになった相手の頭を自身のタイツの中に押し込み、自身の股間を相手の頭に直接密着させて仕掛けるのを真ゴッチ式男色ドライバーの名称で使用。



男色デストロイ


男色ディーノのオリジナル技。前屈みになった相手の頭を自身のタイツの中に押し込み、相手の胴体を両手で抱え込み、膝を軽く屈伸させて体を360度前方回転させるようにジャンプして尻餅をつき、宙に浮き上がった相手の頭部を上記の男色ドライバーの形で突き刺す。物理的な衝撃以上に精神的ダメージが強い。



安全式パイルドライバー


お笑いプロレス団体「西口プロレス」所属の三平×2のオリジナル技。相手を抱えて持ち上げるのではなく、相手に頭を軸に倒立してもらい、相手の両足に自身の頭を挟み込み、パイルドライバーを仕掛ける。むろん相手にダメージはない。


応用技として三平が座布団を敷いて相手を抱えて持ち上げるのではなく、相手に頭を軸に倒立してもらい、相手の両足に自身の頭を挟み込み、座布団の上にパイルドライバーを仕掛けるのを超安全式パイルドライバーの名称で使用。むろん相手にダメージはない。



架空の派生技


以下はプロレスや格闘技を題材にした漫画や対戦型格闘ゲームなどでみられるパイルドライバーの派生技である。得てして物理法則に反して現実の世界で目にできる技ではない。



キン肉ドライバー



漫画『キン肉マン』の主人公であるキン肉スグルの必殺技の1つ。空中に放り投げた相手の両足を掴んで股裂きしつつ上下にひっくり返して、さらに相手の両脇を、それぞれ足で踏みつけながら相手の頭部を打ちつける。キン肉マンの能力「火事場のクソ力」により、落下スピードが上がることで足のフックを完璧なものとする。それだけに気力が充実していないと空中でクラッチを外される可能性がある。作中では変形ツームストーン・パイルドライバーが原型とされており、続編の漫画『キン肉マンII世』では疾風迅雷落としという別名もつけられた。



スクリュー・パイルドライバー



対戦型格闘ゲーム『ストリートファイターIIシリーズ』に登場するキャラクターのザンギエフの必殺技の1つ。相手を抱えてジャンプして、きりもみ式に回転しながら上昇し、なおかつ回転を維持したまま落ちて相手の頭部を打ちつける。その後、ベルトスクロールアクションゲーム『ファイナルファイト2』とアーケードゲーム『マッスルボマー』でマイク・ハガーが使用。現実の世界ではケニー・オメガが人形のヨシヒコにザンギエフの得意技であるファイナル・アトミック・バスターを使用したが現在のところ人間には使用されていない。



パイルドロップ


特撮番組『仮面ライダー(スカイライダー)』の主人公であるスカイライダーの必殺技の1つ。技の原理は前述のキン肉ドライバーとほぼ同じだが、こちらはスカイライダーの特技である垂直飛びと技への捻りも含まれているため、威力は大きい。



脚注





  1. ^ “Wrestler Profiles: "Killer" Buddy Austin”. Online World of Wrestling. 2010年8月8日閲覧。


  2. ^ 鈴木みのるはレスリングの「がぶり」を切るクラッチの一種で「テコの原理」を用いて重い相手でも持ち上げやすいからゴッチ式パイルドライバーを使い初めたと解説している。




関連項目


  • パワーボム



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