三塁手






投手
打者
捕手
一塁手
二塁手
遊撃手
三塁手
右翼手
中堅手
左翼手


野球のポジション図




一塁へ送球する三塁手(マイサー・イズトゥリス)


三塁手(さんるいしゅ、英: third baseman)は、野球やソフトボールにおいて、三塁周辺を守る内野手。守備番号は5。英略字は3B3rd Basemanから)。日本ではサードとも呼ばれる。




目次






  • 1 概要


  • 2 脚注


    • 2.1 注釈


    • 2.2 出典




  • 3 参考文献





概要


三塁手はゴロを捕球した場合に内野の中でも最も遠い一塁に送球をするため時間の余裕が少なく、確実な捕球能力と肩の強さと正確な送球能力が求められる。また、遊撃手よりも打者から近い位置にいるため、打球に勢いがある時点で捕球する必要があること、右打者の中でも中軸を打つような選手が放つ痛烈な打球が三塁線に飛んで来やすいことなどから、素早く動ける反射神経が重要となる[1]


主に処理するのは三塁線寄りの打球から遊撃手前方への打球、三塁周辺から本塁近くまでのファウルゾーンを含めた浅いフライである。遊撃手方向への緩い打球は三塁手のほうが打球に近いために前進してこれを捕球をすることが多い[2]。投手の守備負担を減らす目的もあって、投手が捕球できる範囲の打球が三塁手に任せられることもある。また三塁後方の浅いフライは、サイド(横目)から打球を見て追うことができる遊撃手の方が落下点が推測しやすいため、遊撃手に任せられることが多い。


球足の速い打球が多く飛んでくることもあり、多少は肩の弱い選手であっても守備位置をやや前に出すことによって打者走者を封殺することが出来る。逆に遊撃手も務まる程度の肩を持った三塁手の場合であれば、守備位置を下げることで守備範囲を広げることができる。また、右投げの選手に比べて打球捕球後の一塁送球の動作に時間がかかるため、遊撃手と同様にプロにおいては左投げの三塁手はほとんど存在しない。


ベースをまわる走者の足が確かにベースに触れているかを監視することは三塁手の役目である。走者の足がベースを踏んでいないとみたら、すぐさまボールを要求して走者を刺す[3]


他の内野守備位置に比べると連携やカットプレーが少なく、あまり三塁付近から離れることもないため、複雑な動作を求められることは多くない。一般的に負担が軽いと言われる一塁手と比べても、もとより相手チームの走者が三塁に到達していること自体が多くないうえに投手からの牽制によるベースカバーの動きも少なく、それほど守備の負担は大きくないポジションである。また、強烈な打球が飛んでくることの多い三塁を守らせることで、試合中の意識を攻撃に集中させることも可能になる。そのため日本のプロ野球では、強打者ではあるが守備範囲が広くない右投げの内野手が三塁を守ることが多い。代表的な現役選手だと、松田宣浩、今江敏晃、宮崎敏郎などが挙げられる。


日本プロ野球では「ミスタープロ野球」とも称された長嶋茂雄の影響などから、チームを代表する強打者が守る花形のポジションと長くいわれてきた[4]。しかし、特に2000年代以後、徐々に枯渇傾向になり、一例として、2016年シーズンは、「規定打席に到達&100試合以上三塁手を務めた」日本人選手がわずか3人であった[4][注 1]。強打者が務める傾向は依然として根強いが、近年は守備に不安のある選手は一塁手や外野手等にコンバートされることが散見されることも、一つの理由として挙げられる[注 2]。その一方で、遊撃手や二塁手を務め成功した選手が三塁手にコンバートされることも少なくない[注 3]。稀な例として、長嶋が引退・監督就任後に外野の高田繁を長嶋が後任三塁手としてコンバートし打撃成績が向上したケースがある。


メジャーリーグでは同じ内野手でも、より運動量が多く守備の要とされる遊撃手に華やかなイメージが伴うためか、日本ほど該当する選手の数は多くない。しかし「三塁手は強打者」というイメージ自体は日本と同様に存在している。他の守備位置から三塁手へのコンバートの例も少なからず存在しており、一例としてジョシュ・ドナルドソン(捕手→三塁手)は、強肩と打撃力の両面を活かすためにコンバートされたが、コンバート後の2015年にMVPを受賞するほどの選手へと成長した。



脚注


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注釈





  1. ^ 松田宣浩(ソフトバンク)、村田修一(巨人)、川端慎吾(ヤクルト)が該当。


  2. ^ これについては、「守備の負担を減らして打撃に専念させる」意図も一つの理由として挙げられる。実際、例えば筒香嘉智は、左翼手にコンバートされて以後に打撃成績を伸ばして、2016年シーズンは本塁打王、打点王の「二冠」に輝いた。


  3. ^ 主に現役晩年に故障がちになり守備の負担からコンバートされるケースが多い(池山隆寛、野村謙二郎など)が、そうではないケースとして、川端慎吾などの事例もある。




出典





  1. ^ キャンパニス(1957年) p.134


  2. ^ キャンパニス(1957年) p.135


  3. ^ キャンパニス(1957年) p.136

  4. ^ ab“かつては花形ポジションも…日本の三塁手事情”. ベースボールキング. 2017年1月15日閲覧。




参考文献


  • Al Campanis(著),内村祐之 (翻訳) 『ドジャースの戦法』 ベースボール・マガジン社、1957年。ASIN B000JAY4RG。












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