MiG-17 (航空機)





ソビエト連邦の旗 MiG-17 / МиГ-17




MiG-17 landing by StuSeeger.jpeg






  • 用途:戦闘機


  • 設計者:ミコヤーン・グレヴィッチ設計局


  • 製造者


  • 運用者ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦(空軍、防空軍、海軍航空隊)他


  • 初飛行:1950年1月14日(試作機SI)


  • 生産数:10,367機


  • 運用状況:一部地域で現役






MiG-17(ミグ17;ロシア語:МиГ-17ミーク・スィムナーッツァチ)は、ソビエト連邦のミグ設計局で開発されたジェット戦闘機。DoDが割り当てたコードネームはType 38(Type 20とする説もある)。北大西洋条約機構(NATO)の使用するNATOコードネームはフレスコ (Fresco)。




目次






  • 1 概要


  • 2 生産型


  • 3 スペック (MiG-17F)


  • 4 採用国


  • 5 関連項目





概要


MiG-17は、朝鮮戦争で実戦には投入されたものの飛行機として未成熟だったMiG-15を改良した完成型である。当初MiG-15bis-45°として開発されたことからわかるように、MiG-15において35度であった主翼の後退角を45度に改め(厳密には前縁途中で角度が変わっている)、主翼上の境界層板の数も片側2枚から3枚へと変更した。


基本型のMiG-17及びMiG-17Fの武装は機関砲のみで、MiG-15bisと同じく37 mm機関砲N-37 1門と23mm機関砲NR-23 2門であった。その後、爆弾やロケット弾を搭載できるよう改修された機体もあった。朝鮮戦争には間に合わなかったものの、東側諸国をはじめ多くの国に配備され、1990年代まで数多くの実戦に参加した。


特にベトナム戦争での活動は有名で、何度かアメリカ軍の航空機を撃墜した。またポーランドや中華人民共和国(殲撃五型、またはJ-5、F-5とも)でも製造された。現在も朝鮮民主主義人民共和国など一部の発展途上国では現役であると考えられている。ジェット機としては比較的安価であるため、アメリカやヨーロッパでは個人所有の機も存在する。


なお、MiG-17はMiG-15の改良型であり、共通の特徴的な機種形状をしているためか専門家でもしばしば両者を混同する。しかし、機首以外の形状は著しく異なっており、特に主翼の平面形からの区別は容易である。



生産型



MiG-17

初期の生産型。細長い形状のエアブレーキが特徴。アフターバーナーなしのVK-1Aエンジンを搭載するが、推力不足によりMiG-15bisより若干性能が低下したとも言われる。なお、MiG-17AMiG-17ASは、基本的にはMiG-17と同型である。 БВВС МиГ-17 #62 ВВС СССР МиГ-17 #25, 2005

MiG-17P

イズムルド・レーダー搭載型。

MiG-17F


アフターバーナー搭載のVK-1Fエンジンの完成により完成した本格的な量産型。MiG-17で低下したとも言われた諸性能も、VK-1Fによって改善している。しかしながら、燃料消費の大きなアフターバーナーを使用することは小型の本機にとってしばしば命取りとなり、実戦においても燃料切れによる墜落が幾度となく発生している。なお、中華人民共和国でのライセンス生産機は殲撃五型殲-5/J-5/F-5)であるAlbaniaAF F-5 #4-25。ベトナム戦争ではプロペラ機のA-1に2回撃墜されている。

MiG-17PF

MiG-17Fにイズムルート・レーダーを搭載した量産型。レーダーの搭載に伴い、37 mm機関砲は23 mm機関砲に換装されている。中華人民共和国でのライセンス生産機は殲撃五甲型殲-5A/J-5A/F-5A)などと呼称される。なお、ソ連では生産されなかった複座練習機型として本型を元に開発された殲教五型 (JJ-5/FT-5) が大量生産されているFAR MiG-17PF #0904, 1999 AlbaniaAF FT-5 #8-09。

MiG-17PFU

MiG-17PFを改修したRS-1U及びRS-2U空対空ミサイル搭載型で、固定武装は廃止されている。MiG-19PMやSu-9迎撃戦闘機配備までのつなぎとして40機程度がソ連防空軍に配備された。

Lim-5

MiG-17Fのポーランド生産型がLim-5、MiG-17PFに準じたレーダー搭載型がLim-5Pであるが、Lim-5Pの方がMiG-17PFよりエア・インテイクの開口部が大きく、内部のドームも大型である。 PolandAF Lim-5P #521

Lim-6

Lim-5の大幅な改設計型で数種開発されたが、実用性の問題から結局はどれもLim-5同様の機体に改修された。なお、Lim-5に準じた型がLim-6bis、Lim-5Pに準じた型がLim-6M、Lim-6bisに準じた偵察型がLim-6R、またLim-6Mの偵察型がLim-6MRとされた。ポーランドでは1990年代前半まで使用された。




スペック (MiG-17F)


MiG-17 3-view drawing.svg


  • 全幅:9.63 m

  • 全長:11.36 m

  • 全高:3.80 m

  • 翼面積:22.60 m2

  • 翼面荷重量:237 kg/m2

  • 空虚重量:3,930 kg

  • 通常重量:5,354 kg

  • 最大離陸重量:6,286 kg

  • 発動機:TRD VK-1F 1基

  • 推力重量比:0.63

  • 最大速度(地表高度):1,144 km/h (3,000 m)

  • 航続距離:1,080 km

  • 上昇率:65 m/秒

  • 実用上昇限度:16,600 m

  • 武装

    • N-37 37mm機関砲(弾薬40発)、NR-23KM 23mm機関砲 2挺(弾薬各80発)

    • 増加タンク ×2、または100kg/250kg爆弾







採用国




アフガニスタンの旗 アフガニスタン

  • アフガニスタン空軍


アルバニアの旗 アルバニア

  • アルバニア空軍


アルジェリアの旗 アルジェリア

  • アルジェリア空軍


アンゴラの旗 アンゴラ

  • アンゴラ空軍


バングラデシュの旗 バングラデシュ

  • バングラデシュ空軍


 ブルガリア

  • ブルガリア空軍


ブルキナファソの旗 ブルキナファソ

  • ブルキナファソ空軍


カンボジアの旗 カンボジア

  • カンボジア空軍


中華人民共和国の旗 中国


  • 中国人民解放軍空軍

  • 中国人民解放軍海軍



 コンゴ共和国

  • コンゴ空軍


 キューバ

  • キューバ空軍


チェコスロバキアの旗 チェコスロバキア

  • チェコスロバキア空軍


東ドイツの旗 東ドイツ

  • 東ドイツ空軍


 エジプト

  • エジプト空軍


エチオピアの旗 エチオピア

  • エチオピア空軍


ギニアの旗 ギニア

  • ギニア空軍


ギニアビサウの旗 ギニアビサウ

  • ギニアビサウ空軍


 インドネシア

  • インドネシア空軍


イラクの旗 イラク

  • イラク空軍


 ハンガリー

  • ハンガリー空軍




 リビア

  • リビア空軍


マダガスカルの旗 マダガスカル

  • マダガスカル空軍


マリ共和国の旗 マリ

  • マリ空軍


モンゴルの旗 モンゴル

  • モンゴル空軍


モロッコの旗 モロッコ

  • モロッコ空軍


モザンビークの旗 モザンビーク

  • モザンビーク空軍


ナイジェリアの旗 ナイジェリア

  • ナイジェリア空軍


朝鮮民主主義人民共和国の旗 北朝鮮

  • 朝鮮人民軍空軍


 パキスタン

  • パキスタン空軍


ポーランドの旗 ポーランド


  • ポーランド空軍

  • ポーランド海軍



 ルーマニア

  • ルーマニア空軍



ソマリアの旗 ソマリア


ソマリランドの旗 ソマリランド


ソビエト連邦の旗 ソビエト連邦



  • ソ連空軍

  • ソ連防空軍

  • ソ連海軍航空隊



スリランカの旗 スリランカ

  • スリランカ空軍


シリアの旗 シリア

  • シリア空軍


タンザニアの旗 タンザニア

  • タンザニア空軍


ウガンダの旗 ウガンダ

  • ウガンダ空軍


 ベトナム

  • ベトナム空軍


イエメンの旗 イエメン

  • イエメン空軍


ジンバブエの旗 ジンバブエ

  • ジンバブエ空軍





MiG-17 採用国






関連項目



  • ベトナム戦争

  • アメリカ海軍EC-121機撃墜事件

  • J-5











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