肉
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肉(にく)とは、動物の皮下組織および筋肉のことである。
目次
1 概要
2 一般においての「肉」
3 食肉
4 脚注
5 関連項目
概要
単に「肉」というと、皮下組織全般を指し、脂肪組織の層や血管など循環器系と筋肉組織に末梢神経などを指す。消化器官や心臓など循環器系の一部、脳を含む神経系などは内臓として区分されることもあるが、こと食肉(人間が食料として扱う肉)の場合は動物の内臓も食べる文化もあり、やや複雑である。
肉は生物(特に動物)の肉体においては、外界と体内を隔てる壁として体内恒常性の維持に役立ったり、脂肪の形で生存に必要なエネルギーを蓄えたりする機能を持ち、また筋肉は骨を支えとして体を動かす機能を果たしている。
ただ、単に肉とするばあいは、近世以前の解剖学発達以前的な曖昧な区分でしかなく、こと生物学的には「肉」と呼ばれる生物の体を構成する組織ではなく、更に細分化された区分が用いられる。ゆえに「肉」と表現するのは学術的な意図の無い、日常における大雑把な概念で事足りる場合のみである。
なお植物でも果実の栄養を貯蔵している部分を果肉と呼び、葉の部分でも比較的厚みがある場合は、その内部組織を肉質と表現する場合がある。
一般においての「肉」
ある程度均等で厚みのある生物の体を指し、ヒトの体でも肥満の者の贅肉(過剰に発達した皮下組織→脂肪組織)を指して「肉」という。またその範疇ではボディビルのように過剰な栄養と運動で極端に肥大させた筋肉も「肉」の範疇である。猥雑な表現の範疇では、肉体の一部を道具などに擬え「肉」を接頭詞とする場合があり、猥雑な意味が無い場合でも機械装置の補正なしに目(眼球)で見る(視覚)ことを肉眼と呼ぶ。ワープロなどを用いずに実際に執筆したという意味での肉筆、機械などによらず人間が直接声を発した(場合によってはマイクや電話などを通したものも含む)という意味での肉声なども同様である。
その一方で工学の範疇では、均一な素材のことを肉に擬える場合があり、例えば「肉厚」というと、構造に厚みがあることを指す。また余分な素材が使われている場合には「贅肉」と呼び、構造強度に影響し難い部分を削ることを「肉抜き」ともいう。その延長で機械装置の余分な部分(機能など)を贅肉と呼ぶ場合もある。例えばレーシングカーなど余分なものを省いて「より速く走ること」を求められる自動車では、性能を追求する上で様々な部分が削り取られる。
食肉
中国語では動物全般を「禽獣魚虫」で表すが(「禽」は「鳥」の意味)、日本の古語では鴨などの禽肉を単に「トリ」、獣肉を「シシ」、魚肉を「ウヲ」[2]と呼び、「猪(イ)」の肉を「イノシシ」、「鹿(カ)」の肉を「カノシシ」、また肉だけでなく生体も同じくそのまま呼んだ(このため「禽獣」を「トリシシ」とも読む)。「ししおどし」の「しし」は肉ではなく獣のことである。後に漢語の呉音からきた「ニク」に代わり、「肉」の異体字の「宍」で「宍肉(ししにく)」、人名での「シシ」などに語が残っている。(シカも参照)。なお「獅子」はここでの「シシ」とは訓みが偶然一致しているだけで関係はない。
生涯を通し、ほぼ他の動物の肉のみを食べる動物を肉食動物と呼ぶ。
脚注
^ 国際がん研究機関 (2015-10-26). IARC Monographs evaluate consumption of red meat and processed meat (Report). http://www.iarc.fr/en/media-centre/pr/2015/pdfs/pr240_E.pdf. “WHO report says eating processed meat is carcinogenic: Understanding the findings”. ハーバード公衆衛生大学院 (2015年11月13日). 2017年5月6日閲覧。
^ 誤解が多いが、「ウヲ」は音読みではなく訓読みであり、古語由来の純粋な日本語である。仏教による禁忌によってタンパクの摂食が獣肉から魚肉に代わり、酒宴で饗されることが多くなって「サカナ(酒菜、肴)」は魚肉のことと一般化され、やがて生体も「サカナ」と呼ぶ慣習が生まれた。
関連項目
- もつ
- 製肉
畜産 - 家畜 - と畜場 - 屠殺
- 菜食主義
肉部 - 漢字の部首。- 肉 (神学)