複々線







JR東日本東北本線の三複線区間
(京浜東北線蕨駅)




京阪電気鉄道京阪本線の複々線区間


複々線(ふくふくせん、quadruple track)とは、二つの複線軌道、即ち四本の軌道が敷設された線路を指す。言い換えると四線(しせん)である。


同様に、六本が敷かれている三組の複線は三複線、八本が敷かれている四組の複線は四複線と呼ぶ。




目次






  • 1 概要


  • 2 配線による分類


    • 2.1 方向別複々線


    • 2.2 線路別複々線




  • 3 運転方法による分類


    • 3.1 緩急分離運転


    • 3.2 系統分離運転




  • 4 三線


    • 4.1 別路線が合流する場合


    • 4.2 緩急分離運転の場合




  • 5 日本における複々線の例


    • 5.1 方向別複々線の例


    • 5.2 方向別複々線の廃止例


    • 5.3 線路別複々線の例




  • 6 日本における三線の例


  • 7 三線の廃止例


  • 8 日本以外の複々線の例


    • 8.1 アメリカ


    • 8.2 台湾


    • 8.3 韓国


    • 8.4 香港


    • 8.5 中国


    • 8.6 タイ


    • 8.7 インド




  • 9 脚注


    • 9.1 注釈


    • 9.2 出典




  • 10 関連項目





概要


複線線路が隣接して(一部には立体的に複線を並べる場合もある)敷設された状態であり、一般的に、それぞれの複線は列車の種別や系統によって使い分けられる。


緩急分離運転を行っている場合、速達列車が走行する線路を急行線または快速線、普通列車が走行する線路を緩行線と呼ぶ。JR線では歴史的な経緯から、それぞれを列車線、電車線と呼ぶ場合がある。


複々線は、複線と比較して停車場以外でも列車の追い越しが可能となる。そのため、様々な速度帯、種別の列車を運行している路線では、適切に線路を使い分けることで、待避列車の待ち合わせ時間を無くすなど、効率的なダイヤが設定できる。


異なる事業者の複線が並行している場合や、同一事業者の複線路線が並行する区間でも、完全に別系統として運行管理されている場合は、複々線として扱われることは少ない[注 1]


日本一長い複々線区間は東海道本線の草津駅 - 山陽本線の西明石駅 120.9kmである。



配線による分類


複々線の配線は、方向別複々線線路別複々線(系統別複々線)の2種類に大別できる。方向別複々線は、4線を上・上・下・下のように2線ずつ方向を揃えて敷設するものであり、線路別複々線はA線上・A線下・B線上・B線下のように路線別に並べて敷設するものである。



方向別複々線




方向別複々線を併走する列車(東急東横線・目黒線)


同じ方向への列車が隣り合って走行するため、間に島式ホームを設置することで、同方向の列車の対面乗り換えが可能となる。緩急分離運転を行っていれば、速達列車と緩行列車の連絡は容易になる。旅客にとっては便利な構造といえる。


ただし、二方から複線線路が合流してできる複々線区間では、合流部分で内側の2線を交差させなければならない。立体交差とする場合は建設費用が大きくなり、建設自体困難な場合もある。平面交差とする場合はダイヤ構成に制約が生じる。また、複々線区間で外側を走行する列車を折り返す場合、内側の2線を横断する必要があるため、運転上の制約ができる。そのため、これを回避するための立体交差や内側線の間に引き上げ線を設ける場合もある。
また、朝ラッシュ時など、旅客数が膨大でその大半が同一方向へ向かう条件下では、速達列車に乗客が集中してしまい、列車運行に支障をきたす場合がある。


1970年代以降にラッシュ緩和を目的とした複々線は方向別が多い。



線路別複々線




線路別複々線を併走する列車(JR東日本中央本線)


隣り合う線路を走る列車は上下逆となるため、同方向へ向かう列車の乗り換えは、一旦別のホームへ移動する必要がある。緩急分離運転であっても、列車同士の連絡は悪くなり、旅客にとっては不便な構造といえる。


ただし、緩行列車と速達列車の連絡性が悪いがゆえに、速達列車への乗客集中を防ぎ、列車ごとの混雑の平準化ができ、ホーム混雑も軽減できるといった優位性を持つ[1]。また、2組の複線は独立しているため、一方にトラブルが生じても他方に及ぶ影響を最小限に抑えられる。


日本の首都圏のJR線では、複々線の多くが通勤五方面作戦で建設され、線路別複々線の方式がとられた。これは、工事のしやすさや、駅ホームのスペースを重視したためである[1]。利用客の反発をうけ、急行線でも各駅停車を行った例もある[2]



運転方法による分類


複々線の分類は、緩急分離運転系統分離運転の2つの分類がある。またこれらを併せ持つ場合もある。



緩急分離運転


運転系統を各駅停車(緩行)と速達列車(急行)に分離する方法。これにより、速達列車の速度が向上し、緩行列車の待避も解消できる。


長距離列車を運行する列車線と短距離電車を運行する電車線の分離は本質的には系統分離運転に属するが、分離した結果、実質的に緩急分離になることが多い。



系統分離運転


列車を運転系統で分離する方法。旅客列車と貨物列車を分離する貨客分離(かきゃくぶんり)の他、京浜急行電鉄や京成電鉄のように支線が合流する駅と隣の拠点駅までの1駅間のみ複々線化する例もある。



三線



複線に線路を1線追加したものを、三線(さんせん)、複単線(ふくたんせん)または1.5複線[3]という。


単複線とは概念が全く異なる。



別路線が合流する場合


別路線に直通する線路を敷設する場合に分岐点より、駅までの間に引かれる。なお、引き上げ線などをこれに充当することもある。



緩急分離運転の場合


上りまたは下りの一方のみ、2線を使用させ緩急分離している区間である。スイス連邦鉄道のジュネーブ-コペ(fr:Coppet)間のように、列車本数の多い急行線を複線、列車本数の少ない緩行線を単線とし、普通列車のみ途中駅で列車交換を行う例もある。


三線は、輸送需要が時間帯によって偏りが出るケース、すなわち、都市中心部と郊外を結ぶ路線で、朝に都心方向、夕に郊外方向への輸送需要が増大する時などに、輸送力の増強手段、途中駅を通過する列車の速度向上手段などとして活用できる可能性を持っている[3]。複々線に比べ、必要とする用地が4分の3であることが最大の利点であるが、双方向に運行可能とするための信号・保安設備の扱いの難しさや車両運用の問題などから、日本では緩急分離運転の三線は現在まで存在していない。



日本における複々線の例



方向別複々線の例






































































































































































方向別複々線の事例
事業者
路線
区間
長さ (km)
内訳(系統)
備考

JR北海道

函館本線

札幌駅
- 平和駅
8.0
函館本線
千歳線
平和駅には函館本線のホームがないため、営業上の分岐点は白石駅になる。

JR東日本

東北本線・
東海道本線
(電車線)

田端駅
- 品川駅
13.9

京浜東北線
山手線
品川駅は線路別。
山手線

代々木駅
- 新宿駅
0.7
山手線
中央・総武緩行線
代々木駅は線路別。中央急行線・山手貨物線は線路別で計4複線。

信越本線・
白新線


上沼垂信号場
- 新潟駅
1.9
 
2017年現在は新潟駅付近連続立体交差事業のため3線で運用中。北から順にA - C線と呼称[4]

JR西日本

東海道本線・
山陽本線
(琵琶湖線・
JR京都線・
JR神戸線)

草津駅
- 新長田駅
102.2
内側線
外側線
新長田駅は線路別。
京都駅 - 向日町駅間は複々線+単線(5線)。

関西本線

今宮駅
- 天王寺駅
2.2

大阪環状線
関西本線(大和路線)
天王寺駅は線路別。今宮駅は環状線内回りのみ高々架。
山陽本線

海田市駅
- 広島駅
6.4
旅客線
貨物線
海田市駅は線路別。

東武鉄道

伊勢崎線(スカイツリーライン)

とうきょうスカイツリー駅・押上駅
- 曳舟駅
1.3

浅草駅発着系統
半蔵門線直通系統
 

北千住駅
- 北越谷駅
18.9
 
JR以外では最長。関東の大手民鉄で初めての連続立体交差事業による複々線。

東上本線

和光市駅
- 志木駅
5.3
 
 

西武鉄道

池袋線

練馬駅
- 石神井公園駅
4.6
 
 

京成電鉄

本線

青砥駅
- 京成高砂駅
1.2
本線系統
押上線系統
北総鉄道北総線系統
 

京浜急行電鉄

本線

金沢文庫駅
- 金沢八景駅間
1.4
本線系統
逗子線系統
 

東京急行電鉄

東横線

田園調布駅
- 日吉駅
5.4
東横線
目黒線
田園調布駅 - 多摩川駅間は1927年から2000年まで線路別複々線

田園都市線

二子玉川駅
- 溝の口駅
2.0
田園都市線
大井町線

二子新地駅・高津駅は外側線の田園都市線側にのみホームあり。

小田急電鉄

小田原線

代々木上原駅
- 登戸駅
11.7  

代々木上原駅 - 東北沢駅間は内側が緩行線、梅ヶ丘駅 - 登戸駅( - 向ヶ丘遊園駅)間は外側が緩行線となる。
東北沢駅 - 梅ヶ丘駅間は緩行線が上層、急行線が下層の線路別。
上り線は向ヶ丘遊園駅 - 登戸駅間も2線。

名古屋鉄道

名古屋本線

金山駅
- 神宮前駅
2.2
名古屋本線
常滑線
 

近畿日本鉄道

大阪線

大阪上本町駅
- 布施駅
4.1
大阪線
奈良線
大阪上本町駅・布施駅のホームは上下2層の線路別。1975年以前は上本町駅(現・大阪上本町駅)から布施駅までの間は線路別だったが、布施駅付近の高架化にあわせて方向別に変更した。

京阪電気鉄道

京阪本線

寝屋川信号所
- 天満橋駅
12.6
 
寝屋川信号所 - 京橋駅 - 立体交差(大阪市中央区の寝屋川橋付近) - 天満橋駅のうち、立体交差地点から天満橋駅間は線路別で、同駅から京阪本線と中之島線に分岐。それ以外は緩急分離[注 2]のほか京橋駅 - 立体交差地点間は方向別複々線区間の外側(B線)が淀屋橋駅、内側(A線)が中之島駅発着となっている。

南海電気鉄道

南海本線

岸里玉出駅
- 住ノ江駅
2.8
 
但し、岸里玉出駅構内は上り線のみ2線。


方向別複々線の廃止例






















方向別複々線の廃止例
事業者
路線
区間
長さ (km)
内訳(系統)
備考

JR九州

筑豊本線

折尾駅
- 中間駅
4.1
筑豊本線
貨物線
鹿児島本線と筑豊本線を結ぶ旅客列車や、鹿児島本線と筑豊本線沿線の貨物駅を結ぶ貨物列車が走っていた。この区間は現在複線になっている。


線路別複々線の例
























































































































旅客線同士の分離(緩急分離・系統分離)
事業者
路線
区間
長さ (km)
内訳(系統)
備考
JR東日本

東海道本線

東京駅
- 横浜駅
28.8
列車線(東海道線)
電車線(京浜東北線)

東京駅
- 大船駅
46.5
東海道線
横須賀線
東京駅 - 品川駅間では横須賀線は地下線を走る。同区間は京浜東北線・山手線も含めて4複線。
品川駅 - 鶴見駅間は経由地が異なる(横須賀線は品鶴線の線路を走行)。戸塚駅とその付近は方向別の路線配置になっている。
東北本線
東京駅
- 大宮駅
30.5
列車線(上野東京ライン・
宇都宮線・高崎線)
電車線(京浜東北線)
東京駅 - 神田駅間は中央線・山手線も含め4複線、神田駅 - 上野駅間は山手線を含め3複線、上野駅 - 日暮里駅間は常磐線・山手線を含め5複線。但し神田駅・日暮里駅は列車線にホームはない。
日暮里駅 - 赤羽駅間は経由地が異なる。上野駅 - 尾久駅間は更に列車線の高架ホーム線と地平ホーム線が方向別の路線配置になっている。営業列車と尾久車両センターへの回送列車の同時運転を可能にさせるためのもの。但し尾久駅直前で複線になり、方向別配線の駅は存在しない。

中央本線

御茶ノ水駅
- 三鷹駅
21.5
急行線(中央急行線)
緩行線(中央・総武緩行線)
御茶ノ水駅は方向別。代々木駅 - 新宿駅間は山手線・山手貨物線を含め4複線。

常磐線

北千住駅
- 取手駅
32.2
快速線(常磐快速線)
緩行線(常磐緩行線)
ただし、北千住 - 綾瀬間の緩行線は東京メトロ千代田線。

総武本線

両国駅
- 千葉駅
35.9
快速線(総武快速線)
緩行線(中央・総武緩行線)
両国駅には総武快速線の定期列車用のホームは無い。
亀戸駅-新小岩信号場駅間は越中島支線への単線を併設した五線(複々単線)区間。

JR東海
 

金山駅
- 名古屋駅
3.3

東海道本線
中央本線
東海道本線と中央本線の二重戸籍区間
JR西日本

山陽本線
(JR神戸線)

新長田駅
- 西明石駅
18.7

電車線
列車線
快速停車駅である舞子駅・垂水駅・須磨駅には列車線ホームがないため、列車線を走る朝の上り快速は通過する。

東京地下鉄
 

小竹向原駅
- 池袋駅
3.2

有楽町線
副都心線
小竹向原駅は方向別。池袋~千川間では上層を有楽町線、下層を副都心線が通る構造となっている。

横浜市営地下鉄
 

センター南駅
- センター北駅
0.9

ブルーライン
グリーンライン
高架式の線路別で独立した系統になっている。

京王電鉄
 

新宿駅
- 笹塚駅
3.6

京王線
京王新線
笹塚駅では方向別の路線配置になっている。初台駅・幡ヶ谷駅は京王新線側にのみホームあり。

阪急電鉄
 

梅田駅
- 十三駅
2.4

神戸本線
宝塚本線(京都本線)
京都本線の梅田駅 - 十三駅間は宝塚本線所属。JRグループを除く鉄道事業者では唯一の3複線。

阪神電気鉄道
 

大物駅
- 尼崎駅
0.9

本線
阪神なんば線
尼崎駅構内は方向別の路線配置になっている。

南海電気鉄道

南海本線

難波駅
- 岸里玉出駅
3.9
南海本線
高野線
 




















































旅客線と貨物線の分離(貨客分離)
事業者
路線
区間
長さ (km)
備考
JR東日本
東海道本線

新鶴見信号場
- 鶴見駅
- 小田原駅
67.1
貨物線は貨物列車以外に「湘南ライナー」なども走行。鶴見駅付近 - 東戸塚駅付近は、貨物線は横浜羽沢駅経由の別線路となる東海道貨物線。
山手線
品川駅
- 田端駅
20.6
貨物線は埼京線・湘南新宿ラインの列車や特急列車などが走行。代々木駅 - 新宿駅間は中央急行線・中央緩行線を含め4複線となる。
東北本線

田端駅
- 大宮駅
23.2
貨物線は湘南新宿ラインの列車も走行。電車線(京浜東北線)と列車線(宇都宮・高崎線)と貨物線の3複線。
JR東海
東海道本線

名古屋駅
- 稲沢駅
11.1
貨物線は通称「稲沢線」と呼ばれる。
JR西日本
東海道本線

吹田駅
- 尼崎駅
12.2

新大阪駅 - 尼崎駅付近は、貨物線は宮原操車場経由の別線路となる北方貨物線。吹田駅 - 新大阪駅間は旅客線(複々線)・北方貨物線・梅田貨物線の4複線。梅田貨物線は特急「はるか」「くろしお」なども走行。

JR九州

鹿児島本線

門司駅
- 折尾駅
24.6
門司駅 - 東小倉駅(貨物駅)間は方向別。
東小倉駅 - 西小倉駅間は日豊本線も含めた線路別3複線。
小倉駅 - 黒崎駅は貨客分離の複々線。
戸畑駅 - 枝光駅間は旅客線と貨物線の経路が異なる。
黒崎駅 - 折尾駅間にはもともと、旅客用の複線とは別に、主に筑豊本線直通用として使われた貨物専用線が複線分あり、貨客分離の複々線として運用されていた。その後筑豊本線の貨物列車がなくなり、貨物専用線も今では旅客線(愛称・福北ゆたか線)として運用されている。旅客化により単線での運用(鹿児島本線が複線、福北ゆたか線が単線の、系統分離の三線)となり、一部では線路も撤去されている。


日本における三線の例






























方向別三線の事例
事業者
路線
区間
長さ (km)
内訳(系統)
備考
京浜急行電鉄 本線
子安駅
- 神奈川新町駅
0.7 上り線のみ2線の3線になっている。これを活用し、ラッシュ時には普通列車と快特または特急が並走することもある。

小田急電鉄

小田原線

登戸駅
- 向ケ丘遊園駅
0.6  

上り線のみ2線。将来的には下り線も2線とし複々線を完成させる計画であり、暫定的。





























旅客線同士の分離(系統分離)
事業者
路線
区間
長さ (km)
内訳(系統)
備考
JR北海道 函館本線
札幌駅
- 桑園駅
1.6 函館本線
札沼線(学園都市線)
函館本線が複線、札沼線が単線で並行している。
JR九州 鹿児島本線
吉塚駅
- 博多駅
1.8 鹿児島本線
篠栗線(福北ゆたか線)
鹿児島本線が複線、篠栗線が単線で並行している。





































旅客線と貨物線の分離(貨客分離)
事業者
路線
区間
長さ (km)
内訳(系統)
備考
JR東日本
南武線浜川崎支線

八丁畷駅
- 川崎新町駅
0.9
東海道貨物線
南武線
東海道貨物線が複線、南武線旅客線が単線で並行している。
JR東日本 東北本線
東仙台駅
- 東仙台信号場
1.7 東仙台駅構内南方で宮城野貨物線(複線)が合流・単線となり、東仙台信号場まで仙台駅からの旅客線(複線)と併走する。
JR西日本 大阪環状線
福島駅
- 西九条駅
2.6 大阪環状線
梅田貨物線
もともとは複線の大阪環状線に単線の梅田貨物線を追加したものであったが、現在貨物線区間を通過する列車は特急「はるか」などの旅客列車がほとんどになっている。
なお、福島駅には梅田貨物線の駅は設置されていない。


三線の廃止例






















系統別三線の廃止例
事業者
路線
区間
長さ (km)
内訳(系統)
備考

JR西日本

山陽本線

宇部駅
- 厚狭駅
9.8
山陽本線
貨物線(美祢線-宇部線直通)

美祢線から宇部線宇部港駅方面への貨物輸送が盛んであったことに加え、本数の多かった山陽本線を平面交差することがダイヤ上困難であったため、貨客分離の三線(旅客複線・貨物単線)となっていた。また、山陽本線下関方面や美祢線から宇部線に直通する旅客列車もこの貨物線を走行していた。
その後美祢線貨物列車の減少および、山陽新幹線開業に伴う山陽本線の列車減少により、貨物単線が撤去され複線になっている。


日本以外の複々線の例



アメリカ




  • ニューヨーク市地下鉄 - ニューヨーク市地下鉄においては、マンハッタン島内を中心に複々線区間が数多く存在し、日常的に急行運転(Express Service) が行われている。またクイーンズやブロンクスには三線区間があり、一部はラッシュ時にピーク方向限定の急行運転に活用されている。


  • シカゴの高架鉄道線(シカゴ・L)、通勤鉄道線(メトラ) - シカゴの高架鉄道線の三線区間は、ビルの谷間を走るために複々線への線増困難な地域に設けられ、限られた用地における線増の事例としては画期的なものであったが、その後撤去されてしまった。通勤鉄道線の三線区間は現在も残り、ニューヨーク地下鉄同様急行運転で活用されている。



台湾




  • 台湾鉄路管理局縱貫線(宜蘭線直通運転)八堵 - 七堵間は三単線。


  • 台湾鉄路管理局縱貫線・内湾線 新竹 - 北新竹間は線路別複々線。



韓国




  • 韓国鉄道公社京釜線ソウル - 九老間は線路別三複線、九老 - 天安間は方向別複々線。

  • 韓国鉄道公社京仁線九老 - 東仁川間 - 方向別複々線。



香港



  • 香港鉄路有限公司東涌線及び機場快線九龍 - 茘景手前の区間は方向別複々線、茘景駅構内 - 青茘橋手前(藍巴勒海峡を渡る橋梁)までは線路別複々線、青茘橋 - 青衣間は上下二層式方向別複々線。(上層は上り東涌・博覧館方面、下層は下り香港方面)

以下の路線は基本的に方向別複々線だが、対面乗り換えを考慮して駅間で線路配置が換わる。



  • 香港鉄路有限公司港島線及び将軍澳線鰂魚涌 - 北角

  • 香港鉄路有限公司観塘線及び将軍澳線調景嶺 - 油塘

  • 香港鉄路有限公司観塘線及び荃湾線太子 - 油麻地



中国




  • 広州鉄路集団公司広深線深セン - 広州は線路別複々線。


  • 北京地下鉄1号線及び八通線四恵東 - 四恵は線路別複々線。


  • 中国鉄路総公司京滬高速鉄道及び滬寧都市間鉄道上海虹橋 - 崑山南は線路別複々線。



タイ



  • タイ国有鉄道北本線ランシット - バーンパーチー分岐駅は三単線。


インド




  • ムンバイ近郊鉄道のセントラルライン(中心部線)チャトラパティ・シヴァージー・ターミナス駅 - カリヤン・ジャンクション駅の間


  • ムンバイ近郊鉄道のウェスタンライン(西部線)チャーチゲート駅 - ビラール駅の間


  • ガジアバド・ジャンクション駅(記事は英語版へ) - アナンド・ビハール・ターミナル駅(記事は英語版へ)の間の本線


  • ニューデリー駅 - ハリヤーナー州・パルハール駅(記事は英語版へ)間の本線

  • チェンナイ近郊鉄道のチェンナイ・ビーチ駅 - チェンガルパットゥ・ジャンクション駅(記事は英語版へ)の間

  • チェンナイ近郊鉄道のチェンナイ・セントラル駅 - ティルヴァッルール駅の間


  • ハウラー駅(記事は英語版へ) - デーリー線のバルダマーン・ジャンクション駅 - アサンソル駅の間



脚注


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注釈





  1. ^ どの範囲までを複々線とするかについては、明確な定義はない。例えば線路別複々線の場合、2つの運行系統を相互に変えるためには2本分の線路を移動しなければならないため、通常は運行系統を跨ぐ列車は頻繁には設定されていない。その場合でも、同一事業者であり、かつ電気方式や軌間が同一であり、加えて同一平面に線路が敷設されていれば複々線として扱われることが多い。ただし分岐駅近くで複線同士が並行する場合など、2駅間に跨らない短距離区間は複々線区間として扱われないことが多い。なお、より広義として捉える解釈をするならば、「新幹線と並行する在来線(複線の場合)で複々線を形成している」という考え方も可能である。


  2. ^ 京阪本線#概要の通り。




出典




  1. ^ ab曽根悟「都市鉄道における急行運転の技術」『鉄道ピクトリアル』710号 10-21頁、14頁。


  2. ^ 佐藤信之「大都市圏での快速運転の発達」『鉄道ピクトリアル』736号 10-24頁。

  3. ^ ab単線・複線・複々線((一社)日本民営鉄道協会公式ホームページ)


  4. ^ “新潟駅付近連続立体交差事業”. 新潟市 (2016年12月9日). 2017年9月25日閲覧。




関連項目







  • 電車線・列車線

  • 複線

  • 単線並列





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