雑種第一代
雑種第一代(ざっしゅだいいちだい、first filial generation)とは、生物において、ある異なった対立遺伝子をホモで持つ両親の交雑の結果生じた、第一世代目の子孫のこと[1][2]。F1 と略記される。F1品種とも[3]。
一般には、F1品種の農作物は、その一世代に限って安定して一定の収量が得られる品種として知られ、多くの種苗会社が力を入れる分野となっている。日本国内で流通している野菜の種の8~9割は海外で採取されている[4]。
雑種第一代は両親の遺伝子をヘテロで持ち、遺伝子型は均一である。雑種第一代の示す形質が両親のいずれよりも優れる場合、この現象を雑種強勢という。逆に劣る場合には雑種弱勢と呼ばれる。特に前述の雑種強勢を利用して、より有用な形質を伸ばす方向に品種改良されたものは一代雑種や一代交配種などと呼ばれ[5]、家畜や農作物などの農産物の改良に応用されている[6]。
出典
^ 生物学辞典 【雑種第一代】
^ 遺伝学用語辞典 【雑種第一代】 p135
^ 一代雑種コトバンク
^ F1品種コトバンク
^ 遺伝子工学キーワードブック 【一代雑種】 p37
^ デジタル大辞泉 【一代雑種】
参考文献
- 『生物学辞典』 八杉竜一ほか、岩波書店、1996年、第4版。ISBN 978-4000800877。
- R. C. King, W. D. Stansfield 『遺伝学用語辞典』 西郷薫・佐野弓子・布山喜章 監訳、東京化学同人、2005年、第6版。ISBN 978-4-8079-0629-1。
- 緒方宣邦・野島博 『遺伝子工学キーワードブック』 羊土社、2000年、第2版。ISBN 978-4897066370。
関連項目
- メンデルの法則