建築士











































建築士

Architect.png

製図台で製図する建築士(1893年)

基本情報
名称
建築士
職種
専門職
業種
建築、建設、デベロッパー、都市計画、インテリアデザイン、土木工学
詳細情報
適性能力
技術的な知識、建築物のデザイン、プランニングと管理の能力
必須試験
建築士試験
就業分野
建築設計事務所、官公署、指定確認検査機関、ゼネコン、ハウスメーカー、工務店、リフォーム会社、不動産会社
関連職業
建築コンサルタント、インテリアデザイナー、家具デザイナー、エクステリアデザイナー、不動産鑑定士、土地家屋調査士、建築主事
平均年収
677万円(平成25年賃金構造基本統計調査)

建築士(けんちくし、英語: architecture license)は、建築物の設計および工事監理を行う職業の資格、あるいはその資格を持った者である。




目次






  • 1 概要


  • 2 職務


  • 3 名称


    • 3.1 APECアーキテクト登録




  • 4 各国の建築士制度


    • 4.1 日本の建築士制度


      • 4.1.1 種類及び内容


        • 4.1.1.1 一級建築士


          • 4.1.1.1.1 構造設計一級建築士


          • 4.1.1.1.2 設備設計一級建築士




        • 4.1.1.2 二級建築士


        • 4.1.1.3 木造建築士


        • 4.1.1.4 管理建築士


        • 4.1.1.5 専攻建築士


        • 4.1.1.6 建築士の定期講習制度


        • 4.1.1.7 その他




      • 4.1.2 関連業務


        • 4.1.2.1 行政手続き等


        • 4.1.2.2 技術者等として従事できる場合




      • 4.1.3 建築士が対象となる職


      • 4.1.4 資格試験での免除


      • 4.1.5 建築士試験


        • 4.1.5.1 受験資格


        • 4.1.5.2 合格率




      • 4.1.6 その他




    • 4.2 アメリカの建築士制度


    • 4.3 中国の建築士制度


    • 4.4 台湾の建築士制度


    • 4.5 韓国の建築士制度


    • 4.6 インドネシアの建築士制度


    • 4.7 イギリスの建築士制度


    • 4.8 フランスの建築士制度


    • 4.9 ドイツの建築士制度


    • 4.10 イタリアの建築士制度




  • 5 社会的責任


  • 6 建築に関する賞


  • 7 建築士に関する日本の団体


  • 8 建築士が登場する作品


  • 9 脚注


  • 10 関連項目


    • 10.1 採用関連




  • 11 外部リンク





概要






建築物の大規模化や複雑化が進むことで建築統括者の役割が必要となる。やがてアーキテクトと呼ばれる職業が生まれたが、その後資格の問題が生じた。


日本では建築士という資格名称で、建築物の質の向上に寄与するため、建築士法(昭和25年5月24日法律第202号)に拠って国家資格として定められた。建築士は「一級建築士、二級建築士及び木造建築士をいう」と定義されており、それぞれの建築士は「建築士の名称を用いて、建築物に関し、設計、工事監理その他の業務を行う者をいう」と定義されている。


建築物の設計及び工事監理は公共の安全に重大な影響をもたらす。このため、一定の教育と経験がなければ建築士受験要件とはならない。


各国でいくつか相違があるが、それぞれの言語でアーキテクトを意味する名称(日本語 建築士、中国語 建筑师畫則師、スペイン語 Arquitecto、英語 Architect、ドイツ語 Architekt等)を法的使用制限を設けている場合、免許を受けた資格者のみが使うことを許されている。


日本では建築物の設計および工事監理は、大工などの職人がその役割を担っていた。このため従来から日本の建築業については設計施工一貫方式が社会的には行われており、社会的慣習として設計者の地位は確立していなかったにもかかわらず、建築基準法の施行に合わせて、法的な資格として定めた経緯がある。


日本で建築士が生まれた起源は、官製の職業免許である意味合いが強い。


施主である建築主は、工事を請け負わせる建築業者に間取りや意匠への期待を求めるが、企業である建築業者は建築主の期待と工事費や工期ばかりを重視する余り、安全性への配慮を怠る危険性がある。建築主の意識が及ばない技術領域での安全性を確保し、国民の財産と生命と健康を守るために建築基準法が設けられ、建築基準法の目的を実現する手法として建築士制度が生まれた。


建築士は、建築主の生活の豊かさへの願望を受け止め、企業の営利目的を設計に反映させるが、安全安心への配慮は行政の許認可で守られる制度となっている。


建築士は、建築主の期待を反映させる職業であるが、行政の役割の一端を担う立場にあるため、社会的な評価が伴わない。



職務


建築士の職務は大きく3つに分けられる。


設計業務

一般には基本設計、実施設計の2段階で行われ、それぞれについて意匠設計、構造設計、設備設計が含まれる。


工事監理業務

建築主や現場管理者(施工者の置く現場監督)とは違う第三者の立場で、工事が設計図書のとおりに実施されているかを確認し、建築主への報告と施工者等への必要な指示を行う。


手続き業務

設計前における調査、企画等の業務や、建築工事契約に関する事務、建築工事の指導監督、既存建築物に関する調査、鑑定業務、開発許可、農地転用許可等の手続き業務、各種コンサルティング業務等、建築士の職務は多岐に渡り、それらの一部を専門に行う建築士もいる。



名称


建築士の英訳として使われる「Architect」(アーキテクト)の語源はギリシャ語のArkhitektonであり、Arkhiは英語でChief(主任)、Tektonは英語でBuilder(建築者)の意であることから、「主任建築者」というのが本来の意味である[1]


日本では1914年(大正3年)に全国建築士会が設立され、「建築士」という言葉をArchitectの訳語として使用するようになった。その後1915年(大正4年)に改称して日本建築士会となり、同会の情報誌「日本建築士」1929年(昭和4年)11月号には、イギリスやアメリカにおけるアーキテクトに相当する職業に従事する者のみを「建築士」と呼んでいだ。


その後、1950年(昭和25年)に建築士法が制定され、資格名称とされた。こうして日本の「建築士」は必ずしも欧米などのアーキテクトないしストラクチャラル・エンジニアの観念とは一致しない。制度上は双方の整合性はなく、海外の資格は直ちには「建築士」として認められず、「建築士」は海外の資格には認められない場合も多い。


法務省作成の日本法令外国語訳データベースシステムでは、一級建築士の英訳として「first class architect」「class-1 architect」の2種が使われている[2]。しかし、二級建築士と木造建築士については英訳されておらず、どの範囲をArchitectとして扱っているかは定かでない。


国土交通省作成の「オーストラリア(豪州)におけるアーキテクトの登録制度の概要」という資料中では、「アーキテクト(一級建築士)登録証」との表現もされていることから、概ね同省ではアーキテクト=一級建築士と扱っている。日本の建築士試験の指定試験機関である公益財団法人建築技術教育普及センターでも、「日本においてアーキテクトに相当する資格は一級建築士です」と表示しているが、ここでも、一級建築士をアーキテクトとする一方、二級建築士と木造建築士についてはアーキテクトと扱うかどうかは明確にされていない。同センターの建築士の英訳としては「Architects and Building Engineers」と表示している[3]。このため、Architect と Building Engineerという諸外国とは異なった職能を兼ねている資格名となっている。


戸谷英世『欧米の建築家、日本の建築士』(井上書院、2018)ではある旧建設省住宅局の元審議官の、日本の建築士および建築士法を紹介することになった際、日米両国の建築技術者を比較したところ、日本の建築士の実体に該当する英語が見つからず、日本の建築教育を吟味、検討した結果、アメリカの建築家に求められている知識、能力、経験および業務が、日本の建築士に義務づけている知識、
経験および業務に存在しないことを発見したとし、アメリカ社会で建築家(アーキテクト-Architect)と呼ばれている職能と、日本の建築士とは、能力、その資格要件とその業務の実体がまったく異質な職業としか考えられなかったため、建築士の英語訳に建築家の呼称(アーキテクト)を使うと、建築士の実態を英米語圏の人たちに伝えられないと判断せざるを得ないと考え、「建槃士」と「建築士法」の英文表記を、ローマ字で「KENCHIKUSHI」と「KENCHIKUSHIHOU」で記述せざるを得なかった経験談が記載されている。



APECアーキテクト登録


国土交通省ウェブサイトにおいて、APECアーキテクト・プロジェクトについて「APEC域内における建築職能サービスの提供に関し、2000年5月のAPEC人材養成作業部会において、建築家の移動を促進する仕組みを構築することを目的としてオーストラリアがAPECアーキテクト・プロジェクトを提案し、プロジェクト開始が決定された」旨を記載しており、同省では、日本ではAPECアーキテクト登録のアーキテクトに一級建築士であることを要件とした。



各国の建築士制度


欧州の産業革命により発展した工業技術は明治維新の日本に持ち込まれ、それまで木造が主流であった日本に組石造や鉄筋コンクリート造の建築物が建てられるようになった。


従来の日本では大工の棟梁が設計と施工を統括していたが、欧州では設計と施工の職域が独立していた。
明治維新の先進的な建築では技術の見識を持つ建築家が設計を担当し施工者を指導して目的の性能を持つ建築物を完成させる分業が始まった。


その後は鉄骨造や膜構造など建築の構法が多様化し職域の専門化と分業化が進んでいる。
近年では意匠と構造と設備に独立した統括者を置くなど設計監理業務が組織化し企業化する傾向にある。


建築物の製造者責任と完成後の維持保全についても社会的関心が高まり、資格者である1人の建築士が全ての責任を負うべきか議論が必要になっている。


日本の一級建築士の中には責任ある立場で設計等の業務を行っていない者、土木技術者で取得しているものや構造エンジニアや建築設備技術者、建築施工技術者などまで含まれており、諸外国のアーキテクトとは性質が違うことが指摘されている。この問題について、現に一級建築士事務所の開設者かつ管理建築士である者をもってアーキテクトとするのが妥当であるとの立場では、日本におけるアーキテクトは人口1万人あたり5人程度となり、諸外国のアーキテクト人口比率と同程度の数値となるが、構造設計事務所や建築設備設計事務所の開設者の建築士事務所も、一級建築士の所属する職場、例えば官公庁や自治体建築部局、建設会社設計部所や一級建築士事務所登録をする住宅メーカーや不動産会社なども管理建築士を有する一級建築士事務所である。



日本の建築士制度










































建築士
英名
Architect
実施国
日本の旗 日本
資格種類
国家資格
分野
不動産・建築
試験形式
学科、設計製図
認定団体
国土交通省
等級・称号
一級建築士、二級建築士、木造建築士
根拠法令
建築士法
公式サイト
http://www.mlit.go.jp/

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ウィキポータル ウィキポータル 資格
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年1回行われる建築士試験に合格し、管轄行政庁(国土交通大臣または都道府県知事)から免許を受け、設計・工事監理などを行う。建築士資格の種類により、設計・工事監理できる建築物の規模等に違いがある。近年では建築構造と建築設備の各分野においてそれぞれ構造一級建築士、設備一級建築士の制度を発足させている。


ごく小規模なものを除き、建築物の設計又は工事監理を行うには建築士の免許が必要である。他の多くの資格と違い、この制限は報酬を得なくとも、業としてでなくとも適用され、たとえ本人の住む家であっても例外ではない。これは建築物が多くの人の生活に密接に関わり、場合によっては命を奪う凶器にもなりうることからなされている制限である。医療行為ですら業としてでなければ医師以外の者が行うことを禁止していないことから、建築士の行う設計又は工事監理は大変重い社会的責任の元にあり、公共的性格の強いものであると言える。



種類及び内容


建築士には、一級建築士、二級建築士、木造建築士の3種類があり、その資格により設計・工事監理できる建築物に違いがある。また、いずれかの建築士資格を前提とした資格として管理建築士の資格があり、一級建築士資格を前提とした資格として構造設計一級建築士と設備設計一級建築士の資格がある。



一級建築士

一級建築士は、国土交通大臣の免許を受け、一級建築士の名称を用いて、設計・工事監理等の業務を行うものである(建築士法第2条第2項)。


一級建築士は、次のような設計・工事監理に複雑・高度な技術を要する建築物を含むすべての施設の設計および工事監理を行うことができる(建築士法第3条)。




  1. 学校・病院・劇場・映画館・公会堂・集会場・百貨店の用途に供する建築物で、延べ面積が500 m2を超えるもの


  2. 木造建築物または建築の部分で、高さが13 mまたは軒の高さが9 mを超えるもの


  3. 鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、れん瓦造、コンクリートブロック造もしくは無筋コンクリート造の建築物または建築の部分で、延べ面積が300 m2、高さが13 m、または軒の高さが9 mを超えるもの

  4. 延べ面積が1000 m2を超え且つ階数が2階以上のもの



構造設計一級建築士

一定規模以上の建築物(木造で高さ13 m超又は軒高9 m超、鉄骨造で階数4以上、RC造又はSRC造で高さ20 m超、その他政令で定める建築物)の構造設計については、構造設計一級建築士が自ら設計を行うか、構造設計一級建築士に構造関係規定への適合性の確認を受ける必要がある。構造設計一級建築士は、構造設計事務所に所属又は主宰する例が多くみられる。構造設計一級建築士は、一級建築士として5年以上の構造設計に関わる業務経験を持ち、構造設計一級建築士講習を受講した後、修了考査の合格後に
構造設計一級建築士証の交付を受けたものを言う。



設備設計一級建築士

一定規模以上の建築物(階数3以上かつ5000 m2超の建築物)の設備設計については、設備設計一級建築士が自ら設計を行うか、設備設計一級建築士に設備関係規定への適合性の確認を受ける必要がある。設備設計一級建築士は、設備設計事務所に所属又は主宰する例が多くみられる。設備設計一級建築士は、一級建築士として5年以上の設備設計に関わる業務経験を持ち、設備設計一級建築士講習を受講した後、修了考査の合格後に設備設計一級建築士証の交付を受けたものを言う。尚、一級建築士に加え建築設備士の資格を有する者は、4年以上の設備設計に関わる業務経験が受講資格となる。


上記の二つの建築士は英語圏ではそれぞれStructural Engineer、Equipment Plannerと呼ばれ、アーキテクトに含まれない職種として区別することがある。



二級建築士

二級建築士は、都道府県知事の免許を受けて、二級建築士の名称を用いて、設計・工事監理等の業務を行うものである(建築士法第2条第3項)。具体的には、一定規模以下の木造の建築物、および鉄筋コンクリート造などの建築物の設計、工事監理に従事する。


二級建築士が設計・工事監理のできる限度範囲は、以下のとおりである(当然ながら一級建築士も行うことができる)。




  1. 学校・病院・劇場・映画館・公会堂・集会場・百貨店などの公共建築物は延べ面積が500 m2以下のもの


  2. 木造建築物または建築の部分で高さが13 mまたは軒の高さが9 m以内のもの

  3. 鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、れん瓦造、コンクリートブロック造もしくは無筋コンクリート造の建築物または建築の部分で、延べ面積が30 m2 - 300 m2、高さが13 mまたは軒の高さが9 m以内のもの

  4. 延べ面積が100 m2(木造の建築物にあっては、300 m2)を超え、又は階数が3以上の建築物(ただし、第3条の2第3項に都道府県の条例により規模を別に定めることもできるとする規定がある)。


つまり、木造の住宅や、小規模な鉄筋コンクリート造などの主に日常生活に最低限必要な建物(延べ面積300 m2以内のもの)などの設計及び工事監理が可能である。



木造建築士

木造建築士は、都道府県知事の免許を受け、木造建築士の名称を用いて、木造の建築物に関し、設計、工事監理等の業務を行う者である。


木造の建築物で、延べ面積が100 m2を超えるものを新築する場合においては、一級建築士、二級建築士又は木造建築士でなければ、その設計又は工事監理をしてはならない。
つまり、木造建築士は、木造建築物で延べ面積が300 m2以内、かつ2階以下のものを設計・工事監理ができる。



管理建築士

管理建築士とは、建築士事務所を管理する建築士であり、その建築士事務所の業務に係る技術的事項を総括する者とされる。専任性が求められるため、複数の建築士事務所の管理建築士を兼ねることはできない。


現行法では、管理建築士は建築士事務所の開設者、経営者である必要はない。このため、無資格者であっても、建築士を管理建築士として雇用することで、建築士事務所を開設し経営することができてしまう。これにより、建築士としての職業倫理や技術的な判断力を持たない者が雇用主となり、会社経営を優先した指示を出してしまう恐れがあるとして、建築主の利益と公共の利益を重視すべき建築士の職務遂行に支障をきたす可能性が指摘されている。


2008年の建築士法改正により、建築士として3年以上の実務経験を経た後、管理建築士講習を受け修了考査に合格した者だけが管理建築士となることができる。



専攻建築士



建築士の定期講習制度

2010年11月28日に施行された建築士法の第22条、第22条の2には、建築士事務所に所属している建築士は3年以上5年以内において国土交通省令で定める期間ごとに、一度、定期講習を受ける義務があると定められている。なお、建築士法施行規則において、この期間は、3年以内と定められている[4]



その他

一級建築士、二級建築士、木造建築士が設計するもの以外の小規模な建物は建築士の資格がない者でも設計できるが、建築確認申請は必要であり、添付する設計図書等の作成を代理できるのは建築士と行政書士に限られる。



  • 木造建築物で延べ面積が100 m2以内、かつ2階以下のもの

  • 鉄筋コンクリート造、鉄骨造、石造、れん瓦造、コンクリートブロック造もしくは無筋コンクリート造の建築物または建築の部分で、延べ面積が30 m2以下、2階以下で、高さが13 mまたは軒の高さが9 m以内のもの


なお、防火地域及び準防火地域外における10 m2以内の増築については、建築確認申請も不要となるが、建築基準関係規定への適合は必要であり、違反建築物には取り壊し命令が出される場合もある。



関連業務



行政手続き等

建築士は一定規模以上の「設計」及び「工事監理」ができるとともに、建築士法第21条によって「建築に関する法令若しくは条例の規定に基づく手続の代理その他の業務」が定められており、建築士は「建築に関する」ものである限り広範な業務を行うことができる。主な行政先例は下記の通り。




  • 開発許可制度

    • 都市計画法に基づく開発行為において、一ヘクタール以上の開発行為の場合は、設計者の資格を都市計画法施行規則第19条で一級建築士等に定めているが、一ヘクタール未満の開発行為に係る許可申請書は一級建築士、二級建築士及び行政書士が作成できる。(昭和53年2月13日 自治省行政課決定)なお、この決定以降に木造建築士が創設され、木造建築士も作成できる。

    • 開発行為に係る設計の設計に係る設計図書(図面及び仕様書)で、国土交通省令で定める資格を有する者の作成したものでなければならない(法第31条)としており、資格を有する者のうち、一級建築士の場合で宅地開発に関する技術に関して実務経験2年以上の者等が該当する。




  • 宅地造成
    • 宅地造成等規制法(第9条第2項、宅地造成等規制法施行令第18条第5号・第18条第1号から第4号までに掲げる者と同等以上の知識及び経験を有する者-S37.3.29建設省告示第1005号)より、宅地造成工事の技術的規準(擁壁、排水施設)の設計者



  • 農地転用
    • 建築士は関連業務として、農地転用許可申請ができる。(平成5年3月17日 茨城県土木部都市局建築指導課照会 建設省住宅局建築指導課回答)



  • 住宅金融公庫
    • 住宅金融公庫法に基づく住宅融資申請手続及び現場審査申請等一連の手続は、建築士法第21条に規定する建築に関する手続の代理その他の業務に該当する。(昭和57年7月13日建指発9号 青森県土木部長宛 建設省住宅局建築指導課長回答)



  • 工作物
    • 建築士法上、工作物(建築基準法第2条第1号に規定する建築物に該当する工作物を除く)に係る確認申請については、建築士法第21条の建築に関する手続きの代理その他の業務に該当する。(昭和53年4月7日建第20号 静岡県行政書士会会長宛 静岡県都市住宅部建築課長回答)


  • 定期検査・定期点検
    • 一級建築士・二級建築士は、昇降機等検査員の資格によらずとも定期検査・定期点検ができるため, 一級建築士及び二級建築士の資格で受講した者は11を受けることができないので、これらに対しては修了証明書は発行されず、代わりに聴講証書が発行される。建築設備の点検を定期的に行うこととなっている特定建築物調査員や建築設備検査員のように、一級建築士・二級建築士も定期検査・定期点検を行うことができる。



  • 位置指定道路
    • 業として道路位置の指定の申請代理人になることは、建築士法第23条による建築士事務所の登録を受けた者並びに行政書士法第6条の登録を受けた者にそれぞれ認められています。なお、現在、県の基準として関係各土木事務所に配布している「道路位置の指定の取扱い要領」では、申請代理人及び図面作成者は原則として建築士法第23条の登録を受けた者としています。これは、道路位置の指定が一種の開発行為であり、都市計画法に基づく宅地開発、建築基準法に基づく道路位置指定に関する諸基準並びに関係法令の内容に精通していることが望ましいことを考慮したものです。要件を満した適正な図面が作成されるのであれば、申請代理人が建築士でないことを理由に申請書の受理を拒否することはありません。(昭和57年5月28日広第172号 県政モニター(行政書士)安田康一宛 茨城県企画部長回答)




技術者等として従事できる場合

設計・工事監理としての色が強い建築士だが、他の法律で定める技術者等として従事することもできる。




  • 建設業法(業種は多岐にわたるため記載省略)

    • 一級建築士、二級建築士、木造建築士は、一般建設業における「専任技術者」となることができる。

    • 一級建築士は、特定建設業における「専任技術者」となることができる。

    • 一級建築士、二級建築士、木造建築士は、小規模工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどる「主任技術者」となることができる。

    • 一級建築士は、監理技術者講習を受講することで、大規模工事現場における建設工事の施工の技術上の管理をつかさどる「監理技術者」となることができる。




  • 消防法

    • 一級建築士は、防火管理について1年以上の実務経験を有することで、防火管理上必要な業務を行う「防火管理者」となることができる。

    • 一級建築士は、登録検定機関が行う特殊消防用設備等の性能に関する評価を行うことができる。

    • 一級建築士、二級建築士は、設計、工事監理、指導監督について5年以上の実務経験を有し、かつ講習を修了することで、「防火対象物点検資格者」となることができる。

    • 一級建築士、二級建築士は、講習の課程を修了することで、「消防設備点検資格者」となることができる。




  • 建設工事に係る資材の再資源化等に関する法律(建設リサイクル法)
    • 一級建築士は、解体工事の技術上の管理をつかさどる「技術管理者」となることができる。



  • 建築物における衛生的環境の確保に関する法律(建築物衛生法)
    • 一級建築士は、講習会の課程を修了することで、特定建築物の維持管理が環境衛生上適正に行なわれるように監督する「建築物環境衛生管理技術者」となることができる。



  • 都市計画法
    • 一級建築士は、開発許可申請における「設計者」となることができる。



  • 建築基準法
    • 一級建築士、二級建築士は、特殊建築物等の「調査者」となることができる。


  • 官公庁施設の建設等に関する法律
    • 一級建築士、二級建築士は、国家機関の建築物の「点検者」となることができる。



  • 労働安全衛生法
    • 一級建築士は、労働災害の防止を図るための「計画作成者」となることができる。



  • エネルギーの使用の合理化等に関する法律(省エネ法)
    • 一級建築士は、登録建物調査機関の行う建築物調査の「調査員」となることができる。



  • マンションの管理の適正化の推進に関する法律(マンション管理適正化法)
    • 一級建築士は、マンション管理士又は管理業務主任者の登録実務講習における「マンションの建物及び付属設備の維持又は修繕に関する企画又は実施の調整に関する科目」の「講師」となることができる。



  • 住宅の品質確保の促進等に関する法律

    • 一級建築士、二級建築士、木造建築士は、講習を修了することで、登録住宅性能評価機関の「評価員」となることができる。

    • 一級建築士は、評価員として3年以上の実務経験を有することで、登録住宅性能評価機関の評価員となるために必要な講習における「住宅性能評価に関する実務に関する科目」の「講師」となることができる。

    • 一級建築士は、評価員として5年以上の実務経験を有することで、登録住宅型式性能認定等機関の「認定員」となることができる。



  • 地震対策推進条例
    • 一級建築士、二級建築士、木造建築士は、養成講習を受講することにより、大地震により被災した建築物を調査する「応急危険度判定士」となることができる。


  • 公共事業の前払金保証事案に関する法律(第3条、第4条及び第19条第3号)および建設コンサルタント登録規程(S52.4.15建設省告示第717号)第3条第1号ロ 別表


    • 建設コンサルタント登録(都市及び地方計画)により、国土交通省に部門登録をする場合の専任技術管理者。技術士の他は一級建築士が該当。一級取得後、都市及び地方計画に関しての実務経験5年以上の者を条件としている

    • 建設コンサルタント業務等の管理技術者等要件で建設コンサルタントとして国土交通省に部門登録をする場合の専任技術管理者と共通で、法による登録を受けている者は、建設コンサルタント委託業務等の管理技術者と照査技術者となることができる。





建築士が対象となる職




  • 建築主事 - 建築確認や建築工事完了検査などを行う地方公共団体の職員。改正前の建築基準法においては一級建築士資格を持たなくても一定の行政経験があれば旧建築主事試験は受験でき、そして旧建築主事試験に合格し、建築主事の資格は得ることができた。改正後は一級建築士試験に合格し、国土交通省の建築基準適合判定資格者検定に合格した者のなかから、市町村長あるいは都道府県知事が任命する。現行の建築基準法においては、一級建築士資格の試験合格または所持が、建築基準適合判定資格者検定の受験資格の前提条件となっている。

  • APECエンジニア - 建設関連ではCivil Engineering(土木)とStructural Engineering(構造)の2分野があり、日本において構造のAPECエンジニアで登録がなされるものに対応する国内の資格者として、技術士の他に構造エンジニアの一級建築士が挙げられている。



資格試験での免除




  • 弁理士
    • 一級建築士は、論文式筆記試験の選択科目「理工I(工学)」が免除される。



  • 土地家屋調査士
    • 一級建築士、二級建築士は、土地及び家屋の調査及び測量に関する平面測量及び作図の筆記試験が免除される。



  • 建築施工管理技士
    • 一級建築士は、1級建築施工管理技士又は2級建築施工管理技士の学科試験が免除される。



  • 技能士
    • 一級建築士、二級建築士又は木造建築士は、1級建築大工技能士、2級建築大工技能士、3級建築大工技能士又は枠組壁建築技能士の学科試験が免除される。また、一級建築士、二級建築士は、1級ブロック建築技能士又は2級ブロック建築技能士の学科試験が免除される。



  • 職業訓練指導員
    • 一級建築士は、職業訓練指導員(建築科)、職業訓練指導員(枠組壁建築科)、職業訓練指導員(ブロック建築科)、職業訓練指導員(防水科)又は職業訓練指導員(プレハブ建築科)の系基礎学科及び専攻学科の試験が免除される。



  • 外壁診断士
    • 住宅建設に関わる経験を5年間以上有していることのほか、一級建築士、二級建築士、木造建築士の資格を有することとしている



  • 建築積算士
    • 建築士法による一級建築士、二級建築士及び木造建築士は一次試験は以下の者は免除される。



  • 損害保険登録鑑定人
    • 科目では「建築」は一級建築士または二級建築士は免除




建築士試験


試験は年1回行われ、「学科の試験」と「設計製図の試験」に分かれている。「設計製図の試験」は「学科の試験」に合格しなければ受験することができず、前年度又は前々年度に「学科の試験」に合格した者は当該年度の「学科の試験」が免除される。


一級建築士試験では、複雑高度な技術を要する建築物の設計及び工事監理や、二級建築士、木造建築士の指導に携わるのに必要な知識、技術、職業倫理が問われる。


二級建築士試験、木造建築士試験では、個人住宅など日常生活に必要な建築物の設計及び工事監理に必要な知識、技術、職業倫理が問われる。


出題される問題は、建築技術教育普及センターから委任を受けた大学教授らの有識者グループが作成する。作成者には資格の有無は問われない[5]



建築士受験に際しての資格取得予備校なども存在する。




受験資格

2008年11月28日改正の建築士法以前は、所定の学校や職業訓練施設の課程を修めて卒業後、所定の実務経験を積むことで建築士試験の受験資格が得られる方式であった。


2008年度(平成20年度)以前の入学者に適用される(旧)学歴要件について、一級建築士の場合、条件区分と建築に関する最終卒業学校の学科・課程と学歴資格、建築実務の経験年数は、(一)に大学 -旧制大学含む)の場合、建築または土木系学科卒業後建築実務の経験年数2年以上
、(二)に3年制短期大学 -夜間部を除く)の場合、建築または土木系学科卒業後建築実務の経験年数3年以上
、(三)に2年制短期大学の場合、建築または土木系学科卒業後建築実務の経験年数4年以上で
、高等専門学校 -旧制専門学校を含む)の場合、建築または土木系学科建築実務の経験年数卒業後4年以上
、(四)に二級建築士の場合、二級建築士として建築実務の経験年数4年以上
である。


この他に
、(五)その他国土交通大臣が特に認める者(平成20年国土交通省告知第745号ほか)では
、建築設備士が整備士として建築実務の経験年数4年以上
、そのほかは所定の年数以上
としている。


二級建築士の場合、条件区分と建築に関する最終卒業学校の学科・課程と学歴・資格、建築実務の経験年数は
、(一)に大学(旧制大学含む)または高等専門学校(旧制専門学校を含む)卒業者では
、建築系学科卒業後は即受験可能であるが、土木系学科は卒業後の建築実務の経験年数1年以上
、(二)に高等学校 -旧制中等学校を含む)建築または土木系学科卒業後の建築実務の経験年数3年以上
である。


この他に
、(三)にその他国土交通大臣が特に認める者(「知事が定める建築士法第15条三号に該当する者の基準」に適合する者は所定の年数以上で学校教育法による学校卒業者ごとに細かく建築実務の必要経験年数の設定がなされている[6]


建築士法の改正に伴い、2009年度入学の学生からは、同じ学校の同じ学科や職業訓練施設の課程を卒業したとしても、指定科目の履修状況と単位の取得状況によりそれぞれ必要な建築実務の経験年数が異なることとなった。


具体的には、四年制大学、防衛大学校、職業能力開発総合大学校長期課程又は職業能力開発総合大学校東京校応用課程の卒業者、、高等専門学校(本科と専攻科)、職業能力開発大学校(応用課程の卒業者)、専修学校(修業年限が4年であるもの)で単位数により卒業後2年以上から4年以上、短期大学(修業年限が3年であるもの)で単位数により卒業後3年以上から4年以上、短期大学、高等専門学校(本科)、職業能力開発総合大学校(専門課程のみの卒業者)、職業能力開発大学校(専門課程のみの卒業者)、職業能力開発短期大学校で卒業後4年以上の実務経験が必要と定められた。


指定科目の分類別必要単位数




























































































分類 4年制教育課程 3年制教育課程 2年制教育課程
(1)建築設計製図
7単位以上
7単位以上
7単位以上
(2)建築計画
7単位以上
7単位以上
7単位以上
(3)建築環境工学
2単位以上
2単位以上
2単位以上
(4)建築設備
2単位以上
2単位以上
2単位以上
(5)構造力学
4単位以上
4単位以上
4単位以上
(6)建築一般構造
3単位以上
3単位以上
3単位以上
(7)建築材料
2単位以上
2単位以上
2単位以上
(8)建築生産
2単位以上
2単位以上
2単位以上
(9)建築法規
1単位以上
1単位以上
1単位以上
(1)から(9)の計(a)
30単位以上
30単位以上
30単位以上
(10)その他(b)
適宣
適宣
適宣
(a)+(b)
60単位以上
50単位以上
40単位以上
50単位以上
40単位以上
40単位以上
建築実務の経験年数
卒業後2年以上
卒業後3年以上
卒業後4年以上
卒業後3年以上
卒業後4年以上
卒業後4年以上

なお、二級建築士及び木造建築士については前述の学校等で指定単位を取得して卒業すればより少ない実務経験年数で受験でき、高等学校、中等教育学校で指定単位を取得して卒業することでも必要実務経験年数の短縮が可能である。また、これまでは認定された大学・学科側で建築士法に掲げられた内容の科目を設置して講義を開講し、
都道府県の担当者が受験資格要件を満たす学科であるかどうか審査し認証していたが、今後は、審査については建築技術教育普及センターの建築士試験指定科目確認審査委員会により、科目審査に当たる。これとともに、大学側については、学生の単位取得状況をひとりひとり確認し、建築士試験の指定科目修得単位証明書を発行するというシステムに変更された。


さらに、建築士試験受験資格における実務経験としてこれまで認められていた大学院課程については、今回の改正によって、在学期間中に一定の実務実習(インターン)を積むことを条件とすることとなった。これを受けて、建築実務の各方面において大学院生に実務実習の機会を与える必要が生じている。



建築の専門教育を受けていない者の場合、二級建築士又は木造建築士の受験資格を得るには7年以上の実務経験が必要である。更に一級建築士の受験資格を得るには、二級建築士になった後4年以上の実務経験が必要である。このため、一級建築士試験の受験資格を得るためには合計11年もの実務経験が必要ということになる。


実際には、二級建築士試験の受験申込から合格し免許が与えられるまでの期間もあるため、二級建築士試験に一度の受験で合格したとしても、最短で12年の期間がなければ実務経験のみで受験資格を得ることはできない。それを避けるため、一級建築士になろうとする者の多くは、大学、専門学校などで専門的な建築学の教育を受け、その程度に応じた実務経験期間の短縮を利用している。しかし最大限に短縮されたとしても、必要な教育及び実務経験の合計が6年を下回ることはない。


実務要件についても、下記の通り定められている。



















平成20年11月28日以降の実務経験要件
「建築実務の経験」として認められるもの
◎設計・工事監理に必要な知識・能力を得られる実務
(1)建築物の設計(建築士法第21条に規定する設計をいう。)に関する実務
(2)建築物の工事監理に関する実務
(3)建築工事の指導監督に関する実務
(4)次に掲げる工事の施工の技術上の管理に関する実務
イ 建築一式工事(建設業法別表第一に掲げる建築一式工事をいう。)
ロ 大工工事(建設業法別表第一に掲げる大工工事をいう。)
ハ 建築設備(建築基準法第2条第三号に規定する建築設備をいう。)の設置工事
(5)建築基準法第18条の3第1項に規定する確認審査等に関する実務
(6)消防長又は消防署長が建築基準法第93条第1項の規定によって同意を求められた場合に行う審査に関する実務
(7)建築物の耐震診断(建築物の耐震改修の促進に関する法律第2条第1項に規定する耐震診断をいう。)に関する実務
(8)大学院の課程(建築に関するものに限る。)において、建築物の設計又は工事監理に係る実践的な能力を培うことを目的として建築士事務所等で行う実務実習(インターンシップ)及びインターンシップに関連して必要となる科目の単位を所定の単位数(30単位以上又は15単位以上)修得した場合に実務の経験とみなされる2年又は1年の実務
※1 建築士等の補助として当該実務に携わるものを含む。
※2「建築実務の経験」には、単なる写図工若しくは労務者としての経験又は単なる庶務、会計その他これらに類する事務に関する経験は含まない。
一部が「建築実務の経験」として認められるもの
一部の期間「建築実務の経験」と認められない業務を含んでいる場合(認められない業務の期間を除いた期間とする。)
「建築実務の経験」として認められないもの
「建築実務の経験」として認められるもの以外の業務
(1)単なる建築労務者としての実務(土工、設計事務所で写図のみに従事していた場合等)
(2)昼間の学校在学期間(中退者の在学期間を含む。)


合格率

おおむね一級建築士試験は10%程度、二級建築士試験は20%程度、木造建築士試験は40%程度となっている。なお、受験資格が厳しく設定されているため、単純に合格率から難易度を判断することはできない。例えば一級建築士試験の合格率は二級建築士試験の約半分であるが、単純に約2倍難しいだけかと言えばそうではなく、一級建築士試験の受験者が既に二級建築士試験合格者のレベルにあることを考慮する必要がある。かといって、二級建築士レベルの受験者が約10%しか合格できない試験であれば一級建築士試験のほうが約10倍難しいかと言えばそうとも言い切れず、製図試験が全く異なった内容であることも影響するため、単純な数値としての判断はできない。


建築士試験合格率



















































































































































































































































































































































































































年度 一級建築士 二級建築士 木造建築士
学科 製図 総合 学科 製図 総合 学科 製図 総合

2017年(平成29年)
18.7%
37.7%
10.8%
36.6%
53.2%
24.3%
48.1%
76.0%
40.1%

2016年(平成28年)
16.1%
42.4%
12.0%
42.3%
53.1%
25.4%
61.4%
56.4%
35.5%

2015年(平成27年)
18.6% 40.5% 12.4% 30.1% 54.0% 21.5% 54.7% 50.5% 27.3%

2014年(平成26年)
18.3% 40.4% 12.6% 37.9% 55.3% 24.3% 52.6% 71.9% 40.0%

2013年(平成25年)
19.0% 40.8% 12.7% 28.3% 53.0% 19.5% 47.5% 58.6% 28.7%

2012年(平成24年)
18.2% 41.7% 12.4% 33.0% 52.5% 23.1% 47.3% 68.8% 33.2%

2011年(平成23年)
15.7% 40.7% 11.7% 38.2% 52.6% 24.8% 52.7% 63.8% 35.1%

2010年(平成22年)
15.1% 41.8% 10.3% 39.4% 52.1% 24.3% 61.6% 62.3% 37.0%

2009年(平成21年)
19.6% 41.2% 11.0% 32.9% 53.0% 22.8% 55.1% 62.9% 33.7%

2008年(平成20年)
15.1% 41.7% 8.1% 37.5% 52.0% 22.4% 60.9% 68.1% 40.3%

2007年(平成19年)
11.3% 49.4% 8.0% 31.9% 50.9% 19.7% 56.4% 78.9% 44.6%

2006年(平成18年)
10.0% 31.4% 7.4% 37.3% 55.8% 25.4% 75.6% 49.0% 32.6%

2005年(平成17年)
25.0% 30.3% 11.1% 33.2% 54.5% 23.3% 74.5% 74.4% 53.6%

2004年(平成16年)
25.2% 33.5% 10.5% 43.9% 55.9% 27.6% 69.9% 76.6% 52.6%

2003年(平成15年)
14.5% 40.3% 8.1% 42.2% 55.5% 26.5% 71.7% 66.6% 46.2%

2002年(平成14年)
10.6% 36.6% 6.4% 32.0% 56.1% 23.2% 58.1% 79.3% 44.4%

2001年(平成13年)
12.7% 33.0% 6.9% 37.0% 54.5% 24.7% 53.3% 58.0% 30.2%

2000年(平成12年)
18.3% 44.3% 11.4% 36.4% 55.5% 24.1% 55.7% 68.7% 38.0%

1999年(平成11年)
18.1% 45.6% 11.7% 35.1% 56.6% 24.3% 70.3% 67.9% 45.3%

1998年(平成10年)
18.6% 46.3% 11.6% 35.9% 56.9% 24.7% 70.4% 64.0% 40.2%

1997年(平成9年)
18.0% 47.6% 11.7% 35.7% 57.1% 24.7% 70.3% 71.5% 48.0%

1996年(平成8年)
17.8% 47.0% 11.9% 35.8% 54.8% 23.7% 69.9% 73.3% 47.2%

1995年(平成7年)
19.0% 47.0% 11.9% 35.3% 53.6% 22.9%

1994年(平成6年)
17.9% 49.9% 12.1% 35.4% 53.9% 22.9%

1993年(平成5年)
17.5% 48.8% 12.0% 36.0% 54.9% 23.7%

1992年(平成4年)
19.1% 47.3% 12.4% 36.1% 52.6% 22.9%

1991年(平成3年)
19.2% 47.5% 12.4%

1990年(平成2年)
18.6% 47.7% 12.2%

1989年(平成元年)
18.1% 48.0% 11.8%

1988年(昭和63年)
18.5% 48.5% 12.3%

1987年(昭和62年)
18.3% 49.1% 12.3%

1986年(昭和61年)
17.4% 49.7% 12.1%


その他


建築士法は1950年(昭和25年)7月より施行されたが、一級建築士及び二級建築士に関する規定の施行は1951年(昭和26年)7月とされた(法附則第1項)。法施行以前から建築士の業務を行っていた者については、一級建築士については建設大臣、二級建築士については都道府県知事により、それまでの学歴及び実務経験による選考が行われ(法附則第2項、第3項)、23,000人の一級建築士と38,000人の二級建築士が合格とされた[7]


建築士に関する逸話として、しばしば「(一級)建築士第1号は田中角栄(元首相)だ」といわれることがあるが、これは誤りである。田中が、「建築士法を議員立法として引き受け成立させた功で一級建築士資格をもらった」との邪推からくる誤解といっていい。確かに田中は、彼自身最初の議員立法として同法の提案者となり、法制定後、「(自分も)一級建築士にしておいてくれ」と秘書を通じて語ったとされる。しかしながら、田中の実務経験は土木が中心だったため、当時の建設省担当者たちが苦心して建築の経験を拾い上げて資格を授与させた、というのが正しい。それでも、選考の途中では田中を第1号とする方向で進められたこともあったらしいが、最終的には極めて事務的に決められ(当時の選考担当者の証言)、山形県在住者の渋江菊蔵が第1号となった。ただし、同法の成立を実質的に牽引した、時の建設省建築指導課長・内藤亮一すら、のちに「田中角栄が一級建築士第1号」と語っており、そのせいで誤解が定着してしまった可能性がある[7]。なお、田中の実際の番号は第16,989号である[8]


丹下健三など戦前より活躍した著名な設計者が一級建築士資格を持たなかったといわれることもあるが、これもおおよそ誤りで、丹下のように法制定時すでに建築に関する実務経験を有していた者たちは、たいてい試験を経ることなく選考によって資格を得ている(丹下の登録番号は15,182)[7]


「法制定当時は級別でなく単一資格だった」との誤解もあるようだが[誰によって?]、これも誤りで、法の構想当初より、日本の場合には西洋とは異なり一般住宅の設計・工事監理に資格認定された技術者の関与が必要という考えから、何らかの級別の資格とする前提で構想が着手され、法制定時にも一級建築士・二級建築士という名称で定められている[9]



アメリカの建築士制度


アメリカ合衆国は連邦共和制の国であり、Architect(建築士)についての法律も各州毎に規定されている。しかし各州で共通する部分も多く、法律上の資格者以外がArchitectを名乗ったり、設計や工事監理等の建築業務を行うことは禁止されている。




アメリカ建築家協会(AIA)


法律上の資格者となるには、全米建築士登録委員会協議会(National Council of Architectural Registration Boards、NCARB)の実施する建築士試験に合格し登録を受ける必要があり、受験資格として基本的には専門教育と実務経験の双方とも要求されるが、州によっては専門教育を受けずとも8年間程度の実務経験を積むことによって受験が許可されるようになる場合もある。
建築家の加盟する組織としてアメリカ建築家協会(American Institute of Architects、AIA)があるが、日本の建築士会と同様に加入義務はない。



中国の建築士制度


中国では注冊建築師条例によって定められ、全国注冊建築師管理委員会の行う一級注冊建築師試験に合格することで一級注冊建築師になることができる。1995年に改正された比較的新しい制度となっており、試験は8科目で構成され、4日間かけて行われる。下位資格として二級注冊建築師がある。



台湾の建築士制度


台湾では建築師法によって定められ、考選部の実施する建築師高等考試に合格し内政部から免許の交付を受けることで建築師となる。建築師資格取得後、2年以上の実務経験を積み建築師開業証明書を取得することで、開業建築師となることができる。2000年に法改正がされており、最も新しい部類の制度となっている。



韓国の建築士制度


韓国の建築士制度は、国土海洋部が主管する「建築士法」に基づいている。過去には一級建築士と二級建築士に分かれていた時代があったが、1977年以降は「建築士」のみとなっている。建築士となるためには建築士資格試験に合格する必要があり、その前提として建築士予備試験に合格する等の方法で建築士補となる必要がある。また、建築士の加盟する組織として建築士法に基づいて大韓建築士会が設立されている。



インドネシアの建築士制度


インドネシアでは、建設サービス法により建築士資格が定められている。Arsitek(建築士)となるには、まず建築分野の学位を取得し最低2年の実務経験及びその他の条件を満たすことで初級建築士の資格を得る。次に、専門性向上のため最低2種のコースを受講するとともに最低5年の実務経験及びその他の条件を満たすことで準建築士の資格を得る。更に、専門性向上のため最低4種のコースを受講するとともに最低12年の実務経験及びその他の条件を満たすことで建築士(Arsitek)の資格を得ることができる。




王立英国建築家協会(RIBA)



イギリスの建築士制度


イギリスでは、1931年に制定され1997年に改正されたArchitects Act(建築士法)によりArchitects Registration Board(建築士登録委員会)が定められ、ARBに登録することで法律上の資格者となり、Architect(建築士)の名称を使用することができる。しかし業務の独占は定められていないため、Architect以外の者でも設計、工事監理等の業務を行うことができる。建築家の所属する組織として王立英国建築家協会(Royal Institute of British Architects、RIBA)があるが、日本の建築士会と同様に加入義務はない。



フランスの建築士制度


フランスでは、1977年の建築法で名称の独占と業務の独占が定められている。国立建築学校等の学位を得ることで、法律上の資格者となりArchitecte(建築士)を名乗ることができるが、175平米を超える建築設計業務を行うためには建築士会の地方評議会に登録する必要がある。建築家ジャン・プルーヴェは資格を持たず、そのためか自らをarchitecteではなくconstructeurと呼んでいる。




製図台で製図するドイツの建築士



ドイツの建築士制度


ドイツでは、連邦法によってではなく各州ごとの建築士法によってArchitekt(建築士)の登録制度を定めているが、全ての州に共通して、法律上の資格者以外がArchitektを名乗ることは禁止されている。各州には建築士法に基づいて建築家会議所(Architektenkammer)が設立され、各州の会議所を統括する組織として連邦建築会議所(Bundesarchitektenkammer、BAK)が設立されている。



イタリアの建築士制度


イタリアでは、5年間の建築専門教育を修了することで建築学博士となることができる。Architetto(建築士)となって設計等の業務を行うためには、国家試験に合格するとともに、イタリア建築士会(ALA-Assoarchitetti)に加入しなければならないが、実務経験は要求されない。



社会的責任


コストコ#東日本大震災に伴う崩落事故、懈怠 (法学)#建築士法等、建築物の設計及び工事監理は公共の安全に重大な影響をもたらすため、建築士の社会的責任は大きい。
日本においては2005年に発覚した建造物の構造計算書を偽造する事件が、建築士の社会的信用を傷つける事件であった。


事件後調査において、他の構造偽装例は僅かであったが、下請設計者において本来一級建築士のみ可能な規模の建築物の構造設計を二級建築士が行っていたり、建築設備の設計を設計資格者ではない建築設備士、技術士等が建築士事務所登録を受けずに下請けとして請負っていた事が判明した。



これら無資格者への設計委託を厳格に禁止する為、「再委託規制」「重要事項説明義務」「構造設計一級建築士」「設備設計一級建築士」が新たに設けられ、不用意な資格者以外への設計業務委託が行われないよう厳しく管理することが建築士に義務付けられた。この問題に関しては、そもそも建築確認検査業務を民間に開放したのが間違いとして、国の責任を問う意見も多かった。



2007年には大手ハウスメーカーが事業主で横浜市西区に建築計画していた9階建マンションの構造計算書が、マンション設計を担当した建築設計事務所から受注した構造設計事務所から下請けとして担当した一級建築士に偽造されていたことが横浜市の調査などで発覚。他の共同住宅や公共建築にも関与していた疑いがもたれた。


2008年にはハウスメーカーに所属していた同社社員が静岡県浜松市内の戸建住宅やアパートなど10棟について市長印付の公文書書類を偽造して確認申請書に添付、このうち3棟については建築確認もなしに着工、このため有印公文書偽造・同行使容疑で逮捕され、国土交通省は2009年4月9日付で同社の管理建築士に建築士としての業務停止と、工事監理者に業務停止3月の懲戒処分を下している。


このように、建築士法第23条の二(登録の申請)において、建築士事務所の登録をする際、開設者と管理建築士を届け出るが、管理建築士・設計者・工事監理者といった建築士資格者が厳格に処罰される一方、建築士事務所の開設者・経営者が無資格者である場合は、実質的な主導者であっても責任が曖昧にされることが多い。



建築に関する賞



下記の4賞が世界的に最も良く知られている。




  • RIBAゴールドメダル(Royal Gold Medal)
    • 王立英国建築士会(Royal Institute of British Architects)から贈られる。1848年に始まり150年を超える歴史を持つ。



  • AIAゴールドメダル(AIA Gold Medal)
    • アメリカ建築士会(American Institute of Architects)から贈られる。1907年に始まり100年を超える歴史を持つ。



  • プリツカー賞(Pritzker Architecture Prize)
    • ハイアット財団(The Hyatt Foundation)から贈られる。1979年に始まった比較的新しい賞ではあるものの、建築界のノーベル賞に例えられることもある。



  • 高松宮殿下記念世界文化賞(Praemium Imperiale)建築部門

    • 日本美術協会(Japan Art Association)から贈られる。高松宮宣仁親王の「世界の文化芸術の普及向上に広く寄与したい」という遺志を継ぎ、ノーベル賞の文化芸術分野を補完する賞として1988年に創設された。



日本国内の建築については、日本建築学会から贈られる日本建築学会賞と、吉岡文庫育英会から贈られる吉岡賞が知られている。



建築士に関する日本の団体




  • 日本建築士会連合会
    • 各都道府県、建築士会(士会)



  • 日本建築士事務所協会連合会
    • 各都道府県、建築士事務所協会(事務所協会)




建築士が登場する作品



  • 冬こそ獣は走る

  • ぼくのおばあちゃん

  • 最高の恋人

  • 未来予想図 〜ア・イ・シ・テ・ルのサイン〜


  • 花王ファミリースペシャル スニーカーレディは一級建築士

  • シルバーレイン

  • ラストプレゼント 娘と生きる最後の夏

  • 風水学園

  • パパとなっちゃん

  • みんなのいえ

  • のどかnobody

  • イマジン (漫画)

  • 大改造!!劇的ビフォーアフター

  • 天うらら

  • 恋するマドリ

  • 大阪豆ゴハン

  • 恋仲

  • りびんぐゲーム



脚注




  1. ^ Douglas Harper. “Online Etymology Dictionary”. Ohio University. 2013年1月16日閲覧。


  2. ^ “日本法令外国語訳データベースシステム”. 法務省. 2013年1月16日閲覧。


  3. ^ “公益財団法人建築技術教育普及センター”. 2013年1月16日閲覧。


  4. ^ 新しい建築士制度について 一般社団法人 新・建築士制度普及協会、2016年10月10日閲覧


  5. ^ 森博嗣 『森博嗣の浮遊研究室』 メディアファクトリー、2003年3月。ISBN 4-8401-0750-5。


  6. ^ “建築士(制度全般)”. 建築技術普及センター. 2018年5月23日閲覧。

  7. ^ abc清水清孝「還暦を迎える建築士法 第10回:誰を建築士とするか (PDF) 」 、『建築士』、日本建築士連合会、2010年8月


  8. ^ 早野透 『田中角栄 戦後日本の悲しき自画像』 中央公論新社〈中公新書〉、2012年10月、144頁。ISBN 978-4-1210-2186-1。


  9. ^ “参議院建設委員会”. 19. 第7回国会. (1950年4月19日). http://kokkai.ndl.go.jp/SENTAKU/sangiin/007/0120/00704190120019c.html 



関連項目



  • アーキテクト

  • サーベイヤー

  • 積算士

  • 設計

  • 工事監理

  • 建築コンサルタント

  • 建築確認申請

  • 開発許可制度

  • 農地転用

  • 位置指定道路

  • 建築検定



採用関連




  • 東京消防庁消防官 - 専門系採用選考で資格・経歴評定の対象となる資格


  • 予備自衛官補 - 陸上自衛隊予備自衛官補(技能公募)で、建設分野は一級又は二級建築士、測量士、測量士補、1級又は2級建設機械施工技士を公募


  • 技術曹 - 資格者を定期的に募集している。



外部リンク




  • 建築士法 - e-Gov法令検索

  • 公益社団法人日本建築士会連合会

  • 一般社団法人日本建築士事務所協会連合会

  • 公益財団法人建築技術教育普及センター






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