ハーケンクロイツ
この記事には複数の問題があります。改善やノートページでの議論にご協力ください。
|
| この項目には、一部のコンピュータや閲覧ソフトで表示できない文字(簡体字、ルーン文字)が含まれています。 |
| ナチズム |
|---|
党組織 国家社会主義ドイツ労働者党 指導者 突撃隊 親衛隊 大管区 大管区指導者 武装親衛隊 親衛隊階級 ヒトラーユーゲント |
歴史 ナチス・ドイツ ミュンヘン一揆 バンベルク会議 全権委任法 権力掌握 長いナイフの夜 ニュルンベルク法 オーストリア併合 T4作戦 水晶の夜 第二次世界大戦 独ソ戦 ヒトラー暗殺計画 ホロコースト 非ナチ化 |
用語 国家社会主義 25カ条綱領 指導者原理 強制的同一化 民族共同体 支配人種(en) 劣等人種(en) 血と土 第三帝国 |
書籍・新聞 我が闘争 二十世紀の神話 フェルキッシャー・ベオバハター シュテュルマー |
関連項目 ファシズム ムッソリーニ ハーケンクロイツ ナチス式敬礼 ジークハイル ナチ党党大会 ナチス左派 旗を高く掲げよ 宗教的側面(en) 積極的キリスト教 強制収容所 ヴァンゼー会議 生存圏 新秩序 レーベンスボルン プロパガンダ 日独伊三国軍事同盟 退廃芸術 ハウスホーファー 北方人種 トゥーレ協会 反ユダヤ主義 ドイツ系アメリカ人協会 ネオナチ 第四帝国 |
ハーケンクロイツ(ドイツ語: Hakenkreuz)は、鉤十字のドイツ語。
目次
1 概要
2 ドイツ
2.1 ナチスによる採用
2.2 ドイツ国旗としての使用
2.3 第二次世界大戦後
3 史実の描写に対する影響
4 20世紀のナチスドイツ以外の使用
4.1 アメリカ合衆国
4.2 オーストラリア
4.3 フィンランド
4.4 ロシア
4.5 満州
4.6 日本
5 その他
5.1 マイクロソフトの対応
6 ハーケンクロイツに類似していることが理由で問題になった例
7 脚注
8 関連項目
9 外部リンク
概要
卐はヒンドゥー教におけるシンボルでもある。
鉤十字(まんじ、英語: swastika、スヴァスティカ、スワスティカ)の図案は、古代よりヒンドゥー教や仏教、また西洋でも幸運の印として使用されており、キリスト教では十字の図案の1種でもあり、日本では家紋や寺を示す地図記号などで「卍」(左まんじ)が多く使われている。また逆向きの図案(卐[1])は逆鉤十字、逆まんじ、右まんじとも呼ばれている。
しかし20世紀以降にドイツで民族主義運動のシンボルとされ、1920年にナチスが党のシンボルに、1935年にはドイツ国旗に採用した影響により、ナチズムやネオナチのシンボルとも見なされる事が多い。
ドイツ
ナチスによる採用
ナチスがこのシンボルを採用した経緯は、ドイツの考古学者、ハインリヒ・シュリーマンがトロイの遺跡の中で卐を発見し、卐を古代のインド・ヨーロッパ語族に共通の宗教的シンボルと見なしたためである[2][3]。これに基づき、アーリアン学説のいうアーリア人の象徴として採用したものである。
しかし、元々はエアハルト旅団(コンスルの前身)などドイツの民族主義運動のシンボルとして、また詩的結社グループのゲオルゲ派においても使用されていた。アドルフ・ヒトラーは著書『我が闘争』の中で、支持者からの多くの提案で党旗の最終デザインを選ぶと述べた。ハーケンクロイツは歯科医フリードリヒ・クローンによって提案され、アーリア人優越論のシンボルとされた。一部オカルティストの間では、ルーン文字 S(ᛋ) を重ねて作られたとする説が唱えられている。
ナチ党は赤地の上の白円の中に黒のハーケンクロイツが入ったデザインを使用した。黒、白、赤は帝政時代の国旗に使用されていた色である。ヒトラーは、赤は社会的理念、白は国家主義的理念、ハーケンクロイツはアーリア人種の勝利のために戦う使命を表しているとした。またナチ党は円や背景のないハーケンクロイツも使用した。ナチの鉤十字には二種類が生じた。右回りのものと、その鏡像である。ナチ党は二種類を象徴的に区別しなかったが、右回りのものが一般的に使用された。鉤十字は通常45°回転して描かれた。
ナチスが党のシンボルにハーケンクロイツを採用したことによって、卐は幸運のシンボルからナチスの象徴とみなされるようになった。
ドイツ国旗としての使用
ヒトラー内閣が成立した後の1933年3月5日に総選挙が行われ、ナチ党が勝利した。この後、プロイセンの内相であったヘルマン・ゲーリングは、支配下の公共建造物にハーケンクロイツ旗を掲げさせた。さらに、地方政府の実権をナチス党関係者が掌握する度に、その地方の公共物にハーケンクロイツ旗が掲げられた。こうしてハーケンクロイツを事実上の国旗とする既成事実が作られた。
1933年3月12日の大統領布告で国旗の改正が決まり、黒・白・赤のドイツ帝国旗を暫定的な国旗とし、ハーケンクロイツ旗を国旗に準ずるものと定めた。1935年にはハーケンクロイツ旗が正式なドイツ国国旗となった。第二次世界大戦が勃発すると、連合国側の国々は卐の使用を禁じるようになった(後述)。1945年にドイツは降伏し、ナチ党は解体され消滅した。ハーケンクロイツ旗は国旗として使用されることはなくなった。
第二次世界大戦後
パリの解放時、ドイツと親しいと見なされた女性は、フランス市民により、丸刈りにされて鉤十字を書かれるなどの暴行を受けた。写真中央の女性は、額に鉤十字が書かれている。
第二次世界大戦後のドイツでは、学問的な理由を除き、ハーケンクロイツなどのナチスのシンボルを公共の場で展示・使用することは、民衆扇動罪で処罰される。ただし私有地や個人での所持、思想へ禁止はしていない。ドイツを含めて各国のネオナチの一部は、現在でも使用している。
EUにおいても、ドイツなどのようにハーケンクロイツを鎌と槌とともに公の場で使用することも禁止しようと提案がなされたことがあった(→ヴィータウタス・ランズベルギス)。しかし、西欧各国に存在する共産党やソビエトの反発が強かったほか、ハーケンクロイツの禁止と鎌と槌の禁止の提案自体が盛り上がらず、結局、ハーケンクロイツの禁止提案も鎌と槌の禁止提案も実現しなかった。ドイツが主導する卐禁止をEU全体に拡大する動きに対し、ヒンドゥー教団体は「卐は伝統的に平和の象徴として使われてきた」としてこの拡大案を非難している。
鉤十字に禁止マークを重ねた反ネオナチのマーク
2007年3月17日、ドイツの連邦議会議員クラウディア・ロート(Claudia Roth)は公的な場で反ネオ・ナチ的にハーケンクロイツを扱い、ドイツ連邦裁判所に容認されたため、以後そのような形での鉤十字の使用が容認されることになった(禁止マークを重ねる、ゴミ箱に突っ込まれているなどのイラストで)。私的な場での利用は法的には禁止されていない。
史実の描写に対する影響
ハーケンクロイツが使えないために、ドイツ軍の描写をする際に「史実を忠実に再現する」という意味では劣化させざるを得ない例が存在する。ドイツ軍兵器のプラモデルにおいてはハーケンクロイツがボックスアートでは省略されたり、田の字状になっている他、デカールの形状が2つに分けられ、接着しないとハーケンクロイツの形に見えないようにしている等の対策がされていることが多い。これは鉄道模型(メルクリンなど)でも同様である。その他、ウォー・シミュレーションゲームなどではハーケンクロイツそのものを削除してしまう(「Silent Hunter」シリーズほか)他に「二つに分割」、「十字に置き換え(「第三帝国興亡記」)」、「鉄十字に置き換え」、「オリジナルのシンボルに置き換える(近年の「Wolfenstein」シリーズ)」など規制をかわしている例も見られるが、日本で製作されたソフトの中にはハーケンクロイツがそのまま入っている作品も存在する。
20世紀のナチスドイツ以外の使用
アメリカ合衆国
アメリカ陸軍第45歩兵師団の部隊章であったがドイツの国家社会主義を連想させるとして1939年に廃止された。[4]

アメリカ陸軍第45歩兵師団部隊章[5]
オーストラリア
1916年に撮影されたオーストラリア帝国軍の救急車に描かれた鉤十字(写真中央(左から2番目の人物のベルトの右))
第一次世界大戦時にはオーストラリア軍で使用されていた。
フィンランド
フィンランドではフィンランド政府から支援を受ける民間準軍事組織ロッタスバードが鉤十字を使用した。
ロシア
ロシアではネオナチ政党である国家ボリシェヴィキ党が、ナチス旗を模した赤地に白丸の中に黒色の鎌と槌を配した党旗を使用している。
満州
ロシアファシスト党がシンボルに使用した。

ロシアファシスト党の党旗

ロシアファシスト党の紋章
日本
沢田研二は自身の楽曲である『サムライ』をテレビで歌唱する際、衣装にハーケンクロイツの腕章(ナチス党員章)を使用していたが、テレビ局と事務所(当時所属だった渡辺プロダクション)にクレームが入ったため、これ以降は衣装を変更して出演している。
池沢さとしの漫画『サーキットの狼』では、主要登場人物の一人・早瀬左近の愛車であるポルシェ・911カレラRS2.7の側面にハーケンクロイツのマークが描かれている(なお、自身が率いるポルシェ専門の暴走族も「ナチス軍」という名称である)。漫画には特にクレームは無く再版本でもマークは描かれているが、後年発売されているプラモデルやミニチュアカーでは省略、或いはハーケンクロイツのみ別シールで添付することが多い。
ゆでたまごの漫画『キン肉マン』ではドイツ出身の残虐超人であるブロッケンマンとその息子で残虐超人から正義超人になったブロッケンJr.が、ハーケンクロイツ付きの衣装を着たり、刺青を入れている。1990年代以降の日本でのアニメ再放送では、その部分にボカシが入れられたことがあった。トリスタン・ブルネ[6]は著書「水曜日のアニメが待ち遠しい:フランス人から見た日本サブカルチャーの魅力を解き明かす」にて、フランスでのアニメ放送が中止になったのはこのキャラに負うところが多く、CSA(視聴覚最高評議会)から当時批判があったと指摘している。
バンド氣志團のドラムス担当・白鳥雪之丞は、鉤十字型に頭頂部を刈り込んでいた時期があり、発売されたライブ映像収録DVD(およびテレビでの放送)ではボカシで自主的に対処した。
その他
マイクロソフトの対応
マイクロソフトはハーケンクロイツとダビデの星を共に不適切な記号とし、Microsoft Office 2003に付属のフォントファイル「Bookshelf Symbol 7」からそれらの記号を削除するツールを2004年2月11日に配布した。
ハーケンクロイツに類似していることが理由で問題になった例
徳島藩・蜂須賀家の家紋である「蜂須賀万字」
- 世界
- 第二次大戦の直後、いくつかのアメリカインディアンの種族は、美術品に卍を使用しないとする法令に署名した。卍がナチスをイメージすることによるものだった。
セリエAのサッカークラブ、フィオレンティーナはユニフォーム柄の一部が卍に見える箇所が有るとのクレームで変更に至った。
- 日本 - 特に「卍」が混同されることや、「卍」を表示しようとして誤ってハーケンクロイツを表示してしまったことによるものが目立つ。
少林寺拳法は1947年の創設以来、シンボルマークや胸章に卍を使用してきたが、ヨーロッパでの普及にあたってハーケンクロイツとの混同を避けるため、2005年から新しいシンボルマークに変更している。
ポケットモンスターカードゲームのカードに卍が印刷されていたが、欧米のユダヤ人団体の抗議によりデザインが変更された。- また、全国各地のイベントで卍が印刷されたのぼりやポスターが外国人観光客にハーケンクロイツが印刷されていると勘違いされ問題になることが近年の外国人観光客増加により問題化している。
- 1970年代には青森県弘前市で市章の卍をマンホールのふたに印字する際、間違えてハーケンクロイツを印字してしまい、しかも発注した市役所もふたが設置された道を散策する市民も全くハーケンクロイツが印字されていることに気づかず、市内を散策していたドイツ人の指摘によりふたが回収される事件が発生している。
- 2006年には、徳島市の阿波踊りがドイツで披露された際、浴衣の卍文様を自粛した(徳島藩の藩主である蜂須賀氏の家紋が卍であったため、今でも阿波踊りでは卍をあしらった浴衣がよく見られる)。
脚注
^ この文字はまんじ「卍」の異体字として作字されたもので、ハーケンクロイツとして作字されたものではないが、便宜的に使用している。『大漢和辞典』(諸橋轍次, 大修館書店)を参照。
^ Schliemann, Heinrich (1875), Troy and its remains, London: Murray, pp. 102, 119-120
^ Boxer, Sarah (2000), “One of the world's great symbols strives for a comeback”, The New York Times, 2000-07-29, http://faluninfo.net/displayAnArticle.asp?ID=606
^ “History - From Swastika to Thunderbird”. www.45thdivisionmuseum.com. 2018年8月15日閲覧。
^ “History - From Swastika to Thunderbird”. www.45thdivisionmuseum.com. 2018年8月15日閲覧。
^ スーパーサイヤ人はナチス? フランス人が日本を好きなわけ - Excite Bit コネタ(1/2)
関連項目
- 卍
- 法輪
- 運命の輪
- 十字
国家社会主義ドイツ労働者党(ナチス)
外部リンク
- Heathen World's "I'm Not a Nazi Swastika Gallery"
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||
| ||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||||