サナトリウム
サナトリウム(英: sanatorium)は、長期的な療養(結核等)を必要とする人のための療養所。
目次
1 解説
2 サナトリウムを題材にした作品
2.1 文学作品
2.2 演劇
2.3 実写映画
2.4 アニメ映画
2.5 楽曲
2.6 ゲーム
3 関連項目
解説
かつては結核治療用の施設を指したが、その治癒率が高まった以降は精神疾患や認知症、脳卒中の後遺症など他の病気を含めたものとなっている。
結核治療のため、日当たりや空気など環境の良い高原や海浜に建てられることが多い。
Sanatoriumという言葉は従来からあったSanitarium(保養所)と結核治療施設を区別するため、「健康」を意味するラテン語のsanitasの部分を科学的な治療に、手当の意味を付け加えていることを強調するため、「治る」という意味の動詞sanoに置き換えることで作られた造語である。
日本での最初のサナトリウムは明治20年(1887年)、鎌倉由比ヶ浜に建てられた結核療養所「海浜院」、最大規模のものは茅ヶ崎の南湖院とされる。
サナトリウムを題材にした作品
文学作品
V・P・クラピーヴィン - 『ピラミッド帽子のひみつ』
堀辰雄 - 『風立ちぬ』、『菜穂子』
福永武彦 - 『草の花』
トーマス・マン - 『魔の山』
久米正雄 - 『月よりの使者』
横光利一 - 『春は馬車に乗って』(作中では家屋となっている)、『花園の思想』
太宰治 - 『パンドラの匣』
演劇
青年団 - 『S高原から』
ナイロン100℃ - 『シャープさんフラットさん』
実写映画
- 『人の善意を骨の髄まで吸い尽くす女』(2011年4月9日、コペンハーゲンシアター)
山田真歩扮する主人公の女性が、喘息のためにずっとサナトリウムに入って育ってきたという設定。
アニメ映画
宮崎駿
- 『となりのトトロ』
- サツキとメイの母が入院する七国山病院は、東村山市の「八国山」付近にある保生園(現・新山手病院。[財]結核予防会が運営)をモデルとしている。
- 『風立ちぬ』
- 主人公・二郎の許嫁(のちに結婚する)である菜穂子が入院するサナトリウムとして「富士見高原療養所」が登場する。この名称は、長野県に実在し、堀辰雄が矢野綾子と入院生活を送った療養所(現・富士見高原病院)と同じである。
米林宏昌 - 『思い出のマーニー』
- その建物や療養シーンが描かれるわけではなく、登場人物の言葉の中で、主人公マーニーは配偶者の夭逝による衝撃で患い、サナトリウムに入ることになった、と述べられる形で採り上げられている。
楽曲
メタリカ - 「Welcome home(Sanitarium)」
さだまさし - 「療養所(サナトリウム)」(アルバム『夢供養』に収録)
森田童子 - 「サナトリウム」(アルバム『夜想曲』に収録)
Plastic Tree - 「サナトリウム」
THE NOVEMBERS - 『ウユニの恋人』
the brownies - 「サナトリウムのすべて」(EP『透明に光る青』に収録)
ZUN(上海アリス幻樂団) - 「緑のサナトリウム-Sanatorium in Mountain」(アルバム『伊弉諾物質 〜 Neo-traditionalism of Japan.』に収録)
ゲーム
ステージなな - 『ナルキッソス』
でこポン! - 『いつか降る雪』
ぱじゃまソフト - 『ピアノの森の満開の下』
もものきはうす - 『サナトリウム・オブ・ロマンス』
サガプラネッツ - 『ナツユメナギサ』
任天堂×テクモ - 『零 月蝕の仮面』- U-WORKS - 『サナトリウム』
関連項目
- 転地療養
- 国立病院・国立療養所の一覧
- 国立療養所
- 国立ハンセン病療養所