DVD-Audio
DVD-Audio | |
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メディアの種類 | 光ディスク |
記録容量 | 4.7GB |
コーデック | リニアPCM、MLPロスレス |
策定 | DVDフォーラム |
主な用途 | 音声 |
ディスクの直径 | 12cm |
大きさ | 120×120×1.2mm |
下位規格 | コンパクトディスク |
DVD-Audio(DVDオーディオ)は、1999年にDVDフォーラムにより規格化された、次世代オーディオディスク規格である。民生用ハイレゾリューションオーディオ媒体の最初期の規格でもある。
目次
1 オーディオフォーマット
2 普及状態の推移
3 著作権保護
4 脚注
5 参考文献
6 関連項目
オーディオフォーマット
チャンネル数は最大6(5.1チャンネルサラウンド)、標本化周波数はステレオで最大192kHz、マルチチャンネルで最大96kHz。量子化ビット数は最大24ビット(ダイナミックレンジ144dB)。
普及状態の推移
Hi-Fiオーディオ向けの媒体として、また従来のCD-DAでは不可能であった5.1chサラウンドといったマルチチャンネルオーディオの媒体として期待された[1]が、結果的にはほとんど普及しなかった。次世代のオーディオ媒体としては、同時期に登場した、CD-DAと互換性を持つハイブリッドディスクを制作可能なSuper Audio CD(SACD)に市場を譲る形となり、普及推進のため2002年に発足したDVDオーディオプロモーション協議会も2007年には解散した[2][3][4]。
高音質を要求しない一般層においては、CDの音質ですら十分以上であり、安価で再生の手間が掛からないデジタルオーディオプレイヤーと、記憶装置の空き容量を稼ぐために圧縮音源が普及した。従って、再生装置が大掛かりで高額になりやすいDVD-Audioは、ごく一部の趣味層以外には普及しなかった。また、ハイレゾディスクのみを考慮しても、音質面で優位に立つDSDを採用し、PCでリッピングすることが不可能なSACDに関係各社が21世紀初頭から注力するようになったことが災いし、DVD-Audioで新規に発売されるプレーヤーやタイトルの数は、実用化直後と比較して激減してしまっている。CDより収録時間が長いという売りも、セールスポイントとしては弱すぎた。
2010年代に入ると、インターネット上で音楽作品を購入して、パーソナルコンピュータ・デジタルオーディオプレーヤー・スマートフォンで再生する方法が主となり、物理媒体である光ディスクを購入して再生する方法自体が陳腐化した。従って、現在ではDVD-Audioが果たすべき役割は、Blu-ray Disc(BD-Audio)やハイレゾ音楽配信サービスに取って代わられたと言える。BD-AudioもDVD-Audioと同じく収録時間の長さを売り込んでいるものの、依然としてCD-Rの音質と2chステレオ録音で、ほとんどの聴取者が満足してしまっているという難点がある。これは、たいていの地球上の音楽がそれで間に合ってしまう、という事情に基づくものである。
著作権保護
CPPMが採用されている。
脚注
^ 市川俊一 (2001). “DVDメディアにおけるマルチチャンネル・オーディオの可能性の追求”. Pioneer R&D (パイオニア) 11 (3): 28-36. http://pioneer.jp/corp/crdl_design/crdl/rd/pdf/11-3-4.pdf.
^ “DAP協議会、DVDオーディオの視聴説明会を実施”. AV Watch. インプレス (2004年9月9日). 2017年6月22日閲覧。
^ 校條亮治 (2014-05). “新年度にあたり「ハイレゾは救世主に成りうるか」”. JASジャーナル (日本オーディオ協会) 54: 3-5. http://www.jas-audio.or.jp/jas-cms/wp-content/uploads/2014/05/003-005.pdf#search=%27DVD%E3%82%AA%E3%83%BC%E3%83%87%E3%82%A3%E3%82%AA%E3%83%97%E3%83%AD%E3%83%A2%E3%83%BC%E3%82%B7%E3%83%A7%E3%83%B3%E5%8D%94%E8%AD%B0%E4%BC%9A%27.
^ 西田宗千佳 (2008年). “スーパーオーディオCD”. 知恵蔵. 朝日新聞出版. 2017年6月22日閲覧。
参考文献
- 貝山知弘, DVDオーディオとは, Phile-web, 音元出版, 2014年6月8日閲覧.
小谷野進司; 太田佳樹 (2005). “サラウンドサウンド方式とオーディオアンプ”. 電気学会誌 (電気学会) 125 (4): 229-232. doi:10.1541/ieejjournal.125.229.
関連項目
- 音響機器
- ハイレゾリューションオーディオ
- Super Audio CD
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