鼻音化




鼻音化(びおんか)とは、鼻音以外の音を調音しているときに、口蓋帆が下がって呼気が同時に鼻腔へも抜けることをいう。



概要


国際音声記号では、補助記号[  ̃ ](チルダ)が鼻音化の記号として当てられており、[ẽ][z̃]のように記述する。


鼻音化がおこる代表例は母音であり、母音を鼻音化したものを特に鼻母音(びぼいん)と呼ぶ。鼻音とは違い、口腔内で閉鎖が作られない。日本語では母音、半母音、摩擦音またははじき音の前、あるいは語尾の撥音/ん/が鼻母音または鼻音化した接近音として現れることがある。


(例)けんいち [keẽit͡ɕi]


その他、摩擦音や接近音に鼻音化が見られる例がある。


鼻音は口腔内で閉鎖が作られているので破裂鼻音とも呼ばれる。それぞれ独立した音声記号が用意されているが、破裂口音の側から見れば、鼻音は鼻音化された破裂口音ということができる。


子音(特に破裂音)の前に短い鼻音がついて1音素となることを、前鼻音化という。これはバントゥー諸語やオーストロネシア語族の一部などに見られる。日本語でも古くはダ行・バ行の有声破裂音が前鼻音化したとされ(ガ行は古くから鼻音だったといわれる)、これは東北方言などに残っている。



鼻音化ではない鼻母音


鼻母音は、フランス語、ポーランド語、ポルトガル語などでは音素となっている。つまり、話者の認識において、鼻音ではない母音と区別されているため、この場合は鼻音"化"とは言わない。



関連項目



  • チルダ


  • 鼻母音 (Nasal vowel)


  • 鼻音 (Nasal consonant)


  • 前鼻音化 (Prenasalized consonant)


  • 鼻腔開放 (Nasal release)


  • 口音 (Oral consonant)




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