オートキュイジーヌ






オートキュイジーヌの例


オートキュイジーヌ(仏: haute cuisine)はフランスの伝統的な高級料理を指す。複雑な味付けと手の込んだ飾り付けが特徴である。主に、レストランやホテルなどのコース料理として提供される。元々はフランスの宮廷料理である。hauteはフランス語で「高い」「高級な」、cuisineは「料理」「台所」を意味する。



歴史


オートキュイジーヌは、17世紀あたりから宮廷料理として成立していった
[1]
ルイ14世の宮廷料理人であり作家でもあったフランソワ・ピエール・ラ・ヴァレンヌ(英語版)(1615年 - 1678年)が料理法の変化がおきていることを記している。以前に比べ味付けが少し薄くなり、盛り付け方が洗練された。例えば、肉の塊をだすの止めて、少しずつ切って調理するようになった。またアントナン・カレーム(1784年生まれ)が初期フランス料理の複雑な調理法を単純化、明文化している(ただし、カレーム自身の料理についていえば、今日から見て贅沢なものが多い)。


1900年頃、オーギュスト・エスコフィエによってオートキュイジーヌはより現代的なものに変化させられた。彼は、カレームやジュールズ・グーフェ(英語版)などの料理をより簡素なものに作り変えた。これらは、キュイジーヌクラシック(英語版)としても知られる。また、これらの料理を大きなレストランやホテルで提供するようになった。
最も大きな変化としては、料理がコース化されたことである。それまでフランスでは一度に全ての料理を提供していたが、当時のロシアのように料理を一つ一つ順番にだすコースに変化した。また、エスコフィエによって料理はよりシステム化され、ソースや調理などの方法が整理された。


1960年代、ヌーベルキュイジーヌという料理が台頭してきた。これは言ってしまえば、エスコフィエの料理の否定であり、より軽く、より簡素な料理へと変化した。特に素材の自然な味が重視するようになった。
ところが、ここ20年ほどは、またオートキュイジーヌへの回帰が起きている。[2]



脚注





  1. ^ 高平 鳴海, 愛甲 えめたろう, 銅 大, 草根 胡丹, 天宮 華蓮 『図解 食の歴史』 新紀元社、2012年、174-175頁。ISBN 978-4775310007。


  2. ^ Mennel, Stephan. All Manners of Food: eating and taste in England and France from the Middle Ages to the present. 2nd ed., (Chicago: University of Illinois Press, 1996), 163-164.








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