特別指定選手
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特別指定選手制度(とくべつしていせんしゅせいど)は日本サッカー協会がユース世代のサッカー選手に対して、所属クラブ・連盟の枠を超えて高いレベルでのプレーができる機会を与えるための制度である。男子選手のための制度と女子選手のための制度とがある。フットサル・男子バスケットボールにも同様の制度が敷かれている。
目次
1 特別指定選手制度 (男子)
2 特別指定選手制度 (女子)
3 特別指定選手制度 (フットサル)
4 特別指定選手制度 (バスケットボール)
5 脚注
6 関連項目
7 外部リンク
特別指定選手制度 (男子)
「JFA・Jリーグ特別指定選手制度」が正式な名称であり、対象者は全日本大学サッカー連盟、全国高等学校体育連盟、または第2種日本クラブユースサッカー連盟のいずれかに加盟しているチームの登録選手、受け入れ先はJリーグ所属クラブである。
JFA技術委員会が、上記3連盟の意向に基づき推薦選手を発表して各Jリーグクラブへ通達し、クラブ側は推薦選手、または指定選手としての加入を希望する選手を選び、当該選手の所属先のクラブと交渉し、合意が得られた場合、申請書・覚書・活動計画書・メディカルチェック結果を技術委員会に提出する。技術委員会で承認された場合、その旨がクラブ側に連絡され、またJリーグ選手証が発行される。
受け入れ先クラブには毎月活動報告書・翌月の活動計画書をJFAに提出し、承認を得る義務が生じる。もし報告書・計画書上における実績が制度上そぐわないと判断された場合、認定が解除される場合もある。
当初このシステムは1998年に強化指定選手という名称で始められ、当初は高校生のみが対象だった。矢野隼人(1999年指定、当時の所属は帝京高等学校)がヴェルディ川崎(現・東京ヴェルディ)で出場したのが、この制度によって実際にJリーグの公式戦に出場した最初の例である。この前後にも毎年10人前後が強化指定を受けていたが、公式戦に出場できたのはごくわずかであった。
この反省に立ち、2003年から制度が変更され、現在の「特別指定選手」という名称に改められた。主な変更点は、大学生に対する門戸開放、指定期間の短縮(1年→4ヶ月)、Jリーグクラブからの能動的な申請(従来は協会側の推薦する選手に限られていた)などである。指定期間については、2004年からはさらに1ヶ月単位と短くなった。
2018年からは受入先のJクラブにプロ選手として加入が内定している選手(契約内定選手)であることが条件となった[1]。
歴代の強化指定選手・特別指定選手については、特別指定選手としてJリーグクラブに登録された選手一覧を参照のこと。
特別指定選手制度 (女子)
2007年に設立された。対象者は日本サッカー協会に登録されている選手のうち、日本女子サッカーリーグ(なでしこリーグ)および同リーグ所属クラブの下部組織チームに所属していない選手である。男子側の制度と大きく違う点は以下の3点である。
- 審査担当が技術委員会ではなく女子委員会であること
- 男子側の制度に比べて受け入れ先となる日本女子サッカーリーグ所属クラブ側に自由が認められていないこと (推薦選手以外を特別指定選手とすることができず、また受け入れ先クラブを女子委員会側が調整するため、全てのクラブが受け入れ先となれる訳ではない)
- 1月ごとに活動報告書・活動計画書の承認を得る必要がないこと
選手が決定されるプロセスは以下の通りである、まず女子委員会委員・女子ナショナルチームのコーチングスタッフ・ナショナルトレセンコーチらにより推薦選手が決定される。委員会にて選手および所属先クラブの合意が得られた場合、特別指定制度候補選手のリストが日本女子サッカーリーグに通知される。受け入れ先クラブを女子委員会で調整した後、協会・選手および保護者・選手所属先クラブ・受け入れ先クラブ・選手の通学先の5者間で活動期間やその内容、計画などを協議し、関係各所 (リーグや全日本大学女子サッカー連盟など) へ確認した上で女子委員会にて特別指定選手として認定し、受け入れ先クラブに通知し、また選手証が発行される。その後5者間で覚書が作成され、技術委員会および理事会へと報告される。
活動期間は日本女子サッカーリーグのシーズン期間いっぱいまで設定されているが、中途で指定を解除することも可能である。
歴代の特別指定選手については特別指定選手 (女子) 一覧を参照のこと。
特別指定選手制度 (フットサル)
2014年に設立。対象者は日本サッカー協会フットサル加盟登録選手のうち、Fリーグに出場していないチームに所属する選手。受け入れ先はFリーグ所属クラブとなる。
申請はフットサル委員会によって審査・認定される。3ヶ月の認定期間毎に活動報告書を提出し、活動実績が認められれば認定期間を延長できる。また、1クラブで同時期に登録できる人数は3人に限られる。
登録選手はほとんどがFリーグクラブのサテライト所属選手であり、それ以外ではカティオーラ アズナの山口敬太(2014-15、バサジィ大分)、多摩大学の石田健太郎(2016-17, 2017-18, 2018-19、バルドラール浦安)等数例である。
特別指定選手制度 (バスケットボール)
2016年にBリーグ発足とともに設立。対象者は全日本大学バスケットボール連盟および全国高等学校体育連盟のいずれかに加盟するチームの16歳から22歳までの選手。受け入れ先はBリーグまたはB3リーグ所属クラブとなる[2]。
各クラブが特別指定選手として登録することができるのは2名までで、契約期間は3ヶ月まで[3]。
脚注
^ 【プレビュー】プロ予備軍と東京五輪世代の宝庫・関東大学リーグ開幕…特別指定選手の制度変更にも注目 - ニコニコニュース、2018年4月7日
^ “選手契約および登録に関する規程” (PDF) (プレスリリース), (2016年6月1日), https://www.bleague.jp/about/pdf/r-26.pdf
^ “現役大学生プレーヤーが相次いでBリーグデビュー、国内最高のレベルで戦う『特別指定選手』の活躍を追う!”. バスケット・カウント. (2017年1月26日). http://basket-count.com/article/detail/1696 2017年7月30日閲覧。
関連項目
- 日本サッカー協会
- 日本プロサッカーリーグ
- 日本女子サッカーリーグ
- 日本フットサルリーグ
- ジャパン・プロフェッショナル・バスケットボールリーグ
- アーリーエントリー
2種登録選手 - 男子高校生年代が所属するサッカーチームに所属しながら、Jリーグ公式戦に出場することを認められた男子サッカー選手。男子高校生年代の特別指定選手もこれに含まれる。
外部リンク
JFA・Jリーグ特別選手指定制度(男子) - 日本サッカー協会- 女子:特別指定選手制度
- Fリーグ:特別指定選手制度