ラーオドコス
ラーオドコス(古希: Λαόδοκος, Lāodokos)は、ギリシア神話の人物である。長母音を省略してラオドコスとも表記される。主に、
アンテーノールの子
デルポイを救った英雄
のほか、数名が知られている。以下に順に説明する。
目次
1 アンテーノールの子
2 デルポイを救った英雄
3 その他のラーオドコス
4 脚注
5 参考文献
アンテーノールの子
このラーオドコスは、アンテーノールとテアーノーの子の1人で、トロイア戦争におけるトロイア軍の武将の1人。パリスとメネラーオスがヘレネーをかけて一騎討ちの勝負をしたとき、トロイア軍とギリシア軍は休戦の協定を結んで勝負を見守ったが、不利になったパリスをアプロディーテーがさらって逃げた[1]。このため神々はトロイア側に休戦協定を破らせることにし、アテーナーはラーオドコスに化けてパンダロスに話しかけ、メネラーオスを攻撃するようそそのかし、協定を破らせた[2]。
デルポイを救った英雄
このラーオドコスは、前279年、ケルト人がデルポイを攻撃したとき、落雷とともに現れてデルポイを守ったとされる3ないし4人の英雄の1人。アマドコスとも。4人のうちラーオドコスとヒュペロコスはヒュペルボレオス人の英雄で、他の1人はアキレウスの子ピュロス(ネオプトレモス)、もう1人はデルポイの英雄ピュラコスであったという[3][4]。
その他のラーオドコス
アポローンとプティーアーの子で、ドーロス、ポリュポイテースと兄弟。アイトーロスによって兄弟ともに殺された[5]。
ビアースとペーローの子。兄弟のタラオス、アレイオスとともにアルゴナウタイに参加した[6]。
テーバイ攻めに参加した戦士で、七将が初めてネメアー競技祭を開催したとき、槍投げで勝利した[7]。
プリアモスの子の1人[8]。
アンティロコスの部下[9]
脚注
^ 『イーリアス』3巻。
^ 『イーリアス』4巻(上巻p.115-116)。
^ パウサニアス、1巻4・4。
^ パウサニアス、10巻23・2。
^ アポロドーロス、1巻7・6。
^ ロドスのアポローニオス、1巻118行-120行。
^ アポロドーロス、3巻6・4。
^ アポロドーロス、3巻12・5。
^ 『イーリアス』17巻(下巻p.190)。
参考文献
アポロドーロス『ギリシア神話』高津春繁訳、岩波文庫(1953年)- 『オデュッセイア/アルゴナウティカ』松平千秋・岡道男訳、講談社(1982年)
パウサニアス『ギリシア記』飯尾都人訳、龍渓書舎(1991年)
ホメロス『イリアス(上・下)』松平千秋訳、岩波文庫(1992年)- 高津春繁『ギリシア・ローマ神話辞典』、岩波書店(1960年)