妊娠中絶
妊娠中絶(にんしんちゅうぜつ、英: abortion)とは、何らかの原因で妊娠が終結し、かつ、胎児が死亡したことを言う。それが自然に起こった現象であろうと、人為的に引き起こされた現象であろうと問われない。
日本においては、妊娠中絶の時期により「流産」と「死産」の2つの用語で表記することが正式とされている。
日本において、単に「中絶」や「妊娠中絶」と言うと世間一般では人工妊娠中絶のことを指すことが多く、性交後に対応する緊急避妊のことを中絶と呼ぶ場合もあるが、医学上は自然妊娠中絶(一般的な意味での流産)の場合も含まれる。各項目の記述を参照。
区分・定義
- 要因による区別
自然流産、自然死産:(自然妊娠中絶: spontaneous abortion )
人工流産、人工死産:(人工妊娠中絶: induced abortion )
- 日本産科婦人科学会による定義
流産:妊娠12週未満の妊娠の中絶によって胎児が死亡した場合のこと[1]。胎児が母体外で生存できない時期における妊娠の中絶を意味する。
死産:妊娠12週以降の妊娠の中絶によって胎児が死亡した場合のこと。
妊娠中絶に利用されることのある薬
かつては妊娠中絶を目的として、パセリなどに含有されるアピオールを用いたこともあり、妊娠中絶目的ではなくアピオールを含んだ食物を誤食したことが原因で流産に至る場合があることも知られている[2]。医薬品としては、他にプロスタグランディン類のミソプロストールやジノプロストンが利用されることもある。また、脳下垂体後葉から分泌されるホルモンの1種であるオキシトシンを使用する場合もある。この他に、合成ホルモン剤でステロイド骨格を持ったミフェプリストンが用いられることもある。
出典
^ 流産・切迫流産 - 日本産婦人科学会
^ Sage-Femme Collective (2008). Natural Liberty: Rediscovering Self-Induced Abortion Methods. Sage-Femme Collective. ISBN 978-0964592001.